野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

想定通り、英のEU離脱は事務手続き危機、経済危機ではない

「想定通り、英のEU離脱は事務手続き危機、経済危機ではない」
今週6月27日のID為替の円とポンドの項である
昨日のブログでは英やユーロ圏の株を買おうとしたが、出遅れてしまった
++++6月27日 ID為替+++

*英ポンド「報道されるほどの危機なのだろうか」
 EU離脱が決まった。直前まで残留派の優勢が伝えられていたこと、投票終了後は独立党党首の残留派の勝利示唆の発言があっただけに、離脱決定となったことは驚きであった。ただ驚きの数字は英国ではなく、日本であった。FTの3%下落に対し日経平均は7.92%下落した。ポンドを始め主要通貨がドル高に反応したが、ドル円は大きく下落し、クロス円も下落が加速した。
 さて私は楽観主義かもしれないが、FTの株価の動きを見ても、報道されるほどの危機なのだろうかと考えている。英国がEUを離脱すると言っても
英国が、EUが鎖国するわけでもない。関税の恩恵が双方になくなることだが、それはEUと他国が結んでいる包括協定となる観測がある。現在カナダなどにも適用されている。英国国内では再びスコットランドで独立の国民投票の機運が高まっているが、それも同様に経済活動が縮小するわけではない。起きる混乱は政治的なもの、変更の手続きの煩雑さであろう。経済危機ではないので大きく売られた株などは買ってもいいのではないかと思っている。ポンドについても、同様に行き過ぎた分は戻すだろうが、ポンドは対ドルで7%の下落、ドル円は15%近く下落している。ポンドはそれほど行き過ぎていないし、ドル円とは逆方向のポンド安なので輸出企業にはメリットがある。ポンド安はインフレにつながるという懸念もあろうが
今、先進国でインフレが強くなるということは、喉から手が出るほど望んでいることだ。
 また離脱にかかわる国民投票を再度行うという署名も始まっているが、どうあろうと政治、感情の問題で経済の問題ではない。私が懸念するのは
離脱派が願っていた移民の減少だ。離脱派に職が戻るということよりも移民の消費が消えることを恐れている。
*円「英国EU離脱、主役は英国ではなく日本、危機にはいつも主役」

英国のEU離脱では報道的には英国の先行きが不安視されたが、実際の数字では日本が危うい結果となった。離脱しようが、残留しようが経済の規模は変わらないので通常の危機とは今回は性質が違うと思う。ただせっかくの危機報道なので、世界の株価は下落した。英国FTは3.15%の下落、日経平均は7.92%の下落となった。先週1週間では英FTは1.95%の上昇、日経平均は4.15%の下落、年間ではFTは1.66%の下落、日経は21.44%の下落である。数字的にはどっちが危機か一目瞭然である。為替についても離脱決定で大きく動いた。ただ日本以外はドル高自国通貨安で、日本は大幅円高となった。通貨が下がる方が景気にいいに決まっている。日本は逆方向への展開となった。ドル高だが、年間ではドルは番付8位と強くはない。
日本円は断トツの強さである。主役の英ポンドは年間で対ドルで7.24%安。ドル円は年間で14.87%安。方向は逆である。日本が望む通貨安を英国は達成し株もたいして下落していない。他の通貨も対ドルでの動きは小さいので世界は為替に大きく問題があるとはしていない。IMFやイエレン議長はドル高懸念を有している。ここで日本がドル買い円売り介入を単発的には批判を浴びても出来ても持続的にはできないだろう。
 日本の景気減速は続く。今週の短観も景況感は悪化するだろう。マイナス金利で一番大切にしなければならない預金者の可処分所得を削減しようとしている。消費は減退し、輸入意欲もなくなり貿易は黒字化し円高となる。円高マイナス金利ではGPIFの運用も損失が拡大する一方だ。
 円高株安デフレで可処分所得が減少しているのに、日銀が物価高を目指すのは経済を衰退っせるしかないだろう。再考を望みたい。
*ユーロ「経済危機ではなく、政治トラブル」
 英のEU離脱決定後、ユーロは対円、対ドルで下落、対ポンドで上昇した。株価についていえば、英FTが3.15%の下落に留まったが、独DAXは6.82%、アテネ株価指数は13.42%下落した。英国よりEUが悲観的となった。英国という顧客を失うことや、対ポンドでユーロが上昇したからか。またフランスなどでは、早速、EU離脱国民投票を行うべきとの意見も出ている。こちらは通貨も統合しているわけなので、その手続きなどを考えると恐ろしい。せっかくユーロ圏経済が徐々にではあるが回復しつつあったので残念な結果となった。ただ今後も離脱やその関連トラブルがあっても、これは経済危機ではなく、政治トラブルであり、その手続きの煩雑さの悩みである。景気的には大きな問題とならないのではないだろうか。
 ECBはしばらく、これまで以上の慎重なかじ取りを迫られる。今週は消費者物価指数に注目したい。
 
 *米ドル「IMFとイエレン議長がドル高懸念を共有」
オバマ大統領は英のEU離脱決定を受け、英国民の決定を尊重するとともに、「米国の英国、およびEUとの強い関係は持続する」との考えを示した。
一方トランプ氏は「英国人は自分たちの国の支配権を取り戻した。素晴らしいことだ。世界中で、人々が憤っている。国境や、自分の国を乗っ取った移民に対して憤っている」と発言した。
 さて米国10年債利回りは年初の2.2%から1.5%へと低下している。利下げをした国のようでもある。FRB自ら成長見通しを引き下げている。米国民間エコノミスト協会も同様だ。これに欧州のこ混乱を考慮すれば利上げ観測はさらに後退するだろう。先週は失業保険申請者数は改善したが、新築住宅販売、耐久財受注、ミシガン大消費者信頼感指数は弱かった。まだまだ利上げを決断できない数字が続く。
 またIMFは現在でもドルは10-20%過大評価されているとしている。イエレンFRB議長も「2014年の中盤以降、ドルは主要通貨に対し20%も上昇しており、輸出や企業収益、製造業の雇用に悪影響をもたらしてきた」とも指摘。英国民投票後にドルが一段高となれば、米経済を下押しするリスクがあると語った。
 さて大統領選挙であるが ロイター/イプソスが実施した最新の世論調査によると、クリントン氏の支持率が46.6%と、トランプ氏を約13ポイント引き離し、再びリードを広げている。

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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