野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

カブセでのドル円下落は一旦終了、晩秋の円安需給あり

11/5(月)「カブセでのドル円下落は一旦終了、晩秋の円安需給あり」

総括「米中間選挙 FOMC・RBA・NZ中銀 政策金利 中国・トルコ CPI NZ 雇用 中 貿易収支」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=111-116、ユーロ円=126-131 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス11月2日東京引け10月26日からの変化(2015年=100)円112.2強し、ドル107.1強し、ユーロ109.5弱し、ドルインデックス NYBOT 96.5強し、原油63.14弱し、金1233弱し、DOW25270強し、日経平均ドルベ-ス東京引け196.88強し IMM円投機筋10月30日 円-91620(前週比+1184)、ユーロ-32662(前週比-2358)

1.(今週の予定)

5(月)日銀議事要旨 黒田総裁  中 財新サービス業PMI トルコ 消費者物価 生産者物価 英 サービス業PMI 米 ISM非製造業景況指数
6(火)米中間選挙 日 家計調査 消費動向指数 豪RBA  政策金利  独 製造業受注 ユーロ圏 生産者物価 加 住宅建設許可 米 JOLT労働調査
7(水)NZ 失業率 日 上中旬の貿易統計 独 鉱工業生産 ユーロ圏 小売売上 加 Ivey購買部協会指数
8(木)NZ中銀 政策金利 日 国際収支 機械受注 景気ウオッチャー 中 貿易収支 独 国際収支 ECB月報 スイス 失業率 加 住宅着工 新築住宅価格 米 新規失業保険 メキシコ 消費者物価   FOMC
9(金)豪 RBA四半期金融政策 中 生産者物価 消費者物価 英 鉱工業生産 GDP(改定値) 貿易収支 米 生産者物価 メキシコ 鉱工業生産 米 ミシガン大学消費者信頼感指数

(来週の予定)

12(月)トルコ 経常収支
13(火) 英 失業保険申請 失業率 ユーロ圏 ZEW景況感調査
14(水)日 GDP GDPデフレータ 中 小売売上 鉱工業生産 独 GDP ユーロ圏 GDP(改定値) 英 生産者物価 消費者物価  小売物価 ユーロ圏 鉱工業生産 米 消費者物価
15(木) 豪 雇用 トルコ 失業率 英 小売売上 ユーロ圏 貿易収支  米 新規失業保険 小売売上 フィラデルフィア連銀景況指数 輸入物価指数 NY連銀製造業景気指数   メキシコ中銀 政策金利
16(金)米 鉱工業生産 設備稼働率 対米証券投資収支

2.総括「米中間選挙 FOMC・RBA・NZ中銀 政策金利 中国・トルコ CPI NZ 雇用 中 貿易収支」

*円「通貨2位、株価6位、カブセでのドル円下落は一旦終了 晩秋の円安需給あり」

 10月31日の日足カブセ、10月1日週の週足カブセでの下落はそれぞれの下降ラインを上抜いて一旦終了。10月初旬の貿易統計は3866億円の赤字で、年間では約2990億円の赤字となった。
最近は原油安となっているが年間を通じては原油高が進んでいたので貿易赤字となっている。ただ対米黒字は例年と変わらず、米国からは黒字削減や円安懸念が出てくるだろう。
2015年、16年は貿易黒字で円高推移したが、今年は貿易赤字で円安になる場面も増えている。ただ対米ドルを除けば概ね円高推移している。円高推移しても株価が上昇するのは やはり日銀のETF買い入れが効いているのだろう。為替も株も需給である。おかげでGPIFの7-9月期も利益を出すことが出来た。いつまで日銀買い入れが続けられるのか心配だが、為替と違って海外から批判されない利点がある。
 また輸出入業者では会計年度前半に輸出が出やすく、後半に輸入が出やすい需給、米国のドルのリパトリもありドル円も下落しにくくなるのが晩秋だ。
 11月14日発表の7-9月期の実質GDPの予測では、前期比で1.1%減となり、2四半期ぶりのマイナス成長を見込む。西日本豪雨や北海道地震など自然災害が相次ぎ、個人の消費マインドが悪化。景気は「足踏み状態」との見方が出ている。
 日銀は展望リポートで成長見通し、インフレ見通し共に下方修正した。円安、原油安でもなかなか上昇しない物価である。老齢になると消費する量も激減することは私の実感でもあるし、
日中関係改善で中国産の商品が輸入が増加すれば物価はさらに低下しよう。消費増税で表面的に値段が上がれば消費そのものが落ち込んで物価はさらに低下となってしまうだろう。

*米ドル「通貨首位、株価(NYダウ)4位、トランプ大統領が鎮まるか、再び吠えるか」

 中間選挙では下院が民主党の過半数獲得、上院は共和党支配の維持が予想されている。トランプ大統領も中間選挙直前になって次から次へと選挙対策ともなる政策を打ち出している。

・米ホワイトハウスと下院歳入委員会は、中間所得層を対象とした10%の追加所得税減税案を正式に明らかにした
・トランプ大統領は民主党に投票すれば株が下がると発言
・米中首脳が通商協議で前向きな電話対談をしたことをアピール
・米・トルコ首脳会談(シリア問題、制裁解除ではなかった)実施
・国境警備を強化し、支持基盤の保守層にアピール
・ポンペオ米国務長官と北朝鮮高官の会談が11月6日の米中間選挙後の9日ごろ、ニューヨークで行われる見通しを発表

 米国内経済指標はマチマチ、雇用は強いが住宅、ISM製造業に陰りがある。年末までは米国へのリパトリのドル買いも続くだろうが、FRBはさらなるドル高についてはインフレ率鈍化、製造業収益悪化などに繋がるとして牽制球を投げ始めている。
 貿易摩擦は先週後退する兆しもあったが、米国の貿易赤字や対中貿易赤字は膨らむばかりである。経済制裁や追加関税では良い方向へは向かわないだろう。中間選挙の結果で、トランプ大統領が鎮まるか、再び吠えるか。

*ユーロ「通貨7位 株価(独DAX)12位。イタリア財政問題とユーロ圏低成長が重し」

 英のEU離脱観測合意でポンドが上昇したが、ユーロの伸びはなかった。依然、イタリア財政の問題やドイツの政局が重しとなっている。 イタリアは2019年の財政赤字削減に向けた方策を模索している。予算案では、早期退職オプションと所得支援策に約170億ユーロが計上されている。 ただ、これら施策の実施時期など詳細は確定しておらず、改革に着手しなければ一部資金が浮く可能性もある。 未使用資金について、財政赤字をGDP比で2.4%にするとした公式目標から押し下げるために使う可能性があるとした。 ユーロ圏3Q・GDPは、前期比0.2%増と、2Qから鈍化した。予算案を巡り注目されているイタリアのGDPも振るわなかった。イタリアの3Q・GDPは前期比変わらずで、2Qの0.2%増から減速。3Qのユーロ圏平均成長率は0.4%だったとみられ、ゼロにとどまったイタリアの成長率は域内で大きく見劣りする。ポピュリスト政権の野心的な歳出計画に逆風が強まった。ドラギECB総裁は成長の勢いが鈍化し、先行きに「多大な不透明感」があると指摘している。また、ユーロ圏短期市場では、ECBの利上げ見通しが従来の来年10月から12月に後ずれした。 ユーロ圏の牽引車である独も3Qの成長見通しを下方修正している。
 
*英ポンド「通貨5位、株価9位、離脱交渉進展観測」

 ラーブEU離脱担当相は、離脱交渉について、合意が確実に視野に入り、11月後半までにまとまる可能性があるとの見通しを議会への書簡で示した。 英議会のEU離脱委員会に宛てた書簡で、大部分の課題は解決済みだが、北アイルランドの問題はまだ残っているとし、合意時期について「現時点では11月21日が適当だと見込んでいる」と説明した。
残る課題は4つだとし、英EU間の暫定的な関税領域、移行期間延長の可能性、移行期間延長を無期限としないこと、北アイルランド企業による英国の他地域へのアクセス継続を挙げた。
またFTは離脱交渉で焦点となっている北アイルランド国境問題で、EU側が譲歩案を検討していると報じた。
 国内では、ハモンド財務相は秋期財政報告書で、政府がEUと離脱条件などで合意できれば、長らく掲げてきた財政緊縮策を終了させる方針を示した。
 経済成長率見通しについて、19年が3月予想の1.3%から1.6%に、20年は予想の1.3%から1.4%にそれぞれ引き上げた。このほか、防衛と道路整備などへの歳出拡大も表明。オンライン販売業者との競争に苦しむ小規模の小売業者の支援策のほか、福祉改革により多くの資金を投入する方針も示した。所得税については、税金の支払いが義務付けられる所得水準の引き上げを1年前倒ししたほか、高い税率が適用される所得水準を引き上げた。また、福祉給付改革に伴う勤労世帯への影響を和らげる措置も講じると説明した。

*人民元「通貨8位、株価15位、米中貿易摩擦後退観測で上昇。ただ依然、対米不均衡は巨額」

 先週は人民元、株価ともに上昇した。日中首脳会談で日中関係の改善、また米中首脳電話会談で貿易摩擦解消への前向きな発言があったことによる。トランプ大統領は中間選挙前の思惑があり、中国側も景気減速に苦悩していることで両国の歩み寄りがあったのだろう。人民元は対ドルで7.0の近づいていたが、一時6.9割れまでドル下落元高となった。ただ米国の9月貿易収支でさらに対中赤字が拡大したことは今後の通商協議での障害となる。今週は中国の貿易収支の発表がある。
 中国も株価下落に苦慮し、次のように様々な対策を打ち出し、これも先週の株上昇に寄与した。

 ・経営が苦しい民間企業を支援し、さらなる減税や資金面の支援などを行う。
 ・政府が付加価値税の引き下げや小規模企業やハイテク新興企業向けの免税などによって企業の負担を軽減していく
 ・すべての企業が等しく活動できる環境を整備する方針。
 ・AI分野で主要技術を確立すべきと要請

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨10位、株価6位、米中貿易摩擦後退と人民元高で豪ドルも上昇」

 米中首脳電話会談があり貿易問題で前向きな話をしたというトランプ大統領の発言で中国景気に影響されやすい豪ドルは上昇した。また9月貿易収支は30億2000万豪ドルの黒字で、予想の17億豪ドルの黒字を上回った。資源輸出が増加した。純輸出が3Q・GDPに約0.2%ポイント寄与したとの見方を示した。他の指標は冴えず。9月小売売上高は、前月比0.2%の増加にとどまった。予想は0.3%増、7月は横ばい、8月は0.3%増だった。 賃金の伸びの低迷や住宅価格急落を背景に消費者が支出に慎重になっている。先週発表された住宅着工許可件数、CPI、主要都市の住宅価格などの豪経済指標は軒並み低調な内容だった。
 今週は政策金利の決定があるが、インフレが抑制されていることから据え置きとなろう。
 
*NZドル「通貨9位、株価3位、格付け見通し上方修正で強い、政策金利は据え置きか」

 S&Pが格付け見通しを安定的からポジティブへ上方修正したことや、CPIの上昇で出始めていた利下げ観測が後退し上昇した。貿易赤字の拡大で下落した分を取り戻した。S&Pの見通し上方修正は住宅価格の下落で金融機関の業績も安定してくるだろうという観測から。現在のS&Pの格付けはAA、ムーディーズはAaaである。
 10月の企業信頼感指数は前月から改善した。ただ、依然として悲観的な見方を維持している企業が多いことが示された。向こう1年間に経済が悪化すると予想した回答者の割合は差し引きで37.1%と、9月の38.3%から改善した。向こう1年間に自社のビジネスが成長すると回答した企業の割合は差し引き7.4%。9月の7.8%から低下した。NZドル上昇の要因は米中貿易摩擦の後退感もあった。
 今週は 失業率、政策金利決定(据え置き予想)、乳製品オークションなどがある。

*南アランド「通貨11位、株価11位、国内指標弱いが外部要因で上昇

 南ア国内からは良いニュースはなかったが、米中貿易摩擦懸念が後退する観測で上昇した。米中首脳が貿易協議で前向きな電話会談をしたことでリスクオンとなり資源通貨が上昇した。
国内からは次にように悪いニュースが多い。

・S&Pはソブリン格付けについて、財政再建の先送りと土地収用を巡る透明性の欠如への懸念から、引き下げられるリスクがあるとの考えを示した
・ムボウェニ財務相は財政赤字見通しをGDP比4%とし、前回予想の3.6%から拡大するとの見方を示した一方、成長見通しは引き下げた
・9月貿易収支統計が8月の黒字から赤字に転落
・10月製造業PMIは42.4と、2017年7月以降で最低となった
・3Q失業率は27.5%と2Qの27.2%から悪化

 国外からしかいいニュースが出なかったが、中国景気が回復すればもちろん国内景気にも良い影響を与えるだろう。今週は金生産、鉱業生産、製造業生産の発表がある。

*トルコリラ「通貨最下位、株価14位、制裁解除、制裁免除で上昇、年間通貨下げ幅大幅縮小」

4週連続陽線。8月10日の15.50あたりから上昇し、20.88をつけた。年間では8月10日で対円で47.71%下落していたが11月2日で29.69%下落と下げ幅を縮小した。制裁解除と制裁免除があった。
11月1日に米トルコ首脳電話会談があったが、その後、両国が米人牧師拘束に関わる制裁を解除したこと、また米のイラン制裁でトルコがイラン産原油禁輸措置の適用免除国になることでリスクオンとなり上昇した。もちろん数々のリラ防衛策やインフレ抑制策も功を奏している。10月の製造業PMIは44.6と9月の42.7から上昇した。もちろんリラ急落の影響を受けた市場環境は引き続き厳しく、成長を取り戻すには今後数カ月にさらなる改善が必要になるだろうが最悪期は脱したのだろう。
 今週は9月は24.52%に達したCPIの10月の数字が発表される。インフレ対策としては、利上げを始め、民間企業が自発的に製品の価格を10%以上値下げする3カ月間のキャンペーン実施、2018年末まで電気・ガス料金を引き上げない、付加価値税還付金の半分を民間企業に前倒しで支払う、などの政策が打ち出されている。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「日足、週足カブセ関連の下降ラインを上抜く」

日足、10月31日-11月1日の下降ラインを上抜く。11月2日のボリバン上限の113.32に一時到達。10月26日-11月2日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、10月1日週-8日週の下降ラインを上抜く。10月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。ボリバン上限は114あたり。
月足、10月に入ってボリバン上限近くから下落。18年3月-9月の上昇ラインがサポート。15年6月-8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3月につけた104円から戻し年間で陽転。16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐16年の下降ラインに沿う。

*ユーロドル=「ボリバン下位にてカブセ」

日足、10月29日-30日の下降ラインを上抜く。ただ11月2日は下位だがカブセ線。11月1日-2日の上昇ラインを下抜いて始まるか。10月16日-11月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線
下向き。ボリバン下位
週足、8月13日週-10月15日週の上昇ラインを下抜きボリバン下限へ。9月24日週-10月15日週の下降ラインが上値抵抗。雲下。
月足、18年8月-9月、17年1月-18年8月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限は1.1。18年9月-10月の下降ラインが上値抵抗。
年足、14年から3年連続陰線であったが、14年‐15年の下降ラインを上抜き17年は陽線。00年‐01年の上昇ラインがサポート。11年-14年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円=「逆カブセ・長い下ヒゲで上昇」

日足、10月22日-24日の下降ラインを上抜く。10月26日の逆カブセ・長い下ヒゲで上昇中。11月1日-2日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン中位。10月22日-11月2日の下降ラインが上値抵抗。

週足、一時ボリバン上限を越えたが9月10日週-17日週の上昇ラインを下抜きボリバン下限近くまで下落。9月24日週-10月1日週の下降ラインが上値抵抗。10月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。
月足、18年8月-9月の上昇ラインを下抜ける。17年4月-18年8月の上昇ラインがサポート。18年2月-8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、15年から2年連続陰線の後、17年は漸く陽転。16年‐17年の上昇ラインがサポート。15年‐16年の下降ラインを上抜く。08年-14年の下降ラインが上値抵抗。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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