野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

ドル高懸念が最近消えている米当局

7/2(月)「ドル高懸念が最近消えている米当局」

総括「短観、米 ISM、雇用 貿易収支 RBA、トルコ CPI FOMC議事録」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=107-112、ユーロ円=127-132 、ユーロドル=1.14-1.19

日経インデックス6月22日東京引け6月15日からの変化(2008年=100)円103.9強し、ドル127.3同、ユーロ102.9強し、ドルインデックス NYBOT 94.52同、原油74.15強し、金1254弱し、DOW24271弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け201.49弱し IMM円投機筋6月26日 円-34221(前週比+1341)、ユーロ+33904(前週比-2214)

1.(今週の予定)

2(月)日 日銀短観 中 財新製造業PMI 英 製造業PMI ユーロ圏 失業率 生産者物価 米 ISM製造業景況指数 建設支出
3(火)日 企業の物価見通し 豪 住宅建設許可 RBA 政策金利 トルコ 消費者物価 生産者物価  英 建設業PMI ユーロ圏 小売売上 米 耐久財受注(確報)製造業受注
4(水)豪 貿易収支 小売売上 中 財新サービス業PMI 英 サービス業PMI 
5(木)独 製造業受注 スイス 消費者物価 米 ADP民間雇用者数 新規失業保険 ISM非製造業景況指数 FOMC議事録
6(金)日 貿易統計 家計調査 消費動向指数 独 鉱工業生産 米 雇用統計 貿易収支  加 雇用統計 貿易収支 Ivey購買部協会指数 

(来週の予定)

9(月)日 国際収支 景気ウォッチャー調査 スイス 失業率 独 貿易収支 経常収支 メキシコ 消費者物価指数 米 消費者信用残高
10(火)豪 NAB企業信頼感 中 消費者物価 生産者物価 英 鉱工業生産 製造業生産 貿易収支 欧 ZEW景気期待指数 英 (NIESR)GDP 加 住宅着工 建設許可 
11(水)日 機械受注 第3次産業活動指数 豪 住宅ローン貸出 米 生産者物価指数 加 政策金利 米 卸売売上
12(木)英 RICS住宅価格 ユーロ圏 鉱工業生産 米 新規失業保険申請 米 消費者物価 加 新築住宅価格
13(金)日 鉱工業生産・確報 NZ 企業景況感(PMI) 中 貿易収支 米 輸入物価指数 米 ミシガン大消費者信頼感指数 

2.総括「短観、米 ISM、雇用 貿易収支 RBA、トルコ CPI FOMC議事録」

*円「通貨首位、株価7位、物価や消費伸びないところに消費増税」

 通貨は依然、今年最強を維持、ただ日経平均は再びマイナス圏に突入した。世界の主要株価市場でプラス圏はナスダック、豪、NZの3市場だけなので致し方ない。今年の貿易統計では1月-5月で960億円の赤字、昨年同期では1兆440億円の黒字であった。貿易需給では円高にも円安にも大きく振れない。ただ6月上旬は2990億円の黒字であった。武田薬品のシャイアーの買収は株主総会で容認された。またソフトバンクグループが対米投資額を従来計画から220億ドル増やすようだが、これらの円安要因は所得黒字で相殺されるだろう。
  6月消費者態度指数は、前月から0.1ポイント低下して43.7となった。2カ月ぶりの低下。構成4項目のうち、「収入の増え方」、「暮らし向き」、「耐久消費財の買い時判断」が前月から低下、「雇用環境」が上昇した。 また5月の全世帯消費支出は予測中央値で前年比実質1.5%減が見込まれている。減少すれば4カ月連続となる。 しかし安倍首相は来年の消費増税を明言した。
 日銀が7月末の金融政策決定会合でまとめる経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、物価上昇率の見通しを下方修正する方向となった。5月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率が前年同月比0.7%と、3カ月連続で1%を割り込むなど伸びが鈍化しているため。2018年度見通しを前年度比1.3%から1%程度に引き下げることを検討する。国内消費が伸び悩めば企業は輸出ドライブをかけ円高となる。今日は短観の発表。

*米ドル「通貨2位、株価(NYダウ)6位、ドル高懸念が最近消えている米当局」

 米ドルは先週人民元が急落したこともあり、円に次いで強い通貨となった。6月は半期末でもあり、米国へのリパトリでのドル買いも出たのだろう。元々ニュースが多い米国だがトランプ大統領がかき回すので
さらに情報があふれ市場のボラティリティを高めている。トランプ大統領は中国企業による米ハイテク技術獲得への対応で、中国に特化した制限を課すのでなく、対米外国投資委員会(CFIUS)の審査を強化する方針を表明し態度を軟化させたこともドルを支えた。1Q・GDPは下方修正されたが 2Qは労働市場や個人消費支出の統計から4%増になると予想されている。トランプ大統領は11月の所得減税を示唆したり、サウジの原油増産を要求したり、またWTO離脱を示唆したりと相変わらず市場を驚かせる発言を行っている。ただ自動車業界や鉄鋼業界からは追加関税を批判されている。
 為替については最近はあまり言及しなくなった。ベージュブックやFOMC議事録でドル高懸念を表明していたのはドル円120円超え、ユーロドル1.05割れであったので、まだドル高を容認か。今週はFOMC議事録の公表の他、雇用統計 貿易収支、ISM製造業・非製造業景況指数に注目したい。

*ユーロ「通貨7位 株価(独DAX)11位。一息、ユンケル訪米」 

 EU首脳会議は、難民・移民申請を取り扱う共同の審査機関を域内に設置することや、域内での難民・移民の移動を制限することなどで合意。ドイツの連立政権は崩壊の可能性も取り沙汰されていたが、合意で回避した。イタリア政局不安といい議論をして混乱に陥らないところは欧州の長所だ。経済指標はマチマチ、6月のユーロ圏消費者物価指数速報値は前年同月比2.0%上昇となり、予想と一致した。上昇率が2%台となったのは2017年2月以来。エネルギーと食品の価格の伸びが背景。 一方、5月独小売売上高指数、前月比-2.1%と予想の-0.5%を下回った。前年比でも-1.6%となり予想の+1.8%を下回った。
 さて欧州委員会のユンケル委員長は、激しさを増す貿易摩擦について協議するため、7月、トランプ大統領と会談すると発表した。EUと米国間では米国が鉄鋼製品などの輸入制限措置の対象にEUを加えたのに対して、EUは米国からの輸入品に報復関税を適用するなど、貿易摩擦が激しさを増している。こうした中、ユンケル委員長は、「今の状況を沈静化させなければならない。合意に至るかどうかはわからないが、試みる」と述べ、トランプ大統領と初めて会談することを明らかにした。トランプ大統領がEUからの輸入車に20%の高い関税を課す構えを示していることから、ドイツなどを中心に懸念が強まっていて、ユンケル委員長の米国訪問が事態の打開につながるか注目されている。

*英ポンド「通貨6位、株価は5位、8月利上げ確率高まるもポンドは上げ切らず」

 英中銀の利上げ支持が2人と予想されていたところ3人となったことで8月の利上げ観測が高まったが、ポンドは対ドルで3週連続陰線となり上昇しない。2週連続で下ヒゲが長いことは支えであるが。
英中銀の金融政策委員会委員に指名されたハスケル氏は、利上げに向けた英経済の現状について、9月に退任するマカファーティー委員に比べてより慎重な評価を示した。 賃金の弱い伸びが続いていることや、労働市場におけるスラックが予想より大きいことを指摘した。 利上げの可能性を示す英中銀の金利ガイダンスに賛同したが、投資家らは長らく利上げを主張してきたマカファーティー委員に比べて、ハスケル氏の発言がハト派的とみている。 金融政策委員会では2人と予想されていた利上げ支持が3人となったことで8月会合での利上げ観測が高まったが、ハスケル氏が数カ月以内に利上げを実施する緊急性は低いとの立場とみられたことから、英ポンドは下落した。
 また、英中銀のカンリフ副総裁は、自身が近く政策金利引き上げに賛成票を投じるかどうかについてヒントを示さず、利上げは緩やかなペースで限定的になるとする中銀のガイダンスに言及した。 副総裁は、英国で多額の債務を抱える家計がリセッションの打撃を受ける可能性を懸念していると語った。 8月に予想通りに利上げに向かうかはまだ不透明だ。

*人民元「通貨5位、株価15位、米中貿易戦争開始、ここまでは中国が押されている」

  人民元安、株価下落が続いている。中国は大貿易黒字国だが、経常収支は若干だが赤字である。さて国家統計局の6月製造業PMIは51.5。前月は51.9、予想は51.6。輸出向け新規受注が49.8と、前月の51.2から低下し、外需が弱含んでいることが示唆された。新規受注と受注残の指数も低下した。米中の貿易摩擦激化に伴い、輸出が減速し始めている。企業は、数カ月前からこうした複雑な国際貿易状況を予期して、輸出を前倒ししていたとされる。今週は財新の製造業PMIの発表がある。株価から見ると、米中貿易戦争の打撃は中国でより大きい。中国は対米報復関税を表明しながら、銀行、自動車、重工業、農業などへの外資の出資規制緩和を発表するなど、国際化を図っている姿勢を世界にアピールしている。 一方、追加関税に加え米国は知的財産を中国に侵害されているとする問題については、広く外国人の投資を審査している既存の枠組みで「対応できる」と指摘し中国への融和姿勢を打ち出した可能性がある。
 人民銀行は、特定の金融機関を対象に、預金の一定割合を金融機関から強制的に預かる預金準備率を0.5%引き下げると発表した。米国との貿易摩擦の激化による景気への悪影響も懸念される中、実体経済を下支えする構えだ。
 
3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨10位、株価3位、政策金利は据え置きか 弱い資源価格が豪ドルの下げに影響」

 今週は政策金利の決定がある。隣国NZは先週、政策金利を据え置きとしたが、中銀のスタンスはややハト派的になった。ロウRBA総裁も、6月には、物価の伸びを押し上げることにはリスクと副作用が伴うため、世界の中央銀行は当面はインフレ率が目標を下回ることを容認する必要があるとの見方を示した。豪では 賃金の伸びが過去最低に近いペースにとどまる中、インフレ率は中銀の目標(2-3%)を依然として下回っている。また2017年序盤以降の雇用急増にもかかわらず、労働市場にはなお幾分の余剰能力がある。 失業とインフレの改善は緩やかにとどまる見通しだとしている。 直近のRBA議事要旨では「家計所得の伸びが鈍く、債務水準が引き続き高い」とされている。 豪は原油輸入国であるが、その原油が上昇、豪の主要輸出産品である他の工業資源は下落しているのが今年の豪ドル下落の要因だ。
 悪化している対中関係であるがチオボー貿易相は、外国による内政干渉の阻止を目的とした法案について、中国を念頭に置いたものではないと述べた。「法案は中国に関するものではない。豪の主権に関するものだ」と述べ、中国との二国間関係に関わるものと表現するのは不当だとの見方を示した。

*NZドル「通貨9位、株価2位、一時、年初来安値更新、中銀総裁は通貨下落容認」

 先週は通貨も株価も下落した。ただ株価指数は今年は世界でも少数のプラス圏は維持している。オア中銀総裁は5月、NZドルの下落について「通商国家にとっては良いこと」との発言をし、市場を驚かせた。総裁はこのスタンスを変えていないとみられている。中銀は、政策金利を過去最低の1.75%に据え置いた。中銀は、経済成長の鈍化や貿易摩擦など、見通しを巡るリスクを警告し、政策金利を当面据え置くことを示唆した。 金利据え置きは11回連続。中銀は声明で「最近のGDPが比較的弱かったことは、経済の余剰生産能力が想定をわずかに上回っていることを示唆している」と指摘した。 また、最近の一部主要国における貿易摩擦により、底堅い世界需要が国内経済を下支えする可能性は若干低下したとの見方を示した。 1QのGDPは、前期比0.5%増となり、2017年4Qの0.6%から伸びがやや鈍化した。 6月の企業信頼感指数は、7カ月ぶりの低水準となった。 中銀は若干ハト派スタンスに傾いたと指摘し、利下げも排除できないとの見方を示した。

*南アランド「通貨11位、株価8位、週足は5週連続陰線、月足は5か月連続陰線」

 週足は5週連続陰線、月足は5か月連続陰線と弱く、今年はトルコリラに次いで弱い。16年、17年と強調推移したが反落している。一番の要因は資源価格の下落で1-4月は貿易赤字になった。昨年同期は黒字であった。また本誌では疑問視していたが、ラマポーザ新大統領に市場が期待しすぎた反動もある。新大統領は財政赤字、低成長を引き継いだのであり、格付けもS&Pやフィッチはジャンク債に引き下げたままだ。そこに資源安が加わった。資本面でも、南ア債券を外国人投資家は今年上半期に347億ランド売り越していた。売り越し規模は過去最高で、2008年の世界金融危機時や2000-01年のハイテクバブル崩壊時よりも大きい。昨年上半期は457億ランドの買い越しだった。 唯一投資適格としているムーディーズも、経済成長見通しが、弱い企業信頼感によって限定的となるとの見解を示した。また土地・鉱業改革を巡る不透明感が引き続き投資家の懸念だとした。 GDP伸び率について、2018年が1.6%、19年が2.1%になるとの見通しを示した。
 また通貨安で利上げ観測も出ているが、ラマポーザ大統領は財政改善のために付加価値税を引き上げたこともあり消費も伸び悩み利上げに耐えられる状況でもない。

*トルコリラ「通貨最下位、株価最下位、大統領再選で取り敢えず安定。 対米関係は不安」

 前回は「エルドアン大統領が選出されたならばトレンドを変えるほど大きく相場は動かないだろうが、野党連合が勝利すれば相場というより社会の混乱必至である」としたが、エルドアン大統領及び連立与党の勝利となった。リラ相場、株式相場も先週はやや上昇した。大統領の権限が強化されさらに強権政治となるが、押さえつけによる安定は保たれる。大統領主席経済顧問であるエルデム氏は2Qの国内経済成長率は約5.5-6.0%となる見通しだと述べた。 1Qは7.4%だった。トルコの一番の問題は拡大し続ける経常赤字だ。金利操作や強権政治でリラの中長期的安定相場は続かない。
 トランプ米大統領は、エルドアン大統領と電話で会談し、再選に祝意を伝えた。両首脳は、7月11・12日にNATO首脳会議に出席する。 ゼイベクジ経済相は、米政府がイラン産原油の輸入を11月から停止するよう各国に求めたことについて、トルコはこの要請に拘束されないとの見解を示した。一方ミッチェル米国務次官補は、トルコ政府がロシアの最新鋭地対空ミサイルシステムS400購入を決めたことに関し、ロシア制裁強化法に基づく制裁の対象になり得ると警告した。米国との緊張は続く。今週は消費者物価 生産者物価の発表がある。
 
4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「一時ボリバン上限を上抜く。4連続陽線」

日足、4連続陽線。6月26日-27日の上昇ラインがサポート。5月21日-6月15日の下降ラインを上抜く。5月21日-6月29日の下降ラインが上値抵抗。20日線は110.15。5日線上向き。ボリバン上位。雲の上。
週足、1月8日週-5月21日週の下降ラインが上値抵抗。5月28日週-6月25日週の上昇ラインがサポート。
月足、5月は上ヒゲの長い陰線であったが、下落せず。ただ5月の高値を上抜かず。17年11月-18年5月、17年1月-11月の下降ラインが上値抵抗。3月-4月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐16年の下降ラインに沿う。13年‐16年の上昇ラインも一時下抜く。下ヒゲは長くなってきた。

*ユーロドル=「続下げ止まり」

日足、ボリバン下限の1.16以下では底堅く下げ止まった。6月26日-27日の下降ラインを上抜けた。6月28日-29日の上昇ラインがサポート。ボリバン上限は1.18前半。5日線上向き。
週足、1.16以下では下ヒゲが出て下げ止まり。6月11日週-18日週の下降ラインを上抜く。4月16日週-6月11日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、17年11月-12月の上昇ラインを下抜く。18年4月-5月の下降ラインが上値抵抗。17年3月-18年5月の上昇ラインがサポート。
年足、14年から3年連続陰線であったが、14年‐15年の下降ラインを上抜き17年は陽線。00年‐01年の上昇ラインがサポート。11年-14年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円=「6月14日-25日の下降ラインを上抜く」

日足、6月14日-25日の下降ラインを上抜く。ボリバン上位。6月28日-29日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、6月11日週-18日週の下降ラインを上抜けた。5月28日週-6月18日週の上昇ラインがサポート。4月23日週-6月11日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、18年3月-4月の上昇ラインを下抜ける。18年5月-6月の上昇ラインがサポート。18年2月-5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、15年から2年連続陰線の後、17年は漸く陽転。16年‐17年の上昇ラインがサポート。15年‐16年の下降ラインを上抜く。08年-15年の下降ラインが上値抵抗。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 


*ID為替、当局・円無常・需給 横浜湘南便りは 最近追加した日々の「ID為替リポート」に転記(午前11時ごろ発信)致します。ますます充実させて頂きます



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