野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

円売りの兆し、円買いの兆し

1/11 (月)「円売りの兆し、円買いの兆し」
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総括「オバマ大統領一般教書 豪 雇用、英 政策金利、米 ベージュブック 決算 小売・ミシガン」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「中長期の運用のコツがわかったら人生残り少なし」
ID為替「常在有事」
リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
横浜湘南便り「ユーミンのチャペル」

ドル円=114-119、ユーロ円=126-131 、ユーロドル= 1.07-1.12

日経インデックス1月8日東京引け12月30日からの変化(2008年=100)円100.4強し、ドル129.5強し、ユーロ99.0強し、ドルインデックスINNYBOT98.4弱し、CRB168.58弱し、原油33.16弱し、金 1098強し、DOW16346弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け149.54弱し IMM円投機筋1月5日 円+4103(前週比+21329)、ユーロ-160643(前週比-93)

1.(今週の予定)

11(月)東京休場(成人の日) ノルウェー 消費者物価指数 加 住宅着工件数 米 労働市場情勢指数
12(火)日 国際収支 景気ウォッチャー調査 英 鉱工業生産 製造業生産 国立経済研究所(NIESR)GDP 米 IBD/TIPP景気楽観度指数
13(水)仏 消費者物価指数 ユーロ圏鉱工業生産
14(木)日 機械受注 英 RICS住宅価格 豪 雇用統計 スウェーデン 消費者物価指 BOE政策金利 BOE議事録 米 輸入物価指数
 加 新築住宅価格指数 米 新規失業保険申請件数
15(金)豪 住宅ローン トルコ 失業率 ユーロ圏 貿易収支 米 小売売上 生産者物価指数 NY連銀製造業景況指数
   設備稼働率 鉱工業生産 企業在庫 ミシガン大消費者信頼感指数

(来週の予定)

18(月)日 鉱工業生産・確報値、第3次産業活動指数 NY休場(キング牧師誕生日)
19(火)中 鉱工業生産 小売売上 GDP 英 消費者物価指数 小売物価指数 生産者物価指数 ユーロ圏 建設支出 独 ZEW景気期待指数 
      ユーロ圏ZEW景気期待指数 トルコ中銀 政策金利 加 国際証券取引高 米 NAHB住宅市場指数 対米証券投資

20(水)NZ消費者物価指数 独 生産者物価指数 英 雇用統計 ILO失業率 南ア 小売売上 加 卸売売上 製造業出荷 米 建設許可件数
   住宅着工件数 消費者物価指数 加 中銀政策金利

21(木)NZ 企業景況感(PMI) 仏 企業景況感 ユーロ圏 消費者物価指数確報 欧州中銀金融政策 米 フィラデルフィア連銀景況指数
    新規失業保険申請件数 ユーロ圏消費者信頼感
22(金)仏 製造業PMI・速報値 サービス業PMI・速報値 独製造業PMI・速報値 サービス業PMI・速報値 ユーロ圏製造業PMI・速報値
  サービス業PMI・速報値 英小売売上高 財政収支 加 消費者物価指数 小売売上 米 中古住宅販売件数

2.総括「オバマ大統領一般教書 豪 雇用、英 政策金利、米 ベージュブック 決算 小売・ミシガン」

*総括=円売りの兆し、円買いの兆し

  円売りの兆しは菅元首相の「原発稼働停止」、円買いの兆しは2014年の安倍首相の「原発再稼働」。小泉さんの原発再稼働反対は安全面、コスト高からだが、私の原発再稼働反対は日本の景気回復の妨げからだ。東日本大震災で景気の回復の仕方を教えてもらったのではないだろうか

*米国「米国利上げにも代償がある=株安」

 意外性のある米国指標である。ここ最近の指標は弱いものが多かった。4Q・GDPも暖冬やドル高の影響で縮小すると見られていたところで、12月雇用統計の非農業部門雇用者数が大幅増加した。前月も上方修正された。ただ前年と同じく、株価が弱い。中国景気減速はあるが米金利上昇やドル高に株価が耐えられなくなってきたのではないか。貿易赤字国に一時的に資金が流入していたが、長期間続くとは思えない。基本的には米国は貿易赤字で長期的にドルが下落している国である(資源国通貨や新興国通貨も同じであるが)。今年から始まる米国からの原油輸出による貿易赤字縮小の度合は注視する必要はあるが。今週はオバマ米大統領一般教書演説とこれまでもドル高の弊害に言及していたベージュブックを注目したい。

*ドル円「全面円高、ただ2015年も強かった円の流れがさらに強まっった」

 前回までも取り上げていた円高の基本要因にリスク回避の円高要因が加わった。中国財新製造業PMIの悪化と、大口株主売り再開思惑で上海発の世界株下げ、中東(サウジアラビアとイラン)の緊張、北朝鮮の核実験でリスク回避の流れで円買いが年初強まり2016年第一週は全面円高となった。何度も触れているようにリスク回避の流れは別として昨年から円高の流れは強まっていた。昨年の円は通貨番付では首位米ドルと僅差の2位である。貿易量を加味した通貨インデックス(日経版)では7%の円高である。原因は原油価格の下落た原発の再稼働などであり、2014年からその兆候があった。2012年から14年と続いた膨大な貿易赤字が大幅縮小する傾向にある。また円安を支援してきたGPIFの外貨購入も目標に近づいてきたこともあり一服している。ニューマネーが入ってくることもないので、さらに外貨への配分比率を上げることがなければ円売り圧力とはならない。外貨ポジションのヘッジ売りの話もあるだけに、実際に出れば円急騰場面も出てくるだろう。GPIFが円買いをすれば日本の投資家のみならず世界の投資家が横並びとなる。相場のエネルギーは損切りの時が一番大きい。
 これまでの政府の円安へ導く政策も貿易赤字という基礎的な需給があってこそのものだった。基本的需給が変われば黒田バズ-カも効かなくなるだろう。

*ユーロ「新年第一週は米ドルより強く推移 指標改善。ただCPIは低いまま」

 12月3日のECB理事会での量的緩和の金額据え置きがまだ効いている。対ドルでは大きく下げることがなくなった。
12月のユーロ圏景況感指数は106.8で、予想の106.0を上回り2011年4月以来の高水準となった。域内景気は2015年末もトレンドをやや上回るペースで拡大し続けた。またユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値は54.3と、11月の54.2を上回った。ユーロ圏経済は足元を固めて2016年に入っており、堅調に拡大する1年を送れる良い状況にあるとの見方が出てきた。
 ただ12月のユーロ圏CPIは前年比0.2%増となり、予想の0.3%増を下回った。ECBが預金金利引き下げ、あるいは量的緩和の拡大の追加措置を早ければ3月にも実施するとの見方は消えていない。

*英ポンド「今週のBOE政策金利決定は据え置きか」

 英商工会議所が行った四半期毎の会員調査で、経済成長ペースは一段と鈍化する可能性があるほか、経済がより不均衡化していることが示された。調査では、今後問題が発生することが示唆されるとともに、経済が輸出より消費者や住宅市場に依存しすぎている現状が浮き彫りとなった。企業は、世界的な不安定化や重税、政府による最低賃金の大幅引き上げ計画などで圧力にさらされているとされた。
 一方オズボーン英財務相は、過去最低水準にある英国の金利について、「上昇するときは来ると主張したうえで、金利が上昇した場合には経済の強さのサインと受け止めるべきだ」、と述べた。さらに「英景気回復は消費者の債務を背景にしたものではない。家計債務の全体的な水準は、過去 5年間で低下している。雇用関連の指標を見ると賃金も上昇している」との認識を示した。
二者をまとめてみればまだ利上げには遠そうだ。

*人民元「上海株、年初10%近い下落、政府は対策を打ち出す」

 新年スタートの1月4日に発表された財新12月製造業PMIが悪化したことから、昨年6月の同指標悪化と同じく上海発の世界株下げとなった。1週間でサーキットブレーカーが2度発令される異常な相場となった。1月8日に失効すると見られていた大株主などに半年間、株式の売却を禁じた措置が期限を迎えることから、投資家の間では株式を売る動きが強まるのではないかという懸念が強まっていたことも売りを加速させた。
 ただ政府は大株主の売りを今後3か月間、株式市場で株式を売却する場合、各企業の発行済み株式総数の1%を超えてはならないとしたほか、売却する際には、15営業日前に公表することなどが義務づけることとした。また需給悪化が懸念されるIPOにも制限を加えたり、個人や銀行の人民元売りにも制限を加えることとした。市場オープン後15分で発動されたサーキットブレーカー制度も一時停止することとなった。
 果たして功を奏するかどうか。人民元の下落についてはドル高に対応したもので過激なものではなかった。中国というより世界の投資家の反応もやや過剰すぎるところがあるように思う。週末に発表された12月CPIは予想を上回るものの6%台の成長の国として低すぎるものであろう。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド」

*豪ドル「2016年中国財新PMI悪化で豪ドル下落スタート、国内見通しは改善」

 中国財新製造業PMI悪化を起点にした新春の世界同時株安で、リスク回避の流れが強まり豪ドルは対円、対ドルで売られた。国内の経済指標は小売売上、貿易収支はまずまであった。最新のRBA議事録では景気の回復が示されていた。鉱山業から非鉱山業へのリバランスは進んでいることが強い雇用で証明された。3QGDPもまずまずであった。新春は海外要因での売りであった。2016年の平均成長率は2.25%、2016年の物価見通しは+1.5-2.5%
が予想されている。豪ドルの下落で次回のRBA理事会では利下げの余地はなくなったであろう。

*NZドル「外部要因で15年後半のNZドル上昇を失う」

 中国景気減速、中東緊張、北朝鮮格実験、原油価格下落などを背景に世界全体でリスク回避の流れとなりNZドルが売られている。また年初の第1回乳製品オークションは下落したこともNZドル売りとなった。ただイングリッシュ財務相はNZドルの下落を歓迎している。先週のNZドルは国内指標の発表もなく海外要因の売りで対円、対ドルで下落した。3Q・GDPはまずまずであり財政黒字化見通しは若干後退も世界的には健全財政である。経常赤字は若干改善した。1月金融政策決定会合は据え置きと見られている。3Q雇用統計が悪化したことは気がかりである。

*南アランド「状況変わらず。国内外要因不安、チャートも反転の兆しなし」

苦境は続く。国内要因では格下げ、財政難、資源安、電力不足 インフレ 干ばつ、海外要因では中国景気減速、中東緊張で原油価格下落抑制へ協調できず、朝鮮半島緊張でリスク回避が続き、南アランドは売られている。テクニカルでも反転の兆しが出てこない。さらに雇用見通しも悪化している。政局では次回統一地方選挙で与党ANCが議席を減少すると見られている。財政難で景気低迷の中で増税も予想されている。成長見通しは下方修正、格下げされるも引き続きさらなる格下げ懸念が残る。中銀の予想ではCPIは2016年に6%台の上昇する見込みで2016年は2回は利上げをするものと見られている。3Q・GDPはリセッションは逃れたが予想は下回った。

*トルコリラ「国内経済はまずまず。ロシアやISなど外部要因に弱さ」

トルコのシムシェク副首相はトルコ経済の成長見通しについて、2015年は3.5-4.0%、2016年は4%以上と見込んでいることを明らかにした。トルコ政府は 昨年10月、2015年成長見通しを4%から3%に、2016年を5%から4%にそれぞれ引き下げていた。
2015年3Q・GDPが4.0%増と予想を上回ったことは「前向きな驚き」だったとし、15年11月の総選挙や、中東と周辺国の情勢混乱に伴う不安定さ、一次産品の価格下落に伴う需要縮小を考えると、良い結果と言えると述べた。
 トルコ軍によるロシア機撃墜に伴う両国関係の悪化については「貿易に長期かつ深刻な影響を及ぼすとはみていない。もしそのようなことがあるとしても、限定的なものにとどまるだろう」と強調。「別の市場を見つけることは可能だ」と述べた。

2016年予算では財政規律を維持すると説明。国内政治の不透明感が後退し、欧州経済が回復するにつれて、来年は成長加速を見込んでいるとし「改革計画と本格的な賃金上昇、国内投資、個人消費が需要を押し上げる」と述べた。トルコ経済の最大の不安要素である経常赤字について、2015年はGDP比で約4.5%、2016年は4%程度に減るとの見通しを示した。
 また物価上昇を抑えて通貨リラを押し上げるためには利上げが必要だとみているが、政府は中銀に対し緩和的な金融政策を維持するよう要請している。エルドアン大統領は利下げを求めており、金利引き上げは国家への反逆だとも発言している。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=(年足上昇ライン、アベノミクス月足上昇ラインを下抜く。調子に乗らず、上の損切りも想定しておきたい)

 12月18日の上ヒゲがきっかけて下落、雲中、雲の下へ下落。ボリバン上限近くまで回復した後、長い上ヒゲを残した陰線となった。12月最終週に下げ止まり感あり3連続陽線となったが、12月28日-29日の上昇ラインを下抜いて2016年入り。先週末の上ヒゲも気をつけたい。
 週足は既に昨年8月24日週-10月12日週の上昇ラインを下に切っっていて、月足、年足の主要上昇ラインも下に切ったことで続落。12月14日週と最終週の上ヒゲは長い。ボリバン下限も下抜いた。
 月足は8月‐9月の下降ラインを上抜く。8月‐10月の上昇ラインに沿うが下抜いて2016年1月はスタート。2012年10月-2014年8月のアベノミクス上昇ラインも下抜けた。
 年足は2012年-13年の上昇ラインに沿い4年連続陽線。13年-14年の上昇ラインは15年中は下抜かなかったが、以前触れたように16年は下抜いて始まりそのままかい離。

*ユーロドル=(ドルより強い新春スタート、日足、週足で下ヒゲ、12月の4か月ぶりの月足陽線の勢い続く)

 日足では10月15日-12月3日の下降ラインを上抜け上昇していたが、一目の雲の上に出られず雲中模索が続く。12月18日-12月23日の上昇ラインを下抜け、12月29日-31日の下降ラインは上抜け。先週末の下ヒゲは長い。5日線上向き。ボリバン中位へ回復。
 週足は10月12日週-19日週の下降ラインを上抜けたが横ばい推移。ボリバン中位や雲の下限には届かず。11月30日週-12月7日週の急な上昇ラインは下抜いた。10月12日週-12月14日週の下降ラインは先週の長い下ヒゲで上抜けか。
 月足は15年12月は4か月ぶりの陽線。10月-11月の下降ラインに続き、11月-12月の下降ラインも上抜いた。14年5月-7月の下降ラインが上値抵抗だがまだ遠い。2000年10月‐2001年7月という買い介入でサポートしていた頃の上昇ラインは下抜けている。
 年足は12年-13年上昇ラインを下抜いてから弱い。最後のサポートは2000年-2001年の上昇ラインだが2015年はそこで一旦下げ止まり新年第一週は陽線スタート。

*ユーロ円=(ECB理事会の安値は下抜く、先週6日、7日は下ヒゲで浮上)

 日足は12月18日-29日、11月27日-12月3日の上昇ラインを下抜け、ボリバン下限も下抜ける。1月6日、7日と下ヒゲを残し、先週末浮上も結局陰線で終わる。12月31日-1月4日、12月31日-1月7日の下降ラインは上抜け。5日線下向き(ユーロドルは上向き)
 週足は7週連続陰線後、ボリバン下限に絡んでいたところ、12月3日のECB理事会をきっかけに、10月19日週-11月9日週の下降ラインを上抜いて上昇。ボリバン中位へ上昇も10月12日週-11月30日週の下降ラインを越えられず下落。2014年12月8日週-15年8月17日週の下降ラインが上値抵抗。4月13日週-11月30日週の上昇ラインを下抜く。
 月足は小刻みだが5か月連続陰線から12月は陽線もヒゲが長く1月スタートは陰線。6月‐8月の下降ラインが上値抵抗。15年4月-15年9月の上昇ラインは下抜く。ボリバン下位。
 年足は08年-10年の下降ラインを上抜けたが、13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜いている。8年-14年の下降ラインが上値抵抗。

5.当局・円無常・需給「中長期の運用のコツがわかったら人生残り少なし」

 銀行時代は誰も同じようにずっと短期トレーディングであったが、2000年あたりから、中長期の取引を増やしていた。リーマンショック
や数々のショック、また東日本大震災(俗称アベノミクス)からの円安、14年末からのクロス円中心の円高、今年の全面円高もこなした。
 漸く中長期のコツもつかめたと思ったら人生残り短し。中長期運用なら200年、300年と楽しみたいものだ。

6.ID為替「常在有事」

 中国はそうでもないが、中東、北朝鮮、米銃社会、テロはサプライズではなく常在有事とみなしたほうが市場は落ち着く

7.リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
 
「日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、外為取引税(トービン税)」、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「ユーミンのチャペル」

 山手教会

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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