野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

GPIFと為替ヘッジ

「GPIFと為替ヘッジ」2015年6月投稿

*これだけ資産が巨額となると、その為替ヘッジは難しい。外貨準備はヘッジはしない。GPIFのヘッジの話が出ることもあるが、原則はヘッジ取引を否定している。元為替ディーラーの運用委員がヘッジの必要性を説いたが、これだけ巨額になると実務上難しい

*適切なヘッジは3割と生保の方から聞いたことがあるが、56兆円の3割は18.6兆円。約1500億ドルを機動的に一時期に動かせば為替相場は大きく動いてしまう。1500億ドルは東京市場の日々の市場出来高に近い。では小さな金額だと収益的に意味がないだろう

*為替ディーラー的にはポジションをひっくり返したりするのが醍醐味だが、4550億ドルをどうやって消化するのか。ひっくり返すには約1兆ドルの売り買いを行うこととなる。

*個人的にもヘッジは難しい。両建てポジションを持つようなもので、下げればうれしいのか、上がればうれしいのか悩む。一つのポジションでも悩むのに二つの正反対のポジションを持つとわけがわからなくなるだろう。そんな巨額な為替を取り扱ったディーラーはいない。私で最大が1回で10億ドル程度。それでも市場でさばくのは相当苦労する。途中で市場が薄くなってしまい、スプレッドが5銭、10銭と広がっていく。10億ドルの100倍以上は実務的に無理でやれば、あの1日で12円、2日で24円動いた1988年10月のヘッジファンドの損切り相場以上のものとなる。 一瞬で年間の収益が出たり、損が出たりする

*ヘッジで簡単なのは、満期や処分が近い債券や株の為替を思惑で売ってみることである。GPIFのヘッジはそうではなく、巨額のデイトレとはいわないが、巨額の短期取引となる。

*年での外貨投資は腹を据えて永遠に持ち続けるのがいいのだろう。ただ世間は評価損を許さない人もいる。個人は評価もしないし、余裕資金であやっている。駐車場経営のようなもので、その土地の評価額の上げ下げはどうでもいいが、駐車料だけ入ってくればいいのである。それを年金と支払う。

*FXは2000年ごろから活発化した。高金利狙いは危険で、事実リーマンショクやギリシャショックでハイレバで失敗した方もいる。
 年金はレバをかけていない。ヘッジもせずに悠久に持てばいい

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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