野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

「改定版。米リパトリ減税の為替相場への影響」 2018年1月11日

「改定版。米リパトリ減税の為替相場への影響」 2018年1月11日

(前回版=17年12月18日=にも米リパトリ減税は当初想定していたものより為替相場への影響は小さいとしていましたが、さらに納税の為替取引が行われるとしたらその時期を推測したものを加えました)


 税率は現金および現金同等物へ15.5%、工場や機器・設備など、より流動性の低い投資資産へ8%とされた。2005年は5.25%。

強制課税、共に「みなしレパトリ」税。企業の意向に関係なく利益を既に米国に還流させたと見なされ、自動的に納税を求められる。支払期間は数年とされる強制課税となる。

米企業が海外に留保している利益は現在、2兆6000億ドルに上ると推定されている。納税だけなら大雑把にこの15%で3900億ドル、米国へ還流せず国内で手持ちのドルで支払えば為替は起きない。

もちろん利益全体の2兆6000億ドルも一緒にドルに換えて送金ならかなりドル相場へのインパクトはあるがその可能性はないだろう。貿易赤字は年間5000億ドル程度なのでそれを相殺するほどのドル買いは起きない。

 では、ドル買いの金額が当初の予想より大きく減少した取引はいつでるのだろうか。基本的には課税される利益を米国に還流する必要がないのでいつドルに換えても良いし、本国にあるドル資金を使えばドル買いの為替取引をすることもない。
 また大手企業は以下のように納税の準備を行っている。既に納税のドル買いが起きているケースもあるのだろう。私は米国の会計年度の10月からかとも思っていたが既に始まっている。ただキリのいい四半期末に取引が多くなる可能性は高い

(例)

*ゴールドマン・サックス・グループ =米税制改革法の影響により、2017年4Qの利益が約50億ドル減少するとの見通しを示した。このうち約3分の2は本国への資金還流関連の税による減少

*BP=米国の新たな税制に対応するため2017年4Q決算で15億ドルの一時費用を計上すると発表した

*アメックス=税制改革法の成立に関連して2017年4Qに24億ドルの特別損失を計上すると発表した


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 このリパトリ減税は、米政府にとってはドル相場を上げることを狙ったものでもなく、またその資金を企業の雇用改善に使うことを求めたものでもないようだ。国内の法人減税の原資となればいいと考えているのではないか。35%から15.5%に下げると捉えるのではなく、実質これまでゼロであったものを15.5%にして国内法人税減税(35%から21%)の原資にするものではないだろうか。

 為替相場へ影響させようとする意図は米政府にはないだろう。

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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