野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

世界の通貨が理想的な動き

  11/3(月)「世界の通貨が理想的な動き」

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総括「世界の通貨が理想的な動き」 
その他通貨「資源通貨=対ドルでは下落、対円では堅調」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「悩み」
ID為替「10月上旬、輸出伸びて貿易赤字縮小」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「練習風景」

ドル円=110-115、ユーロ円=138-143、ユーロドル=1.23-1.28

日経インデックス10月31日東京引け10月24日からの変化(2008年=100)円95.6弱し、ドル107.5弱し、ユーロ94.6弱し、ドルインデックスINNYBOT86.91強し、CRB271.96強し、原油80.54弱し、金1171.6弱し、DOW17390.52強し、日経平均ドルベ-ス東京引け148.06強し、IMM円投機筋10月28日 円-6739(前週比+4339)、ユーロ-165707(前週比-6336)

1.(今週の予定)  

3(月) 東京休場(文化の日)豪 住宅建設許可 中 HSBC中国製造業PMI 確報 トルコ 消費者物価指数 香港 小売売上高 スイスPMI製造業 伊 PMI製造業・速報 仏 PMI製造業・速報 英 PMI製造業 米 ISM製造業景況指数 建設支出
4(火)シドニー休場(メルボルンカップデー) 豪 小売売上 貿易収支 RBA政策金利 英 PMI建設業 ユーロ圏 生産者物価指数
  米 貿易収支 製造業受注 米中間選挙
5(水)日 マネタリーベース毎月勤労統計速報  NZ 失業率 スイス 消費者物価指数 伊 PMIサービス業・速報 英 PMIサービス業 ユーロ圏 小売売上 米 ADP全国雇用者数 ISM非製造業景況指数
6(木)日 日銀議事要旨 景気動向指数・確報値 豪 雇用統計 英 鉱工業生産 BOE政策金利 ECB政策金利 米 新規失業保険申請件数
7(金)スイス 失業率 独 経常収支 鉱工業生産 貿易収支 スイス 小売売上 スウェーデン 失業率 加 雇用統計 米 雇用統計 メキシコ 消費者物価指数

 (来週の予定)

10(月)中 消費者物価指数 ノルウェー 消費者物価指数 加 住宅着工件数
11(火)日 国際収支  NY休場・トロント休場(ベテランズデー) スウェーデン 消費者物価指数
12(水)英 雇用統計 ユーロ圏 鉱工業生産 BOE四半期インフレレポート
13(木)日 機械受注 中 小売売上高 工業生産 仏 消費者物価指数 米 新規失業保険申請件数
14(金)仏 GDP 独 GDP 香港 GDP ユーロ圏 GDP ユーロ圏 消費者物価指数・速報 米 小売売上高 ミシガン大消費者信頼感指    数 メキシコ中銀政策金利
 
2.総括 主要通貨「世界の通貨が理想的な動き」
 
 前回の想定通り、先週のタイトル通り、日銀がやったことは驚くべきことではなかったが、市場があれほど反応することが想定外であった。やはり自分がどう思っているかより、市場がどう思っているかも認識すべきだろう。

 為替的には世界は上手く回っている。40年以上、ドル安を享受してきた米国が歴史的に見れば若干のドル高となり、他の通貨が概ねは希望通り(除く南ア)通貨安になっている。特に強い自国通貨高懸念を持つ豪やNZも対ドルでは下落、欧州も仏や伊が通貨高懸念を持っているがユーロも対ドルでは下落している。これほど各国の通貨政策が上手くいっている年はない。
 G-20では貿易収支や物価動向と大きくかけ離れたりしない限り介入しないのが原則。介入しているのはG-20に参加していない小国のスイスやNZだけである。

 米国が40年間続けてきたドル安から、若干のドル高となるだけで効果がある。その米国は景気が強いにも拘わらず、イエレン議長が雇用の質を問題にしている。それが出口戦略を遅らせているのもバランスがとれて良かった。ただ先週の米国3Qの賃金は2008年以来約6年ぶりの大幅な伸びを記録した。賃金・給与は前期比0.8%上昇し、2008年2Q以降で最大の伸びを記録。前年同期比では2.1%上昇し、2009年1Q以来の高い伸びとなった。諸手当は前期比0.6%上昇、前年同期比で2.4%上昇した。 雇用の質も改善し始めている。

 今週の米国は中間選挙。共和党が下院に加え上院も過半数を獲得するかどうかがポイント。ただそれで米国の経済が変わるわけではない。その他、依然表面的には強い雇用統計、ISM製造・非製造業景況指数 貿易収支、などを注目したい。

 ユーロ圏はECB理事会がある。なかなか景気指標が上向かないが、10月CPIが前年比0.4%と9月の0.3%を上回った。ユーロが対ドルで下落している影響もあろう。既に資産担保証券、カバード・ボンド、社債の購入まで踏み込んでいるので今回は現状維持となろう。金利低下は既に限界点に達している。改善し始めていたウクライナ情勢であったが、親ロシア派が独自選挙に踏み切り緊張感の高まりが見られる。ただロシアもウクライナ問題で経済的に疲弊してきたこともあり、妥協点を見つけ出す動きを見せるだろう。

 英国もBOEが政策金利を決定する。前回の議事録では、「政策金利は7対2で据え置きを決定、資産購入枠は9対0で据え置きを決定」であった。カーニー総裁は住宅価格の上昇で利上げに前向き、一方カンリフ副総裁は「英中銀の景気刺激策は直近の見通しよりも長引く可能性。賃金やインフレのデータに弱い内容が見られる。成長鈍化の証拠となる可能性。世界経済の見通しが悪化した。更にインフレが低下するリスクを懸念」などと述べ緩和継続を支持している。これにキャメロン首相も賛同している。今回も現状維持となろう。

 日本はイベントよりも季節的な実需の動きが相場を決める。上半期は円高、下半期は円安の需給。下半期に景気対策を出すほうが、より円安株高に結びつきやすい。日銀の緩和策、GPIFの資産運用比率の変更は上手く円安の需給と結びついた。
「円安は経済全体にプラス」だという黒田総裁の発言は従来本誌が主張していたものである。逆は「円高は経済全体にマイナス」となる。プラスは配分できるが、マイナスの配分は難しい。ごく一部円高デフレ期待の政治家の発言があり、そのようなものが、今後も時たま市場を混乱させようが、貿易赤字が続く限り一時的なものとなる。万が一再びデフレ不況が実現することとなっても、次はまた「アベノミクス的なもの」で修正していくしかない。無駄な円高デフレの過程を経ずして、円安株高を維持するのが最善であろう。

 GPIFが株高円安に有利な資産運用を始めたので、円高株安にすると老後の生活の破たんに繋がることは全国民が認識すべきことであって、政治家や当局もそれに基づいた政策を進めるべきだろう。目標は定まっている。今週は黒田日銀総裁の講演がある。今週も外貨投信の設定は少ない。下旬は多い。11月全体では円安の展開となることが多い

 中国は大胆な景気対策はとらないが、小出しの対策(香港・上海株式の相互乗り入れ)が功を奏し上海株価は世界の主要株価の首位を走っている。経済外交でも日本を除く主要国、さらにロシア、オセアニアなどとも良好な関係を形成している。欧州で政策の影響を受けているロシアは中国に資源を売りこもうとしている。香港民主派のデモに対しては習主席は厳しい発言をしている。週末の10月政府版製造業PMIは50.8と予想の51.2、9月の51.1を下回ったので週初の豪ドルに影響があるかもしれない(ただ豪は後述するように今週は指標めじろ押しで、中国の指標にかかわっていられない)。

3.その他通貨「資源通貨=対ドルでは下落も、対円では堅調」

 ドル高が進んでいるので豪、NZ当局は為替相場にそれほど大きな不満はないだろう。南アはインフレ懸念が強いのでやや不満はある。

*豪ドル=鉱山業のピークが過ぎての景気減速、雇用状況も不安定の中、インフレが最近は低下しているので豪RBAは通貨安懸念を表明しつづける環境にはある。今週は豪ドル週間である。住宅建設許可 小売売上 貿易収支 RBA政策金利 雇用統計 RBA四半期金融政策報告書と続く。RBAはインフレの落ち着き、豪ドルの、なだからな下落で景気減速下で政策金利を現状維持するだろう。住宅価格の高騰がRBAの懸念である。年内から来年前半は金融緩和を維持するだろう。問題は雇用であるが、批判されているように大きくブレやすい雇用の数字やその質には注意したい。下落している鉄鉱石価格であり、それをさらに苦境に陥れる中国の関税引き上げの報道があったが中国が豪には免除する旨を表明したことで豪ドルが持ち直した。良い材料は少ないが格付けの良好さと相対的に金利が高いことで海外からの投資は継続するだろう。
 
*NZドル=8月は約5億NZドルの売り介入があったが、9月はほぼゼロとなり、NZドルの支えとなった。ただCPIがインタゲ下限の1%まで低下したことでNZ中銀の通貨安誘導は続くだろう。今週は重要な3Q雇用統計の発表がある。世界的に雇用の質が重視されているのでNZでも細部を注視したい。雇用は中心経済歳のオークランドではひっぱく感があり、住宅価格も上昇しているのが中銀の懸念である。主要輸出産品の乳製品価格下落は心配だが全体的には貿易は均衡しており、他の国と比べれば財政も良好なので債券へ海外資金が流入してくることもあり対円では大きな下落はないだろう。

*南ア=南アランドが通貨番付の4位となっている。鉱山業の長期ストによる景気減速、高い失業率、高インフレ、アフリカ特有の疫病への不安、与党ANCの勢力低迷などと悪材料の中では、今年は底堅い展開となっている。高いインフレで金融が引き締め気味であること、政府中銀がランド安懸念を共有していることなどが上げられる。また民間企業の経営基盤がしっかりとしていることも海外から資金が流入する理由だろう。利上げと緊縮政策に国民が耐えきれるかが問題である。ただ変動相場制開始ごろは400円であった南アランドが一桁となっていたのは、いくら何でも安かったことは確かである。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=この事実は大きかった。月足は長い下降ライン1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインを上抜いた。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。また例年通り、秋のドル円は底堅い。これまで述べてきたように10月初旬は海外投機筋の円売りの調整が入りやすく、10月下旬は底堅かった。11月もここ4年のドル円は底堅い。
10月初旬の団子天井からの下落は、今年の高値、安値の半値の105.42あたりで下げ止まった(安値は105.19)。10月6日-10日の下降ラインを上抜き、10月15日-21日の上昇ラインが支えている。10月22日-23日の上昇ラインがその前でサポート。ボリバン下限から上限へ、そして上限上抜きを半月で達成した。今後はボリバン内へ戻る動き、ボリバンが拡大する動きを注視したい。5日線上向き継続。
週足は10月13日週の長い下ヒゲが生きて連続陽線。週のボリバン上限に達す。月足は9月の陽線でボリバン上限を越えていたがバンド内へ戻ったあと下ヒゲを残し、ボリバン上限越え。年足は上述のように2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=10月15日-16日の上昇ライン、10月6日-15日の上昇ラインを下抜いて下落。10月23日-24日の上昇ラインも下抜き、ボリバン下限まで下落。10月29日-31日の下降ライン、10月15日-21日が上値抵抗。10月22日-23日の安値を結んだ下降ラインが下値抵抗。5日線下向き。週足は8月18日週-9月15日週は上抜いた後、10月6日週-13日週のそれぞれ上ヒゲのある上昇ラインを下抜いた。10月20日週-27日週が上値抵抗。7月14日週-8月18日週、5月5日週-6月30日週などの下降ラインが上値抵抗。週のボリバンの中には戻っている。月足は7月-8月の下降ラインに沿う。10月はそのラインが抵抗となり、上ヒゲを残した。5月の月足ボリバンの上限から下限へ達したのは5月のドラギ発言効果。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。


*ユーロ円=9月19日のボリバン上限越えで出た上ヒゲ効果での下落が続き、ボリバン下限に達した。いや下抜いた。ただ10月16日の長い下ヒゲで下げ止まっている。9月19日-10月9日の下降ラインは上抜いた。10月24日-27日、10月16日-23日の上昇ラインがサポートし上昇、ボリバン上限を上抜いている。5日線上向き。週足は10月13日週、20日週の長い下ヒゲがサポートし先週の上昇に繋がった。週のボリバン上限を上抜いた。週のボリバン下限は一時大きく下抜いたがすぐさま戻している。月足は2月ー3月の上昇ライン下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜き、そのラインがサポートとなっている。9月、10月は陽線。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。ただ今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「悩み」

 日銀は物価低下に悩み、国民は物価上昇に悩む。円の下落率をはるかに上回る世界の資源安。どうやら最終価格の上昇は日本の流通や公的な負担(関税、仲介料、ガソリン税)、便乗値上げに原因があるようだ。ただ円安を主犯にしたい空気もあるようだ。
 
6.ID為替「10月上旬、輸出伸びて貿易赤字縮小」

平成26年10月上旬分貿易統計(速報)

10日間だけで判断してはいけないが、輸出が伸びている。輸入が伸びないのは購買力が減少していることで心配である。

総 額 (単位:百万円,%)
 
     26年10月上旬  25年10月上旬  伸 率

輸 出  2,197,804     2,033,087    8.1%
輸 入  2,551,226     2,545,786    0.2%
差 引  △353,421     △512,699    -31.1%   

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「練習風景」

 野球の練習を見るのも好きです。写真は関東大学野球選手権で優勝し、神宮大会へ出場する上武大学。なんと部員は180名いるそうだ。
私の大学時代は15人でやっていた時もあった。多すぎると競争も激しくなり切磋琢磨できるが、一人あたりの練習密度が薄くなり困ることもあるのではないだろうか。ただ上武大学の野球場、付帯施設の立派さは昔と比べると豪華であり羨ましい。選手の練習環境は大きく改善している。

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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