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国境の壁より民主党の壁が立ちはだかった

1/28(月)「国境の壁より民主党の壁が立ちはだかった」

総括「米中通商会議 米 FOMC GDP 雇用、豪 CPI、中 PMI ユーロ圏 GDP」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=107-112、ユーロ円=123-128 、ユーロドル=1.12-1.17

日経インデックス1月25日東京引け1月18日からの変化(2015年=100)円113.5弱し、ドル105.6強し、ユーロ107.9弱し、ドルインデックス NYBOT 95.81弱し、原油53.69弱し、金1298強し、DOW 24737強し、日経平均ドルベ-ス東京引け189.2強し IMM円投機筋12月18日 円-102771(前週比-5165)、ユーロ-53124(前週比+3163)

1.(今週の予定)

28(月)日 通常国会招集 日銀議事要旨 企業向けサービス価格指数 中 中国工業企業利益 メキシコ 貿易収支
29(火)英議会、EU離脱協定の代替案採決  NZ 貿易収支 日 月例経済報告 豪 NAB企業景況感指数 スイス 貿易収支 米 ケースシラー住宅価格指数 CB消費者信頼感
30(水)米中通商会議 日 商業動態統計 豪 消費者物価 スイス KOF景気先行指数 ユーロ圏 経済信頼感 米 ADP民間雇用者数  GDP メキシコ GDP 米 中古住宅販売保留 個人所得・支出 FOMC
31(木)日 鉱工業生産 中 製造業PMI 非製造業PMI トルコ 貿易収支 南ア 生産者物価 貿易収支 独 失業者数 失業率 ユーロ圏 GDP 失業率 米 新規失業保険申請件数 シ  カゴ購買部協会景気指数
1(金)日 失業率 有効求人倍率 日銀議事要旨 住宅着工 豪 生産者物価 中 財新製造業PMI 英 製造業PMI ユーロ圏 消費者物価 米 雇用統計 ミシガン大学消費者信頼感(確報値) ISM製造業景況指数

(来週の予定)

3(日)中 財新サービス業PMI
4(月)NZ 住宅建設許可 豪 住宅建設許可 トルコ 消費者物価 生産者物価 英 建設業PMI ユーロ圏 生産者物価
5(火)豪 貿易収支 小売売上 RBA 政策金利 英 サービス業PMI ユーロ圏 小売売上 加 貿易収支 米 ISM非製造業景況指数
6(水)独 製造業受注 加 住宅建設許可 Ivey購買部協会指数
7(木)NZ 失業率 独 鉱工業生産 英 英中銀議事録 政策金利 インフレ報告 米 新規失業保険 メキシコ 消費者物価指数 政策金利
8(金)日 国際収支 スイス 失業率 独 貿易収支 経常収支 加 住宅着工 失業率 雇用者数


2.総括「米中通商会議 米 FOMC GDP 雇用、豪 CPI、中 PMI ユーロ圏 GDP」

*円「通貨9位、株価12位、輸出が伸びない」

 日銀は、1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価見通しを引き下げた。引き下げの主因は原油価格。日銀は、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする現行の金融政策を据え置いた。ただ日本の金利とドル円相場は関係がない。むしろISバランス論からしてマイナス金利は可処分所得の減少、消費の低迷に繋がり円高要因。2016年1月にマイナス金利を導入してからドル円は当時の120円を超えたことがない。気になるのは貿易収支。12月は原油価格が下落しても貿易赤字となった。18年は約1.2兆円の貿易赤字となった。貿易赤字なら円安になりやすいが18年は円高となった。赤字の額が小さいのでこの程度はドル円もぶれるかもしれない。それより気になるのは輸出が伸びないことだ。輸入の伸びより小さく赤字に繋がった。
 1月製造業PMIは50.0で、前月から2.6ポイント低下した。16年8月以来、およそ2年半ぶりの低水準に落ち込んだ。輸出向け受注は2カ月連続で40台となり、減速傾向が強まった。 米中両国が貿易戦争で互いに制裁関税を発動した昨年半ば以降、鉄鉱石や石炭などを運ぶばら積み船の運賃が急落している。 同運賃の国際指標であるバルチック海運指数>は、昨年半ば以降47%急落。
 先週取り上げたように日本企業の動きも鈍い。日立の英国原発建設凍結のかかわる3000億円の損失計上、日本電産の米中貿易戦争による業績下方修正、千代田化工建設の金融支援など少し悪いニュースも出ている。全世帯家計調査、第三次産業活動指数、消費者態度指数、機械受注は悪化している。

*米ドル「通貨10位、株価(NYダウ)7位、残り2年、民主党の壁が立ちはだかり正常化へ。今週はGDPとFOMCに米中通商会議」

 今年は通貨がやや弱いが株は強い。ムニューシン米財務長官は、米中通商交渉が「大きく進展している」との見解を示し、今週の協議では通貨問題も議題となることを明らかにした。WSJ紙では、FRBが保有資産縮小の終了を議論していると報じた。金融政策の正常化ペースが緩めば株式を買いやすくなるとの思惑が広がった。今週はFOMCが開催される。4Q・GDPは3Q比減速する予想。
 さて国境の壁の前に民主党の壁が立ちはだかった。 トランプ米大統領は、政府機関の一部閉鎖の解除を認めると発表し、メキシコとの「国境の壁」建設費を含まない3週間のつなぎ予算の成立を容認した。史上最長となった政府閉鎖の解除がひとまず安堵感を誘った。ただ壁建設費を巡る協議は続くもようで再び閉鎖に追い込まれる可能性も意識されている。
ロシア疑惑捜査では2016年大統領選のトランプ陣営元顧問ストーン氏が米連邦大陪審に偽証罪などで起訴された。2020年の大統領選挙では既に民主党から5人の候補が名乗りを上げた。まだ立候補を表明していない前ニューヨーク市長のブルームバーグ氏は、トランプ大統領に「落第」の評価を下した。「現職大統領は現時点で救いようがなく、執務室でスタッフが補助輪を取り付けようとしてもうまくいかないことは明らか。大統領は試験のたびに落第するだけだ」と話した。 下院では民主党が多数を占めるねじれ国会となりトランプ大統領の暴走に歯止めをかける動きが出始めた。

*ユーロ「通貨11位 株価(独DAX)5位、弱い指標、成長・インフレ見通し下方修正も米ドル自滅で上昇」

 引き続き景気指標は弱く、見通しも下方修正されている。独IFO業況指数は99.1に低下し、16年2月以来の低水準に落ち込んだ。業況指数は5カ月連続で低下した。中国、ユーロ圏、新興国の独製品・サービスへの需要減退、米との貿易摩擦、英国のEU離脱を巡る不安が業況を悪化させている。18年の独GDPは前年比1.5%増と、5年ぶりの低い伸びにとどまった。 またECBはユーロ圏の成長率とインフレ率の予想が前回調査から引き下げた。金融政策の正常化ペースを落とす可能性を示唆したことを裏付ける材料となっている。 ドラギ総裁は、経済成長に対するリスクは下向きに移行したとの認識を示した。19年のユーロ圏の成長率予想は1.5%で、前回調査の1.8%から引き下げられた。
インフレ率予想は1.8%から1.5%に下がり、目標である2%弱を大きく下回った。経常黒字だけがユーロの支えとなっている。

*英ポンド「通貨2位、株価16位、合意なき離脱を避ける動きでポンド上昇」

 エリザベス女王は、政治家らに対し共通点を見い出し、大局を捉えるよう呼び掛けた。英国のEU離脱を巡る問題を解決するよう暗に求めたとみられる。 年初来ポンドが上昇し、南アランドについでの強さである。ただ株価は世界の市場において最弱レベルだ。先週は英国が合意なしにEUを離脱することはないとの期待が高まり、ポンドを押し上げた。メイ政権に閣外協力する北アイルランドの民主統一党(DUP)が、メイ首相のEU離脱協定案について、アイルランドとの国境問題を巡るバックストップ(安全策)に明確な期限を設けるのであれば支持することを非公式に決定したとの報道が材料視された。ただEUは一貫して、安全策に期限は設けないと主張している。
 また野党労働党の議員が提出した修正合意案について、党として支持する構えを示した。与党保守党の一部議員は既に支持を表明しており、可決を目指す動きが活発化した。修正案は労働党のクーパー議員が提出したもので、従来のルールを覆し、本来は政府に優先処理権限があるEU離脱問題を議会の管轄にするという内容。
議会は29日にメイ首相の代替案と他の議員が提出した修正案を採決する見通しで、事態の打開に道を開く可能性がある。

*人民元「通貨7位、株価11位、米中貿易交渉に世界中が注目、劉鶴副首相が訪米」

 年初来では人民元、株価ともに先ず先ずの動き。米中通商交渉期待や米利上げ観測後退が背景にある。今週はいよいよ劉鶴副首相が1月30-31日に訪米し経済や貿易に関する諸問題を巡って踏み込んだ協議を行う。トランプ政権は、知的財産権保護や技術移転などの問題について中国と合意できなければ、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対する関税を3月2日に10%から25%に引き上げる方針を示している。
 中国経済が減速していることは確かだか、実際GDPが世界2位の経済が高度成長を続けることは難し。その中で政府は減税、金融緩和で対応している。対米貿易不均衡では、無理に輸入を増額しても不要な、経済原理に合わないものが長続きすることはないだろう。また輸出の半分は中国企業からではなく、日本や米国からの迂回融資とされている。
 資源国のみならず世界経済が中国経済に依存している以上、米中貿易戦争の展開はそのまま世界の通貨、株価に影響する。今年は去年よりそれが幾分改善している。先週末に人民元が急騰したのは良い兆しか。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨5位、株価10位、雇用まずまず、今週はCPI」

 12月雇用統計は、就業者数が増加し、失業率も改善した。就業者数は前月比2万1600人増加。失業率は5.0%に低下でそれぞれ予想(1万8000人増加、5.1%)より改善した。年間の雇用の伸びは2.2%と人口増加率の1.6%を上回っている。フルタイム雇用は18年に約2%拡大した。RBAは約2年半にわたって政策金利を過去最低の1.5%に据え置き、次の動きは利上げになる可能性を繰り返し示唆している。今回のデータがこうした中立スタンスを変える可能性は低いとみられているが今週の4Q・CPIも注目したい。他の国内指標では先週取り上げたように消費者信頼感指数や住宅投資が弱いが今年の堅調さは米中通商交渉期待や米利上げ観測後退が背景にある。

*NZドル「通貨6位、株価13位、CPIが予想を上回り上昇」 

 先週は上昇した。4Q・CPIは前年比1.9%上昇となり、予想の1.8%上昇を上回る伸びとなった。生産物価格は下落したものの、サービス価格の上昇が指数を押し上げ、政策金利引き下げの可能性が低下した。伸びは3Qと同じた。生産物価格は0.5%、ガソリン価格は0.6%、それぞれ前期比で下落した。ガソリン価格の下落は2017年9月以来初めて。一方、サービス価格は1.3%上昇した。貿易財以外の価格は2.7%上昇し、2014年2Q以来の大幅上昇となった。最近では12月の製造業パフォーマンス指数は55.1と、前月から1.4ポイント上昇し、4月以来の高水準。18年4Qの企業の業況感調査はマイナス17%。3Qはマイナス30%で、9年ぶりの低調な水準だった。 乳製品オークションは4回連続上昇となった。それぞれ少しずつ指標が改善した。
 さてアーダーン首相は、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を公平に扱う方針を示した。NZは昨年11月、地元通信会社スパークが高速大容量の第5G世代移動通信システムを設置する際、安全保障上のリスクを理由にファーウェイ製品の使用を禁止した。アーダーン首相はこの措置について「特定の企業を狙ったものではない。我が国の制度に基づくものであり、この枠組みはうまく機能している」と発言。スパークとファーウェイは安全保障面の懸念に対応する機会を与えられているとした。

*南アランド「通貨首位、株価15位、通貨高は米中通商交渉期待や米利上げ観測後退が背景」

 依然、年初来の最強通貨である。ただ株価は通貨高により弱い。通貨高はまだ不確かだが米中通商交渉期待や米利上げ観測後退が背景にある。19年GDPはその水準は新興国としては低いものの世銀は、見通しを1.3%増とし、18年見通しの0.9%増から加速するとの見方を示した。経済について、ビザの規制緩和やインフラ基金の設立、鉱業憲章の実施など、ラマポーザ大統領が導入した構造改革が下支え要因となるとの見方を示した。世銀はリスクも指摘。エルニーニョ現象による穀物生産への影響や世界的な貿易摩擦、電力会社エスコムなどの国営企業の資金難が財政に与える影響を挙げた。
 クガニャゴ中銀総裁は、格付けについて、ムーディーズによる前回の格付け判断以降、マイナス方向での見直しに相当する材料は出ていないとし、同社が付与する投資適格級を失うリスクはないとの認識を示した。同社は格付け見通しを「安定的」としているが、昨年10月、財政見通しの悪化がクレジットネガティブと指摘している。
 またインフレリスクの要因としては、原油価格や国際市況の動向などが挙げられると指摘。12月のCPIの伸びは4.5%に鈍化。中銀の目標レンジは3-6%。 5月には国民議会の総選挙が予定されている。

*トルコリラ「通貨8位、株価2位 対米関係改善、リセッション予想に政府反発」 

 株価が急騰している。束の間でも経済が安定していることを反映しているのか。元々新興国経済の代表として力強い成長を見せていたが、それを阻むのはいつも外交と内政。2016年7月にはクーデター未遂事件があり、昨年は米牧師拘束で米国から経済制裁を受けた。最近は米軍のシリア撤退で米国が支援するもトルコがテロ組織とみなしているYPGとの緊張が高まりつつある。
 政治さえ安定してくれればというのが海外投資からの願いだろう。昨年の米の経済制裁による通貨急落、インフレ急騰、株価急落からは落ちついてきたが、遅行して出てくる経済指標では18年4Qと19年1Qでリセッションに陥るという危惧である。ただ政府としてはもちろん否定している。
 アルバイラク財務相は、トルコの経済成長は鈍化したが、減税や、中銀の財務省への配当前倒しなどの政府対策が奏功し「現在は景気後退の兆しはない。マイナス成長はない」と発言した。成長率は底堅く持ち直すとし、政府が掲げる19年の成長目標である2.3%の達成は可能だと主張した。
 首都アンカラや最大都市イスタンブールの市長などを選ぶ統一地方選の投票日は2019年3月31日。エルドアン大統領の与党、公正発展党(AKP)は苦戦する可能性もある。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「3週間ぶり週足が陰線。日足は1月22日-23日の上昇ラインを下抜く」

日足、1月22日-23日の上昇ラインを下抜く。1月23日-25日の下降ラインが上値抵抗。1月14日-15日の上昇ラインがサポート。1月10日‐14日の上昇ラインもサポート。5日線下向く。
週足、年初、ボリバン下限を大きく下抜き、長い下ヒゲを残す。12月17日週-12月31日週の下降ラインを上抜くが先週は反落。12月31日週-1月14日週の上昇ラインがサポート。
月足、18年3月-9月の上昇ラインを下抜く。15年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-18年3月の上昇ラインがサポート。年初、一時ボリバン下限に到達も急速に戻す。
年足、3年連続陰線。16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐17年の下降ラインに沿う。

*ユーロドル=「ボリバン下限から急反発」 

日足、ボリバン下限から1月10日-24日の下降ラインを上抜く。1月24日‐25日の上昇ラインがサポート。1月10日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。ボリバン中位へ。
週足、1月7日週-14日週の下降ラインを上抜くか。11月12日週-1月21日週の上昇ラインがサポート。
月足、18年11月-12月の上昇ラインがサポート。18年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート。

*ユーロ円=「週足、3週連続陽線」 

日足、1月15日-25日の上昇ラインがサポート。12月27日-28日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン中位。5日線上向き。
週足、3週連続陽線。ボリバン下限を大きく下抜くが12月31日週は長い下ヒゲを残しバンド内へ戻る。12月10日週-17日週の下降ラインが上値抵抗。12月31日週-1月21日週の上昇ラインがサポート。
月足、10月-12月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限を下抜いて漸くバンド内へ。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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