野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

安定より乱高下がお好き、円高コメントでは年金が滅んでいく

6/15(月)「安定より乱高下がお好き、円高コメントでは年金が滅んでいく」
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総括「日米金融政策決定、日 貿易統計、NZ GDP RBA・BOE議事録、欧 ZEW、各国 CPI」 
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「安定より乱高下がお好き」
ID為替「続 安定より乱高下がお好き、円高コメントでは年金が滅んでいく」
リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
横浜湘南便り「少子化がうそのよう」

ドル円=121-126 、ユーロ円=137-142 、ユーロドル=1.10-1.15

日経インデックス6月12日東京引け6月5日からの変化(2008年=100)円89.6強し、ドル118.1弱し、ユーロ91.9弱し、ドルインデックスINNYBOT94.95弱し、CRB223.53強し、原油59.96強し、金1179強し、DOW17898.84強し、日経平均ドルベ-ス東京引け165.22強し、IMM円投機筋6月9日 円-116286(前週比-30593)、ユーロ-137974(前週比+27538)

1.(今週の予定)

15(月)日 月例経済報告 トルコ 失業率 スイス 小売売上 スウェーデン 失業率 ユーロ圏 貿易収支 米 NY連銀製造業景気指数 鉱工業生産 NAHB住宅市場指数 対米証券投資
16(火)ヨハネスブルグ休場(青年の日) RBA議事録 英 消費者物価指数 生産者物価指数 独 ZEW景況感調査 ユーロ圏 ZEW景況感調査
    米 住宅着工件数 建設許可件数
17(水)日 通関ベース貿易収支 南ア 消費者物価指数 英 雇用統計 BOE議事録 南ア 小売売上 米エネルギー省週間石油在庫統計 FOMC
18(木)NZ GDP 日 毎月勤労統計確報 中 中国主要70都市の新築住宅価格動向 スイス 貿易収支 スイス中銀 政策金利 ノルウェー中銀 政策金利 香港 失業率 英 小売売上 米 経常収支 消費者物価指数 新規失業保険申請件数 フィラデルフィア連銀景況指数
19(金)日銀金融政策決定会合 独 生産者物価指数 加 消費者物価指数 小売売上  

(来週の予定)

22(月)上海休場(端午節)、香港 消費者物価指数 ユーロ圏 消費者信頼感 米 中古住宅販売件数
23(火)中 HSBC製造業PMI 独 PMI製造業 PMIサービス業 ユーロ圏 PMI製造業 PMIサービス業 トルコ中銀政策金利 米 耐久財受注
    住宅価格指数 新築住宅販売件数 リッチモンド連銀製造業指数
24(水)日銀金融政策決定会合議事要旨(5月21・22日分) 仏GDP・確報値 独 IFO景況指数 米GDP・確報値 
25(木)南ア 生産者物価指数 香港 貿易収支 米 個人所得 個人支出 PCEデフレーター 新規失業保険申請件数
26(金)日 失業率 消費者物価指数 NZ 貿易収支 米 ミシガン大消費者信頼感指数・確報値

2.総括 「日米金融政策決定、日 貿易統計、NZ GDP RBA・BOE議事録、欧 ZEW、各国 CPI」

全体=6月は世界的な金利上昇、株安(除く上海)となっている。円相場もこれまでは対ドルで円安、クロス通貨で円高となっていたが、今月はここまで対ドルで円高、クロスで円安となっている。少しリズムが変わってきたのだろうか注意したい。黒田総裁が円安けん制ととらえられた発言はすぐに修正したが、以前と違って円高になればリスク投資を始めたばかりのGPIF(公的年金)にも影響が出るからだろう。
 先週はトルコやNZドルで下窓を開ける波乱もあった。ギリシャもまだまだギリギリの交渉をしているが債権団は見放しているようにも思える。ただすべて借金を払えない状態にまで追い込めばそれは世界全体に悪影響がしばらく出てしまうだろう。少しの妥協は行うだろう。今週も「焦点」通り盛りだくさんの週となる。

*米ドル=今週はFOMCがもちろんポイントではあるが、政策は現状維持でも最近の雇用統計やミシガン大消費者信頼感指数の改善、PPIの若干の上昇で利上げ示唆は強まるであろう。会見や声明で3月から繰り返されている「ドル高」についてどう発言されるかに注目したい。3月FOMC以来ではドル円は上昇しているがユーロなどに対してはドルが下落している。また利上げに反対のIMFラガルド専務理事の話があれば注目したい。
 ただ米国株価は弱い。金利上昇やドル高が影響している。株が下がればドルもすんなりとは上がらないだろう。今週は金融政策に影響するCPIを始め住宅指標、鉱工業生産などにも注目したい。

*円=第1四半期GDP・二次速報や法人企業景気予測調査の設備投資が改善した。今週の日銀政策決定会合でも、黒田総裁は追加緩和観測の可能性を否定するだろう。日本の国債金利も欧米の金利上昇の影響を受けて小幅上昇している。貿易赤字が縮小(今年は4月までは6390億円の黒字)しているが対ドルで円安が続いているので黒田円安けん制発言となったのだろう。ドル円上昇の要因はまさしくGPIFのドル買いだが、既に申し上げているように、昨年来の外貨買いのペースを落とす発言が年金改革に加わった伊藤隆敏教授より出ている。今週は5月貿易統計の発表がある。予想は2454億円の赤字だが、前年同月は9090億円の赤字であったので激減していることは間違いない。FXの需給状況でも若干円買いが増えているようだ。

*ユーロ=4月13日週からの5週連続陽線、大陰線を挟んで再び3週連続陽線となっている。GDPがまずまずで独などは成長見通しを引き上げたこと、CPIも若干の上昇で金利も上昇している。ギリシャ問題は妥協点を見出そうとしていることと、議論が決裂しても他国への波及は限定的という見方が強くなり、以前ほどのユーロ売りになっていない。ギリシャ政府当局者は6月18日までの交渉妥結を期待していると発言している。
 今週は指標的にはZEW景況感調査がある。ギリシャ関連では15日にドラギ総裁の講演、18日にユーロ圏財務相会合がある。月足の14年7月-12月の下降ラインが上値抵抗だが破りかけているところに注目している。

*英ポンド=パーキングカレンシーの特色が出ている。ユーロも弱くはないが、やはりギリシャ問題を抱えているだけに一時的にポンドに預けようとする向きもあろう。S&Pが格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。現在の格付けは「トリプルA」。英国がEUから離脱した場合、巨額の双子の赤字を抱える同国の資金調達をめぐり、疑問が高まるとした。ただムーディーズやフィッチはすでに最上級から1ランク格下げしているので大きな問題とはならないだろう。マカファーティー英中銀金融政策委員は「利上げ開始時期の決定では、今後数カ月の経済指標が重要な要素になる。最初の利上げのタイミングは、今後数カ月の経済指標に含まれるシグナルに大きく左右される」としている。今週は金融政策決定に需要な資料となる消費者物価指数、生産者物価指数、雇用統計、小売売上の発表がある。BOE議事録もあり。12カ月後のインフレ率見通しは中央値で2.2%。2月調査では1.9%。今後2年では2.3%となり、前回の2.1%から上昇。今後5年では2.8%で変わらずとなっている。

*人民元=米金利上昇で少なからず中国から資金が流出し対ドルで弱含んだこと、ドル円が125円から123円へ下落したことで、人民元円も20円を維持できなくなった。株価は依然好調で、年初来60%高に近い。5月貿易収支は巨額黒字の594.9億ドルになったが、輸出入ともに減少しているので喜べる数字でもないし世界経済に良い影響は与えない。CPIの低下も続くが人民銀行はやや金融緩和の手綱を締めておりSHIBORは上昇している。
 中国A株のMSCI指数入りは見送られたが今後の採用を示唆しており見送りの影響は少なかった。またIMFは人民元のSDR入りに前向きであることは
人民元の国際化にも役立つであろう。長期的に保有したいが、円との金利差はこれまでの金融緩和で縮小しているのでスワップ的旨みは減少している。7%の経済成長の国が1%のインフレ率と驚くべきことが起きているが、これは隣国日本の物価上昇をも抑制するだろう。今週は中国主要70都市の新築住宅価格動向の発表がある。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド」

*豪ドル=豪ドルは対ドルでは上昇したが、対円では先週陰線であった。ドル安相場でも円が豪ドルを上回った。他のクロス円にも言える今月の特徴である。政策金利は予想通り据え置き、先行きの緩和バイアスがなく豪ドルは底堅くなった。NZドルが弱く対価として買われている部分もある。
先週の雇用統計は改善した。ただまだ指標はマチマチである。改善してるものは雇用、GDP、悪化しているものは小売、貿易収支、設備投資などである。RBAはまだ成長が平均レベルを下回っていること、低インフレ、豪ドルの強さを懸念している。人気低迷していたがアボット政権は予算案で支持率は上昇している。日本からは住友金属鉱山、日本郵政が豪へ投資している。機関投資家や個人からの豪ドル投資も続いている。今週はRBA議事録公表やデベル豪中銀総裁補の講演がある。さらなる利下げも予測されているがNZ同様の懸念は住宅投資が過熱することだ。2%という史上最低の政策金利なので暫くRBAは様子見の姿勢をとるだろう。

*NZドル=やや意外な利下げとなり、下窓を開けてNZドルは下落した。ただNZドルがギリシャ問題で揺れるユーロにも抜かれて下落してもNZ中銀の通貨高懸念変わらない。NZの主要輸出品目である乳製品価格の下落あ止まらず、価格の下落を通貨安で相殺したいのだろう。インフレターゲットの下限を下回る低インフレも利下げ・通貨安誘導を支えている。唯一の懸念は豪と同様に住宅価格の上昇である。これに対しては金融引き締めでなく
担保強化など不動産投資抑制策で対応している。移民の流入もあり今年の成長率も3%程度で悪くはないが、やはり輸出企業である酪農業の不振を取り戻したいところだろう。今週は1Q・GDPの発表がある。

*南アランド=再び中銀利上げ観測で株価下落、資源価格下落、ランドも安くなっていたが先週は対円で下げ止まった。全体的なドル下げで救われたようだ。南ア中銀ハニハフ総裁は、予想物価上昇率が中銀の物価目標レンジである3-6%の上限に張り付いていることに懸念を示し、「上振れが続くと判断すれば行動を起こす必要があるかもしれない」として小幅利上げの可能性を示唆した。
 ネネ財務相は、今年の経済成長率見通し2%は「実現可能」な数字であり、電力不足がなければ2.5-3.0%に達するはずだとの見方を示した。また財政収支赤字の対GDP比率は2014年度の3.9%から17年度には2.5%に縮小する方向に向かっているとした。またアフリカ3大経済圏をつなぐ自由貿易圏構想は前向きな話で長期的に期待したい。6月はS&Pとフィッチが南ア格付けの見直しを行うがムーディーズは現状維持を表明している。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=(4月30日-5月14日の上昇ラインがサポートできるか)

5月半ばのボリバン下位より一気に上限へ上昇した。ボリバン上限からは反落。6月4日-5日、5月27日-6月4日、5月18日-5月26日の各上昇ラインを下抜いた。5月14日-18日の上昇ラインがサポート。それを下抜けば4月30日-5月14日の上昇ラインやボリバン下限がサポートとなる。5日線下向く。6月8日-10日の下降ライン、6月5日-8日の下降ラインが上値抵抗。 
週足は週のボリバンの上限を上抜いて上昇した後、5月18日週-25日週の上昇ラインを下抜いた。1月12日週-4月27日週の上昇ラインがサポート。
月足は3月-4月の下降ラインを上抜きボリバン上限へ。今月は陰線スタート。14年8月-10月の上昇ラインを維持。 
年足は陽転。2012年-13年の上昇ラインに沿い3年連続陽線だが13年-14年の上昇ラインは下抜きそうで抜かなかった。ただまだ要注意。


*ユーロドル=(週足下ヒゲでの反発続く、月足下降ライン上抜けるか?年足上昇ラインがサポート)

 1.12あたりで膠着。上ヒゲ、下ヒゲも出て日中値幅は大きい。5月27日-6月1日の上昇ラインがサポート。5月22日-26日の下降ラインを上抜き上昇も、6月4日に上ヒゲの長いカブセ線を出し下落している。6月10日-11日の下降ラインが上値抵抗。ボリバンやや上位。雲の上。5日線上向き。
週足は5週連続陽線であったが4月13日週-20日週の上昇ラインを下抜いて下落。ただ5月25日週に下ヒゲを残して2週連続反発。先々週の長い上ヒゲは効かなかったが先々週の高値は抜けきらず。14年5月5日-6月30日の下降ラインが上値抵抗だがまだ遠い。1.20以上でないと上抜けない。
月足では4月に漸く9カ月連続陰線から10カ月ぶりに陽線となった。5月は陽線で始まったが陰転した。今月は陽線スタート。1.10近辺でのもみあいが
2月から続く。14年7月-12月の下降ラインが上値抵抗だが破りかけている。
年足は昨年12年-13年上昇ラインを下抜いてから弱い。最後のサポートは2000年-2001年の上昇ラインだが今年はそこで反発し少し下ヒゲを出している。

*ユーロ円=(日足高値もみ合いから小反落、週足ボリバン上限)

5月18日-22日の下降ラインを上抜いて、8連続陽線。8連続の後は高値もみ合いから小反落。6月9日-10日の下降ラインが上値抵抗。6月4日のカブセ線は小反落にとどまる。ボリバン上位。5日線下向き。5月26日-6月1日の上昇ラインは下抜く。4月14日-15日の上昇ラインは維持されている。
週足は4月13日週-20日週の上昇ラインを維持できた。昨年12月8日週-29日週の下降ラインは上抜いてボリバン上限へ。上限上抜きは調整で戻す。
月足10月-11月の上昇ラインを下抜き下落。2月-3月、12月-1月の下降ラインは上抜いた。月のボリバンの下限で下げ止まり反発。5月も短いが陽線で終える。今月もここまで陽線。
年足は08年-10年の下降ラインを上抜けたが、13年-14年、12年-13年の上昇ラインを下抜いている。ただ今年は長い下ヒゲが出て盛り返している。

5.当局・円無常・需給「安定より乱高下がお好き」

 昔から日銀、財務相、政治家による為替相場へのコメントで相場が乱高下してきた。当局は安定が第一というが、実は乱高下が好きとも思える。ただ円安でも円高でも利害関係者が多くいるので苦情の電話が役所へかかってくるらしい。私が在籍した銀行の上司も、プラザ合意以降で「円高のコメント」をしたばかりで銀行に苦情の電話がかかってくるようになったそうだ。以後はおとなしいコメントをするようになったらしい。
 現在はおそらく約束事で当局、政治家は為替のコメントをしないようにしていることは麻生財務相の口グセの「相場水準にはコメントしない」によくあらわれている。

6.ID為替「続 安定より乱高下がお好き、円高コメントでは年金が滅んでいく」

 過去の日銀総裁たちも、輸出企業が苦しもうが、デフレ不況が進もうと円高誘導のコメントをしていた。ただGPIFが巨額の外貨を保有するようになった以上、円高誘導のコメントは年金を目減りさせたり、消費増税につながってしまう。「円安がいいですよ。年金が増えますよ。増税もないでうよ」がいいのだが、そうすれば海外から財務相へ苦情の電話がかかってくるだろう。
 
7.リスク「中東問題、北朝鮮、テロ」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、外為取引税(トービン税)」、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「少子化がうそのよう」

ここに来ると少子化がうそのようです。みなとみらいアンパンミュージアム、やなせさんが亡くなられてもアンパンマンは永遠です。
やなせさんの出身地の高知県香美市にもミュージアムがあるようでいつか訪れてみたいものです。
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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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