野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

米ドルより勝るものなし、円より劣るものなし

    12/8(月)「米ドルより勝るものなし、円より劣るものなし」

総括「米ドルより勝るものなし、円より劣るものなし」  

yakata22.JPG
その他通貨「資源国通貨」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「通貨の強さで滅んだ国なし、通貨の弱さで滅んだ国なし」
ID為替「G-20介入」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「ケープタウン丸もある屋形船」

ドル円=119-124、ユーロ円=147-152、ユーロドル=1.20-1.25

日経インデックス12月5日東京引け11月28日からの変化(2008年=100)円89.5弱し、ドル111.3強し、ユーロ98.6強し、ドルインデックスINNYBOT89.36強し、CRB254.37弱し、原油65.84弱し、金1192.3強し、DOW17958.79強し、日経平均ドルベ-ス東京引け149.27強し、IMM円投機筋12月2日 円-111160(前週比-6780)、ユーロ-159279(前週比+5801)

1.(今週の予定) 

8(月)日 国際収支 GDP改定値、企業倒産 景気ウオッチャー調査 中 貿易収支 独 鉱工業生産 スイス 小売売上 消費者物価指数 加 住宅着工 米 労働市場情勢指数
9(火)スイス 失業率 独 国際収支 英 鉱工業生産 メキシコ 消費者物価指数
10(水)日 法人企業景気予測調査 企業物価指数 消費動向調査 中 消費者物価指数 卸売物価指数 南ア 消費者物価指数 トルコ GDP ノルウェー 消費者物価指数 英 貿易収支 
11(木)NZ中銀政策金利、日 機械受注 第3次産業活動指数 豪 雇用統計 独 消費者物価指数・確報 仏 消費者物価指数 スイス中銀 政策金利 スウェーデン消費者物価指数 南ア 生産者物価指数 米 小売売上 新規失業保険申請件数
12(金)中 小売売上 工業生産 固定資産投資 ユーロ圏 鉱工業生産 米 生産者物価指数 ミシガン大消費者信頼感指数

(来週の予定)

15(月) 日銀短観 トルコ 失業率 米 NY連銀製造業景気指数 鉱工業生産 NAHB住宅市場指数 対米証券投資
16(火)  RBA議事録 スウェーデン中銀政策金利 英 生産者物価指数 消費者物価指数 独 ZEW景況感調査 ユーロ圏 ZEW景況感調査
   貿易収支 米 建設許可件数 米住宅着工件数
17(水)貿易統計 英 雇用統計 BOE議事録 米 消費者物価指数 FOMC政策金利
18(木)スイス 貿易収支 香港 失業率 独 IFO景況指数 英 小売売上 米 新規失業保険申請件数 フィラデルフィア連銀景況指数
19(金) 日銀金融政策決定会合 マネタリーベース 独 生産者物価指数 ノルウェー 失業率 加 小売売上 加 消費者物価指数
     メキシコ中銀政策金利

2.総括 主要通貨「米ドルより勝るものなし、円より劣るものなし」

 何十年も通貨の弱さを享受してきた米ドルが強含んでいる。何十年も通貨高を経験してきた円が弱い。日本の10月貿易統計、11月上中旬の貿易統計で輸出が伸びてきたが、まだ膨大な貿易赤字を有し円安要因となっている。今年は昨年を上回る貿易赤字となる見込みで実需の為替では円売りが勝る。また輸出入業者のリーズ&ラグスによる季節的需給も下半期の円売りを加速させている。米国景気の強さ、欧州景気の弱さ、資源価格の下落、中東を中心とする政情不安などのニュースも出たり入ったりするが、円の基調は変わらない。変わるとすれば、エネルギー輸入が激減して再び貿易黒字となる時だろう。海外に出た製造業は「1ドル120円程度」で急激な円安と騒ぐ日本には戻らないだろう。安定的な円安基調を約束されなければ戻ってこない。また日本が賃金上昇を目指せば、安価な労働力のある中国や東南アジアからは戻ってはこない。円安でも輸出が伸びないのではなく円安が足りない。日本の労働賃金が高いので戻ってこないのだろう。では一部の野党の主張するように円高すればいいのかとなると、それではさらに状況は悪化する。日本の物価や公共料金が高いのは円安ではなく、規制や関税などの要因も大きい。

 今週の日本は予想外の悪化となった3Q・GDPの二次速報の発表がある。予想は大きく改善するものとなっているがそうなれば与党の議席数が増加する見込みを後押しすることとなる。また日銀短観と同内容の財務省法人企業景気予測調査もある。

 また時々ドル円は実質実効相場でいえばプラザ合意以降で最弱と言われるがほんとうにそうだろうか。そうならば日本の製造業は海外に流出していないだろう。比較している物価が正しいのだろうか。米国で上昇している物価は日本の輸出している商品ではなくエネルギーやサービス関連ではないだろうか。数字を示せば正しいとは限らないのは為替出来高の大きな誤解でもあることは常々言ってきた。数字を見て納得してはいけない。

 米国は驚くべきほ強い11月の雇用者増となった。今回ばかりはQE3終了にも拘わらず低下していた米長期金利も素直に上昇した。株価も上昇と申し分ない。ゼロ金利を相当な期間維持する文言の削除も近づいてくる。今週は雇用の質を示す11月労働市場情勢指数にも注目したい。10月は4.0。先週はISM製造業・非製造業景況指数も強かった。米国のシェールガス革命も起因している原油価格の下落も米経済にとって追い風だろう。今週はその他、小売売上、先週30万人を割り込んだ新規失業保険申請件数、ミシガン大消費者信頼感指数などがある。

 ユーロ圏は期待されていた量的緩和が前回本誌で予想していた通り見送りとなった。来年初めには具体策が検討されるとのこと、技術的に難しい面や独の反対もあるので経済指標を見つつの展開が始まる。米国経済の強さには太刀打ちできないユーロだが円よりは勝っている。ゼロ金利や通貨安の効果が出てくるだろう。

 英国ポンドも対ドルでは弱いが円ほど弱くない。BOE調査の回答者の37%が1年以内に政策金利が過去最低から引き上げられると予想。8月調査時の49%を下回り、2013年11月以来の低水準となった。向こう1年のインフレ率については2.5%の見通しで、前回の2.8%から低下した。 ただ政策金利が下がるわけではないのでユーロほどは売られていない。

 中国はさらに株価が上昇した。前回は年初来20%の上昇と書いたが、先週末は38%の上昇となった。利下げがあったがさらに預金準備率引き下げ観測など追加緩和期待や香港-上海株式相互乗り入れが要因である。シルクロード基金の創設、自由貿易区の拡大などの景気刺激策も連続して出てきている。豪やNZが資源価格の下落で輸出産業が苦境に陥っているが中国の大量買い付けで幾分相殺している。来年の政府成長率見通しは今月の中央工作会議で決定されると見られている。今週は貿易収支、CPI、小売、工業生産などの重要指標が発表される。

3.その他通貨「資源国通貨」

*豪ドル=RBA政策金利は据え置きとなり声明内容も歴史的には豪ドルは高い、資源価格の下落、資源産業の弱さなどに言及したものであった。先週の住宅、小売などの指標は強かったが、鉄鉱石に加え、原油価格下落がLNG価格低下へ波及する可能性、金価格の下落もあり対ドルでは下落した(対円では小幅高)。今週発表される雇用がまだ不安である。資源産業の弱さを補うのは住宅投資だけでは物足りない。来年の利下げを予想する調査機関も出てきている。ただRBA並びにスティーブンス総裁はインフレが落ち着き、経済も低調であることから政策金利の当分の据え置きを示唆している。G-20では介入は原則禁止だがケントRBA総裁補は為替介入を排除せずと発言した。RBAは日銀の金融緩和は豪への資金流入、豪ドルの上昇を招くと警戒している。また政府の緊縮財政も家計を圧迫、物価の低下を招いているようだ。政府は2014年成長見通し、インフレ見通しを引き下げている。格付けは現在最上級だが、資源産業の低迷と財政赤字の拡大があれば引き下げもあることを想定したい。

*NZドル=政策金利決定があるが現状維持の予想。乳製品価格の低下でインフレも低下しているが住宅価格の高騰の懸念がある。雇用はひっ迫感がある。NZ中銀はNZドル高懸念を有し8月はNZドル売り介入を行ったがその後は見送っている。対ドルで0.8を割っていれば介入不要なのだろう。小売、NBNZ企業信頼感、住宅などは強い。4Qインフレ期待は低下、政策金利は据え置き予想が長引くと見られている。
 また来年の財政黒字化は難しい(乳製品下落、世界的な低インフレで)。中国からの投資も堅調、移民の流入も続く。

*南アランド=3Q・GDPは漸く長期鉱山スト終了でやや持ち直した。CPIは9月、10月と連続でインフレターゲットの6.0%を下回ったので
政策金利は据え置かれている。今週はCPI、PPIの発表がある。財政は緊縮である。新中銀総裁はタカ派。14年成長見通しは下方修正されている。今年は海外からの資金流入が増加しランドを支えていたが、ムーディーズの南ア国債を格下げ後は一服している。3Q経常収支は悪化
している。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=11月20日(木)に上ヒゲを出してからは伸びなかったが、11月25日-26日の下降ラインを上抜いて上昇。11月27日-28日の上昇ラインに沿っている。ボリバン上限は上抜いているので少しは一服するか。10月28日-29日、10月15日-28日の上昇ラインがサポート。5日線は上向き。週足は7週連続陽線。「新値八手は利食い」との言い伝えもあるが、あまり例がないので検証していない。11月3日週-10日週、10月20日週-27日週、10月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。言い伝えに頼らずトレンドラインを下に切れば売ればいいのだろう。ボリバン上限に沿う。月足は5カ月連続陽線。月のボリバンの上限は越えている。10月の長い下ヒゲが11月の上昇を生んだ。今月も陽線スタート。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=下げ止まり鍋底のような形となっていたが、11月18日-19日の上昇ラインを下抜け、ボリバン下限近くに下落して漸く反発いた。11月24日-25日の上昇ラインに沿って上昇も11月19日-21日の下降ラインに抵抗され下落。ECB理事会の緩和見送りでも11月19日-21日の下降ラインを上抜けず、翌日の米雇用統計の大幅改善で再びボリバン下限下抜けとなっている。11月21日-24日の下降ラインが下値支持。5日線は下向き。週足は10月27日-11月3日週の下降ラインは上抜いたが、10月20日-27日の上昇ラインは上抜けず、先週も抵抗した。11月3日週-10日週の上昇ラインを下抜いたまま。月足は5カ月連続陰線。今月の陰線スタート。月のボリバン下限を下抜いた。5月のボリバン上限からの下落は終わらなかった。ただ7月-8月の下降ラインを12月上抜けるかがポイント。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=ユーロも対ドルで弱いが、円がさらに弱くユーロ円は底堅い。下げてもすぐに下降ラインを上抜いている。11月20日-21日、11月26日-27日、12月2日-3日のそれぞれの下降ライン。12月4日-5日、12月3日-4日、11月24日-12月3日の上昇ラインがサポート。
長いものでは10月16日-23日の上昇ライン。5日線上向き。ボリバン上限に近い。週足は11月3日週-10日週の上昇ラインは維持。10月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。月足は3カ月連続陽線でボリバン上限へ。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。

5.当局・円無常・需給「通貨の強さで滅んだ国なし、通貨の弱さで滅んだ国なし」

 ドル円が100円を割って75円に落ちて行く時には、一部円高歓迎者から「通貨の強さで滅んだ国なし」という意見もあったが実際はデフレ不況に蝕まれていた日本。 一方米国はここ1年ドルが持ち直しているが変動相場開始以降40年以上に渡りドル安が進んでいた。通貨の弱さでも滅んでいない。むしろ強くなっている。

6.ID為替「G-20介入」

 前回のブログではドル円の一番安い売り介入は125円あたりからだと書いたが、現在G-20の公約は市場介入を禁じている。それはドル買い介入でも、ドル売り介入においてでもある。市場に任せるのが原則である。欧州危機でもECBは介入していない。豪RBAも通貨高懸念を常に主張しながら自国売り介入は行っていない。NZ中銀は極めて小額の自国売り介入を行っているが、NZはG-20参加国ではない。

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「ケープタウン丸もある屋形船」

 ケープタウン丸もある屋形船、横浜の本屋さんではマンデラさん大統領就任20周年記念の特集をやっていました

*
yakata11.JPG


yakata3.JPG
 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

詳しくはこちら

ブログカレンダー

 

カテゴリー一覧

  • レポート
  • レポート(PDF形式)


業界最狭水準スプレッド

おいしく!ザクザク!夏祭りキャンペーン

お友達ご紹介キャンペーン

口座開設キャッシュバックキャンペーン