野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

いわゆる投機筋とは為替スワップであり二重、三重計上のことである

「いわゆる投機筋とは為替スワップであり二重、三重計上のことである
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*BISの統計で世界の1日為替の出来高は1兆2千億ドルでわずかな2%程度の1日210億ドルの貿易取引を追っていてもわからないと言う。
為替相場はヘッジファンドなど投機筋が動かすものであり、相場はどう動くかわからないとも言われている。

*本当にそうなのだろうか。私は邦銀、外銀と渡り歩いたが、貿易取引が僅か2%で、いわゆる投機筋やヘッジファンドの取引が98%を占めている銀行はどこにもなかった。日本の外為取引高1位の銀行、欧米大手銀行、またヘッジファンドが一番活発に取引を行ったといわれるユダヤ系の銀行にも在籍したが、投機筋が98%占めている銀行はなかった。机の下を探してもいなかった。秘密取引もなかったはずである。ユダヤ系銀行では時に世界的に有名な多くのヘッジファンドが集中して売買することもあったが、デイトレ専門の若手のヘッジファンドディーラーを除けば、1回1億ドル以上の大口取引は平均して月に数回であり、均せば日本の生保のほうが取引高が多かった。日本の自動車などの輸出業者でもヘッジファンドより出来高は多かったのではないか。

*では98%と言われる投機筋はどこにいるのだろうか。1日1兆2千億ドルも取引があれば、各銀行の営業担当の顧客ディーラーは天にも上る気持ちになって1年の取引高目標を直ちに達成してしまい数億円のボーナスを毎年もらえるだろう。銀行のディーリングルームも常に喧騒・繁忙・悲鳴の中で売買が繰り返されポジションを把握することも難しくなってしまう。幸か不幸かそんなことはなかったし、聞いたこともなかった。ディーリングルームは意外と静かである。忙しい時間もあるが、暇な時間もかなりある。特に東京市場は暇な時間が多かった。

*投機筋はいないのである。正確に言えば全体の98%でなく20%程度、いやもっと少ないかもしれない。

 BISや日銀の統計の為替出来高の半分は為替スワップ(金利取引)で為替変動に影響するスポット取引ではない。これで投機筋は50%消えてしまう。いやまだ多すぎる。投機筋が50%近く占めた銀行もなかった。

*スポットの出来高はもちろん正しいのだが、一つの取引を二重、三重計上している部分がある。わかりやすく言えば、FXでみなさんが10万ドル取引をする。それはそれで対顧客取引として10万ドルで計上される。それを銀行が市場でカバーする時にもう一度計上される。これで投機筋はさらに半減して25%となる。いやこういうカバー取引は実務的に言えば銀行同士のキャッチボールのようになり、三重、四重にも計上されることがあるからだ。
 
*もちろん、1998年10月のように投機筋が損切りで一度に10億ドルのドル円を売って相場を急変させることがある。ただそれは均せば、やはりコンスタントに取引をする貿易取引や日本の生保の取引より小さいものとなり、トレンドをつくるものではない。

*やはり相場で重要なの売り切り買い切りの貿易取引であり、長期取引ですぐには反対売買を行わない生保などの機関投資家である。歴史的に見てもドル円相場は貿易需給に従って動いている。時に何かのブームやバブル的な取引で機関投資家の動きに影響されることがあるが、それらはいずれ
反対売買が行われ、大きな逆の動きになることも想定しておきたい。

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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