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「相場を決めるのは貿易動向だが、マイナス金利も円高を支援してきた」2016年9月投稿

「相場を決めるのは貿易動向だが、マイナス金利も円高を支援してきた」2016年9月投稿

*円「通貨番付首位、相場を決めるのは貿易動向だが、マイナス金利も円高を支援してきた」

 今週は8月貿易統計の発表がある。予想は1955億円の黒字である。7月は5135億円の黒字であるので黒字減少と見るのではなく、前年、一昨年の8月と比べたい。月別の偏りがあるので同月と比較したい。15年8月は5675億円の赤字、14年8月は9532億円の赤字であったので予想通りの数字が出れば貿易黒字の傾向の継続であり、円高要因である。今年はすべての月で赤字の縮小、あるいは黒字の拡大となっている。
以上が日銀の政策より重要な為替動向を決めるの需給である。

 マイナス金利の検証であるが、私自身では次のような結果である。これ以上のベネフィットがあるようには思えない。日銀の内部検証というのが気になるが、もしそうなら市場はすぐさま見抜くだろう。

(マイナス検証、深堀すればさらに大デフレ 円高へ)

*4月ロイター企業調査=日銀が導入したマイナス金利の拡大に8割近い企業が反対しており、導入自体が失敗との見方も目立った。
 
*全銀協の国部会長(三井住友銀行頭取)=日銀のマイナス金利政策について、導入から7カ月が経過する中で、実体経済への効果はあまり表れていない。マイナス金利が深掘りされれば、預金口座手数料導入の検討をしなければならない事態になる

*筒井生保会長は日銀のマイナス金利政策による3つの「副作用」に言及した
 ・国債市場の流動性が細っている
 ・社債のスプレッド(上乗せ金利)が信用リスクを正常に反映しなくなっている
 ・資産運用を望む顧客に保険商品を提供できなくなっている

*三菱UFJフィナンシャル・グループ平野信行社長=国債入札で一定の応札額を義務づけられる特別資格の返上を検討。ある大手生保の幹部は「日銀に物申せるのは三菱UFJさんくらいだけど、内心では誰もが感じていること」と打ち明ける。

*全国地方銀行協会の中西勝則会長(静岡銀行頭取)=マイナス金利政策について、「地方銀行にとっていいことはない。大きな影響で大変な思いをしている」と述べた。

*金融庁=約10年後、全国の地方銀行の6割は貸し出しや投資信託の販売などの「本業」で赤字に転落する、

*金融政策の指針となるテーラー・ルールを考案したジョン・テーラー米スタンフォード大学教授=マイナス金利が効用よりも弊害が大きい可能性があると指摘した

*私(1月30日、マイナス金利導入直後)=債務者よりずっと多い預金者の可処分所得、運用益が減少、消費の減少につながり、デフレ、円高、貿易黒字拡大につながる
*年金など運用難で赤字決算
*マイナス金利でも銀行の住宅金利が上昇(収益悪化で)

以上であるが、マイナス金利はけっして個人、企業の可処分所得を増やし、景気を活況にして輸入を活発にして円安を招くものではない。
ただマイナス金利うんぬんで相場が動くのではなく、冒頭の貿易需給が相場の先行きを決めているのは明らかである。

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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