野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

破局のシナリオ=大蔵省

「横浜馬車道為替、破局のシナリオ」2016年12月1日(木)

「破局のシナリオ」(2004年の検証)

1997年の旧大蔵省発行の小冊子「財政構造改革への取り組み」の中で「破局のシナリオ」という項目がある。官僚にしては大胆な題名である。2025年度を予測したものであるが、その予測と中途であるが現状を比べてみよう。


*内容は

*社会保障制度については給付と負担の極端なアンバランスにより2025年以前に基金の底をつき社会保障制度は機能が果たせなくなる。
*財政については政府債務残高が2025年にGDP比153%程度になり到底ファイナンスできない。(2025年というより既に達成しているがファイナンスは出来ている。ファイナンス出来るかどうかが為替問題に直結することになろう。)
*2025年度には経常収支の対GDP比が14.3%の赤字となる。(これは疑問符である。所得黒字もあり、貿易黒字はBRICSへの輸出も増加する中で減少するのだろうか)
*国民負担率は94年の39.2%から2025年には70%を上回る。

 方向的には正しいと思うがこれで円債や円を売ってもワークしなかった7年であった。要はキャッシュフローがまだシナリオ通りに動いていなかったということであろう。
円債では郵貯、銀行が買い支え、為替では経常黒字の増加がこのシナリオを破局にしなかった。

**検証 2004年当時

*2003年にEU並みのGDP比3%財政赤字はまったく目標に到達せず倍になっている。EUクラブの会員権はおりない。マナーを守りなさいというところか。

* 2003年に赤字国債ゼロも達成出来ていない。
* 政府債務残高は2025年にGDP比153%に達する予想だがすでに128%を超えている。
* 2025年に社会保障制度資金は底をつくとしている。さもありなん。

* 経常黒字は2025年にGDP比マイナス14.3%となっているが、これが予想に反し黒字が増えている。ISバランスの均衡はとれないようだ。所得収支の黒字も大きいことも予想通りにならない原因だ。これが円高を後押ししている。

* 国民負担率は2025年に70%と予想されている。欧米比低いとされているが日本は公共料金の高さなど統計に入らない負担が大きくこの比較はどうか。しかし70%の負担なら脱北者ならぬ脱本者が出てこよう。増税逃れの一時避難先探しが出てこよう。日本人は団体行動なのでそのような現象が起きるときにはどっとくる。
* 国債および借入金の増加の勢いはとまらない。

結論としてはさすが日本の英知の大蔵省だけあり、経常黒字を除けば良い予想と言えよう。それゆえ「破局のシナリオ」と名づけられたのだが、橋本首相の増税騒ぎと小渕さんの大判振る舞いでどうしようもなくなった。まあ日本経済の規模は大きいのですぐに破局はくるわけでもなく、多分ここまで読んでいただいた方が生きている間は大丈夫かもしれない。

子どもの数の減少を予想できず旅館を作ってしまい資金難の年金や、車の通行量を多く見積もり道路を作りまくる道路関係者よりはすぐれた予想だと思う。 ただ問題は解決しようとしていないだけだ。
(まるで私の大学時代の野球のようだ。盗塁のサインを見やぶるが刺せない)

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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