野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

去年と様変わり、円は最強から最弱へ、トランプ威嚇が再開するが

3/4(月)「去年と様変わり、円は最強から最弱へ、トランプ威嚇が再開するが」

総括「米 雇用、ベージュ、中 貿易 全人代 ECB  豪週間 トルコCPI 政策金利など」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=109-114、ユーロ円=125-130 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス3月1日東京引け2月22日からの変化(2015年=100)円111.1弱し、ドル105.3弱し、ユーロ108.1弱し、ドルインデックス NYBOT96.44弱し、原油55.8弱し、金1299弱し、DOW 26026弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け193.38弱し IMM円投機筋2月19日 円-37461(前週比-6719)、ユーロ-74934(前週比-11034)

1.(今週の予定)

4(月)豪 住宅建設許可 トルコ 消費者物価 生産者物価 英 建設業PMI ユーロ圏 生産者物価 米 建設支出
5(火)全人代 豪 経常収支 中 財新サービス業PMI RBA  政策金利 スイス 消費者物価 英 サービス業PMI 南ア GDP ユーロ圏 小売売上 米 新築住宅販売 ISM非製造業景況指数 
6(水)豪 GDP トルコ 政策金利 米 ADP民間雇用者 貿易収支 加 Ivey購買部協会指数 政策金利 ベージュブック
7(木)日 貿易統計 景気動向指数 豪 貿易収支 小売売上 スイス 失業率 ECB 政策金利 米 新規失業保険 加 住宅建設許可 メキシコ 消費者物価指数(隔週)
8(金)日 GDP(確報値) 家計調査  消費動向指数 国際収支 企業倒産 景気ウオッチャー調査 中 貿易収支 独 製造業受注 米 雇用統計 住宅着工  建設許可 加 雇用統計 住宅着工  

(来週の予定)

11(月)独 鉱工業生産 貿易収支 トルコ 経常収支 独 経常収支
12(火)英 鉱工業生産 貿易収支  米 消費者物価
13(水)日 機械受注 ユーロ圏 鉱工業生産 米 生産者物価 耐久財受注  メキシコ 鉱工業生産
14(木)中 小売売上 鉱工業生産  米 小売売上 新規失業保険 輸入物価 加 新築住宅価格 
15(金)日銀金融政策決定会合 トルコ 失業率 ユーロ圏 消費者物価 鉱工業生産 設備稼働率 NY連銀製造業景気指数 ミシガン大学消費者信頼感 JOLT労働調査 対米証券投資

2.総括「米 雇用、ベージュ、中 貿易 全人代 ECB  豪週間 トルコCPI 政策金利など」

*円「通貨最下位、株価10位、去年と様変わり、円は最強から最弱へ」

 ついに円は年初来最弱通貨となった。昨年の今頃は最強通貨であった。何が変わったかというと貿易収支で、昨年は黒字、今年は赤字に転じている。ただ今年の赤字化はいつになく輸出の減少という形なので製造業の先行きが心配である。2月の月例経済報告で、14の景気判断項目のうち「生産」が40カ月ぶりに下方修正された。中国向けの電子部品などの落ち込みが響いた。今週も2月上中旬の貿易統計が発表されるのでチェックしておきたい。2月はリパトリ玉の円買いも出ているがそれを上回る貿易赤字による円売りが出ているのだろう。
 トランプ米大統領は、日本との貿易について「とても不公平な状態が続いており、それを安倍首相も認めている」と述べ、自動車分野の対日赤字などに改めて不満を表明した。今春にも日米間で正式に始まる貿易協定交渉に厳しい姿勢で臨む方針をにじませた。トランプ大統領は「日本は長年、何百万台もの自動車を送り込んできた」と主張。早期に交渉入りし、不公平貿易の是正を迫る考えを示した。ただ中国が世界貿易市場に本格参入する前の日本の膨大な貿易黒字時代ならトランプ大統領の発言は即円高に反応したが、貿易赤字になりつつある日本では効果は薄いだろう。
 ベトナムからワシントンへ戻ったトランプ大統領は、早速、パウエル議長を批判した。「米国にとって好ましいドルの水準を求めている。外国と事業取引するのを妨げるような強すぎるドルは求めていない。利上げを好み、量的引き締めを好み、非常に強いドルを好む紳士がFRB内に1人いる」と述べ、パウエル議長を暗に批判した。

*米ドル「通貨8位、株価(NYダウ)6位、米国は貿易赤字拡大でドル安、株高に繋がるので良いではないか」

 合意なきまま終わった米朝首脳会談、トランプ大統領の元顧問弁護士コーエン被告の政権に痛手を与える証言、ねじれ国会などがありトランプ大統領も前途多難だが、相場のトレンドを決める材料ではない。為替需給の方が大事だ。18年12月の貿易赤字は前月比12.8%増の795億ドルとなった。輸入が増えたことも赤字拡大の要因だった。12月は輸出が2.8%減少する一方、輸入が2.4%増加した。対中国を始め米国が仕掛けた貿易戦争の効果が全くないというか逆効果が出ている。貿易不均衡を無理やり改善するのは難しい。米国からそれぞれ国民が自ら欲する商品が続々と出ないと無理であるがそういうものはない。中国は大豆やボーイング機の輸入を増やすというが長続きはしない。そもそもトランプ大統領は何故貿易不均衡が発生するかの理由が解っていない。関税操作では改善するわけがない。今年の米ドルは強そうに見えるが、同じく貿易赤字に陥っている日本の円に強いだけで、全体的には今年は弱い。ただドル安は株高に繋がっている。株高を維持するのは今のままが一番いいのではないか。
 米国の貿易はシャッター通りの商店街が大型スーパーに無理難題をふっかけているような気もする。

*ユーロ「通貨9位 株価(独DAX)9位、指標改善でユーロも株価も上昇」

ユーロも欧州株価も引き続き上昇。
前回触れたように、先々週あたりから弱い指標一辺倒から、若干改善するものも出てきている。先週もそうであった。2月ユーロ圏CPIは、前年同月比1.5%上昇と、前月の1.4%上昇を上回った。 食品・エネルギー価格が上昇した。 1月のユーロ圏失業率は7.8%で、2008年10月以来の低水準となった。2月の独の失業者数は予想を大幅に上回る減少となり、1月の小売売上高は大幅に増加した。2月の独の失業者数は前月比2万1000人減の223万6000人。予想(5000人減)を大幅に上回る減少となった。失業率は1990年の東西ドイツ統一以降で最低となる5.0%を維持した。
1月の小売売上高は、前月比3.3%上昇し、2016年10月以降で最大の上昇を記録した。
 ただECBはユーロ圏の景気減速を受けて、中銀預金金利の引き上げを来年に先延ばしする見通しで、新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)を近い将来に導入するとみられる。
今週のECB理事会ではフォワードガイダンスは変更されず、TLTROに関する正式な発表もないと予想されている。

*英ポンド「通貨1位、株価15位、年初来で最強通貨 準備万端にパニックはない」

 メイ首相は、EUと合意した離脱案の修正が議会で否決された場合、「合意なき離脱」と「離脱延期」の双方について2週間以内に議会で採決を行うことを提案した。
3月末の離脱期限の延期を初めて選択肢に加えることで、差し迫った合意なき離脱の危機を回避する。EUと合意した離脱協定案が1月に議会で否決されたことを受け、EUと修正案の協議を重ねている。3月12日までにEUと合意し、離脱協定案の2回目の採決を議会で行う方針を示している。 メイ首相が、合意なき離脱を避けるために離脱延期を容認する姿勢を示したことを市場は好感し
ポンドは上昇、年初来で最強通貨となった。
 弊誌では常々主張しているように、EU離脱は鎖国をするわけではない。米国や日本と同じような立場となるだけだ。当初の新しい手続きに関わるコストがかかっても、次第に最適なものに移り変わっていくだろう。過剰な悲観がある。市場のセンチメントとは異なり実際の為替相場や株式相場は冷静で、特に株式相場は2016年の国民投票前の水準を上回っている。ポンドは経常赤字ということもあり元々売られやすいが、それでも最近は落ち着いている。準備しすぎた売りが巻き戻している。ジェンリク英財務閣外相は、英国の金融サービス業界は、EU離脱がどのような展開になろうと適切に機能し続けるとの見解を示した。準備万端にはパニックはない。

*人民元「通貨3位、株価首位、株価最強、人民元底堅し」

 中国株価、上海総合指数が急伸、年初来20%高となった。人民元もプラザ合意で円高に誘導された日本には遠く及ばずとも、底堅く推移している。政府版の製造業PMIは悪化したが、財新製造業PMIは改善した。米国は早ければ3月半ばの米中首脳会談を検討しているとの観測が出てきた。ムニューシン財務長官は、「両国は150ページに及ぶ文書をまとめる作業に入っている。非常に詳細な合意」になる可能性があると発言した。カドロー国家経済会議(NEC)委員長は、「米中の歴史的な合意が目前に迫っており、それは中国政府に対し国有企業への補助金削減と、中央銀行による為替市場介入の開示を約束させる内容だ。これまでの進展は素晴らしい」とした。
 王毅国務委員兼外相も、米中貿易協議について、再び具体的な進展があり、両国関係と世界経済の見通しが明るくなったとの認識を示した。
また米MSCIは、中国本土株の組み入れ比率を年内に4倍に引き上げる方針を示した。 3月5日に全国人民代表大会(全人代)が始まり政策期待感が高まる。今週は輸出が伸びた1月の貿易収支であったが2月分が発表される。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨7位、株価8位、GDP改善なるか」

  今週は4Q・GDPを軸に展開する。18年4Q民間新規設備投資は、前期比2.0%増となった。3年ぶりの大幅な伸びで、予想の0.5%%も大きく上回った。 機器や設備、機械への投資は0.7%増加。4Q・GDPの押し上げ要因となる見通し。GDPは、前期比で0.2-0.6%増が見込まれている。 2019/2020年度の設備投資計画は921億豪ドルと、18/19年度の当初計画から11%増えた。増加分に対する鉱業部門の寄与が最も大きく、同部門が豪経済成長の足かせとなっている状況から近く脱却する可能性が示された。
 弱い住宅指標が続き、インフレも抑制され、RBAは政策金利の据え置きを続けている。RBAは四半期金融政策報告で、国内住宅市場の大幅な減速が先行きにかなりの不透明感をもたらしているとの認識を示した。経済成長率とインフレ率の予想を引き下げているが、4Q・GDPが改善すれば慎重なRBAの政策基調に変化が生じる可能性も出てきた。
 今週は住宅建設許可 経常収支  政策金利 GDP 貿易収支 小売売上などの発表がありロウRBA総裁の講演もある。 
 
*NZドル「通貨5位、株価14位、先週のNZ週間の指標はマチマチ、次の焦点はGDP、改善期待あり」

 先週はNZ週間であったが、指標の結果はマチマチであった。18年4Q小売売上高は、前期比1.7%増、前年同期比では3.5%増と、いずれも大幅に増加した。 免税などを含む店舗売上高は8.2%増、食品や飲料サービスは4.2%増となり、観光業の盛り上がりが経済を支えていた。2月住宅建設許可も1月の5.4%増から16.5%増へ急伸した。一方、2月企業信頼感指数は前月から低下し、
向こう1年間に経済が悪化すると予想した回答者の割合は差し引きで30.9%で前回調査時の24.1%から悪化した。 2月の調査で最も楽観的だったのは農業とサービス部門、最も悲観的だったのは建設部門だった。1月貿易収支は予想より赤字が拡大して9.14億NZドルの赤字となった。輸出が3%伸びたが輸入は7.7%増加した。
 次の焦点は3月21日発表の18年の4Q・GDPとなる。小売売上が好調であったので意外と減速しない可能性が出てきている。

*南アランド「通貨6位、株価13位、束の間の8円台。弱い指標と財政難」

 電力大手のエスコム社の財政問題が政府救済で一息ついたこと、米中貿易交渉進展期待、パラジウム価格の急騰など対円で一時8円を回復したが長続きしなかった。ファンダメンタルズは依然改善していない。2月製造業PMIは46.2に低下した。停電で事業活動が縮小したことや新規受注の減少が背景。前月は49.9。内需と輸出がともに減少した。エスコムは2月、発電所の問題などを受け、過去数年で最大規模となる計画停電を実施した。
 政府予算案ではGDP成長率世界経済の成長の減速の影響を受けて、2019年は1.5%、2020年は1.7%と、前回発表した1.8%、2.1%から下方修正した。2019/2020年度の歳入は1兆5,838億ランド、歳出は1兆8,266億ランドとなり、財政赤字のGDP比は4.5%と予測。公的債務は2022/2023年度にはGDP比60.2%と、前回に発表された59.6%からさらに拡大する見通しとなり、財政状況の改善が進んでいないことが明らかになった。財政赤字の解消に向けて、燃料税、たばこ税、酒税の増税策が発表された。まだまだ厳しい時代が続く。今週の18年4Q。GDPも前期比減速しそうだ。
*トルコリラ「通貨10位、株価4位、伸び悩み、4Q・GDPはリセッションを避けられるか」

 昨年8月からの急騰も5か月ぶりに経常赤字となったことで伸び悩んでいる。ただ1月貿易収支は25億ドルの赤字となったが前年同月の91億ドルの赤字からは大きく改善した。輸出が前年同月から5.9%増加、輸入は27.2%の減少となった。この傾向が続けば、トルコの急落もないだろう。最近の指標では鉱工業生産、小売売上、自動車生産などが弱い。今週発表される2月CPIが20%を割り込めば、24%の政策金利も低下する余地が出てくる。既に中銀は預金準備率を引き下げている。弱い指標が多い中で、2月製造業PMIは46.4で、前月の44.2から上昇し、6カ月ぶりの高水準となった。生産と新規受注に改善が見られた。製造業はトルコ経済の約3分の1を占めている。 2月は新規輸出受注が増加、雇用にも持ち直しの動きがあった。 今週はCPIや政策金利(24%に据え置き予想)がある。 
 3月11日には18年4QのGDP発表があるが、3Qは前期比-1.1%であったがリセッションは避けたいところだ。その他、3月31日に統一地方選挙がある。また中国とはウイグル族問題でもめている。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「ボリバン上限上抜け、15年‐17年の下降ラインを上抜くか」

日足、2月25日-27日の下降ラインを上抜く。2月28日-3月1日の上昇ラインがサポート。ボリバン上限上抜く。雲上。5日線上向き。
週足、4週連続陽線。2月11日週-18日週の下降ラインを上抜く。1月28日週-2月25日週の上昇ラインがサポート。
月足、12月-1月の下降ラインを上抜く。1月は下ヒゲ長く2月の戻しへ。18年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。19年1月-2月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陰線だが15年‐17年の下降ラインを上抜くか。16年-18年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル=「雲の上を狙うも達せず」 

日足、雲の上を狙うも達せず。先週後半は上ヒゲ。2月15日-3月1日の上昇ラインがサポート。2月28日-3月1日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。ボリバン上位。
週足、2月4日週-11日週の下降ラインを上抜く。2月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。1月7日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年11月-12月の上昇ラインを下抜く。19年1月-2月の下降ラインが上値抵抗。 17年1月-19年2月の上昇ラインがサポート。

年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート。

*ユーロ円=「ボリバン上限上抜け」 

日足、ボリバン上限に沿い上昇。先週末は上限も上抜く。2月27日-28日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、ボリバン中位を上抜ける。2月18日週-25日週の上昇ラインがサポート。18年11月5日週-19年2月25日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、10月-12月の下降ラインを上抜く。19年1月-2月の上昇ラインがサポート。18年9月-10月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜も上昇してそのラインに近づく。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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