野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

日本は全体では豊かになっている、300兆円以上の資産増、晩秋の円安株高

    11/17(月)「日本は全体では豊かになっている、300兆円以上の資産増、晩秋の円安株高」

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総括「晩秋の円安」 
その他通貨「資源国通貨、対ドルで下げ止まり、対円でさらに上昇」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「今は昔=175円という急激な円高は輸出産業に打撃、税収にも影響が出る」
ID為替「日本は全体では豊かになっている、晩秋の円安株高」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「中華街で朝早く開いているお店」

ドル円=113-118、ユーロ円=143-148、ユーロドル=1.23-1.28

日経インデックス11月14日東京引け11月7日からの変化(2008年=100)円91.2弱し、ドル109.6弱し、ユーロ96.3強し、ドルインデックスINNYBOT87.55弱し、CRB266.79弱し、原油75.82弱し、金1185.6強し、DOW17634.79強し、日経平均ドルベ-ス東京引け150.43強し、IMM円投機筋11月11日 円-82563(前週比-10912)、ユーロ-163893(前週比+15128)

1.(今週の予定) 

17(月)日 GDP・一次速報 NZ 小売売上 トルコ 失業率 香港 失業率 ユーロ圏 貿易収支 米 NY連銀製造業景気指数 鉱工業生産
18(火)中 主要70都市新築住宅価格動向 RBA議事録 英 生産者物価指数 消費者物価指数 ユーロ圏 ZEW景況感調査 独 ZEW景況感調査 米 生産者物価指数  NAHB住宅市場指数 対米証券投資
19(水) 日銀金融政策決定会合 南ア 消費者物価指数 BOE議事録 米 建設許可件数 住宅着工件数 FOMC議事録(10月28・29日分)
20(木)NZ 生産者物価 日 貿易統計 金融経済月報 中 HSBC製造業PMI 独 生産者物価指数 スイス 貿易収支 独 PMIサービス業 PMI製造業 香港 消費者物価指数 ユーロ圏 PMIサービス業 PMI製造業 ノルウェー GDP 英 小売売上 南ア 政策金利 米 消費者物価指数 新規失業保険申請件数 ユーロ圏 消費者信頼感  米 中古住宅販売件数 フィラデルフィア連銀景況指数
21(金)加 消費者物価指数 メキシコ GDP

(来週の予定)

24(月) 東京休場(勤労感謝の日の振替休日)独 IFO景況指数
25(火) 日銀金融政策決定会合議事要旨 独 GDP・確報 香港 貿易収支 南ア GDP 加 小売売上 米 GDP・改定値 ケース・シラー住宅価格指数 住宅価格指数
    リッチモンド連銀製造業指数 消費者信頼感指数
26(水)英 GDP 米 個人支出 個人所得 PCEデフレーター 耐久財受注 シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大消費者信頼感指数・確報 新築住宅販売件数 中古住宅販売成約
    新規失業者保険申請者数
27(木) NY休場(感謝祭)NZ 貿易収支 独 小売売上 スイス GDP 独 雇用統計 南ア 生産者物価指数 独 消費者物価指数・速報 
28(金)NZ 住宅建設許可 日 失業率 消費者物価指数 鉱工業生産・速報 仏 生産者物価指数 スウェーデン GDP ノルウェー 失業率 ユーロ圏 失業率 加 GDP 

2.総括 主要通貨「晩秋の円安」

 円はついに今年の主要通貨番付(9通貨)でユーロに抜かれ最下位となった。貿易赤字、日銀の追加金融緩和、GPIFの外債投資増加予定によるものだろう。これに例年通りの晩秋の季節的外貨需要が加わった。この円安要因は当分続くのだろう。テクニカルではドル円を含め、クロス円もボリバン上位にいることもあり多少の調整はあるだろう。先週もそう書いて、自分も持っている円売りのポジションのうち5%だけ利食ったのだが、調整らしきものは先週月曜の短い時間だけに終わり、利食ったレートより下げることはなかった。まだまだ、実需筋を含め買い足りない参加者もいる。それが晩秋の需給だ。ポジション調整以外では円売りを抑えることはできないだろう。

 今週の日本は注目の3Q・GDPの発表がある。予想は前期比年率で+2.2%。当初の政府想定より弱い3Q・GDPになれば、政府は2015年10月に予定する消費税率10%への引き上げを延期する方向で最終調整する。今年4月の8%への引き上げに伴う影響で景気がもたつく中、再増税による経済情勢の悪化を懸念したもので、安倍首相が今週決断する。引き上げ時期は1年半後の17年4月が有力で、食料品などにかかる税率を低く抑える軽減税率を同時導入する案も浮上している。延期には来年の通常国会での法改正が必要となる。財政再建や社会保障財源に関わる重要政策の変更になり、首相は衆院を解散して国民に信を問う。
 
 今週は日銀政策決定会合があるが、追加金融緩和をしたばかりなので現状維持となる。ただ増税延期となれば予定通りの増税派の黒田総裁の発言が注目される。10月貿易統計も発表される。1兆円程度の赤字予想である。

 米国は順調な経済指標と主要企業の好決算が続く。イエレン議長が懸念する正規雇用者数の増加、賃金上昇率などの労働指標も徐々に改善している。中間選挙で共和党が上院でも勝利したことは市場に好感されている。米国の利上げムードが高まっているのは間違いないが原油価格の下落でインフレ懸念はない。それが市場に好影響を与えている。実際の長期金利は年初から大きく低下したままである。ただ改善しているとはいえ膨大な貿易赤字という実需のドル売りがあり先週のように新規失業者保険申請者数が悪化しただけで米ドルが下げる場面も出てきている。今週はFOMC議事録(10月28・29日分)や消費者物価指数を軸に展開する。

 ユーロは先週はこじっかり推移した。欧州景気循環調査研究所(ECRI)の9月のユーロ圏未来インフレ指数(EZFIG)は97.5となり、8月改定値の97.1から上昇したことや、低水準とはいえ欧州の3Q・GDPが予想通りの数字を示したことがある。弱い材料に対して追加緩和の示唆というパターンも市場には飽きがきているから買戻しという空気がある。今週はZEW景況感調査、PMIサービス業 PMI製造業、消費者信頼感指数で景気を点検する。

 英国はBOEインフレ報告で成長率見通しとインフレ率見通しが下方修正されたことで円以外の通貨に対し弱含み推移した。住宅価格高騰による以前のカーニー英中銀総裁の早期利上げ示唆は弱まっている。今週の英国は消費者物価指数、小売売上と金利を据え置いたBOEの議事録の公表がある。

 さて中国であるが、APEC会議ではリーダーシップを発揮し、その後もG-20で首脳会合を繰り広げている。貿易量が世界一となり、またいずれGDPも世界一となることが予想されるので相手国も中国を外すことはできない。景気減速と言われようが独自のペースでの成長を進めている。香港市場との相互取引「滬港通」の11月17日開始が決まめ、海外資金の流入を見込む買いが引き続き相場を支えている。また習国家主席が提唱する「シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード」(一帯一路)構想を材料に、インフラ建設、港湾、鉄鋼、原子力などの開発を進めている。習国家主席は、APECの基調演説をで中国経済の「新常態(ニューノーマル)」について公開の場で初めて詳細を明らかにした。新常態の主な特徴として次の3点を挙げた。
*高度成長から中高速成長への移行
*経済構造の不断の改善・高度化:第3次産業や消費が次第に主力となり、都市と農村の格差縮小、国民所得の上昇を実現し、発展の成果をより広く大衆へ行き渡らせる
*要素推進、投資推進からイノベーション推進への移行
 などである。

3.その他通貨「資源国通貨、対ドルで下げ止まり、対円ではさらに上昇」

 これまでは資源国通貨は対ドルで下落、それよりも円の下落幅が大きいので資源通貨は円安傾向を続けていた。ただ先週は資源国通貨も対ドルで上昇となり資源通貨の対円相場は大きく上昇した。実際に自国通貨売り介入したNZと同様に豪中銀総裁補佐が介入を示唆したが下落は一時的であった。あまりにも頻繁に豪やNZの当局も通貨高懸念を繰り返すので市場は慣れっこになり反応しなくなってきている。両国ともインフレは全体では低下しているが住宅価格の高騰があり、当局にはこれ以上利下げできない不安面もある。南アは通貨上昇はインフレ懸念があり望むところだろう。昨年の5月以来の10.5円レベルに近づいてきた。

 個別には以下の通りである。

豪ドル=政策金利は14回連続の据え置きが続くが来年のある時点で利上げに向かう予想である。鉱山ブームの衰退、大手自動車工場の撤退などで雇用にはまだ不安が残る。インフレは景気減速と緊縮政策、炭素税の撤廃で低下傾向にある。ただ住宅投資はまだ過熱気味である。RBAは日銀の金融緩和は豪への資金流入、豪ドルの上昇を招くとしている。最近のRBA議事録は金融緩和継続適切、豪ドルは歴史的にみて高い、雇用の不安などを語っている。主要輸出品の鉄鉱石価格の下落が続くがそれを中国の輸入量でどうカバーできるか。財政赤字は増加で黒字目標を達成できなかったが、格付けはAAAが確認(S&Pとフィッチ)されており海外資金の流入は続く。

NZドル=NZ中銀は住宅価格上昇についてまだ強く懸念しており、それが利上げに繋がることを示唆している。NZドルについては主要輸出産品の乳製品の価格下落を相殺するために通貨高懸念を繰り返し、介入も行っている。3Q雇用統計は多くの部分で改善した。失業率は5.4%と5年半ぶりの低い数字となった。重要イベントは12月で政策金利決定と3Q・GDPの発表がある

南アランド=南アランドは、今年は堅調で年間通貨番付の4位に位置している。ムーディーズは南ア国債を格下げしたが織り込み済みということもあり相場には大きく影響しなかった。
 今週はCPI、政策金利と重要指標がある。9月CPIが5.9%とインフレーションターゲット内に戻ってきたことで政策金利は据え置かれるだろう。また来週は3Q・GDPの発表がある。
14年成長見通しは下方修正、財政赤字見通しは悪化し緊縮予算が予想されている。新中銀総裁はインフレ懸念が強いとされている。
南アのアフリカン・バンクが破たんもあり4大銀行の格下げがあった。ただ世界中低金利の中で低下しているとはいえ南アの6%台は魅力があるようで資金流入が続き南アランドを押し上げている。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=強い。先週11月14日は久々にやや長い上ヒゲを残したことだけが気ががりである。11月3日の窓を開けは埋まらず。11月3日-5日の上昇ラインが維持された。11月12日-13日の上昇ラインがある。10月29日-31日、10月15日-28日の上昇ラインが続く。5日線は上向き。高原状あるいは団子天井になる想定はておきたい。週足は4週連続陽線。週のボリバン上抜きが続くほど強い。10月13日週-20日の上昇ラインがサポート。月足は4カ月連続陽線。今月もここまで陽線。月のボリバンの上限は越えている。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=けっして強くはないが下げ止まっている。インフレ見通しが上昇してからである。10月29日-11月5日の下降ラインを上抜いて、11月7日-11月11日の上昇ラインがサポート。一旦そのラインを下抜いた11月14日は長い下ヒゲを残した。5日線上向き、ボリバン下位だがなべ底の気配。上値抵抗は10月15日-29日の下降ラインとなる。週足は3週連続陰線、ボリバン下限近くまで下落し、先週は陽線。10月27日週-11月3日週の下降ラインを上抜いた。その上は10月20日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。月足は4カ月連続陰線。今月は先週陽転した。月のボリバン下限で下げ止まった。5月のボリバン上限からの下落であった。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=10月16日のボリバン下限下抜き後の下ヒゲから、逆の形のボリバン上限上抜きの上ヒゲとなった綺麗な形である。11月6日に一旦上ヒゲで上昇を止めたが、2日下げ止まった後は上昇11月11日-13日、11月13日-14日の上昇ラインができている。10月30日-31日、10月23日-30日の各上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン上位。週足は5連続陽線で週のボリバン上限を超える。10月13日週のボリバン下限下抜き下ヒゲから始まった上昇。10月13日週-20日週の上昇ラインがサポート。月足は2カ月連続陽線でボリバン上限に近付いている。今月はユーロドルも下げ止まりその動きが加速した。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。

5.当局・円無常・需給「今は昔=175円という急激な円高は輸出産業に打撃、税収にも影響が出る」

1986年3月には前年9月のプラザ合意前の240円から175円へ65円の円高が進んでいた。宮沢議員は「急激な円高は輸出産業に打撃、税収にも影響が出る」と中曽根内閣を批判した。日銀は175円あたりでドル買い介入を始めた。 今は120円で急激な円安と言われてしまう。
  
6.ID為替「日本は全体では豊かになっている」

 円安批判がある。また株高にも、株を持っていないものは何の関係もないと批判されている。アベノミクスが始まる前の2012年の東証一部時価総額は258兆円であったが10月末現在は
478兆円で220兆円の増加。また輸出入や外貨投資、外貨債務をひっくるめた対外純資産は3兆ドルなので、アベノミクス開始の79円から現在の116円で37円円安で111兆円の増加。株と為替で331兆円の日本の資産増である。さらに不動産価格も上がっている。いろいろ批判があるがこの逆をやると間違いなく円高デフレ不況に戻ってしまう。資産増で税収も増えているはずだ。消費増税の必要があるのだろうか。あとは資産増で潤っている主体からの適切な利益配分であろう。賃金引上げももちろんその一つである。経営者だけが潤ってはいけない。
 

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大c 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「中華街で朝早く開いているお店」

中華街は夜は早く閉まるが、朝は遅い。朝早く開いているお店は江戸清、馬さんのお店、謝甜記 貮号店  の3軒でないだろうか。

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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