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残り2年、ムチを入れ始めた大統領に民主の壁

1/21(月)「残り2年、ムチを入れ始めた大統領に民主の壁」

総括「残り2年、ムチを入れ始めた大統領に民主の壁」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=107-112、ユーロ円=122-127 、ユーロドル=1.12-1.17

日経インデックス1月18日東京引け1月11日からの変化(2015年=100)円113.6弱し、ドル105.3強し、ユーロ208.8弱し、ドルインデックス NYBOT 96.36強し、原油53.8強し、金1282弱し、DOW 24706強し、日経平均ドルベ-ス東京引け188.91強し IMM円投機筋12月18日 円-102771(前週比-5165)、ユーロ-53124(前週比+3163)

1.(今週の予定)

21(月)米市場休場 中 小売売上 鉱工業生産 GDP 独 生産者物価 
22(火)英 失業率 失業保険 ILO失業率 欧 ZEW景況感 米 中古住宅販売 メキシコ 失業率
23(水)NZ 消費者物価 日 貿易統計 日銀政策決定会合 全産業活動指数 南ア 消費者物価 加 小売売上 米 住宅価格 リッチモンド連銀製造業 ユーロ圏 消費者信頼感  
24(木)日 消費動向指数 豪 新規雇用者 失業率 南ア 消費者信頼感 ユーロ圏 製造業・サービス業PMI ECB理事会 米 新規失業保険 PMI 景気先行指数 メキシコ 消費者物価
25(金)日 東京都消費者物価 独 IFO景況指数 米 耐久財受注 新築住宅販売 メキシコ 小売売上 

(来週の予定)

28(月)メキシコ 貿易収支
29(火)NZ 貿易収支 豪 NAB企業景況感指数 スイス 貿易収支 米 ケースシラー住宅価格指数 CB消費者信頼感
30(水)豪 消費者物価 スイス KOF景気先行指数 ユーロ圏 経済信頼感 ADP民間雇用者数  GDP メキシコ GDP 米 中古住宅販売保留 個人所得・支出) FOMC
31(木)日 鉱工業生産 中 製造業PMI 非製造業PMI トルコ 貿易収支 南ア 生産者物価 貿易収支 独 失業者数 失業率 ユーロ圏 GDP 失業率 米 新規失業保険申請件数 シ  カゴ購買部協会景気指数
1(金)日 失業率 有効求人倍率 日銀議事要旨 豪 生産者物価 中 財新製造業PMI 英 製造業PMI  ユーロ圏 消費者物価 米 雇用統計 ミシガン大学消費者信頼感(確報値)     ISM製造業景況指数

2.総括「残り2年、ムチを入れ始めた大統領に民主の壁」

*円「通貨9位、株価13位、本当に米中貿易が均衡すればドル高となるが」

 ドル円の年足が陽転した。日経平均は先週上昇したものの世界の市場から見れば出遅れている。米中の貿易均衡報道でドルが上昇した。ドルが上昇し円が安くなればまた問題も生じる。米国が日本が経験した円高不況を受け入れることが出来るか。もちろん米国がドル安の恩恵を受けてきたことは頭にないだろう。今年は日米貿易交渉もある。米国は、競争的な通貨切り下げといった為替操作の防止を求める考えを昨年公式に表明している。
 日銀は景気回復を唱えるが指標は悪化している。全世帯家計調査、第三次産業活動指数、消費者態度指数、機械受注は悪化している。こうなると輸入が減少し貿易黒字の円高が進むが、最近は輸出も米中貿易戦争の影響を受け減少し、貿易赤字が続いていて黒字にならないのは心配だ。今週の12月貿易統計も赤字予想だ。原油価格の下落でも輸出の減少で貿易は赤字のままだ。また日立の英国原発建設凍結のかかわる3000億円の損失計上、日本電産の米中貿易戦争による業績下方修正、千代田化工建設の金融支援など少し悪いニュースも出ている。潤っているのは日銀のETF介入による株価押上げにマッチする投資家だろう。今週は日銀政策決定会合がある。値上げ、公共料金引き上げ、消費増税でも物価見通しを引き下げるようだ。

*米ドル「通貨8位、株価(NYダウ)8位、残り2年、ムチを入れ始めた大統領に民主の壁」

 大統領も残り2年となり、またねじれ国会となりムチを入れ始めた。ただ対中関係ではその政策、考え方に時間差があるだけに進みにくいだろう。先週はムニューシン財務長官の対中関税撤廃発言、中国政府が6年間で対米貿易黒字をゼロにする提案を米政府にしたと報道されたこと、トランプ大統領が最大13年に及ぶ大型インフラ整備計画(財源は?)の推進を巡り、政権高官らと会合したこと報道されたことで、ドルが買われ株が上昇した。対米不均衡では中国は自ら追求したものでなく、市場が作り出したもので、両国の経済構造、産業競争力、国際分業の結果だとしている。さらに、迂回貿易やサービス貿易などを考慮すれば、黒字は実際にはそれほど大きくないとしている。その中で市場原理に合わない不均衡是正が出来るかどうかは疑問である。さらに対中国では
華為問題、他には国境の壁、政府機関閉鎖、ロシア疑惑、北朝鮮、イラン、NATO離脱、シリア撤退とトルコとの関係など自らが作り出した問題がひしめき合っている。下院で多数となった民主党とのせめぎあいもある。それらが少しずつ景気動向に影響し始めているとベージュブックでも触れている。大統領自らがぶち壊したものを修復するだけでは市場のリバウンドは長続きしない。万が一、ありえないが米中貿易が均衡するならばドル高となり日本が辿った不況の道を歩むことになる。

*ユーロ「通貨11位 株価(独DAX)7位、ドラギ総裁がリセッションに言及とは驚いた」 

 EU離脱で騒がれているポンドを差し置いてユーロは年初来弱い。ドラギ総裁は、ユーロ圏経済はリセッションに向かっていないとしつつも、減速期が予想よりも長引く可能性があるため、ECBによる支援が引き続き必要との見解を示した。 「ECBは潜在的なリセッションを対処するためのツールを持っているが、現在の金融政策のスタンスはすでに非常に緩和的」と語った。
その上で、各種データは消費や投資が引き続き拡大しているほか、輸出は減少したもののなお良好な状況にあり、労働市場も堅調な推移を示していると述べた。ただ、好調なペースは鈍り、指標はここ数カ月低調な内容になっていると付け加えた。
 バンカメメリルはユーロ圏の2019年の成長率見通しを1.1%とし、従来の1.4%から下方修正した。通商政策や中国の軟調な経済指標などを巡る先行き不透明感がユーロ圏経済の重しになっているという。 ユーロ圏は為替相場の上昇、軟調な外需、通商政策の先行き不透明性という3重苦に直面している」と指摘した。
 ただ恒久的貿易黒字がユーロの支えである。

*英ポンド「通貨5位、株価12位、パニックとはならない。合意なき離脱でも再国民投票でも」

 報道ほど通貨や株価はパニックになっていない。官民で至れり尽くせりの想定がなされているからだろう。離脱にかかわる質問の窓口も出来ている。2016年のEU離脱の国民投票以後のポンド相場は下落しているが恒久的な経常・貿易赤字の英国の需給からは順当な結果だろう。株価はEU離脱の国民投票前の水準を超えている。EUを離脱するのか残留するのか、また決定を延期するのか選択肢はあるが、残留の場合はポンドは買い戻されようが、正当な離脱でも合意なき離脱でも短期間位は関税手続きの混乱などあるが、数年経てば大きな弊害はないだろう。鎖国をするわけではない。
 経済指標は弱い。EU離脱交渉も陰を落としているだろうが、他国と同じように米中貿易戦争の影響も大きい。小売売上、鉱工業生産冴えず、物価上昇の勢いもなくなってきた。
英国のEU離脱を先導したファラージ氏は、英国がEU離脱を延期する可能性があり、新たな国民投票の実施はあり得ると述べ、EU懐疑派は準備すべきだと指摘した。

*人民元「通貨6位、株価9位、中国が6年で対米貿易を均衡化?今週はGDP」

 2018年の対米貿易黒字が前年比17.2%増の3233億ドルとなった。対米黒字額は過去最大。米中間の貿易不均衡がさらに拡大したことで、中国に米国産品の輸入増を求めるトランプ米政権の圧力が一段と強まりそうだ。ただ中国の考え方の基本は対米貿易黒字は中国が追求したものでなく、市場が作り出したもので、両国の経済構造、産業競争力、国際分業の結果だとしている。さらに、迂回貿易やサービス貿易などを考慮すれば、黒字は実際にはそれほど大きくないとしている。とはいえ中国も米国から何かを言われれば対応している。
 先週末は中国政府が6年間で対米貿易黒字をゼロにする提案を米政府にしたと報じた。前日には米財務長官が中国への追加関税の撤回を提案したと伝わっており、米中対立が和らぐとの観測が強まった。投資家がリスクを取りやすくなるとの見方から、米国債を売って米国株などリスク資産を買う動きが広がった。米国が6年でなく2年で達成して欲しているのはトランプ大統領の任期があと2年だからだろう。無理に貿易収支を均衡させても市場原理に合わないことは長続きしないと思う。せめて人民元だけは安定させて米国から文句を言われないようにしている。
 今週は4Q・GDPの発表で若干減速するのだろうか、既に政府筋は19年の成長見通しを6-6.5%に昨年より引き下げている。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨4位、株価11位、依然、海外楽観、国内不冴え。今週は雇用統計」

 11月の小売売上高が前月比0.4%増加、米中通商協議の進展、FRBの利上げ観測後退で上昇していたが先週は対円では上昇するものの対ドルでは下落した。良い材料は海外要因であり、国内要因は依然不冴えである。1月の消費者信頼感指数が、前月比4.7%減の99.6ポイントと悲観に転じ、1か月の下落幅としてはここ3年間で最大を記録した。持ち家用の住宅ローンの承認数が11月では、前月比0.9%下落となった。RBAは、消費者信頼感が悲観となったことや、昨年3Qの経済成長が低調だったことなどから、経済成長見通しを下方修正するとみられるほか、政策金利を現状のまま維持するとみている。一部では利下げ観測も出ている。今週は雇用統計の発表がある。

*NZドル「通貨4位、株価11位、フィッチの成長見通しは弱い。今週はCPI」

 昨年のNZドルは年後半、米中戦争でリスクオフの流れとなりながら7位、今年は年初から米中通商協議の進展でリスクオンとなりながら7位。一応、資源国通貨の範疇であり、中国関連銘柄でもあるがその動きは他のリスク敏感通貨と比べると鈍い。株でいえばデフェンシブ銘柄のようだ。先週の経済指標は改善した。12月の製造業パフォーマンス指数は55.1と、前月から1.4ポイント上昇し、4月以来の高水準となった。18年4Qの企業の業況感調査はマイナス17%。3Qはマイナス30%で、9年ぶりの低調な水準だった。 ただ設備稼働率は92.8%で、前期の93.2%を下回った。 乳製品オークションは4回連続上昇となった。しかしフィッチはNZの19年成長率予想を2.6%とした。政府見通しは3.2%である。フィッチは弱い投資と消費が成長を抑制するとしている。
今週は4QのCPIの発表がある。2%にならなければ利下げ観測も消えないだろう。

*南アランド「通貨首位、株価15位、中銀が若干ハト派に、インフレ見通し引き下げ」 

 依然、年初来の最強通貨である。ただ株価の上昇率は他国と比べ小さい。ランド円は7日連続陽線の後ボリバン上限で伸び悩み先週末は陰線となった。米中通商交渉進展、FRB利上げ観測後退で強かったが、南ア中銀がややハト派となったことで若干弱含んだ。南ア中銀は、政策金利を6.75%に据え置いた。短期の物価見通しに改善が見られるとした。 総裁は、昨年後半の世界の原油価格の大幅下落や南アランド下落が比較的小さかったことが見通し改善の主な要因との見方を示した。 中銀は今年のインフレ率を平均4.8%と予想し、従来予想の5.5%から引き下げた。今週は消費者物価の発表がある。またムーディーズは政府債務の増加が民間資金需要を追いやっている(クラウディングアウト)と警告した。

*トルコリラ「通貨7位、株価3位 対米関係改善、リセッション予想あり」

 リラは先週、対円で3.78%、対ドルで2.58%上昇。トルコ株価指数は7.38%上昇。為替、株ともに年初来最弱から脱出した。トランプ米大統領は、トルコのエルドアン大統領と電話会談し、米国とトルコの経済発展をさらに進める大きな可能性があるとエルドアン氏に伝えたこと、シリアのクルド人勢力のための20マイル安全地帯についてエルドアン氏と話したことを明らかにした。 トランプ氏は、米国が支援してきたシリアのクルド人勢力をトルコが攻撃すれば、トルコの経済を破壊させるとけん制していたがこれが解決策となるか。クルド人民防衛隊(YPG)は、シリア北部を支配し、米国と共にイスラム国掃討を行ってきた。エルドアン氏は、米軍のシリア撤退決定を受けてテロ組織と見なしているYPGを鎮圧すると表明していた。
 政策金利が予想通り24%に据え置かれたこともリラを支えた。11月鉱工業生産は予想を下回った。小売売上はほぼ予想通り。これを受けて昨年4Qの経済成長率はマイナス2.7%となる見通し。今年1Qの予想はマイナス2.1%。予想通りであれば、2四半期連続のマイナス成長となり、昨夏来の混乱で予想されていたことだが景気後退に突入することになる。
 
4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「19年の振り出しに戻る。まだ1月3日の下ヒゲ効力あり」

日足、2019年の始値109.64を上抜く。12月14日-17日の下降ラインに接す。1月15日-16日の上昇ラインのサポート継続、1月10日‐14日の上昇ラインもサポート。
ボリバン中位到達。5日線上向き。
週足、年初、ボリバン下限を大きく下抜き、長い下ヒゲを残す。12月17日週-12月31日週の下降ラインを上抜く。12月31日週-1月14日週の上昇ラインがサポート。
月足、18年3月-9月の上昇ラインを下抜く。15年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-18年3月の上昇ラインがサポート。年初、一時ボリバン下限に到達も急速に戻す。
年足、3年連続陰線。今年は僅かだが陽転。16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐17年の下降ラインに沿う。

*ユーロドル=「ボリバ上限から急降下」 

日足、一時ボリバン上限を上抜くも1月3日-9日の上昇ラインを下抜気下落。1月10日-15日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。1月11日の上ヒゲ長い
  12月14日-1月3日の上昇ラインがサポート。
週足、12月31日週-1月7日週の上昇ラインを下抜く。11月12日週-12月10日週の上昇ラインがサポート。1月7日週-14日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年11月-12月の上昇ラインがサポート。18年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限は1.1130。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート。

*ユーロ円=「ボリバン中位へ戻す」 

日足、1月3日-16日の上昇ラインがサポート。1月10日-11日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、ボリバン下限を大きく下抜くが12月31日週は長い下ヒゲを残しバンド内へ戻る。12月10日週-17日週の下降ラインが上値抵抗。12月31日週-1月14日週の上昇ラインがサポート。
月足、10月-12月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限を下抜いている。16年6月-18年8月の上昇ラインも下抜いた。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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