野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

ドル円相場は明治から平成の今も貿易収支次第

「ドル円相場は明治から平成の今も貿易収支次第」

*戦前はグラフのように明治時代の1ドル=1円に始まり太平洋戦争の直前に1ドル4円以上の相場となった
 戦前は貿易赤字であり円安推移した

*戦後は一転 貿易黒字国となり、1ドル360円から2011年には75円台をつけた。

*長期的に見れば貿易収支が黒字ならば通貨高、赤字ならば通貨安となるのは、どこの国でも同じである(スイス、独は貿易黒字で通貨が高い、貿易赤字の米国、南ア、英国、
 豪などは通貨が弱い)
*戦前のドル円 貿易赤字

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*戦後のドル円 おおむね貿易黒字
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 一時的に資本の流出入で相場が貿易収支通りには推移しないことがあるが やはり一時的である。
 ヘッジファンドであれ生保であれ買えば 後に売るのであり、輸出入の売り切り、買い切りと異なり需給に歪みは出ないから相場は元に戻り
トレンドを作ることはできない。
 ただヘッジファンドや生保などは団体行動であり、買うときは、まだ、まばらで買うも、売る時は、特に何かニュースが出て損切る時は
一斉に出ることがある。日本の場合は貿易黒字でもあり、輸出業者と機関投資家が一斉に売ることとなり、98年の2日で24円の円高になるような
ことがある。1日の大きな値幅を見てもドル上げで5円以上上昇することは皆無でも、ドル下げで5円以上下落はこれまでも何度かあった。貿易黒字というドル売り需給が
そうさせるのだろう

*またヘッジファンドを過大評価することは避けたい。過大評価といっても、取引の上手さということではなく、その出来高についてである。
 為替の出来高は通常、相場変動に影響するスポットが3割から4割、残りの6,7割は資金取引でスワップともいう。ただスワップは為替相場の変動には影響を与えない
 ただその変動に影響を与えないスワップ取引をも為替取引、ヘッジファンドの取引として誤解している経済学者も多い。変動に影響する取引を3倍ほど過大に見積もり
それをヘッジファンド取引としている。

*長期だけでなく短期でも貿易取引が影響する。一番の短期取引の一つであるのは、午前10時ごろの仲値取引だが、これは当日物の貿易取引の差し引きである。
 通常 輸入が午前中に集中するので、10時の仲値決めでは輸入が集中しドルが底堅くなる。ただ1日を通せば日本は貿易黒字なので、午後あたりから輸出が増えて
1日トータルでは輸出が増える


*日本は概ね貿易黒字国だから、1年を通じてドル円は下落しやすい。ただ季節によってリズムがある。

年度上半期は(4-9月期)は輸出が集中しドルが下がりやすい
下半期は輸出が閑散となり、輸入が目立ちドルが上がりやすい

*貿易黒字であれば季節のリズム、月のリズムでの強弱はあるが年間を通じればドル安となりやすい
 貿易赤字ではドル高となりやすい。2012年から2015年に東日本大震災で貿易赤字となりドル円が80円から120円へ上昇したのは
記憶に新しい。円安は貿易収支の変化がもたらしたもので「アベノミクス」「日銀バズーカ」とは関係がない。

2016年に5年ぶりに円安から円高に転じたのも赤字から黒字となったことが原因である。日銀は今もあいもかわらず緩和を行っているが、貿易黒字になれば
効果はない。ないというより関係がない。2012年以降の円安も日銀の政策とは関係がなく貿易収支の変化だと理解していれば、16年の円高にも対応できたはずである。


*貿易収支を長期にもデイトレにも考慮すると相場はわかりやすい。貿易黒字の時に、ドル高円安になるかのような需給に関係のないニュースが出てもドル高は
短命であり、逆に貿易赤字の時に、ドル安となるようなニュースが出ても短命である。ニュースが貿易収支を揺るがすものか、あるいは短期的にも資本収支を揺るがすものかは
考慮し取引したい。様々なニュースの中で需給に影響するものを即座にピックアップして取引に生かしたい

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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