野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

基本需給その2

「基本需給その2」

(ゴトビ、週初、週末、月末、期末、年末、年度末などの特徴)

 企業は基本的には支払いは出来るだけ遅くするのが常だ。資金を歩留まらせて金利を稼ぐ(現在はゼロ金利で稼げないが)。従って週単位なら決済日は月曜より金曜、月初よりは月末、期中よりは期末となる。また、切りの良い5,10のつく日も決済水準が高くなる。月曜は土日の分がたまり増える傾向がある。以上の日は仲値でドルの買いが増える。ただし月末や、期末は少し特殊で仲値が決定した後は、それまでに外貨のままで保有していた資金を円に転換するので円買いも増加する。年度末は総決算なので売り買いともに巨額になる。


(2,5,8,11月)

 外国の債券の利金の支払いは2,5,8,11月のものが多い。それも月半ばが多い。元本に較べれば金利は少額なのであまり相場水準を気にせず円に換える投資家が多い。2,5,8,11月はややドル下がる傾向がある。個々の金利の金額は小さいが、今や日本は世界最大の債権国である。金利や配当の受取と支払いの差額は年間10兆円を超え経常黒字の半分ほどを占めるようになった。貿易などのモノの取引に匹敵する外貨の受取がカミ(債券)の取引で生まれている。

(ただ最近の世界各国はのべつまくなしに国債を発行するので月別の特徴はなくなっている)

(決算日)

年度末の為替

 年度末は仲値の一本レートでほぼ日本中の企業の外貨建て資産負債の決算がおこなわれる。 市場に出る玉は 外貨の売りが金融機関の海外からの利益送金が主役である。買いは金融機関のみならず 事業法人含めての外貨送金需要である。海外貸倒の引き当ては外貨買いであり、取り崩しは外貨売りであるが現在の世界経済の状況から見れば引き当てが上回りその点からは外貨買いであろう。 普段と異なり仲値の過不足が一桁金額が増えるが総合では外貨買いが多いのであろう。普段なら不足額が大手行合計で3億ドルから4億ドルだが年度末は10億ドル規模に膨れ上がる。

(円建て比率)

 輸出で約36%、輸入で約20%が円建てである。もちろんこの部分は東京市場では為替取引が行われず、海外で行われる。したがって余計に東京市場ではドルが下がりにくくなる。


(自国通貨建ての貿易)

 
 東京では実需の、自国建て通貨で貿易取引が出来れば、企業は為替取引をやる必要がない。ニューヨークの企業はテキサスでも大阪でもドルで商売が出来るので為替取引は行わない。したがってニューヨークで為替をやる人は投機筋中心だ。
 逆に日本は企業が為替取引を行わざるを得ず、市場は実需中心となる。銀行の主な為替の仕事はその取次ぎであり、そこから手数料をとることだ。銀行は為替の投機筋ではけっしてない。


(その他)

  午前10時前の銀行の仲値決定時にはドルが底堅く推移しがちである。また毎日ではないが外貨投信の設定は午前11時や午後2時に行われることが多い。

 週では月曜日や金曜日にドル買いが出やすい。

*月単位ではいわゆるゴト日、18日、月末にドル買いが出やすい。(月末は午後にはドル売りが出やすい。)

*年では各月に特徴がある。
過去のデータを調べるとドルが上がりやすい月や下がりやすい月もある。
ゴールデンウィーク向けの外貨買いは話題になるが毎年数字的にはそれほど大きくなく
 こういうことを知った上でその日の作戦を立てたい。

 また感覚では分かっている東京市場の特色も需給のクセのなせるワザであることが多い。

 また1日の相場展開では経済指標の発表などの予定をつかむことは基礎中の基礎であるがルーティン的にどの時間にどの指標が、どのような中央銀行の市場への資金供給が行われるかも把握しておきたいところだ。
 
「季節的要因 需給」 

為替相場には景気指標などのファンダメンタルズ、政治、様々なニュースで相場観を作る以前に時間ごとの、
日々の、週の、月の実需による需給がある。野球で言えば試合を始める前のグランドコンディションをチェックするようなものだ。
マージャンで言えば洗牌が終わって配牌をみるようなものだ。 株や金利と異なり、為替の取引はより日常生活に密着しているのであり、
その日に発表された経済指標がどうであろうと、相場水準がどうであろうと取引しなければならないものがある。それをつかまずして
相場の動きは把握出来ない。

 それぞれクセがあるので熟知して取引に入る前の準備で確認して効率のよいものにして欲しい。

「季節2」

年度初めの4-5月は輸出が出やすい。輸入が活発になるのは秋からだ。

「シドニーと東京」

 シドニー市場と東京市場での取引の性格は異なる。シドニー市場はニューヨークのセンチメントや週末のニュースを素直に追随する市場である。東京の早出のディーラーがニューヨーク市場をチェックし早々にそれに従ってポジションを取る。その動きは1ー2時間続く。薄い市場でストップロスの注文も執行される為、値が飛ぶこともある。値が飛べばさらにそのセンチメントが増幅される。ただシドニーの時間帯でその動きは終わることも多い。それは東京の実需筋が参入してくるからだ。朝早くシドニー市場で動くのは銀行の若手ディーラーが多い。ニュースをチェックしてそのセンチメント通り動く人が多い。逆張りするようなことはない。

 東京市場が始まる9時以降は、その動きが一変することも多い。東京の実需筋が参加するからだが、実需筋はセンチメントより採算重視で動く。輸出は上がれば売るし、輸入は下がれば買う。下がって慌てて輸出が売ったり、上がって慌てて輸入が買うことはない。保守的だ。また我慢すれば戻って来ると考えているし、歴史的にも最近数年は我慢すれば戻る相場になっている。シドニー市場では進取の精神で突っ込み売り、追っかけ買いをする人が多いが、東京が始まれば押し目買い、戻り売りの実需保守相場となる、。デイトレもシドニーの雰囲気を引きずらないようにしたい。特に東京市場では午前10時にこぞってドルを買う仲値の祭典がある。

 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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