野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

貿易赤字とGPIF、ギリシャとユーロ相場

6/22(月)「貿易赤字とGPIF、ギリシャとユーロ相場」
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総括「貿易赤字とGPIF、ギリシャとユーロ相場」 
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「ギリシャが離脱するとユ-ロは」
ID為替「ドル円複数の上ヒゲ・下ヒゲ」
リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
横浜湘南便り「そろそろ海水浴、湘南発祥の地」

ドル円=119-124 、ユーロ円=137-142 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス6月19日東京引け6月12日からの変化(2008年=100)円89.5弱し、ドル117.3弱し、ユーロ91.9同、ドルインデックスINNYBOT94.07弱し、CRB222.13弱し、原油59.61弱し、金1202強し、DOW18015.95強し、日経平均ドルベ-ス東京引け163.83弱し IMM円投機筋6月16日 円-80664(前週比+35622)、ユーロ-89357(前週比+48617)

1.(今週の予定)

22(月)上海休場(端午節)、香港 消費者物価指数 ユーロ圏 消費者信頼感 米 中古住宅販売件数
23(火)中 HSBC製造業PMI 独 PMI製造業 PMIサービス業 ユーロ圏 PMI製造業 PMIサービス業 トルコ中銀政策金利 米 耐久財受注
    住宅価格指数 新築住宅販売件数 リッチモンド連銀製造業指数
24(水)日銀金融政策決定会合議事要旨(5月21・22日分) 仏GDP・確報値 独 IFO景況指数 米GDP・確報値 米エネルギー省石油在庫統計
25(木)南ア 生産者物価指数 香港 貿易収支 米 個人所得 個人支出 PCEデフレーター 新規失業保険申請件数
26(金)日 失業率 消費者物価指数 NZ 貿易収支 米 ミシガン大消費者信頼感指数・確報値

(来週の予定)

29(月)日 鉱工業生産・速報 香港 小売売上 独 消費者物価指数・速報 米 中古住宅販売成約
30(火)NZ 住宅建設許可 仏 生産者物価指数 独 雇用統計 英 経常収支 英 GDP・確報値 ユーロ圏 失業率 消費者物価指数・速報
    南ア 貿易収支 加 GDP 米 S&P/ケース・シラー住宅価格指数 シカゴ購買部協会景気指数 消費者信頼感指数
1(水)日 日銀短観 中 製造業購PMI 豪 住宅建設許可件数 中 HSBC製造業PMI改定値 スイス SVME購買部協会景気指数 英 製造業PMI
   米 チャレンジャー人員削減数 ECB理事会議事要旨 ADP雇用統計 建設支出 ISM製造業景況指数
2(木)日 マネタリーベース 豪 貿易収支 スウェーデン中銀政策金利 
英 建設業PMI ユーロ圏 PPI、南ア BER消費者信頼感指数  米 非農業部門雇用者数 失業率 新規失業保険申請件数 製造業新規受注
3(金)豪 小売売上 中 HSBCサービス部門PMI トルコ CPI 英 サービス部門PMI ユーロ圏 小売売上 

2.総括 「貿易赤字とGPIF、ギリシャとユーロ相場」

全体=「貿易赤字とGPIF、ギリシャとユーロ相場」

日本の貿易赤字は縮小している。それをGPIFの円売りでどう相殺するか。日銀、政府、自民党で円安懸念の声が出ることがある。GPIFの円売りは調整できるものであるので円安の度合いを加減できる。3月のFOMC声明をきっかけにドル安が対ユーロで始まったが、それが円に波及するか大事な夏である。ギリシャも大詰めであるが、不透明な展開が続いてもユーロが強くなっていることは印象的だ。

*米ドル=「FOMCは利上げを急がず、ドル相場にも言及」

FOMCで労働市場が幾分引き締まっていると言及したのは、利上げが近づいていると示唆したように見えるが、利上げ幅の見通しを下方修正している。声明は思ったほどタカ派的でなく、最新の経済見通しで成長率と金利水準の予想を引き下げたことを受け、国債利回りが発表前よりおおむね低下した。15末時点の適正金利水準は引き続き0.625%近辺に集約されているが、メンバーのうち7人が年内の利上げは1回限り、もしくは年内は行わないことを支持。3月では3人であった。経済見通しでは、2016年末、および17年末時点の適正金利水準は、前回3月の見通しよりも低くなっている。 5月の雇用統計が予想以上に好調だったことで、市場では9月にも利上げに踏み切るとの観測が台頭していたが、それがやや後退する声明の内容であった。
 FOMCはドル相場については「ドルは純輸出にマイナスの影響をもたらした、この一年でドルは著しく上昇した、ドル高は経済見通しに影響する一要因」としてドル高に警戒感を示している。

 どこの国でも金融政策は経済指標次第であるが、米国もまだ一様に強い数字が出ているわけでもない。また利上げ観測が強まると株価がすぐに下落するような脆い部分もある。先週の鉱工業生産は弱く、CPI予想を下回った。経済指標次第という確信のない便利な言葉を使わざるを得ないのである。
 今週の米国は1Q・GDP確報値、耐久財受注、住宅指標、個人所得などを軸に展開する。

*円=「景気回復順調、貿易赤字縮小 VS GPIFの外国投資」

麻生財務相は「経済の好循環が確実に生まれつつある」とし、黒田日銀総裁は「企業部門で前向きの投資スタンスが維持されている、景気は穏やかな回復を続けている、量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮している、物価の基調は着実に高まり、物価2%達成は2016年度前半ごろ」としていることから追加金融緩和へ向かうことはあり得ない。日銀短観と同内容の法人企業景気予測調査では自社の景況は冴えないとしながらも、世の中の景況感は改善しているとしている。ちょっと妙である。ただ設備投資は改善している。
 為替相場では3月FOMCでドル高に言及して以来米ドルは対ユーロで下げているが、対円では上昇している。そういうこともあり黒田日銀総裁がさらなる円安への警戒感を発したのだろう。ただ当局の発言だけで相場が動くのは一時的でやはり実需が伴わないといけない。
 今年の貿易需給では5月までで約1.6兆円の赤字、昨年同月まででは6.8兆円の赤字である。5.2兆円の円買いが減少している。ただGPIF・ゆうちょ・かんぽ、民間生保が外債や外株を同金額(5.2兆円)以上買っていれば貿易赤字縮小分は相殺することとなり、円安が続く要因となっている。
GPIFの1-3月の運用状況がわかればより推測しやすくなる。GPIFの運用は政府がその外国投資分のペースをコントロールできるので、円安が想定以上過ぎれば、そのペースを調整できる。ただ資産配分の見直しの目標が決まっているので終わりはある。テクニカルでは後述するようにドル円は節目の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ=「ギリシャ問題?、ユーロドルが月足14年7月-12月の下降ラインを上抜けるかどうか?」

 ギリシャ問題の不透明さは続くもユーロドルは底堅い。欧州各国の金利も大きくは動いていない。いや主役のギリシャ債券市場でさえもパニック状態にはなっていない。本日22日はギリシャ支援協議の打開に向けユーロ圏首脳が臨時に会談を行う。25日にも首脳会議が行われる。IMFの支払期限が迫っているがECBはギリシャの銀行に融資を続けている。ギリシャはギリシャで首相がロシアを訪問しロシアパイプラインのギリシャ敷設に同意したり経済援助なども議論したと見られている。
 ユーロ圏経済は ECB月報で経済回復は続くが、潜在成長率が上向く見込みはなお低いとの見方を示した。将来性についての見通しがさえないことが、欧州株に影響している可能性があると指摘した。欧州株はECBによる量的緩和発表後には急伸したが、その後は低迷している。
 独IFO経済研究所は、記録的に低い失業率と堅調な民間消費により、今年の経済成長率見通しを1.9%とし、前回12月予想の1.5%から上方修正した。2016年については1.8%とした。IFOは「国内経済は現在、強い上振れ状態だ。民間消費が引き続き上振れの核となっており、労働市場の状況改善により家計の所得見通しは良好」と述べている。今年の成長率について、政府の見通しは1.8%、独連銀の見通しは1.7%。IFOによると、今年と来年は就業者数が引き続き増加し、調達コストが低いため企業は投資を拡大する見込みとしている。

*英ポンド=「利上げ観測、雇用改善、ユーロからの避難でポンド円は10週連続陽線」

 ポンド円は10週連続陽線である。英中銀金融政策委員会のマカファーティー委員は、賃金の伸びや全般的な経済情勢次第としたうえで、英中銀が早ければ年内に利上げを実施する可能性があるとの見解を示した。委員は「金融市場は引き続き、来年5,6月までに利上げが実施される公算は小さいと確信し、エコノミストは2,3月の利上げを想定している」と指摘。「これら予想されている時期も、年内の利上げの可能性も、経済指標次第だ」と語った。
 失業率も改善している。ILOベースでみた2-4月の失業率は5.5%で予想と一致した。2008年以来の低水準を維持した。2-4月の平均週間賃金上昇率は前年比2.7%となり、1-3月の2.3%を上回り、予想の2.1%も上回った。ほぼ4年ぶりの大幅な上昇率である。。

英中銀が公表した6月の金融政策委員会の議事録によると、政策金利0.5%の据え置きは、9委員の全会一致で決定した。ただ前回と同様2委員が「微妙なバランス」での決定との見方を示した。委員らからは、他国での利上げが始まれば英国も影響を受ける可能性があるが、英国の金利動向は国内インフレ次第との指摘があった。世界的な経済成長への逆風は和らぎ始め、一部の諸国では金融政策の正常化が始まる可能性が高いと委員は指摘している。12カ月後のインフレ率見通しは中央値で2.2%。2月調査では1.9%。今後2年では2.3%となり、前回の2.1%から上昇。今後5年では2.8%で変わらずとなっている。

*人民元=「株価大幅下落、規制緩和、財政出動、金融緩和で上昇した株が、金融引き締め、信用取引規制強化、IPO需給悪化で下落」

 先週は株価の好材料より悪材料(金融引き締め、信用取引規制強化、IPO需給悪化)が重視され、一時は年初来60%高まで上昇した株が
先週末には38%高まで上昇幅を縮小した。人民元は対ドル、対円で弱含んだ。 上海A株のMSC入り観測、人民元のSDR採用は中国が目指す国際化であるが株価の材料としては貢献できなかった。SHIBOR金利はジリ高推移している。5月小売売上や工業生産はほぼ予想通りに収まったが全体的に指標に力強さはない。5月貿易収支は輸出入とも減少、CPI,PPIは依然低下を続けている。李首相は人民元安を望まない旨の発言を行った。
 ワシントンで6月23日から2日間行われる第7回米中戦略・経済対話では南シナ海での領有権問題や北朝鮮の核問題、サイバー問題などが主要議題となるとの見通し。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド」

*豪ドル「GDP、雇用改善と安いNZドルの対価で買われ、底堅い」

 雇用、GDPは改善しているが、小売、貿易収支は悪化、1Q設備投資は悪化した。史上最低金利の2%に下げてからは豪ドルは底堅くなっているがRBAはさらなる利下げ、豪ドル安を示唆している。また予算案は好感されたがアボット政権は予算案で支持率は上昇している。RBAはまだ景気に悲観的な
見方をしている。インフレ見通しも下方修正している。成長は平均を下回り、豪ドルは高いとの認識がある。利下げの懸念は住宅投資が過熱することである。RBAの認識。大手企業の人員削減は続く。トヨタもGM、フォードに続き工場撤退を表明している。

*NZドル「利下げで下窓を開けGDP悪化でさらに下げても、中銀は通貨高懸念」

 1Q・GDPは予想、前期比ともに下回ったが乳製品価格の下落が影響しているようだ。ただ小売・不動産投資は強い。6月11日の政策金利決定では意外な利下げとなりNZドルは急落した。中銀はさらなる利下げやNZドルの下落を示唆している。キー首相もNZドル高懸念を示唆している。中銀はオークランドの不動産投資過熱より低インフレ抑制を選んだ。中銀はNZドルを下落させ輸出業者の収益向上を目指している。NZドルはユーロにも抜かれ今年の通貨番付最下位となっている。NZ経済研究所の2017年の成長率予想は3%。1QはCPI、PPIの低下、失業率の悪化と弱い数字が多い。住宅投資過熱の抑制は金融政策以外のもので行われる。来年度の財政は黒字化を目標とする。

*南アランド「インフレ懸念あり、週足下降ライン上抜くか」

 5月CPIは予想を小幅上回り、5月小売売上は予想を大きく上回わった。電力料金値上観測もあり、さらにインフレが上昇する懸念があり中銀は利上げを示唆している。電力不足のエスコム社の格下げがあったが6月に予定されていたS&Pやフィッチの格付けは現状維持となった。財務相が今後は財政赤字が縮小するとしていること(15年度財政赤字目標は2.5%で14年の3.9%から改善)が評価された。
IMF・世銀は15年成長見通しを下方修正、1QGDP、失業率、HSBC製造業PMIは悪化している。将来のいい話としてはアフリカ大陸自由貿易圏の設立が計画されていること。今年の南ア産出の鉱産物資源の価格は白金、パラジウムは下落、金・銀は小幅上昇である。また南アにおいては原油は輸入国であり、原油下落の悪影響はない。2012年からはアベンミクスでドル円は円安推移伊しているが、南アランドは10円を中心に極めて安定推移している。ドルランドもドル円同様に上昇したということである。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=(前回触れた5月14日-5月18日の上昇ライン崩れる)

 前回触れた5月14日-18日の上昇ラインが崩れた。6月17日の上ヒゲが効いて先週末は連続陰線。6月17日-18日の下降ラインに沿う。その上の抵抗線
は6月8日-17日の下降ライン。サポートは4月30日-5月14日の上昇ライン。5日線は下向き。ボリバン下限は122.0あたり。
 週足は週のボリバンの上限を上抜いて上昇した後、5月18日週-25日週の上昇ラインを下抜いて連続陰線。1月12日週-4月27日週の上昇ラインがサポート。
月足は3月-4月の下降ラインを上抜きボリバン上限へ。今月は陰線スタート。14年8月-10月の上昇ラインは維持している。 
年足は陽転。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かなかった。ただまだ要注意。

*ユーロドル=(月足14年7月-12月の下降ラインを上抜く)

 上ヒゲ、下ヒゲも出て日中値幅は大きい。5月27日-6月1日の上昇ラインがサポート。6月10日-11日の下降ラインを上抜いて上昇。6月18日は長い上
ヒゲを残し19日を陰線に。ボリバンやや上位。雲の上。5日線上向き。
 週足は5週連続陽線であったが4月13日週-20日週の上昇ラインを下抜いて下落。ただ5月25日週に下ヒゲを残して4週連続反発。14年5月5日-6月30日の下降ラインが上値抵抗だがまだ遠い。1.20以上でないと上抜けない。
月足では4月に漸く9カ月連続陰線から10カ月ぶりに陽線となった。5月は陽線で始まったが陰転した。今月は陽線スタート。1.10近辺でのもみあいが
2月から続く。14年7月-12月の下降ラインを上抜く。
年足は昨年12年-13年上昇ラインを下抜いてから弱い。最後のサポートは2000年-2001年の上昇ラインだが今年はそこで反発し少し下ヒゲを出している。

*ユーロ円=(6月12日-16日の上昇ラインを維持できるか)

6月9日-10日の下降ラインを上抜く。6月18日のカブセ線で19日は小反落。6月12日-16日の上昇ラインを維持できるか。5日線まだ上向き。4月14日-15日の上昇ラインは維持されている。6月9日-18日の下降ラインが上値抵抗。
週足は4月13日週-20日週の上昇ラインを維持できた。昨年12月8日週-29日週の下降ラインは上抜いてボリバン上限へ。上限上抜きは調整で戻す。
月足10月-11月の上昇ラインを下抜き下落。2月-3月、12月-1月の下降ラインは上抜いた。月のボリバンの下限で下げ止まり反発。5月も短いが陽線で終える。今月もここまで陽線。
年足は08年-10年の下降ラインを上抜けたが、13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜いている。ただ今年は長い下ヒゲが出て盛り返している。


5.当局・円無常・需給「ギリシャが離脱するとユ-ロは」

  ギリシャが離脱するとユ-ロの売り材料が一つ減り、膨大な貿易黒字をベースにした長期上昇トレンドが再び始まるだろう

6.ID為替「ドル円複数の上ヒゲ・下ヒゲ」
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 チャート①参照

*複数上ヒゲ=6月11日から5営業日連続で上ヒゲで下落、123.40近辺がヒゲのつけね

*複数下ヒゲ=6月1日から4営業日下ヒゲで上昇、124.10あたありがヒゲのつけね


7.リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、外為取引税(トービン税)」、
------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「そろそろ海水浴、湘南発祥の地」

  大磯が湘南発祥の地となっている

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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