野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

ギリシャ問題、中国株価問題が小休止。利上げ国と利下げ国に分かれる世界

7/20 (月)「ギリシャ問題、中国株価問題が小休止。利上げ国と利下げ国に分かれる世界」yakahana.JPG

総括「ギリシャ問題、中国株価問題が小休止。利上げ国と利下げ国に分かれる世界」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「安倍政権支持率」
ID為替「GPIF資産配分見直しが目標値に近づいてきた」
リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
横浜湘南便り「屋形船@桜木町」

ドル円=121-126 、ユーロ円=132-137 、ユーロドル=1.06-1.11

日経インデックス7月17日東京引け7月10日からの変化(2008年=100)円90.3弱し、ドル121.3強し、ユーロ90.3弱し、ドルインデックスINNYBOT97.96弱し、CRB214.54弱し、原油50.89弱し、金1131.19弱し、DOW18086.45強し、日経平均ドルベ-ス東京引け166.49強し IMM円投機筋7月14日 円-47371(前週比+16258)、ユーロ-107781(前週比-8515)

1.(今週の予定) 

20(月) 東京休場(海の日)、独 生産者物価指数 香港 失業率 ギリシャ、ECB保有の国債約35億ユーロの償還期限
21(火)日銀金融政策決定会合議事要旨(6月18日・19日分)、RBA議事録、スイス 貿易収支 香港 消費者物価指数
22(水)豪 消費者物価 南ア 消費者物価 BOE議事録 米 住宅価格指数 中古住宅販売件数
23(木)NZ中銀政策金利、日 貿易統計 南ア中銀政策金利 スウェーデン 失業率 英 小売売上 トルコ中銀政策金利 米 新規失業保険申請件数 加 小売売上 ユーロ圏 消費者信頼感 メキシコ中銀 政策金利
24(金)NZ 貿易収支 中 HSBC製造業PMI・速報 仏 PMI製造業 PMIサービス業 独 PMI製造業 PMIサービス業 ユーロ圏 PMI製造業 
  ユーロ圏 PMIサービス業 米 新築住宅販売件数

  (来週の予定)

27(月)独 IFO景況指数 香港 貿易収支 米 耐久財受注
28(火)英 GDP・速報値 南ア 失業率 米 ケース・シラー住宅価格指数 消費者信頼感指数 リッチモンド連銀製造業指数
29(水)米 中古住宅販売成約 FOMC政策金利 
30(木)日 鉱工業生産・速報 NZ 住宅建設許可 豪 住宅建設許可件数 スウェーデン GDP 独 雇用統計 南ア 生産者物価指数
    独 消費者物価指数 米 GDP・速報値 米 新規失業保険申請件数 メキシコ中銀政策金利
31(金)日 失業率 消費者物価指数 為替平衡操作実施状況 豪 生産者物価指数 仏 生産者物価指数 ノルウェー 失業率 香港 小売売上    ユーロ圏失業率 消費者物価指数 南ア 貿易収支 加 GDP 米 シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大 消費者信頼感指数・確報

2.総括 「ギリシャ問題、中国株価問題が小休止。利上げ国と利下げ国に分かれる世界」

全体=「ギリシャ問題、中国株価問題が小休止。利上げ国と利下げ国に分かれる世界」

 ギリシャ支援交渉開始、中国政府の数多くの株価対策で上海株価指数も持ち直し、二つの懸念材料がやや収まった。と同時に米国、英国、そして南アが利上げ示唆を行い、カナダが利下げ、また引き続き豪やNZに利下げ観測がある。ユーロ圏や日本は緩和政策を維持している。為替相場も短期的な金融政策の思惑で動いている。
 これまでの債務国問題と今回のギリシャ問題との違いは景気である。中南米危機、アジア通貨危機、ロシア危機などはその後の世界経済の成長で債務国経済も潤い債務返済を順調に行った。ただ現在は低インフレ、低成長時代なので、高成長、高インフレで債務返済を軽減することがないのが苦難である。

*米ドル=「イエレン議長が利上げ示唆、原油の純輸出国に」

 6月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を下回り、労働参加率が62.6%と、1970年代後半の水準まで低下したこと、時間あたり賃金は前月比横ばいとなり、前月の同+0.2%から伸びが縮小した。前年比でも+2.0%と、前月の同+2.3%から鈍化した。ところがイエレン議長は逆に具体的日程には言及しなかったものの年内に利上げし得るとの認識をはっきりと示した。9月か12月かは不明だが、議長は明らかに早めに緩やかに利上げすることを支持しているという見方が強まった。イエレン議長は、性急な利上げは回復を阻害する恐れがある一方で、利上げを長く待ちすぎると景気の過熱を防止するためより急ピッチな政策引き締めを余儀なくされかねない。慎重かつ漸進的なやり方で進めるのが好ましいと考えると発言した。
 その後発表される指標はマチマチだが、住宅指標が強く、企業決算もまずまず、特にグーグルやフェイスブックの株価は最高値を更新するなど
米国のダイナミックさが示されている。他国と比べれば平均して力強い成長である。シェールガス開発で原油の純輸出国になる可能性も米国の安定感を示している。
 米ドルについては、イエレン議長が「ドル高が米国からの輸出の需要を抑えている」と指摘しているのに加え、NY連銀は「ドル相場が四半期で10%上昇すれば米経済成長率が向こう1年で0.5%ポイント、その次の1年でさらに0.2%ポイント損なわれる」として警戒感を示しているが、イエレン議長はドルの強さは米国の強さとも発言しており大きな懸念とはしていない。

*円=「貿易・GPIFに原発再稼働」

 今年は概ね主要9通貨番付の4位に位置している。強くもなく弱くもない。貿易赤字の大幅縮小はGPIFや他の機関投資家の円売りで相殺され需給ではやや円売りに傾いていた。ただ先の話では、GPIFの資産配分見直しの円売りも遅くとも1年以内に終了する見込みであり、円売りを加速する要因ではない。またもう一つの先の話では原発再稼働へ向かう動きから原油輸入の減少による円高要因がある。まだ先の話なので日々の需給には表われていない。
 日銀は2%のインフレ目標を目指しているが、世界的に低インフレの時代、7%成長の中国でさえ1%台のインフレの下で日本だけが2%になることは考えられない。消費増税と便乗値上げでの物価上昇では国民が根を上げてしまう。政府や政治家に金銭感覚がないのは「新国立競技場」問題で露見した。「新国立競技場」問題は氷山の一角であろう。このコスト高大国日本が先行き日本の国際競争力を削いでしまう。また安倍政権の支持率が急落(毎日新聞では35%に低下)すれば景気対策へも悪影響が出てくるだろう。
 今週は日銀金融政策決定会合議事要旨と貿易統計に注目したい。

*ユーロ=「債務問題落ち着くも、英米利上げ観測でユーロ弱含む」

 ギリシャの問題は一息ついた。ギリシャ支援交渉開始がドイツなどの議会で承認された。これによって安心感が広がり、世界の株価は上昇している。長期金利もギリシャ長期国債利回りが急速に低下した。ただ為替の反応は株や金利と違っているのは対価が他国の為替となるからだ。ユーロの対価であり、景気指標もユーロ圏より強い、米国や英国が利上げ示唆を強めたことでユーロが弱含んでいる。ギリシャ問題以外の要因での変動となってきている。先週のユーロ圏鉱工業生産、ZEW景況感指数も弱かった。
 今週はまず20日(月)にECB保有のギリシャ国債約35億ユーロの償還期限がくる。またユーロ圏や独のPMI製造業、PMIサービス業が発表される。

*英ポンド=「中銀総裁らの重なる利上げ示唆で上昇中」

 ギリシャ支援問題が進展している時は上昇するユーロの対価で弱含む場面もあったが、英中銀総裁らの利上げ示唆で強含んでいる。英中銀カーニー総裁は利上げ時期の決定について、インフレ圧力が一段とはっきりする年末頃にかけてより明確になるとの見方を示した。利上げの必要性は、経済の勢いとインフレ圧力の高まりを反映していると指摘。インフレ圧力については原油安による前年比のベース効果が剥げ落ちてくる年末頃により鮮明になるとした。ただ利上げペースは緩やかになるとの考えをあらためて示し、歴史的平均の4.5%の半分程度までしか上昇しない見込みとした。
利上げの見通しについては、経済の緩み解消度合いに左右されると述べた。
 また為替相場についてはポンド高がインフレ率の低さに影響していると指摘。ユーロ圏と英国の金融政策が異なる方向に進むなかで、為替レートの変動が「とりわけ関係している」と述べた。大幅な経常赤字も英国経済の見通しに対するリスクだと認めた。
 今週もカーニー英中銀総裁講演があり、他にBOE議事録公表、小売売上の発表がある。

*人民元=「2Q・GDP予想通り、小売、工業生産、貿易収支は改善。株価やや持ち直す」

 重要指標の2Q・GDPは予想通りの7.0%となった。6月小売売上、工業生産は予想を上回り、6月貿易収支は輸出が伸びた。これらを背景に数多く出された政府の株価対策も効果を出し、上海株価指数は先週2%戻すこととなった。6月CPIは+1.4%で落ち着いているので追加金融緩和策もあるだろう。ドル人民元が安定しているので、人民元・円はドル円とパラレルに動いている。中国版ベージュブックでは2Qの景気回復を示唆していた。今後の焦点の一つは上海A株のMSCI入り、人民元のSDR採用などの中国が目指す国際化である。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド」

*豪ドル「今週はCPIに注目、政策金利決定に影響」

 NZ同様に通貨は下落しても、それ以上に資源価格が下落することで、RBAは常に通貨高懸念を有し、追加利下げ観測を示唆している。ただ先週は豪ドルは戻した。NZドルがさらに下落したこと、今週の利下げ観測が強まったことで、対価として豪ドルが買われた。また7月インフレ期待指数が3.4%と6月の3.0%から高まったことも買われた原因である。急落した上海株価は中国政府の株価対策で反発、これも豪ドルを支えた。雇用は意外と強い状況が続いている。今週はRBA議事録の公表がある。また2Q・CPIが上昇すれば利下げ観測が後退するかもしれない。RBAスティーブンス総裁講演にも注目したい。

*NZドル「今週の政策金利決定、利下げ予想が多い」

NZ中銀が追加利下げを行う予想が多い。乳製品価格が電子入札で6年ぶり安値に落ち込み、成長減速が示唆された。2009年7月以来の安値となり、08年の取引開始以来の低水準に近づいた。NZ中銀のウィーラー総裁は、乳製品価格の見通し悪化が農業収入を抑制し、インフレ率が中銀目標の2%に戻る時期が先送りになるだろうと発言した。NZドルを押し下げ、インフレ率をゼロ近辺から押し上げるため、NZ中銀は今後も利下げを続け、昨年の利上げ分を帳消しにするとの予想もある。昨年は4回にわたる利上げが行われていた。17人のエコノミストの予想では、NZ中銀は7月23日の会合で政策金利を0.25ポイント引き下げ3%に設定すると全員が予想している。他の調査では0.5%の予想も出ているらしい。

*南アランド「今週CPIと利上げ予想のCPI」

今週の6月CPIは5.0%へ上昇の予想であり、翌日の政策金利決定会合では0.25%引き上げ6.0%とする予想となっている。豪、NZ、カナダなど他の資源国は商品相場の下落と低インフレで利下げを実施、今後も追加緩和が予想されているが、南アは逆に利上げ観測が続いている。インフレ懸念が高まっているからだ。ただ成長率は今年は下方修正され2.0%程度なので、利上げ後の景気への影響が心配でもある。南アの主要輸出産品の金、白金なども下落している。また景気悪化の要因の一つは電力インフラが整わず、停電がたびたび起こるからである。南アの株価はギリシャ支援策交渉が始まったことで急速に戻している。財政は政府が赤字が縮小する見通しを出したことで格付け会社はそれを評価した。数少ない5%以上の短期金利、7%台の長期金利で海外資金が流入していることが南アランドを支えている。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=(急な7月9日-10日の上昇ラインは維持できるか、カブセ的ローソク足あり)

 7月2日-7日の下降ラインを上抜け上伸、かなり急な7月9日-10日の上昇ラインに沿っている。下抜いてもおかしくはない。ボリバン上限に近い。5日線は上向き。6月5日-24日の下降ラインを上抜いた。
週足は4連続陽線。だが下窓で始まる週があったので4週間で120.41をつけた後、漸く始めの124円に戻った。前回触れた6月8日週-22日週の下降ラインの上抜きは実現して上伸。1月12日週-4月27日週の上昇ラインがサポートとなった。上値抵抗はボリバン上限。
 月足は3月-4月の下降ラインを上抜きボリバン上限へ。6月は反落し5月-6月の上昇ライン下抜き。14年8月-10月の上昇ラインは維持しているが接してた後」上昇」。
 年足は陽転。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かなかった。ただまだ要注意。

*ユーロドル=(週足は「陽の陽はらみ」で下落)

 先週後半3連続陰線で下落しボリバン下限。7月13日-15日の下降ラインに沿う。7月7日-9日の上昇ラインを下抜く。5日線下向き。6月18日-22日の下降ラインも上値抵抗であったが遠のいた。ボリバン下限下抜きには気をつけたいが、まだ下限のバンドが下向いているんで注意したい。
 週足は4週連続陽線であったが、5月25日週-6月1日週の上昇ラインを下抜いた。先々週、先週と下窓を開けたが陽線。陽の陽はらみで先週下落。5月25日週-6月1日週の上昇ラインを上抜いていない。6月1日週-8日週、5月25日-6月1日週の上昇ラインは下抜いた。14年5月5日-6月30日の下降ラインが上値抵抗だがまだ遠い。1.20以上でないと上抜けない。
 月足では4月に漸く9カ月連続陰線から10カ月ぶりに陽線となった。その後はギリシャの話があるが落ち着いている。1.10近辺でのもみあいが2月から続く。14年7月-12月の下降ラインを上抜くが15年4月-5月の上昇ラインは下抜く。15年3月-4月の上昇ラインがサポート。
 年足は昨年12年-13年上昇ラインを下抜いてから弱い。最後のサポートは2000年-2001年の上昇ラインだが今年はそこで一旦下げ止まったがまた近づいてきた。

*ユーロ円=(7月13日のカブセ的上ヒゲ陰線で5連続陰線)

 先週全日陰線。7月13日のカブセ的上ヒゲ陰線が効いた。7月13日-15日の下降ラインに沿っている。ボリバン下限まではまだ下げ余地がある。7月9日-10日の上昇ラインを下抜いた。5日線下向き。長い4月14日-5月26日の上昇ラインは下抜いた。雲の上に出られず。 
 週足は2週連続下窓も連続陽線という珍しい形であったが、先週はまた下落し、下窓の安値へ。
4月13日週-20日週の上昇ラインを下抜いたまま。
 月足は14年12月-15年1月の下降ラインは上抜いた。6月の上ヒゲで7月は陰線。
4月-6月の上昇ラインは下抜き。14年12月-15年6月の下降ラインが上値抵抗。
 年足は08年-10年の下降ラインを上抜けたが、13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜いている。今年は長い下ヒゲが出て盛り返していたが再びジリ安。8年-14年の下降ラインが上値抵抗。

5.当局・円無常・需給「安倍政権支持率」

 毎日新聞は、7月17日、18日に安全保障関連法案の衆院通過を受けて緊急の全国世論調査を実施。安倍内閣の支持率は今月4、5両日の前回調査より7ポイント減の35%で、第2次安倍内閣発足後で最低となった。不支持率は前回より8ポイント増の51%と初めて半数に達した。与党が15日の衆院平和安全法制特別委員会で安保法案を強行採決したことについては「問題だ」との回答が68%で、「問題ではない」の24%を大きく上回った。安保法案への世論の批判は強まっており、政府・与党の一連の対応が内閣支持率を押し下げたとみられる。
 (ただ誰が安倍首相の対抗馬といわれれば思い浮かばない)
 
6.ID為替「GPIF資産配分見直しが目標値に近づいてきた

  日本国債売り、日本株買い、外債買い、外株買いを進め、日経平均の上昇、円安相場の原動力となってきたGPIF。漸く27年1-3月、26年度の運用報告がなされ、当初の配分見直しの目標値には届いていないが、かい離許容幅の範囲内に入ってきたことがわかった。今後も日本株買いや円売りが続くが、終わりは見えてきた。あと1年以内に大口の買いは静かになるだろう。
 
 gpif720.JPG
7.リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、外為取引税(トービン税)」、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「屋形船@桜木町」

花火見物の屋形船

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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