野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

負の配分は出来ない。10月貿易統計は2010年以来の輸出の伸び

    11/24(月)「負の配分は出来ない。10月貿易統計は2010年以来の輸出の伸び」

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総括「負の配分は出来ない。10月貿易統計は2010年以来の輸出の伸び」 
その他通貨「資源国通貨、豪、NZは対ドルで弱いが、対円で強い。南アはジリ高続く」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「どこの国も通貨安にしたい」
ID為替「①米国の消費税のようなものは ②燃油が上がるという」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「晩秋の港」

ドル円=115-120、ユーロ円=143-148、ユーロドル=1.21-1.26

日経インデックス11月21日東京引け11月14日からの変化(2008年=100)円89.7弱し、ドル109.5弱し、ユーロ96.8強し、ドルインデックスINNYBOT88.27強し、CRB269.10弱し、原油76.51強し、金1197.70強し、DOW17810.06強し、日経平均ドルベ-ス東京引け147.30弱し、IMM円投機筋11月18日 円-92454(前週比-9891)、ユーロ-168730(前週比-4837)

1.(今週の予定) 

24(月) 東京休場(勤労感謝の日の振替休日)独 IFO景況指数
25(火) 黒田日銀総裁が金融経済懇談会で講演 OECD日米欧の経済見通し 月例経済報告  日 企業向けサービス価格指数 日銀金融政策決定会合議事要旨 独 GDP・確報 香港 貿易収支 南ア GDP 加 小売売上 米 GDP・改定値 ケース・シラー住宅価格指数 住宅価格指数  リッチモンド連銀製造業指数 消費者信頼感指数
26(水)英 GDP確報 米 個人支出 個人所得 PCEデフレーター 耐久財受注 シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大消費者信頼感指数・確報 新築住宅販売件数 中古住宅販売成約  新規失業者保険申請者数
27(木) NY休場(感謝祭)NZ 貿易収支 中 工業企業利益 独 小売売上 スイス GDP 独 雇用統計 南ア 生産者物価指数 独 消費者物価指数・速報 
28(金)NZ 住宅建設許可 日 失業率 消費者物価指数 鉱工業生産・速報 仏 生産者物価指数 スウェーデン GDP ノルウェー 失業率 ユーロ圏 失業率 加 GDP インド GDP、ブラジルGDP 感謝祭翌日で米国の株式市場、債券市場、商品市場が短縮取引

(来週の予定)

1(月)日 法人企業統計調査、中 製造業PMI HSBC製造業PMI、スイス SVME購買部PMI、英 製造業PMI、米 ISM製造業景況指数
2(火)日 マネタリーベース 豪 経常収支 RBA政策金利、英 建設業PMI ユーロ圏 PPI、米 建設支出
3(水)豪 GDP、中 HSBCサービス業PMI、スイス GDP 英 サービス業PMI ユーロ圏 小売売上 GDP改定値 米 ADP雇用統計 非農業部門労働生産性・改定値 カナダ中銀 政策金利 米 ISM非製造業景況指数 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
4(木)豪 小売売上 貿易収支 BOE政策金利、米 チャレンジャー社人員削減数  ECB政策金利 米 新規失業保険申請件数
5(金)日 景気先行指数 独 製造業新規受注 加 貿易収支 雇用統計 米雇用統計 貿易収支 製造業新規受注

2.総括 主要通貨「負の配分は出来ない。10月貿易統計は2010年以来の輸出の伸び」

 順調に晩秋の円安が進んでいるが、先週は円安トレンドを変えるわけではないが二つ気になることがあった。一つは10月貿易収支で前年同月と比べ約3900億円赤字が縮小したこと、もう一つは麻生財務相が円安のスピードの速さに懸念を示したことである。この二つで118円を維持することが出来なかった。もちろん今年は既に10月で昨年とほぼ同額の赤字額になっていることで大きく円安トレンドを変えるものではないが、輸出の伸びが輸入を7%近く上回ったことは今年初めてなのでこの流れが続くかどうかチェックしていきたい。月間で輸出の伸びが輸入を7%も上回っていたのは円高デフレに悩んでいた2010年7月まで遡ることとなる。

 ここ3年の円安の原動力はアベノミクスではなく貿易赤字への転換だと思っているので、10月の貿易統計は気になったわけである。もちろんまだまだ貿易赤字であるし、季節的にも輸入の買いが出回るので春までは穏やかながら円安は続くだろう。麻生大臣の円安のスピードを懸念する発言などは、瞬間的に円高に振れても、下がったら買い(ドル円)の輸入が出るので反発も速いだろう。円高になるとしても季節的に輸出が出やすい来春以降となろう。

 人生と同じように、なかなか実験をしたり、リセットをしたり出来ないのが経済だが、2012年以降の円安で、日本は円安になれば、株価も上がり経済も勢いづいてくることがわかった。円高株安はその逆である。一部で数は少ないが声の大きい人々が円安批判をしているが、それは政府の責任であり、円安で潤っている層から、円安で困っている層へ資金が流れ易いようにすることだろう。ただ40年続いた円高時代は、潤った円高層から苦しんで海外へも転出した円安層への還元はなかった(まあそれが資本主義でもあるが)。最も潤った部門の一つが政府部門であり、外貨準備やGPIFである。そこから民間へ還元してもいいと思うが、公務員の給与が引き上げられたことが目立つだけで音無しだ。

 ただ円安で儲かっている層も、長年の円高での損失、株安での損失もあるので、少々の戻しで資金を投資に回せないのだろう。海外へ転出した製造業者も110円くらいで円安批判が起きる国へは生産は戻すことが出来ないかもしれない。スイス中銀のような強い通貨高を防ぐコミットメントが必要だろう。

 今週の日本は黒田日銀総裁講演、月例経済報告 企業向けサービス価格指数、消費者物価指数を軸に展開する。また月末の外貨投信の多さは円安要因となる。選挙が始まるが、円安株高を批判する政党も出ているが公約に円高株安を目指すとでもするのだろうか。そうすれば日本全体の資産減少となり、負の配分となってしまう。

 ブリスベーンG-20では、G20全体のGDPの水準を2018年までに2%以上引き上げるための「ブリスベーン行動計画」が発表された。
前回G-20も同じ計画があった。これを受けて、もちろん自国の都合もあるが、日銀の追加緩和、ECBの量的緩和、中国の利下げがあり、利上げの一番手にある米国や英国の金融政策の方向転換がゆっくりと進んでいるのだろう。

 米国についてはまず問題のない経済運営が続き、株価も最高値を更新し続けている。オバマ大統領も政策運営には問題があると議会運営権を握っている共和党は批判するが経済には大きく影響しないだろう。今週は改定値でも振れやすい3QGDP・改定値、個人支出 個人所得の発表がある。クリスマス商戦にも期待が集まっている。米ドル高懸念もまだ大きくはない。

 ユーロ圏はユーロドルが11月に入って下げ止まっていたが、先週末のドラギECB総裁が量的緩和に積極的な発言で下落した。ただ瞬間的に下落しても、時間が経てば膨大な貿易黒字によるユーロ買いも入り、利下げも出来ない状況なので大きな下落は期待しない。経済指標はZEW景況感指数は改善するも、PMIが弱いなどどマチマチである。今週は独のIFO景況指数、小売売上 雇用統計 消費者物価指数などがある。

 英国はインフレと小売売上がやや強かったことが週末はユーロの急落を受けて対円では小幅下落した。ボリバン上限にあったユーロポンドはボリバン半ばまで下落、ポンドが強い。BOE政策委員では利上げ派はいるが、性急に利上げするほどの景気の持続的強さはない。まだ先の話だがEU離脱は懸念材料だ。

 中国は人民銀行が2012年7月以来の利下げに踏み切った。景気てこ入れ策。これまでは、銀行など対象を絞った金融緩和と市場への流動性注入によって、成長支援を図ってきていた。景気指標が弱含んでいること、住宅価格の下落、貸出の伸び悩みなどが背景にある。ただ上海株価指数はこれまでの様々な小出しの政策によって年初より17%上昇している。今週は10月工業企業利益や景気先行指数の発表がある。
 資源国だけではないが、多くの国が中国を最大貿易相手国としている以上中国の一挙手一投足は重要だ。先週の利下げは欧米株を上昇さえた。 豪は鉄鉱石、NZは乳製品の下落に悩んでいるが、中国への量的増加で相殺しようとしている。


3.その他通貨「資源国通貨、豪、NZは対ドルで弱いが、対円で強い。南アはジリ高続く」

 ポイントをまとめました。詳しくは南十字星リポート、喜望峰リポートをご覧ください

豪ドル=最近のRBA議事録は金融緩和継続適切、豪ドルは歴史的にみて高い、雇用の不安などを語っている。ケントRBA総裁補は為替介入を排除せず豪ドル下落の場面があった。経済活性化のため中国や韓国とのFTAを進めている。一部民間機関では利下げ予想も出ている。RBAは日銀の金融緩和は豪への資金流入、豪ドルの上昇を招くとした。10月の雇用者数は予想より増加するも、まだ統計の数字に不安が残る。
 3Q・CPIはやや低下したが、懸念は住宅投資がまだ過熱気味であること。鉄鉱石下落は続く。
 政府の緊縮財政も家計を圧迫、物価が低下している。政府は2014年成長見通しを引き下げ。2014年インフレ見通しは炭素税の廃止で見通しを引き下げ

NZドル=来年の財政黒字化は難しい(乳製品下落、世界的な低インフレで)が、相対的な高金利に海外資金が流入する。乳製品価格は下落続く。中国や韓国とのFTAを進める。中国からの投資も堅調、移民の流入も続く。雇用はひっ迫感あり。NZ中銀は住宅価格上昇についてまだ強く懸念しており、それが利上げに繋がることを示唆している。重要イベントは12月で政策金利決定と3Q・GDPの発表がある。8月はNZ売り介入を行ったが9月は商業ベースの小額にとどまった。中銀は常にNZドルの下落を望む。3Q・CPIは予想を下回りインフレターゲット下限の1.0%となった

南アランド=南アランドは、主要9通貨の4位に位置し例年になく強い。CPIはインタゲ内に戻し、政策金利は据え置きになったが新中銀総裁はタカ派である。今週は注目の3QGDPの発表がある。長期的な鉱山スト終了後なので改善予想となっている。
ムーディーズは南ア国債を格下げしたが、通貨への影響は小さかった。14年成長見通しを下方修正。財政赤字見通しは悪化し緊縮予算が予想されている。2Q・GDPはリセッションは免れたが予想は下回った。世界中低金利の中で低下しているとはいえ南アの6%台は魅力があるようだ。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=先週も強かったが、20日(木)に上ヒゲを出し、21日(金)下落した。11月20日-21日の下降ラインがある。11月10日-17日、11月4日-10日の上昇ラインがサポート。その下には10月15日-28日の上昇ラインが続く。5日線上向き。ボリバン上位。週足は5週連続陽線。11月3日週-10日週、10月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。月足は4カ月連続陽線。今月もここまで陽線。月のボリバンの上限は越えている。10月の長い下ヒゲが11月の上昇を生んだ。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=下げ止まり鍋底のような形となっていたが、11月18日-19日の下降ラインを下抜け、再びボリバン下限近くに下落した。
11月7日-14日の上昇ラインも下抜いた。10月15日-21日の下降ラインは上抜けなかった。ボリバン下限は1.23前半。先週金曜の下落で5日線は下向きとなった。週足は10月27日-11月3日週の下降ラインは上抜いたが、10月20日-27日の上昇ラインは上抜けず、先週は再び陰線となった。月足は4カ月連続陰線。今月は一時陽転したが再び陰線に転じている。月のボリバン下限を下抜いた。5月のボリバン上限からの下落は終わらなかった。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=ドル円同様に11月20日に上ヒゲを残し、11月18日-19日の上昇ラインを下抜いて下落した。11月11日-13日の上昇ラインも下抜いた。かろうじて10月30日-31日の上昇ラインで止まった。その下は10月23日-30日、10月16日-23日の上昇ラインがある。上値抵抗は11月20日-21日の下降ライン。まだボリバン上位。5日線はまだ上向き。週足は5連続陽線で週のボリバン上限を超えていたが先週はほぼ寄り引き同時、上ヒゲも長くなった。10月13日週のボリバン下限下抜き下ヒゲから始まった上昇が止まったか。10月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。月足は2カ月連続陽線でボリバン上限に近付いている。今月もここまで陽線だが、ボリバン上限を上抜いたところで下落、やや上ヒゲも出てきている。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。

5.当局・円無常・需給「どこの国も通貨安にしたい」

 スイス、NZは実弾自国通貨売り介入を実施している。G-20では介入は原則禁止だが、豪は常に通貨高懸念、ユーロは南欧諸国が通貨高懸念を持っている。さすがに1971年以降ドル安を享受している米国はまだドルの僅かな反転を危惧する声は大きくない。
 日本は360円から75円までの長期の円高を修正している。240円のプラザ合意の目的は日本の黒字つぶしであった。今や黒字つぶしどころか大きな赤字である。赤字つぶしならもっと円安にしなくてはならない。円安でも輸出が伸びないのではなく、円安が足りない。円安へコミットメントがないので企業は国内へ戻ってこない。国内へ戻ってこなければ優秀な人間が海外へいくだろう。それは野球やゴルフ、テニス、学問の世界に限ったことではないだろう。

6.ID為替「①米国の消費税のようなものは ②燃油が上がるというが」

①NY州の売上税は、8.8755%。
・服・靴に関しては、110ドル以下のものに関しては消費税なし。
・ニュージャージー州の売上税は、7%。洋服、靴、薬、食品には税金がかからない。
・米国はガソンリンは安いし、高速道路は原則無料。車検も何も車に異常がなければ3000円、4000円程度ではなかったか。
・免許更新でわざわざ警察に行くこともなかった。

*以上、私の記憶だが、変わっていたらすいません。

②燃油が上がっているというが、円安以上に原油価格が下がっている。日本の価格メカニズムがおかしいのではないか。また何十年も続いているガソリン暫定税を廃止すればいいのではないだろうか。

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大c 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「晩秋の港」

 紅葉、紅葉、青空と赤青黄色と鮮やかな晩秋

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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