野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

利上げ兄弟の週、円は3G対決、デフレに対応する準備

7/27(月)「利上げ兄弟の週、円は3G対決、デフレに対応する準備」motopool.JPG

総括「FOMC、英米GDP、月末週、日米企業決算、独 IFOなど
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「氷山の一角」
ID為替「FXは3Gがカギ」
リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
横浜湘南便り「元町の夏」

ドル円=121-126 、ユーロ円=133-138 、ユーロドル=1.07-1.12

日経インデックス7月24日東京引け7月17日からの変化(2008年=100)円90.8強し、ドル121.9強し、ユーロ91.8強し、ドルインデックスINNYBOT97.24弱し、CRB205.04弱し、原油48.14弱し、金1085.5弱し、DOW17568.53弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け165.80弱し IMM円投機筋7月21日 円-62314(前週比-14943)、ユーロ-112976(前週比-5195)

1.(今週の予定)   

27(月)日 企業向けサービス価格指数 中 工業企業利益 独 IFO景況指数 香港 貿易収支 米 耐久財受注
28(火)英 GDP・速報値 南ア 失業率 米 ケース・シラー住宅価格指数 消費者信頼感指数 リッチモンド連銀製造業指数
29(水)日 商業動態統計 米 中古住宅販売成約 FOMC政策金利 ブラジル中銀政策金利
30(木)日 鉱工業生産・速報 NZ 住宅建設許可 豪 住宅建設許可件数 スウェーデン GDP 独 雇用統計 南ア 生産者物価指数 独 消費者物価指数 米 GDP・速報値 新規失業保険申請件数 メキシコ中銀政策金利
31(金)日 失業率 消費者物価指数 為替平衡操作実施状況 豪 生産者物価指数 仏 生産者物価指数 ノルウェー 失業率 香港 小売売上    ユーロ圏失業率 消費者物価指数 南ア 貿易収支 加 GDP 米 シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大消費者信頼感指数・確報
1(土)中 製造業PMI 非製造業PMI

(来週の予定)

3(月)中 Caixin製造業PMI確報、 英 製造業PMI 米 個人所得支出 PCEコア・デフレータ ISM製造業景況指数 建設支出 
4(火)豪 貿易収支 小売売上  豪RBA政策金利 英 建設業PMI ユーロ圏 生産者物価指数 米 製造業受注
5(水)NZ 第2四半期失業率 中 Caixinサービス業PMI スイス 消費者物価指数 英 サービス業PMI  ユーロ圏 小売売上 米 ADP民間雇用者数  加 貿易収支 米 貿易収支 ISM非製造業景況指数
6(木)豪 新規雇用者数 失業率 独 製造業受注 英 鉱工業生産 英中銀政策金利 英中銀四半期インフレ報告
7(金)日銀金融政策決定会合 スイス 失業率 独 鉱工業生産 貿易収支 経常収支 英 貿易収支 加 失業率 雇用者数変化 米 非農業部門雇用者数 失業率 平均時給 週平均労働時間 労働参加率 加 住宅建設許可 加 Ivey購買部協会指数
8(土)中 貿易収支
9(日)中 生産者物価指数 消費者物価指数

2.総括 「FOMC、英米GDP、月末週、日米企業決算、独 IFOなど」

全体=「利上げ兄弟がGDP発表、末弟の南アは利上げで通貨・株価下落、日本のドル円は3G対決」

 利上げ3兄弟(米英南ア)のうち南アは先週利上げを行い、株価、通貨が下落した。今週は米がFOMCとGDP、英がGDPで利上げ観測を試す。
利下げ3兄弟の状況は変わらない。主要輸出品の資源価格が下落を続けるが、為替の下落が追い付かないので、それぞれ追加利下げ観測は残している。貿易赤字で円安景気を享受してきた日本は赤字縮小をGPIFの円売りで補い円安を保っているが、対資源通貨では円高が進んでいるので、これまでの全面円安ほどの恩恵は受けないだろう。円安のシンボル的な安倍内閣の支持率も低下し始めている。
 ギリシャ債務問題や中国株価下落問題は小康。トルコ周辺がきなくさくなっている。原油中心に資源価格・商品価格・CRB指数が下落している中で
「正常化」という言葉は使いながらも利上げは利上げで株式市場は利上げに好感してない。リーマンショック後の景気回復で利上げした、豪、NZ、カナダなどは今利下げへ方向転換している。中国も利下げや景気対策を継続している。利上げが継続できるものとは思えない。日本のバブル崩壊以降のデフレを思い出しながら、デフレ時代に何に投資すべきかをもう一度考え直したいと思ってる。

*米ドル=「利上げ観測を今週は2Q・GDPで試す、企業決算にドル高の影響あり」

今週はFOMCを終えてから2Q・GDPの発表がある。​今​回​のFOMCでは​、現状維持となろう。​声​明​の​中​で​、​9​月​の​利​上​げ​が​示​唆​さ​れ​るかどうか。企業決算悪化の要因はドル高とも言われ、株価も冴えない中、また6月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、労働参加率が62.6%と、1970年代後半の水準まで低下したこと、時間あたり賃金は前月比横ばいとなり、前月の同+0.2%から伸びが縮小した。前年比でも+2.0%と、前月の同+2.3%から鈍化した後で利上げ方向を示唆するのだろうか。資源価格、CRB指数が低下するなか積極的な利上げ示唆をするのだろうか。利上げでなく正常化だということだが、それでも株価が下げれば適切な政策ではないだろう。正常化でも市場は悪い方向へ反応する低インフレ時代となってきている。

2Q・GDP予想は寒波で悪化した1Q・GDPからは改善する予想である。

*円=「3G対決、GPIF、GENYU、GENPATU」

  依然、主要9通貨番付での4位に位置するが、下位通貨との差が広がり=すなわち円高が進んだ。上位通貨では首位スイスがやや下落気味。対ドルや対ポンドでは変わっていない。
 ちょうどGPIFなどの機関投資家の円売りと貿易赤字縮小の円売りの減少が見合って膠着している。たださらに原油価格が下落し、原発再稼働の話が出てくると貿易収支も黒字化するだろう。その時にGPIFに外貨買いを行う余力が残っているかどうかが今後の円相場の焦点となるだろう。
 日銀は2%のインフレ目標を目指しているが、世界的に低インフレの時代、7%成長の中国でさえ1%台のインフレの下で日本だけが2%になることは考えられない。再び黒田総裁に追加緩和策への圧力がかかってくるだろうが、貿易赤字が縮小し、GPIFの玉切れとなれば緩和をしても効果がなくなる。日本は円高、円安と経済実験を行ってきたようなものだが、円安の恩恵は大きなものであることがわかった。円高になっても徒に輸入を規制することがなければ急激な円高もデフレの苦境に陥ることもないだろう。アベノミクスというより偶然訪れた貿易赤字によって景気回復の方法がわかった筈である。ただ最近は景気回復の象徴たるアベノミクスの安倍政権の支持率が落ちてきている。空気的には巻き戻しの流れにもなってきそうだ。先週発表された6月貿易統計でも赤字縮小の傾向が続いている。最近の原油安はまだ反映されていない。

*ユーロ=「今週は独IFOとCPI」

 ギリシャ問題は遅々としているが、前に進んでいる。支援改革案をギリシャ議会もドイツ議会も承認し、ユーロ買いとなった。ただ先週は欧州各国の製造業PMIが弱かった。債務を返済するには景気浮揚も大きな条件だ。デフレ下での債務返済は困難が伴う。今週は独IFO景況指数や7月CPIの発表がある。インフレは低く抑えられたままである。欧州長期金利も低下傾向にある。ただ欧州はいつも低成長がベースの成熟国で驚くべきことではない。債務問題でのユーロ売りと膨大な貿易黒字とのせめぎあいで、思ったほどユーロは危機でも下落しない。

*英ポンド=「利上げ観測を2Q・GDPで試す」

 先週は下落した。ユーロが上昇すると反落する脆い面がある。米国とともに利上げ観測が強い。カーニー総裁は利上げ時期の決定について、「インフレ圧力が一段とはっきりする年末頃にかけてより明確になる。インフレ圧力については原油安による前年比のベース効果が剥げ落ちてくる年末頃により鮮明になる」とした。マカファーティー英中銀政策委員は「利上げを待ちすぎないよう注意する必要がある、ただ利上げの時期については、今後数カ月の指標に大きく左右される。正当な理由で利上げを緩やかなペースで進めるのなら、利上げ開始を待ちすぎないよう注意する必要がある」、マイルズ英中銀金融政策委員は「年末に向かってインフレ率は中銀の目標水準に戻るだろう、今後数年間に渡る利上げを開始する可能性がある」とした。一方、アンディ・ハルデーン英中銀理事は「利上げを急ぐ必要はない、英雇用情勢が未だ金融危機の影響から回復の途中にあるほか、世界経済に依然リスクがくすぶっている」としたが少数派である。
 先週の6月小売売上は予想、前月ともに下回った。物価も抑えられている。今週は2Q・GDPで利上げ観測を試す。

*人民元=「中国株価は下げ止まり依然今年の上昇率トップ、財新PMIは悪化で豪ドルを下落させる」

 中国の景気減速や株価下落は当の中国よりも他国に与える影響が大きいようだ。2Q・GDPは予想通り、目標通りの7%、6月小売売上、工業生産は予想を上回り、6月貿易収支は輸出が伸びた。ただ先週は7月財新製造業PMIが予想を下回り、リスク回避の円買いとなり豪ドルなど資源国通貨や、世界の株価を押し下げた。今年は世界的に資源。商品価格が下落しているがそれも中国景気減速の影響だろう。どの国も輸出相手国の上位を中国としており中国の指標は中国自体よりも貿易相手国への影響が大きい。急落、バブル崩壊とも言われた上海総合指数は下げ止まり、依然今年の世界の株価指数でもトップの位置をキープしている。景気対策や株価対策を積極的に出し、AIIB、NDBなどの世界的金融機関の設立、人民元のSDR構成通貨入り、上海総合指数のMSCI入りなど国際化を目指す動きは続いている。間違った方向へは向かっていないので、元や中国株は安値で買う方針である。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド」

*豪ドル「基調インフレは目標圏内、ただ中国指標に振り回される」

 2QCPIは前期比0.7%上昇、前年同期比では1.5%上昇した。RBAがが重視する基調インフレ率(CPIトリム平均値と加重中央値の平均値)は、前期比0.55%、前年同期比2.3%だった。RBAのインフレ目標の2~3%内にあるので次回次回政策金利決定会合でも据え置きとなろう。豪ドルは一旦92円に戻したが、中国の製造業PMIが悪化して一時90円を割り込んだ。

 RBAスティーブンス総裁は、追加利下げが引き続き検討課題だと指摘する一方、豪ドル安による景気浮揚効果が表れつつあるとの認識を明らかにした。「経済成長の実績が散々な結果とはとてもいえないものの、幾らか期待外れとなる一方、インフレがうまく抑制されてきた期間を通じて、金利は非常に低い水準まで低下してきた。以前にも述べたように金利がさらに引き下げられる可能性があるかどうかという問題は、引き続き検討課題だ」と語った。総裁は豪ドル相場について、「混乱を比較的ほとんど伴わずに調整が進んでいるようであり、景気浮揚効果が表れつつある。例えば、サービス貿易の伸びは加速しつつある。過去1年のサービス貿易の純輸出寄与はGDPの約0.5ポイントに相当し、同じ時期の鉄鉱石輸出の成長寄与とほぼ同じだ」との見解を示した。

*NZドル「予想通り利下げ実行。首相発言で下げ止まるが国内材料は弱いまま」

 NZ中銀は予想通り0.25%の利下げを行い政策金利を3.0%とした。ただNZドルは今年は6月から大きく下げていたので、キー首相の発言(予想よりNZドルは早く下げている)は買戻しを誘発した。政府・中銀ともに乳製品安を通貨安で相殺したいようである。また低インフレが継続していることや、震災復興もピークをつけた感があるので2.5%までの追加利下げ観測もある。移民の需要で民間消費は伸びている。今年最弱通貨であるが、中銀の通貨高懸念は消えない。来年度の財政は黒字化を目標としている。大きく下げてきたことで小康しているが、国内材料的には変わっていない。
米国の利上げ観測が強まったり弱まったりしていることもNZドルを乱高下させよう。

*南アランド「予想通り利上げ実行。資源価格安続き株価、通貨は下落、低成長のインフレ懸念で苦しい」

 6月CPIは予想は下回ったが5月より上回った。政策金利は予想通り0.25%引き上げられ6.0%となった。電力料金値上観測もあり、さらにインフレが上昇する懸念がある。中銀は来年初めのインフレ率を6.9%と予想している。ただ今年の成長率予想は2.0%程度で低い。原因は電力不足である。プラチナ鉱山会社のロンミンが人員削減を計画していることも南アランドの売り材料となった。今年は資源価格が下落している。格付けは財政健全化の努力が認められて各社現状維持とした。炭素税導入を計画している。15年度財政赤字目標は2.5%で14年の3.9%から改善する見込み。前向きな話はアフリカ大陸自由貿易圏の設立が計画されていることだ。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=(日足団子天井?週足カブセ)

 日足は横ばい、団子天井となるか。7月21日-23日、6月5日-7月21日の下降ラインが上値抵抗。急な7月9日-10日の上昇ラインは下抜いた。4月30日-7月8日の上昇ラインがサポートだが、その前にボリバン下限もある。ボリバン上位、5日線下向き。
週足は4連続陽線。前回触れた6月8日週-22日週の下降ラインは上抜き。7月6日週-13日週の上昇ラインに沿うも先週はカブセ的陰線で、そのラインを下回って今週はオープンか。1月12日週-4月27日週の上昇ラインがサポート。上値抵抗はボリバン上限。
 月足は3月-4月の下降ラインを上抜きボリバン上限へ。6月は上限に近づいて反落、7月は陽線だが下抜いた5月-6月の上昇ラインを越えられない。
14年8月-10月の上昇ラインは維持している。
 年足は陽転。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かなかった。ただまだ要注意。

*ユーロドル=(1.10近辺でのもみあい抜け出せるか)

 先週ボリバン下限から反発。7月21日-22日の上昇ラインに沿う。先週末は陰線も長い下ヒゲを残す。ボリバン下位。5日線上向き。7月10日-13日、6月18日-22日の下降ラインが上値抵抗。先週の2回の下ヒゲは買い圧力か
 週足は5月25日週-6月1日週の上昇ラインを下抜いた。陽の陽はらみもあり7月13日週は下落。6月22日週-7月13日週の下降ラインに沿う。3月9日週-4月13日週の上昇ラインガサポート。14年5月5日-6月30日の下降ラインが上値抵抗だがまだ遠い。1.20以上でないと上抜けない。
 月足では4月に漸く9カ月連続陰線から10カ月ぶりに陽線となった。その後はギリシャの話があるが落ち着いている。1.10近辺でのもみあいが2月から続く。14年7月-12月の下降ラインを上抜くが15年4月-5月の上昇ラインは下抜く。15年3月-4月の上昇ラインがサポート。
 年足は昨年12年-13年上昇ラインを下抜いてから弱い。最後のサポートは2000年-2001年の上昇ラインだが今年はそこで一旦下げ止まったがまた近づいてきた。

*ユーロ円=(三角保ち合い煮詰まる)

 7月13日のカブセ的上ヒゲ陰線が効いて下落も7月13日-15日の下降ラインを先週上抜いた。7月21日-22日、7月8日-21日の上昇ラインがサポート。
6月22日-7月13日の下降ラインは上値抵抗、三角保ち合い煮詰まる。ボリバン中位。5日線上向き。雲中。 
 週足は4週連続135円近辺で推移している。ボリバン中位よりやや上。ここ4週では136円以上で上ヒゲか。14年12月8日週-15年6月8日週の下降ラインが上値抵抗。4月13日週-7月6日週の上昇ラインが上値抵抗。
 月足は14年12月-15年1月の下降ラインは上抜いた。6月の上ヒゲで7月は陰線。
4月-6月の上昇ラインは下抜き。14年12月-15年6月の下降ラインが上値抵抗。
年足は08年-10年の下降ラインを上抜けたが、13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜いている。今年は長い下ヒゲが出て盛り返していたが再びジリ安。8年-14年の下降ラインが上値抵抗。

5.当局・円無常・需給「氷山の一角」

 新国立競技場の膨大な予算、東芝のチャレンジ決算、これらが政府予算や企業決算の氷山の一角でないことを望みたい

 
6.ID為替「FXは3Gがカギ」
 
 GPIF(資本)、GENYU(原油=貿易)GENPATU(原発=貿易)  
 
7.リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、外為取引税(トービン税)」、
------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「元町の夏」

 夜の元町プールは閑散、広くて静かだが、蚊に注意

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

詳しくはこちら

ブログカレンダー

 

カテゴリー一覧

  • レポート
  • レポート(PDF形式)


業界最狭水準スプレッド

秋

お友達ご紹介キャンペーン

口座開設キャッシュバックキャンペーン