野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

日本は輸出が伸びず円安、米国は巧みにドル安株高

2/18(月)「日本は輸出が伸びず円安、米国は巧みにドル安株高」

総括「3中銀議事要旨(RBA,FOMC、ECB)、日 貿易 、豪 雇用、 ユーロ圏 ZEW、PMI、独IFO」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=108-113、ユーロ円=122-127 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス2月15日東京引け2月8日からの変化(2015年=100)円112.7弱し、ドル105.9強し、ユーロ108.弱し、ドルインデックス NYBOT 96.92強し、原油55.59強し、金1322強し、DOW 25883強し、日経平均ドルベ-ス東京引け189.32強し IMM円投機筋1月22日 円-39667(前週比+6754)、ユーロ-41006(前週比-8345)

1.(今週の予定)

18(月)日 機械受注 米国休場
19(火)RBA議事要旨 スイス 貿易収支 ユーロ圏 経常収支 英 失業率 失業保険 ILO失業率 ユーロ圏 ZEW景況指数 米 NAHB住宅市場指数
20(水)NZ 生産者物価 日 貿易統計 南ア 消費者物価 予算に関する政府演説(含むエスコム)独 生産者物価 ユーロ圏 消費者信頼感 FOMC議事録
21(木)豪 新規雇用者数 失業率  ユーロ圏 製造業・サービス業PMI ECB理事会議事要旨 米 フィラデルフィア連銀景況指数 新規失業保険 景気先行指数 中古住宅販売
22(金)日 消費者物価 中 70都市の新築住宅価格 スイス 鉱工業生産 独 IFO景況指数 加 小売売上 

(来週の予定)

25(月)NZ 小売売上 日 企業向けサービス価格 米 卸売在庫 卸売売上
26(火)独 GFK消費者信頼感 米 住宅着工 建設許可 住宅価格 ケースシラー住宅価格 CB消費者信頼感指数 リッチモンド連銀製造業 メキシコ 小売売上
27(水)NZ 貿易収支 独 小売売上 ユーロ圏 経済信頼感  加 消費者物価 メキシコ 貿易収支 米 中古住宅販売保留 耐久財受注(確報) 製造業受注
28(木)NZ NBNZ企業信頼感 日 鉱工業生産 豪 設備投資 中 製造業PMI 非製造業PMI スイス GDP KOF先行指数 トルコ 貿易収支 独 消費者物価 南ア 生産者物価 貿易収支米 GDP(改定) 新規失業保険 加 経常収支 米 シカゴPMI
1(金) NZ 住宅建設許可 日 雇用統計 東京消費者物価 日銀議事要旨 中 財新製造業PMI スイス 小売売上 独 雇用統計 英 製造業PMI ユーロ圏 消費者物価 失業率 加     GDP 米 個人所得 ミシガン大消費者信頼感(確報) ISM製造業 建設支出

2.総括「3中銀議事要旨(RBA,FOMC、ECB)、日 貿易 、豪 雇用、 ユーロ圏 ZEW、PMI、独IFO」

*円「通貨10位、株価14位、輸出危うし」

 今週は1月貿易統計の発表がある。昨年後半から輸出の伸びが減速している。1月分も中旬までで輸出が前年比8.9%減少。貿易統計の予想は1兆円の赤字となっている。既に月例経済報告でも輸出の伸び悩みに触れられている。製造業PMIが弱いのも輸出の減少からだ。消費者態度指数、家計調査、景気ウォッチャー調査などの指標も弱い。
 民間企業の値上げと増税があるのに消費者物価が上昇しないのは需要が低迷しているからだろう。ただ過去の不況では国内需要に代えて海外需要を求め輸出ドライブをかけ円高が進んでいたが最近は輸出も伸びなくて貿易黒字が拡大せず円高が進まない展開となっている。3月の日本企業のリパトリが少しドル頭を押さえているのは経常収支の所得黒字の部分となる。
 製造業の減益見通し、格下げや格付け見通しの悪化も出始めている。日銀が買い支えている日経平均は年初来、4.43%高だが世界の他の主要株式市場と比べると見劣りがする。

*米ドル「通貨9位、株価(NYダウ)4位、巧みにドル安株高」

 米ドルが安く、米株価が高い。米国にとって伝統の理想の形だ。FRBは利上げ打ち止めを示唆しているが経済指標が悪いものばかりではないので、良い指標とFRBの引き締め終了観測で株価が上昇、ドルは弱い。ただ株価は日米ともに昨年の高値を超えているわけでもない。先週の経済指標でも小売売上、新規失業保険、鉱工業生産は弱かったが、NY連銀製造業指数やミシガン大学消費者態度指数は強かった。一方、シラー教授やクルーグマン教授などは米中通商対立を巡る不確実性や企業収益悪化の見通しでリセッションを予想している。ただ今のところ株価はそういった動きはしておらず、ダウ、ナスダックともに年初来10%超えとなっている。ドルは利上げ打ち止め観測と改善しない貿易赤字で弱い。
 米中通商協議は少しだが進展しているとの評価が得られた。習近平国家主席は、「双方にとって受け入れ可能な合意を望んでいる」と強調する一方、「協力には原則がある」と述べ、米側の一方的な要求には応じない考えを示唆した。米国は期限内に合意できなければ、中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税率を10%から25%に引き上げる方針を表明しているが、協議進展を条件に期限の60日延長に応じる可能性も伝えられており、米中首脳会談を開いて決着を図るとの観測が浮上している。

*ユーロ「通貨11位 株価(独DAX)11位、弱い指標が続く、ECBも緩和示唆」

出てくる指標どれもが前回よりも弱く、予想よりも弱い。欧州委員会は、冬季経済予測(中間見通し)においてEU加盟28カ国の2019年の実質GDP成長率予測値を1.5%、ユーロ圏については1.3%と発表、2018年11月の予測からそれぞれ0.4ポイント、0.6ポイント下方修正した。特に、ドイツ(1.8%→1.1%)、イタリア(1.2%→0.2%)などユーロ圏主要国で大きな下方修正となった。2019年の消費者物価指数上昇率についても、エネルギー価格の下落を受けて下方修正した(2.0%から1.6%へ)。クーレECB専務理事が、新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)の実施についてECBが討議していることを明らかにした。サプライズでなく予想通り景気が弱含み推移していることでユーロ相場も弱いが急落もない。
 今週もユーロ圏ではZEW景況指数、 消費者信頼感、 製造業・サービス業PMI、独の生産者物価 IFO景況指数 などが発表される。他にECB議事要旨、12月経常収支の発表がある。
膨大な経常黒字はユーロの支えだ。

*英ポンド「通貨7位、株価9位、EU離脱を控えてもポンドはしっかり、株も日経より強い」

 引き続きEU離脱を控えての英国売りはない。年初来でポンドは対円で1.88%上昇、対ドルで1.12%上昇、FT株価は7.56%上昇している。18年4QGDP成長率は前期比0.2%、前年同期比1.3%となり、2018年通年では1.4%。前期比、前年同期比ともに予想を下回り、前年同期比1.3%という実績は12年2Q以来の低成長だった。英政府は低成長がEU離脱だけが原因だとは説明していない。米中貿易摩擦、自動車産業の不振、小売業の相次ぐ閉店いった要素が成長の足かせとしている。
 EU離脱については、2月14日、EU離脱をめぐる政府方針について、採決が行われ、政府動議は否決された。決着は3月21~22日に予定されている欧州理事会までずれ込むとの観測も広がりつつある。ロビンス英国首席交渉官は「英国の議員は、再交渉後の合意案か、離脱日の大幅な延期かの判断を3月に迫られることになる」とした。ただ、2月27日までに行われる次の採決では、1月29日には否決された交渉の主導権を議会が握る修正案が可決される可能性も高まるとみられる。メイ政権は、EU、英国議会との二正面の駆け引きを今もなお続けている。

*人民元「通貨5位、株価9位、貿易収支改善、米中通商協議は進展」

 春節明けの人民元は対円、対ドルで小幅上昇した。上海株価指数は2.45%上昇した。1月貿易収支では輸出入ともに大幅改善した。輸出は9.1%増(予想3.2%減)、輸入は1.5%減(同10.0%減)。米中貿易戦争の悪影響が和らいだとされる、世界的にリスクオンとなった。米中通商会議も少しだが進展しているとの評価が得られた。習近平国家主席は、米代表団のライトハイザー通商代表部(USTR)代表、ムニューシン財務長官らと会談。習氏は「双方にとって受け入れ可能な合意を望んでいる」と強調する一方、「協力には原則がある」と述べ、米側の一方的な要求には応じない考えを示唆した。ライトハイザー氏らは「重要かつ困難な問題で新たな進展があった」と語りつつも、「まだすべきことが数多くある」と指摘した。
 これまでの協議で、中国は知的財産権の侵害や技術移転の強要などの構造問題に対する米側の要求に慎重姿勢を貫く一方、米産品の輸入拡大では一層譲歩する意向を示したとみられる。米国製の半導体製品の購入を今後6年間で2000億ドル増やすと提案したとの報道(WSJ)もあった。
 米国は期限内に合意できなければ、中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税率を10%から25%に引き上げる方針を表明しているが、協議進展を条件に期限の60日延長に応じる可能性も伝えられており、米中首脳会談を開いて決着を図るとの観測が浮上している。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨6位、株価7位、消費と住宅弱いが、消費者信頼感と雇用は強い」

経済指標がマチマチで通貨も年初来強くもなく、弱くもない。米中貿易戦争の行方をにらんでいる。RBAは、消費の弱さと住宅価格下落を理由に経済成長率見通しを引き下げたが、消費者信頼感は回復した。2月消費者信頼感指数は103.8と前月から4.3%、前年同月から1%、それぞれ上昇した。今週発表される雇用統計も強い傾向を示してきた。RBAはまだ慎重で「ここ1年間は、次の金利の動きは下に向かうよりも上に向かう可能性が高かったが、現時点ではその可能性はより均衡しているもようだ。次の金利変更が利上げになるシナリオも、利下げになるシナリオもある」と述べた。
 鉄鉱石価格の上昇は豪ドルを支えた。ブラジルの資源大手ヴァーレが所有する鉱山のダム決壊事故を受け、同国からの供給が減少する可能性が懸念されているからだ。 中国の1月貿易収支で輸出入ともに大きく予想より改善したことも好感された。

*NZドル「通貨2位、株価13位、利下げ観測後退で強い」

 NZ中銀は、政策金利を過去最低の1.75%に据え置いた。経済のリスクが高まる中で、将来の利下げの可能性を維持したが、全般的な政策のトーンが中立的だったことからハト派に失望感が広がり、NZドルは上昇した。 オア総裁は「利下げは可能性としては排除しないが、そうした措置が必要になるリスクは高まっていない」と述べた。今週は18年4QのPPIの発表がある。
 気がかりなのは対中関係である。アーダーン首相は、中国訪問が宙に浮いていることを明らかにした。両国間の緊張の高まりが背景にあり、中国との観光イベントも直前に延期になった。
「中国との関係は複雑で課題に直面することもある」と述べた上で、懸念する必要はないと強調した。 中国とNZは観光年の開始を記念するイベントを、ウェリントンで行う予定だったが、NZ政府は、中国側が延期を通知してきたことを明らかにした。 アーダーン政権は中国が南太平洋で影響力を強めていることを警戒している。また中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ) を次世代通信規格「5G」の通信網整備から排除すると決定した。両国間の緊張が高まっている。

*南アランド「通貨3位、株価15位、通貨最強から陥落」

 年初来維持してきた最強通貨の地位を譲った。指標悪化と電力公社エスコムの計画停電とその債務問題が影響した。12月小売売上高は、前年比1.4%減と11月の2.9%増からマイナスに転じた。一方18年4Q失業率は27.1%と、3Qの27.5%から改善した。金融、一般世帯、製造、鉱業分野で就業者が増加した。巨額債務を抱える電力大手のエスコム社は計画停電を実施した。産業界や国民の経済生活に支障をきたしている。エスコム社は300億ドル以上の債務を抱え、電力供給が思うにまかせない状態に陥っている。ラマポーザ大統領は、エスコムを支援する方針を示したが、詳細は、2月20日の財務相の予算演説時に発表されると述べた。エスコムを所管する公共企業省は、議会への説明で、エスコムが実質破綻状態にあり、救済措置を受けられなければ4月までに「消滅する」との見通しを示した。政府がエスコム社に支援すれば財政赤字が拡大し、唯一投資適格を与えているムーディーズが格下げするかもしれない。ただゴーダン公共企業相は、エスコムの民営化の可能性は否定している。順調な電力供給に戻る道のりは遠い。
 今週は1月CPIの発表がある。CPIはやや低下傾向だが南ア中銀は常々タカ派傾向の発言を繰り返しているので利下げの可能性はない。

*トルコリラ「通貨8位、株価2位、伸び悩み、5か月ぶり経常赤字、指標は悪化、金融政策は」

昨年8月からのリラ高の原動力であった経常黒字が5か月ぶりに赤字に転じた。12月経常収支は14.4億ドルの赤字となった。需給面での支えがなくなるとリラ高継続は難しい。他の指標も悪化した。12月小売売上は前年比9.2%減(前月は6%減)、11月失業率は12.3%(同11.6%)、12月鉱工業生産は9.8%減(同6.6%減)であった。一方金融政策は手綱を緩めていないので、そこからのリラのサポートはあるが景気を弱める可能性がある。トルコ中銀チェティンカヤ総裁は、中銀が今後市場の変動を和らげるための流動性供給措置を講じるかもしれないが、それは引き締め的な政策運営の転換と受け止めるべきではないとの考えを示した。昨年行った流動性供給や準備率引き下げが市場の落ち着きにつながったと指摘した。金融政策についての確固としたスタンスが均衡の取れた成長を後押しすると強調し、経常収支の改善がそれに貢献するだろうと付け加えた。株価は年初来の世界的なリスクオンの流れで12.54%高となっている。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「2月14日-15日の下降ラインを上抜くか、ボリバン上限からは反落」

日足、2月11日-13日の上昇ラインを下抜く。2月6日-7日、1月3日-31日の上昇ラインがサポート。2月14日-15日の下降ラインを上抜くか。12月14日-2月14日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。ボリバン上位。
週足、1月21日週-28日週の下降ラインを上抜き2週連続陽線。2週とも上ヒゲ長し。1月28日週-2月4日週の上昇ラインがサポート。12月10日週-17日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、12月-1月の下降ラインを上抜く。1月は下ヒゲ長し。18年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-19年1月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陰線。今年は陽転。16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐17年の下降ラインに沿う。

*ユーロドル=「長い下ヒゲを残す。1月31日-2月15日の下降ラインを上抜くか。」 

日足、ボリバン下限に貼りつくも先週15日は長い下ヒゲを残す。1月31日-2月15日の下降ラインを上抜くか。5日線下向き。
週足、1月21日週-28日週の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限へ。1月28日週-2月4日週の下降ラインが上値抵抗。2月4日週-11日週の下降ラインを上抜けるか。
月足、18年11月-12月の上昇ラインを下抜く。18年9月-19年1月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限1.1127は近い。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート。

*ユーロ円=「狭いボリバン。先週末は下ヒゲ」 

日足、2月11日-12日の上昇ラインを下抜く。2月14日-15日、13日-14日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。ボリバン下位
週足、1月21日週-28日週の上昇ラインを下抜く。2月4日週-11日週の下降ラインが上値抵抗。1月14日週-2月11日週の上昇ラインがサポート。
月足、10月-12月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限を下抜いて漸くバンド内へ戻る。16年6月-19年1月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。

------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

詳しくはこちら

ブログカレンダー

 

カテゴリー一覧

  • レポート
  • レポート(PDF形式)


業界最狭水準スプレッド

おいしく!ザクザク!夏祭りキャンペーン

お友達ご紹介キャンペーン

口座開設キャッシュバックキャンペーン