野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

米国分断、世界分断時代。GPIFのヘッジ売りは

11/19(月)「米国分断、世界分断時代。GPIFのヘッジ売りは」

総括A「晩秋の円安、米リパトリに対抗馬、原油安、GPIFヘッジ、マイナス成長と円買い要因もでてきた」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=110-115、ユーロ円=126-131 、ユーロドル=1.12-1.17

日経インデックス11月16日東京引け11月9日からの変化(2015年=100)円110.5強し、ドル107.4強し、ユーロ109.4弱し、ドルインデックス NYBOT 96.45弱し、原油56.46弱し、金1223強し、DOW25413弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け191.42弱し IMM円投機筋11月13日 円-102294(前週比-13172)、ユーロ-37019(前週比+9824)

1.(今週の予定)

19(月)NZ 生産者物価 日 貿易統計 ユーロ圏 経常収支 建設支出 米 NAHB住宅市場指数
20(火)RBA議事録 独 生産者物価 米 住宅着工 建設許可 
21(水)日 全産業活動指数 南ア 消費者物価 米 耐久財受注 新規失業保険 ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) 景気先行指数 中古住宅販売
22(木)日 全国消費者物価 スイス 鉱工業生産 南ア 政策金利 ユーロ圏 消費者信頼感指数 メキシコ 消費者物価
23(金)独 GDP(確報値) ユーロ圏 製造業・サービス業PMI 加 消費者物価 小売売上 米 製造業・サービス業PMI メキシコ GDP 経常収支

(来週の予定)

26(月)NZ 小売売上 独 IFO景況指数 メキシコ 小売売上
27(火)NZ 貿易収支 日 企業向けサービス価格指数 独 小売売上 米 住宅価格指数 ケースシラー住宅価格 CB消費者信頼感指数 メキシコ 貿易収支
28(水)米 GDP(改定値)新築住宅販売 リッチモンド連銀製造業
29(木) スイス GDP 独 雇用統計 消費者物価 ユーロ圏 消費者信頼感 米 個人所得支出 新規失業保険 中古住宅販売保留 加 経常収支 FOMC議事録
30(金)NZ 住宅建設許可 日 雇用統計 東京消費者物価 鉱工業生産 中 製造業PMI 非製造業PMI スイス KOF先行指数  ユーロ圏 消費者物価指数 失業率 南ア 貿易収支 加    GDP 米 シカゴPMI 

2.総括B「ブラックフライデー 連続ゴトビあり 日 貿易統計、RBA議事録 南ア政策金利、メヒコ GDP」

*円「通貨2位、株価5位、晩秋の円安、米リパトリに対抗馬、原油安、GPIFヘッジ、マイナス成長と円買い要因もでてきた」

 16年、17年の貿易黒字による円高基調から収支がほぼフラットになるにつれ104円から年初オープンに戻してきたドル円。とはいっても今年の円はドルとともに最強通貨の一つである。ただこのところ、円高材料も出てきた。原油安が進んできたこと。原油高で貿易赤字になりつつあったが、原油価格は11月に入って急落し年初来、マイナスとなった。原油安が続けば、貿易収支も黒字となり円高となりやすくなる。またGPIFが為替ヘッジを実施する体制を整えたとしたことがある。GPIFの海外投資は株価や債券価格の値上がりで益となっているが、為替は2014年後半から円売りを実行しているとすれば、差損が出ている。さらにヘッジ売りをして円買いを行うのは、上手くいっていない両建て取引のようで非常に操作が難しくなると思う。ただ円高要因であることは間違いない。7-9月期はマイナス成長となった。災害による影響が大きいがこれで消費が落ち込むとそれも円高要因だ。これに消費増税が加わる。原油価格は減産の議論もあるので注意していきたい。今週は貿易統計の発表がある。

*米ドル「通貨首位、株価(NYダウ)4位、米国分断、世界分断」

 先週は今年最強通貨を維持したが、週間ではほぼ全面ドル安(最弱は英ポンド)となった。今年のドルを押し上げているのはリパトリ減税による米国へのドル送金であった。それはまだ暫く続くのだが巨額の貿易・経常赤字があるので勢いが来年も続くことはない。さてFRBでは内部からも中立金利に近いという意見が出たり、ドル高の影響も議論されるようになってきた。中間選挙では「ねじれ国会」となり議事進行に障害が出てくる。トランプ大統領はそれにいら立ち、外交、通商政策に力をいれてくるだろう。米株も下落場面が目立つようになってきた。当初は米金利の上昇によるものであったが、原油安やIT株の下落でも株価全体が下落するようになった。経済指標はまだ強いものが続くが、減税によるドルのリパトリも限りがあるので、来年第一四半期あたりからドルも弱含んでいくだろう。
 それにしてもG20財務大臣・中央銀行総裁会議に続き、週末のAPEC会議でも共同声明は出なかった。トランプ大統領は米国にだけでなく世界も分断している。

*ユーロ「通貨7位 株価(独DAX)10位。対ドルで5週間ぶりに上昇も他力本願」

 対ドルで下げ渋り5週間ぶりに陽線となった。ただ内部要因というよりは外部要因からだ。原油安で米金利の低下、米中間選挙での今後の議会での混乱、米IT企業主導での株価下落でドルが売られ、ユーロはその対価として買われた。英のEU離脱問題やイタリアの財政問題が解決したわけでもない。欧州委員会は11月21日に対イタリア制裁手続きを勧告する。ドイツは政局不安もあるが、3Qはマイナス成長となった。ドラギ総裁は11月16日、量的緩和を年内に終了する方針を改めて表明する一方、成長見通しについては慎重な見方を示し、インフレ率の上昇は当初の想定よりもゆっくりしたものになる可能性があると警告した。ユーロ圏経済の成長が止まり、それに伴いインフレが鈍化することを見込む「理由はない」と強調したが、見通しを巡る不透明感が拡大していることを認めた。 総裁は「企業が成長やインフレについて先行き不透明感を強く感じれば、利益への圧迫がより持続性を持つ。これは基調インフレが加速するペースに影響を及ぼし、ひいてはわれわれが想定する今後数四半期のインフレ動向にも影響する」とし「中期的見通しに関する不確実性が高まった」と述べた。
 米国のねじれ国会、米IT企業の株価下落、原油安、FRB内でも中立金利に近づいたという意見も出てきたことでの米ドル安、米株下落がユーロを強くしている。
 
*英ポンド「通貨8位、株価9位、先週は最弱通貨。離脱協定案は議会で承認されるか」

 EU離脱協定案を巡る英政権内の混乱で2019年の英利上げ観測が一段と後退している。短期金融市場が織り込む2020年よりも前に英中銀が0.25%利上げする確率は86%。前日の90%強から低下。離脱協定案に反発した閣僚の辞任が相次ぐ前は20年中の利上げが確実視されていた。英ポンドは先週は最弱通貨となった。 10月の小売売上高指数は前月比0.5%減となり予想の0.2%増を下回った。このところのCPIは2.4%あたりで落ち着いている。ただ7-9月の平均週間賃金は、前年同期比3.2%増と2008年4Q以来約10年ぶりの大幅な伸びを記録した。
 英政府はEUからの離脱協定案について閣議で承認したものの、議会の承認を得られるかどうかは不透明で、予断を許さない状況が続く。EUをどんな形で離脱するかは英経済の先行きを大きく左右するが、離脱交渉の行方が見通せない中で、企業の「様子見状態」が続く。離脱案は11月25日に開かれる臨時のEU首脳会議で承認された後、英議会での承認待ちとなる。議会で否決されれば、「合意なき離脱」、内閣総辞職、再選挙というシナリオになる可能性もある。

*人民元「通貨9位、株価15位、中国景気減速の中で米中の応酬続く。元は小康」

 10月の小売売上高は、前年同月比8.6%増加した。伸び率は9月の9.2%増を下回り、5カ月ぶりの低水準となった。米国との「貿易戦争」長期化の見通しが強まったことで、個人消費が冷え込み始めたとみられる。10月鉱工業生産は、予想の前年比5.7%増を上回り5.9%増となった。10月の自動車販売台数は前年同月比11.7%減の238万台だった。減少は4カ月連続。10月の新規人民元建て融資は予想の8740億元を大きく下回る6970億元となった。 景気減速は米中貿易戦争によるものと言われる中で今月下旬に行われる見通しの米中首脳会談で貿易摩擦は解消に向かうのではないかという一部の観測がある。トランプ米大統領は、中国が貿易合意を求めており、同国に追加関税を課す必要がなくなる可能性があるとの認識を示した。
 しかし、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が閉幕したが、首脳宣言の採択が見送られた。宣言の内容をめぐって貿易摩擦を抱える米中が対立したため。首脳宣言が採択されないのは、第1回の首脳会議が開かれた1993年以降で初めてだ。
 ペンス米副大統領は「中国が態度を改めるまで、米国が行動を変えることはない」と述べ、中国が不公正な貿易慣行をやめるまで圧力をかけ続ける方針を強調した。中国は「参加国は保護主義や一国主義に対抗しなければならない」と呼びかけ、「米国第一主義」を掲げるトランプ米政権の対中制裁関税を暗に批判した。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨10位、株価6位、賃金上昇したがRBAはなお慎重」

 NZドルほどではないが豪ドルも3週連続で対円、対ドルで上昇している。3Qの賃金価格指数は前年比2.3%上昇し、2015年終盤以来約3年ぶりの高い伸びとなった。ただ、最低賃金引き上げが主な押し上げ要因で、民間部門の賃金の伸びは総じて低調とされている。 2000年代初頭から10年間続いた鉱業投資ブームの際には6%超のペースで賃金が伸びていたと言われるがそれは高望みだろう。労働市場は引き続き完全雇用に向けて着実に進展すると予想するが、賃金上昇ペースが確実にインフレ率を上回るようになるにはまだ時間がかかりそうだ。低調な賃金の伸びを背景に、RBAはコアインフレ率が中銀目標である2-3%の中間に達するのは2020年末以降になると予想している。 今週はRBA議事録の公表がある。
 また今年は豪ドルが安いがRBAは通貨安の懸念はないとしている。インフレなき通貨安を活用したいようだ。

*NZドル「通貨5位、株価3位、今週は乳製品オークションにPPI。指標改善もNZ中銀は利上げにまだ慎重」

 対円、対ドルで3週連続陽線と強い。豪ドルよりも強い。雇用が強く、CPIも上昇してきた。S&Pが格付け見通しを安定的からポジティブへ上方修正した。ただNZ中銀は、なお慎重で堅調な指標にもかかわらず下振れリスクはなお存在すると指摘した。オア総裁は「将来の政策金利の動きに関する時期や方向性は引き続きデータ次第となる」と述べた。 また、冴えない企業景況感を背景に減速する可能性があるとした。今週は乳製品大手のフォンテラ社の乳製品オークションがある。6回連続で価格が下落している。輸出主要産品の乳製品価格が軟調なことは中銀の金融政策や為替政策に影響を与えている。今週はPPIの発表がある。

*南アランド「通貨11位、株価11位、利上げか」 

 南アランドはどこから戻し始めたのだろう。10月24日に市場の信頼が厚いムボエニ財務相が誠実に南アの成長見通しの下方修正と財政赤字の拡大を含めた予算を発表したころだ。誠実に正直にデータを示せば投資家も決断しやすい。それは格付けの場合にも当てはまる。不透明な状態から具体的な数字を示されて下げ止まることはよくある。私も格下げが発表された時にジャンク債を買うことはよくある。また今週は政策金利の決定がある。前回は据え置かれたが委員の4人が据え置きに賛成した一方、3人が利上げを主張し、据え置きは僅差で決まった。クガニャゴ中銀総裁は「インフレ見通しへのリスクは引き続き表面化した」とし、通貨ランド安や世界的な原油高などを背景にインフレ見通しは悪化したとの認識を示していた。さらにインフレ率が目標レンジの上限近辺に「不快」に高止まっていることなどを踏まえ、今後利上げを余儀なくされる可能性があるとの認識を示した。 今週は10月CPIの発表の翌日に政策金利決定がある。最近下落している原油価格がどうCPIや金融政策に影響するか。

*トルコリラ「通貨最下位、株価14位、需給面で改善。経済指標はまだ弱い」 

トルコリラは8月の安値の15円台から21円台へ戻した。急落の原因となった米国人牧師拘束にかかわる米国のトルコへの経済制裁は解除された。トルコ政府自身が数多くの景気対策、リラ安対策を打ち出したことも効果を上げた。このところは少し政府も安心したようで、一時規制していた「在住外国人の外貨建て不動産契約」を容認した。アルバイラク財務大臣は経常赤字の改善を示唆したが、8月、9月はリラ安の影響もあって経常黒字に転じリラを支えた。今後はまだリラ急落の影響を受けて弱い経済指標も出るだろうが、需給面では売り込まれる心配はなくなった。
 今週は小売売上 消費者信頼感の発表がある。なお一時報道された「在米イスラム指導者ギュレン師のトルコ送還」はトランプ大統領によって否定された。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「ミニ団子天井から下落」

日足、11月7日-8日、10月26日-11月7日の上昇ラインを下抜く。10月26日-11月16日の上昇ラインがサポート。ここを下抜ければボリバン下限の111.87。11月13日-14日の下降ラインが上値抵抗。
週足、11月29日週-11月5日週の上昇ラインを下抜く。10月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。10月1日週-11月12日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年3月-9月の上昇ラインがサポート。15年6月-8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3月につけた104円から戻し年間で僅かに陽転。16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐16年の下降ラインに沿う。

*ユーロドル=「ボリバン下限から4連続陽線」

日足、11月7日-8日の下降ラインを上抜き上昇。11月15日-16日の上昇ラインがサポート。10月16日-11月7日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き
週足、ボリバン下限到達。先週はボリバン下限を下抜いて長い下ヒゲを出した。9月24日週-11月5日週の下降ラインを上抜くか。10月15日週-11月5日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年8月-9月、17年1月-18年8月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限は1.1。18年9月-10月の下降ラインが上値抵抗。
年足、14年から3年連続陰線であったが、14年‐15年の下降ラインを上抜き17年は陽線。00年‐01年の上昇ラインがサポート。11年-14年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円=「4連続陽線で保ち合い」

日足、10月26日の逆カブセ・長い下ヒゲで上昇していたが、10月26日-11月1日の上昇ラインを下抜く。11月8日-14日の下降ラインが上値抵抗。10月15日-16日の上昇ラインがサポート。
5日線下向き。
週足、一時ボリバン上限を越えたが9月10日週-17日週の上昇ラインを下抜きボリバン下限近くまで下落。9月24日週-11月5日週の下降ラインが上値抵抗。10月22日週-11月5日週の上昇ラインがサポート。9月24日週-11月5日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年8月-9月の上昇ラインを下抜ける。17年4月-18年8月の上昇ラインがサポート。18年2月-8月の下降ラインが上値抵抗。

年足、15年から2年連続陰線の後、17年は漸く陽転。16年‐17年の上昇ラインがサポート。15年‐16年の下降ラインを上抜く。08年-14年の下降ラインが上値抵抗。
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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