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英クーデター? 問題山積みが好きな大統領、長短金利逆転は景気後退か

3/25(月)「英クーデター? 問題山積みが好きな大統領、長短金利逆転は景気後退か」

総括「日本 1-3月はマイナス成長か 輸出減少でも5か月ぶり貿易黒字」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=107-112、ユーロ円=122-127 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス3月22日東京引け3月15日からの変化(2015年=100)円111.9強し、ドル105.1弱し、ユーロ107.9強し、ドルインデックス NYBOT 96.55強し、原油59.04強し、金1312強し、DOW 25502弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け195.18強し IMM円投機筋3月19日 円-59221(前週比-440)、ユーロ-77704(前週比-1959)

1.(今週の予定)

25(月)日 全産業活動指数 独 IFO景況指数
26(火)NZ 貿易収支 日 企業向けサービス価格指数 米 住宅着工件数 建設許可件数 S&P/ケースシラー住宅価格 CB消費者信頼感  メキシコ 小売売上
27(水)NZ 政策金利 中 工業企業利益 独 小売売上 米 貿易収支 経常収支 加 貿易収支 メキシコ 貿易収支
28(木)ユーロ圏 業況判断指数  米 GDP(確報値) 新規失業保険 南ア 政策金利 独 消費者物価 米 中古住宅販売保留 メキシコ 政策金利
29(金)NZ 住宅建設許可 日 雇用統計 東京消費者物価 鉱工業生産 スイス KOFスイス先行指数 独 雇用統計 英 GDP(確報値) ユーロ圏 消費者物価 米 個人所得個人支出   PCEコア・デフレータ シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)新築住宅販売件数

(来週の予定)

1(月)豪 NAB企業信頼感 中 財新製造業PMI 英 製造業PMI ユーロ圏 失業率 米 小売売上 ISM製造業景況指数 建設支出
2(火)豪 住宅建設許可 RBA政策金利 スイス 消費者物価 英 建設業PMI  ユーロ圏 生産者物価 米 耐久財受注
3(水)豪 貿易収支 小売売上 中 財新サービス業PMI トルコ 消費者物価 生産者物価 英 サービス業PMI  米 ADP民間雇用者 ISM非製造業景況指数
4(木)独 製造業受注 米 新規失業保険 加 Ivey購買部協会指数
5(金)独 鉱工業生産 ユーロ圏 小売売上 米 雇用統計 加 雇用統計

2.総括「日本 1-3月はマイナス成長か 輸出減少でも5か月ぶり貿易黒字」

*円「通貨8位、株価10位、1-3月はマイナス成長か 輸出減少でも5か月ぶり貿易黒字」

 昨年10月以来、貿易赤字だったが2月は3390億円の黒字となった。ただ輸出は3か月連続で減少となり中味が悪い。月例経済報告では「輸出や生産の一部に弱さもみられる」と、下方修正の文言を付け加えながらも「緩やかに回復している」とし、景気の基本認識そのものは維持した。
 資金循環統計によると、2018年末の個人(家計部門)の金融資産残高は前年末比1.3%減の1830兆円と、10年ぶりに前年末を割り込んだ。昨年末にかけて株価が急落したことが水を差した形だ。個人金融資産のうち、株と投信の残高は18年末で242兆円と、前年から41兆円減少した。このうち40兆円は株安で資産の評価額が目減りしたためだが、残る1兆円は株・投信を手放したことによるものだ。
 今年は消費増税の10%への引き上げが予定されており、経済指標が落ち込んでも景気判断は「緩やかな成長」が繰り返されている。欧米や中国が景気減速を示唆しているのに日本だけが緩やかな成長はあり得ない。至る所で値上げ発表や公共料金の引き上げがあるのに、消費者物価が上がらない。長期金利はマイナス0.08%に低下した。日銀が金融緩和をしながらの増税があるのだろうか。外需の弱さを設備投資と消費の内需で補えず、19年1-3月期のGDPは、前期比マイナスに転落する懸念を示している。
 他の国は景気減速で通貨が下がり、景気回復へ繋げていくが、日本は景気減速で円高となる傾向がある。先行き心配だ。

*米ドル「通貨7位、株価(NYダウ)8位、問題山積みが好きな大統領、長短金利逆転は景気後退か」

 今年のドルは円よりは若干強いが全体では強くもなく弱くもない。珍しいことだが、市場よりFRBが弱気というか悲観的である。FRBは今年の経済成長率は2.1%とし、前回見通しの2.3%から引き下げた。失業率見通しは3.7%と、前回から若干引き上げられた。今年のインフレ率見通しは1.8%。前回見通しは1.9%だった。 FRBは年内の利上げはない公算が大きいことを示唆した。
 先週金曜日は、3月の製造業PMI速報値が前月比0.5ポイント低下の52.5と、2017年6月以来約2年ぶりの低水準になった。これを受け米債券市場では3カ月Tビルと10年債 の利回りが07年以来、約12年ぶりに逆転した。米長短金利が逆転し、米国がリセッション入りするとの懸念が高まった。
 トランプ大統領は種種雑多な問題を抱えているが、岩盤支持層もあり、支持率の急落はしていないが、落ち着かない日々は続いているだろう。ロシア疑惑、メキシコ国境の壁問題、財政赤字拡大、海外では貿易戦争、北朝鮮問題、中東問題(イラン、トルコ、ゴラン高原)などがある。株価頼みなところがある。FOMCのハト派姿勢は結果的に大統領に協力することとなっている。さてトランプ大統領がFRB理事に指名した保守系経済コメンテーターのムーア氏は、昨年12月に実施した利上げは「重大な過ち」とし、最近の金融政策の方向転換に「ほっとしている」と語っている。ただ、利下げを実施すべきかとの質問に対しては「分からない」とし、「根拠やデータを見極め、引き締め過ぎか緩め過ぎかを判断していくことは興味深い」と語った。
 今週は貿易収支の発表がある。恒常的な米国では貿易赤字が拡大することは長期的には耐えられない。

*ユーロ「通貨11位 株価(独DAX)11位、日本と違って景気減速で通貨が下落するまっとうな動き」

 トルコや南アは通貨下落するとインフレ高騰にも繋がるので神経質となるが、ディスインフレの下の日米欧、オセアニアなどでは通貨下落を持ち望んでいるので、今年のユーロの対ドル、対円での1%程度の下落は何も問題がないだろう。ただ膨大な貿易黒字のユーロ圏であるのでユーロの暴落はあり得ない。概ねボリンジャーバンド内での動きとなる。先週前半は3月ZEW景気期待指数が改善して上昇で始まったが、先週末のユーロの下落は独の3月製造業PMIが3カ月連続で下回ったことを受け、欧州経済鈍化が広がるとの懸念が高まったことによるものだった。3月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)も前月、予想を下回った。今年はEU離脱のポンドよりも弱い。またイタリアが中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に関する覚書に署名するなどまとまりもなくなっている。一時EU離脱観測もあったイタリアだけに、規律の厳しいEUから外に救いを求めているのだろう。
 1月のユーロ圏の経常収支は370億ユーロの黒字で、黒字幅は前月の160億ユーロから2倍以上に拡大した。 ユーロは日本と違って景気減速で通貨が下落し景気回復に寄与するするまっとうな動きをする。

*英ポンド「通貨最強維持、株価13位、保守党クーデター?中銀は離脱準備が出来ているという」

(週末の報道ではメイ氏の身内である保守党議員らが首相おろしを画策しているとの憶測が広がり出した)

 先週、ポンドは下落したものの依然、年初来最強通貨だ。FT株価も年初来7.13%高と悪くはない。市場はEU離脱をそれほど悲観していない。メイ首相は、議会がこれまで2回否決したEU離脱協定案について、承認に向けた支持が十分でない場合、再上程しない可能性があることを示唆した。EU首脳会談は、英国のEU離脱を巡り、メイ英首相がEUと合意した離脱協定案が英議会で承認されない場合、4月12日まで離脱日を2週間延期し、それまでに新たな計画を示すか、合意なき離脱を選ぶか決断するよう求めた。
 一方、英中銀は大部分の英企業はEUと条件などで合意しないままに離脱する事態に十分準備ができているとしたことを明らかにした。
約300社の企業への調査では、約80%の企業が合意なき離脱、もしくは移行期間なしの離脱に対し「準備できている」と回答。この割合は1月時点の50%から上昇した。ただ、企業も、合意なき離脱、移行期間なしの離脱のシナリオ下では、向こう1年間に生産、雇用、投資が大幅に落ち込むと予想している。
 2月の小売売上は前月比0.4%、前年比4.0%上昇した。前年比での上昇率は2年ぶり高水準となった1月の4.1%からやや減速したものの、EU離脱期日が迫る中でも英国の個人消費が堅調に推移していることが裏付けられた。 ただ3月末に英国が無秩序にEUを離脱した場合、物価が上昇するとの懸念から、消費者の間で購買を前倒しする動きが出た可能性があるともされている。
 また離脱撤回を求める声が広がり、英議会のウェブサイトに用意された離脱撤回を求めるオンライン嘆願書に100万件を超える署名が集まっている。 議会は署名が10万件に達した場合は議会で討議に取り上げることを検討する必要がある。


*人民元「通貨4位、先週も株価上昇、年初来24.47%高、米国以外にも積極経済外交」

 上海総合指数は他国市場と異なり、先週も2.73%上昇、年初来24.47%上昇となり3100台へのせた。政府は景気支援を強化している。過去に実施したような大規模な刺激策は取らないとしているが、李克強首相は先週、追加の減税・インフラ投資を発表した。これが株価の再上昇を生み出した。通貨も政府がコントロールしているのか一歩的な元高にならず安定している。
 米中貿易戦争での景気減速があるが、イタリアと中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」に関する覚書に署名するなど、米国以外との積極経済外交を続けている。
米中通商協議では貿易協議を今週開く。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らが北京を訪れる。合意事項を破った場合の罰則規定などを巡って対立しており、首脳会談での決着に向けて妥協点を見いだせるかが焦点となる。ライトハイザー氏とムニューシン米財務長官が中国の劉鶴副首相と会う。次の週には劉氏がワシントンを訪れることを計画している。合意時期の目標は4月末としている。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨6位、株価6位、弱い指標が多いが雇用は好調」

 弱い4Q・GDPや消費者信頼感指数、住宅価格の下落があるが、労働市場のトレンドは引き続き好調だ。2月雇用統計は、就業者数の伸びが続いたことで失業率が約8年ぶりの水準に低下した。統計を受けて中銀による利下げの観測が後退した。2月の失業率は4.9%と、2011年6月以来の低水準となった。 就業者数は前月比4600人増加。増加分は全てパートタイムだった。
就業者数は年率2.3%のペースで増加しており、人口増加率の1.6%を上回っている。
 RBA議事録(3月分)では中銀が金利据え置きを決定するに当たり、住宅価格の下落による個人消費への悪影響と堅調な労働市場のバランスを取ろうとしたことが明らかになった。 議事要旨によると、住宅ローン需給の落ち込みや、住宅市場の冷え込みが国内経済に及ぼす影響について、かなりの時間を割いて議論したとのことである。
 今年は強くもなく弱くもない豪ドルであるが、先週末の下落は、欧米の景気減速でリスクオフとなったことからである。また中国への貿易依存度が強い国であるので米中通商協議の推移や上海株の動きが影響する。
 
*NZドル「通貨3位、株価9位、今週の政策金利は据え置きか、国内指標はまずまず」 

 引き続き国内経済指標はまずまずである。インフレは抑制されている。18年4Q・GDPは0.6%増となり、3Qの0.3%増から2倍に加速した。ただ、物価上昇の兆候はほとんど見られず、中銀が当分の間、金融政策を緩和的に維持する可能性を示唆する格好となった。 今週、中銀は、政策金利を1.75%に据え置くと予想されている。 GDPへの寄与度では家計が0.8%と堅調だった一方、在庫は重しとなった。 前年比では2.3%増となり、伸びは予想の2.5%を下回ったほか、3Qの2.6%からも減速した。2月の製造業パフォーマンス指数は53.7と、前月の53.1からやや上昇した。生産と新規受注が回復した。 今年は豪経済より堅調で豪ドルNZドル相場は下落(NZドル高)となっているが、通貨高で株価は豪の方が上昇率が高い。NZドルが下落するとすれば海外要因からとなる。

*南アランド「通貨9位、株価15位、計画停電、ムーディーズ格付け見直し、政策金利」 

 1月小売売上が前月、予想を上回った。また2月消費者物価指数も4.1%(インフレターゲット3-6%)落ち着き、ランドも先週は小幅上昇でスタートしていたが、先週末の欧米指標悪化や中東緊張もありリスクオフとなり下落した。2018年の南アへの海外からの直接投資(FDI)は707億ランドと、前年の268億ランドから急増し、5年ぶりの高水準となった。ラマポーザ大統領が、景気押し上げに向け投資の誘致を目指すと表明していたことの成果がでた。 今週は28日に政策金利決定があるが据え置きが予想されている。軟調なランドが推移が物価を押し上げるリスクがあることから、年内の利下げは恐らくないとみられている。
 悪材料は電力大手のエスコム社の計画停電で、GDPを縮小させると予想されている。また政府債務が増大している南アだが、唯一投資適格級に格付けしているムーディーズが南アの格付けを見直す(変更日未定)。

*トルコリラ「通貨最下位、株価7位 対米関係悪化で昨夏以来の暴落」

 経済というより対米関係悪化でリラは大幅下落。先週は対円で7%下落し、年初来では8%の下落となった。3月の消費者信頼感指数が59.4となり2月の57.8から上昇したり、政府が、自動車、その他製品を対象とする減税措置の延長と一部外貨預金の源泉徴収税率の引き上げを発表したが下落を抑制することはできなかった。
 トランプ大統領がゴラン高原について、イスラエルの主権を認める時が来たと表明したことを受けてエルドアン大統領は、地域に新たな危機をもたらすと警告した。またトルコによるロシア製地対空ミサイルシステムS-400の購入が、F35の安全性に影響を与えるということを米国がトルコのエルドアン大統領に納得させることができなかった。米国は、トルコへのF-35戦闘機の供給準備を停止する可能性を検討しているという。
 昨年8月のトルコによる米国人牧師の拘束に対して米国がトルコへ経済制裁をかけてリラが暴落したことの悪夢が蘇った。今回のほうが問題は二つあり、修復に時間がかかりそうだ。
3月末の地方選挙も与党の勝利が約束されているわけでもない。不穏な日々が続く。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「一気にボリバン下限を下抜く」

日足、3月14日-15日、13日‐14日、8日-13日の上昇ラインを次々と下抜く。3月20日-22日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限下抜き。5日線下向き。1月31日-3月22日の上昇ラインがサポート。
週足、1月28日週-3月11日週の上昇ラインを下抜く。3月4日週-3月11日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、12月-1月の下降ラインを上抜く。1月は下ヒゲ長く2月の戻しへ。18年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。19年1月-2月の上昇ラインがサポートだが下抜きそうだ。
年足、3年連続陰線だが、今年は陽線スタート。15年‐17年の下降ラインを上抜くか。16年-18年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル=「ボリバン上限から急落」 

日足、ボリバン上限から急落。3月8日-22日の上昇ラインがサポート。3月21日‐22日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限は1.12前半。5日線下向き。
週足、2月11日週-18日週の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限も下抜いたところから戻すも先週は上ヒゲが長い。1月7日週-3月18日週の下降ラインが上値抵抗。3月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。
月足、18年11月-12月、17年1月-19年2月の上昇ラインを下抜く。19年1月-2月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限は1.1080。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「連続の長い上ヒゲから急落」 

日足、3月14日から20日まで上ヒゲが続き、20日の長い上ヒゲで下落。22日はボリバン下限を突き抜ける。3月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。
。5日線上向き。
週足、3月4日週-11日週の上昇ラインを下抜ける。12月31日週-3月18日週の上昇ラインがサポート。3月4日週-18日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、19年1月-2月の上昇ラインを下抜く。18年9月-10月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限近いところから反発。16年6月-19年1月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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