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トルコ・リラ特集、エルドアン大統領強権

「トルコ・リラ特集、エルドアン大統領強権」

*2005年=デノミ=2005年1月1日より、100万トルコリラを1新トルコリラ
*2007年10月=99.63円
*20011年10月=40.19円

*2014年1月、トルコ中銀=1週間物レポ金利を4.5%から10%に引き上げた。翌日物貸出金利は7.75%から12%に、翌日物借入金利は3.5%から8%にそれぞれ引き上げられた。リラは政策金利発表後に上げ幅を拡大し、3%高の1ドル=2.18リラ。 リラ買い介入も効果がなかった
 リラ暴落の原因=汚職事件=何人かの閣僚を巻き込み政治危機に発展した汚職事件=ツイッター禁止へ

「主要人物」

*エルドアン大統領=利下げ要求、ツイッター禁止

*バシュチュ中央銀行総裁

*ダウトオール首相

*ババジャン副首相

*シムシェキ財務相

*ゼイベクチ経済相

(政治)

*与党・公正発展党(AK党)=選挙で勝ち続けているので強権政治が可能

*与党批判派=イスラム指導者ギュレン師(米国在住)

*世俗主義勢力(非イスラム系政治家、軍部、検察関係者など)

*ツイッター禁止(汚職疑惑を流布したため)、倍以上に利上げ、利下げ要求、ギュレン師抑圧、利下げ、NY説明会、シリア情勢、ユーロ加盟問題
クルド人問題

「流れ」

*3月13日 
・ババジャン副首相=金融政策に関するメッセージを出せるのは中銀だけだと述べ、政府の介入に対する懸念の払しょくに努めた。
 エルドアン大統領はこれまで中銀の政策をめぐって、金利がインフレを誘発している、高金利を擁護する者は逆賊などと発言している。
 市場では、中銀の独立性が脅かされているとの警戒感が広がっており、トルコリラ は今年、最安値を何度も更新している。 副首相は、エネルギ ー価格は下落しているが、トルコは金融政策を緩和すべきではないとの考えを示した

*3月11日
・エルドアン大統領は、バシュチュ中央銀行総裁と会談し、大統領が金利や経済活動について神経を尖らせていることを伝えた。 6月選挙を控えインフレが高止まりしているにもかかわらず大統領が中銀に大幅な利下げを迫ったことが嫌われ、通貨リラが対ドルで過去最安値に下落する事態

*3月6日

・中央銀行=リラ押し上げに向けて外貨の銀行準備率を変更し、今後数週間で外貨流動性を15億ドル程度拡大する新たな措置を打ち出した。しかし、米国の早期利上げ観測を背景にドルが全面高となったことや、エルドアン大統領の金融政策に対する介入をめぐる懸念が、リラに重くのしかかっっている

*6月総選挙=エルドアン大統領が6月の総選挙をにらんで大幅な利下げを要求している。これに手を縛られ、利上げを検討できなくなった中銀は、小手先の政策調整で何とか通貨を防衛しようと試みている。 この環境では国家がわざわざ通貨売りの口実を投資家に提供することはないのに、トルコの場合は市場を含めた他のどんな存在よりも自分たちの方が賢いと考えている政権が存在する。トルコは単純明快な政策に復帰し、政府は中銀への干渉から手を引かなければならない


*首相府声明=政府が成長加速のための鉱工業生産や雇用、企業資本構造へのテコ入れ策を近く打ち出すとした一方で、中銀の独立性を強調して中銀は金融政策面の諸目標達成に必要な場合は適切な政策を採用している


*ゼイベクチ経済相=3月10日、中銀は2月の会合前に利下げすべきだった

*ダウトオール首相=3月5日=NY=中銀は独自に決定を下している。エルドアン大統領による中銀批判でトルコリラが過去最安値を更新したことを受けた発言。 中銀は独立しており、独自の決定を下している。中銀と金融政策のパフォーマンスは、経済全般のパフォーマンスの一部である。

 首相はババジャン副首相、シムシェキ財務相とともに投資家の不安を和らげるためニューヨークで銀行関係者や投資家と会合。投資家の間では、エルドアン大統領が中銀に大幅な利下げを迫ったことで動揺が広がっている。

・首相=トルコの経済制度について懸念する必要はない。すべての機関は与えられた範囲内で仕事をしている。われわれはこれまで通り調整を行う方針で、中銀と調整するメカニズムがある。投資家との会合はうまくいったと評価する姿勢を表明し、バシュチュ中銀総裁とリラ安について協議したことを明らかにした
・会合にはゴールドマン・サックス、シティ、バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチや複数のポートフォリオ投資家、ファンドマネジャーが出席した。出席する投資家はトルコのISE100株価指数の構成銘柄の22%程度を保有

*2月27日

・トルコ中銀バシュチュ総裁=は27日、自身の健康が許す限り、任期を全うする。 市場ではエルドアン大統領の中銀批判を受けて、総裁の辞任観測が浮上していた

2月26日
*エルドアン大統領首相=エルドアン大統領が、中央銀行の金融政策を激しく攻撃したことで、10年以上にわたりトルコ経済に対する投資家の信頼感をつなぎとめる役割を果たしてきたバシュチュ中銀総裁とババジャン副首相の将来が不安視されるようになった。

*トルコ中銀は2月24日、主要政策金利を0.25%ポイント引き下げた。より大幅な利下げを繰り返し要求してきたエルドアン大統領は翌日、この政策を「トルコ経済の実態にふさわしくない」と攻撃、中銀は外部の影響を受けているのではないか、と疑問を呈した。

*エルドアン大統領のギュレン師批判=ギュレン師が国家機関に潜入して大統領の失脚を狙っていると批判しており、昨年にはギュレン師支持者らを警察や司法当局から一斉追放した。

*6月議会選挙=議会選挙後に現財の経済政策チームが留任する可能性は低くなったように見受けられる。
  与党・公正発展党(AK党)の副首相の任期は3期に限られているため、ババジャン氏の続投は考えにくい。もっとも議会に席を持たない形で閣僚に再任するといった抜け道はある。バシュチュ総裁の任期終了は2016年。再任を決めるのは首相と副首相だが、最終的には大統領の承認が必要となるため、続投できるとは考えにくい。

*バシュチュ総裁=学術的理論に長け、尊敬を集めているが、市場からは政策が複雑過ぎると批判されることもあった。しかし政治圧力をかわすために最善の努力を傾けているというのが一般的な評価だ。

6月選挙が近づくにつれ、政治圧力は高まる一方だろう。こうした状況下でババジャン、バシュチュ両氏が自らの義務を遂行し続けるのは困難を極めるだろう。今後は中銀がいかなる政策行動を起こしても、政治的動機に基づくものと受け止められるだろう。金融政策の力が損なわれてしまった

*市場=エルドアン大統領とダウトオール首相がババジャン、バシュチュ両氏への支持を明確に表明しない限り、投資家は「トルコへのエクスポージャーを減らすだろう」と見ている。

*2月24日
・トルコ中銀は、3つの政策金利を全て引き下げた。インフレが鈍化したことで利下げの余地があると判断した。
 中銀は1週間物レポ金利を0.25ポイント引き下げ7.5%とした。翌日物貸出金利は0.5ポイント引き下げ10.75%、翌日物借入金利は0.25ポイント引き下げ7.25%に設定した。

*トルコ政府は、中銀が昨年1月の緊急会合で主要政策金利を2倍以上に引き上げた後、バシュチュ中銀総裁に執拗に利下げを迫ってきた。ダウトオール首相はこの日の利下げについても、まだ不十分との見解を示した。

・中銀は声明で「食品と燃料価格の変動性の高い状態を考慮し、金融政策委員会は金利を節度あるペースで引き下げることを決定した」と説明した

*ツイッター=ツイッターが2月9日公表したデータによると、2014年下半期にコンテンツの削除要請が最も多かった国はトルコで、477件だった。
2014年前半からは2.5倍超増加した。削除要請の理由は、個人の権利の侵害、一般市民や政府当局者の中傷などだったという。
削除の要請が2番目に多かったのはロシアの91件で、続いてドイツの43件だった。政府による削除要請は全体で40%増加したという。

*トルコは2014年3月=統一地方選の前に政権の汚職を示したとされる音声が投稿されたことから、ツイッターと動画共有サイトのユーチューブを一時遮断。一般市民や国際社会から強い反発を受けていた。

*ダウトオール首相=外為市場での介入増額が一定の効果をもたらしている


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トルコ 15年はG-20議長国、東西イスラムの要衝の地
政策金利 14年は10%から低下、3月18日現在で7.5%まで低下
   
最新中銀コメント  
   
   
経常収支 14年-600億ドル、15年‐700億ドル
貿易収支 14年-800億ドル、15年‐900億ドル
   
インフレターゲット 5%から7%で現在のインフレはターゲットを上回っている
失業率 14年10%、15年11%
   
CPI 14年9%、15年8.5%
   
   
GDP 14年3.0%、15年3.0%
   
   
財政収支 GDP比2から.3%とEU基準の3%以下
   
   
トピック 中東のハブとしての地位
  EU加盟交渉続くも、EUには現在加盟しないことのメリットもあり
   
格付け ムーディズBaa3、S&P・BB+
外貨準備の特色 中銀が市中銀行に預金準備の一定比率で外貨または金で受け入れる制度あり
  従って外貨準備の減少が抑えられる。13年3Qで1097億ドルで小さくはない
   
外交 地政学的な要衝。多角的な平和外交を基調、欧米との協調関係が基本姿勢
NATO,OECD加盟国。ユーロ加盟も焦点。隣国に政情不安のシリア
   
地震国 日本やNZ同様に地震リスクはある
   
予想 米国緩和縮小で対ドルで売られる傾向が続く。インフレは目標を超えているが
  低成長なために利上げを行うことはできない。政局も不安があり売りこまれる要因
  は多い。ただ中銀は介入を行う準備はあり、外貨準備も十分ある
  上昇するとすれば欧州経済の回復が目に見えて表れる時だろう
  高金利のために海外からの資金流入は続く
  35円‐55円で推移

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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