野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

一時的なうわべの波乱もあるが、円は需給通り、想定通り

      10/27(月)「一時的なうわべの波乱もあるが、円は需給通り、想定通り」

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総括「一時的なうわべの波乱もあるが、円は需給通り、想定通り」 
その他通貨「それぞれのCPI発表後、豪、南アが上昇、NZは対ドルで下げ、対円で横ばい」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「舛添ボンド、豪ドル、東京、埼玉、千葉、神奈川に購入限定」
ID為替「多くの国は日本より通貨安だが、物価高で苦しんでいない」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「秋、港の夕暮れ」

ドル円=106-111、ユーロ円=134-139、ユーロドル=1.24-1.29

日経インデックス10月24日東京引け10月17日からの変化(2008年=100)円96.9弱し、ドル107.7強し、ユーロ95.0弱し、ドルインデックスINNYBOT85.72強し、CRB270.22弱し、原油81.01弱し、金1231.8弱し、DOW16805.41強し、日経平均ドルベ-ス東京引け141.62強し、IMM円投機筋10月21日 円-71738(前週比+29409)、ユーロ-159371(前週比-4029)

1.(今週の予定)  

27(月) ウェリントン休場(レイバーデー) 香港 貿易収支 独 小売売上 独 IFO景況指数 米 中古住宅販売成約
28(火)米 耐久財受注 S&P/ケース・シラー住宅価格指数 消費者信頼感指数 リッチモンド連銀製造業指数
29(水)日 鉱工業生産 FOMC政策金利発表
30(木)NZ中銀政策金利、独 雇用統計 南ア 生産者物価指数 米GDP・速報値 新規失業保険申請件数 独 消費者物価指数・速報
31(金)日 消費者物価指数 失業率 NZ 住宅建設許可 仏 生産者物価指数 ユーロ圏 失業率 南ア 貿易収支 米 個人所得
   加 GDP 米 個人支出 PCEデフレーター シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大消費者信頼感指数・確報値
11月1日(土)中 製造業PMI

(来週の予定)

3(月) 東京休場(文化の日)豪 住宅建設許可 中 HSBC中国製造業PMI 確報 トルコ 消費者物価指数 香港 小売売上高 スイスPMI製造業 伊 PMI製造業・速報 仏 PMI製造業・速報 英 PMI製造業 米 ISM製造業景況指数
4(火)シドニー休場(メルボルンカップデー) 豪 小売売上 貿易収支 RBA政策金利 英 PMI建設業 ユーロ圏 生産者物価指数
  米 貿易収支
5(水)日 マネタリーベース(前年比) NZ 失業率 スイス 消費者物価指数 伊 PMIサービス業・速報 英 PMIサービス業
   ユーロ圏 小売売上 米 ADP全国雇用者数 ISM非製造業景況指数
6(木)日 景気動向指数・確報値 豪 雇用統計 英 鉱工業生産 BOE政策金利 ECB金融政策 米 新規失業保険申請件数
7(金)スイス 失業率 独 経常収支 鉱工業生産 貿易収支 スイス 小売売上 スウェーデン 失業率 加 雇用統計 米 雇用統計
  メキシコ 消費者物価指数
 
2.総括 主要通貨「一時的なうわべの波乱もあるが、円は需給通り、想定通り」

 引き続き、エボラ熱、イスラム国紛争と海外でのテロ、香港問題、ウクライナ問題、英国とEUの拠出金問題、欧州銀行のストレステスト問題で揺れているが、それらが大きな相場変動要因とはならず、特に円相場は例年通り、10月下旬の円安気味の推移となっている。為替相場は実需が動かすものであることは理由や数字を示して何度も述べてきた。

 今年はアベノミクスを囃す一時的な投機筋の円売りは株安でお金が回らなくなり、利食いや損切りの調整円買いを出しているので円安は貿易赤字だけの片肺飛行となっているが、乱高下もなくなりそれはそれでいいだろう。今年は昨年と比べ、どの国の通貨も変動幅が小さくなっている。今年ここまで最強の米ドル(円は3位)と最弱のユーロで7%程度の開きしかない静かな市場だ。昨年は多くの通貨が円より20%以上円安となっていた。 ただ貿易赤字時代なので調整があっても大きくは円高にはならないのは20世紀の貿易黒字時代とは違う。21世紀の為替に早く慣れないといけない。

 さて今週のメインイベントはFOMCだが、QE3は予定通り終了するのだろう。低金利を「相当な期間」維持する文言が消えるかどうかでは、消えない予想が増えているようで、イエレン議長の労働者に優しい姿勢や最近の小売売上の悪化でも市場のぜい弱を示したことなどもその理由として上げられる。ただイエレン議長のいう「格差の是正」問題はFRBの仕事でもない。格差の頂上近辺にいる議長が発言するなら、先ず自分が頂上か降りて行かなければならず問題が複雑化してしまう。
 また文言が消えようが、消えまいが米国指標や企業収益が概ね安定的な現在、市場の反応は一時的なものとなろう。
 米国は3Q・GDPを発表するが、2Qの4.6%成長からは減速するも、3.0%と他国から見れば高い成長予想となっている。

 日本問題、香港問題を抱えている中国は、欧米主要国やオセアニア・アジア・アフリカ・南米諸国にロシアとは積極的な経済外交をつづ続けている。3Q・GDPも大きくは悪化せず、HSBC製造業PMIや工業生産は改善した。小売売上の減少や住宅価格の下落はあるが、住宅価格の下落は政府が意図してきたものだろう。インフレも2%以下であり、株価も今年の世界の主要市場ではトップの上昇率である。福田元首相が10月29日に習主席と会談を行う観測がある。

 欧州は、久々にかすかな光明が見えた。ユーロ圏や独の10月製造業PMIが改善を示した。今週の独IFO景況感指数や欧州の消費者物価指数に繋がるかどうか。元々貿易黒字圏なので、いい指標が出始めるとリバウンドは速いだろう。年後半のユーロのリパトリに繋がるかどうか。ただ当局者はまだまだ慎重な意見が多い。ドラギ総裁は、ユーロ圏のリセッション再突入回避に向け、ユーロ圏加盟各国が構造改革や投資、財政規律の強化、需要押し上げで連携するよう要請した。「われわれは連携し、ユーロ崩壊を回避した。ここにきて再び、リセッション再突入を回避するため、協調行動をとる必要がある。希望は戦略ではない。首尾一貫した成長戦略は具体的かつ説得力のある構造改革を伴う必要がある」と言明した。12月18日に開く次回EU首脳会議までに、各国に構造経済改革の工程表を提示するよう求めた。

 今週の日本は日銀政策決定会合や展望リポートの発表がある。政府は景気判断を下方修正している。日本の株価も不安定である。消費増税に反対する声は政府内や自民党内でも聞こえている。日銀が何らかの対応を見せるか、無視するか。また10月上旬貿易統計も注目したい。月末週なので月末の輸出も出る。外貨投信の設定は9月末ほど多くはない。外貨投信設定が増加するのは冬のボーナス狙いの11月下旬からだろう。また外資系はもう今年も終わり、決算やボーナス配分の季節で為替のポジションを大きくは振ってはこないだろう。

 英国は基本的に最近はユーロ圏より経済状況がマシということで、ユーロよりは強い。ブロードベンドBOE副総裁が早期利上げの可能性を示唆したが、すんなりと利上げに踏み切れる経済指標の強さはないようだ。豪やNZ同様に住宅価格の高騰が問題である。またEUとの拠出金配分問題でキャメロン首相が怒っているようだ。チャートでは対円でボリバン上限から下限へと下落し、現在下限から反発中と、かつての荒いポンドの動きからは大人しい推移となっている。

3.その他通貨「それぞれのCPI発表後、豪、南アが上昇、NZは対ドルで下げ、対円で横ばい」

 先週は豪、NZ、南アがCPIを発表した。

豪3Q・CPIは予想通りの2.3%となり2Qの3.0%から低下した。予想通り、また前日のRBA議事録もここ数回の内容と同じであり、強くは豪ドル高を懸念しなかったことから反発した。中国の鉄鉱石輸入関税では豪へは免税となる報道や、中国の輸入が増加したこと、3Q・GDPが予想通りであったこと、工業生産が改善したことも豪ドルを支えた。先週は世界的に株価が上昇に転じたことも豪ドル買いに繋がった。インフレは炭素税廃止でエネルギー関連が低下、食料や住宅関連は上昇した。今週も底堅く推移するだろう。焦点は11月第一週で政策金利、雇用統計の発表がある。政策金利はインフレが低下してことで据え置きとなるだろうが、豪ドルがさらに上昇すればRBAは警戒感を強めるだろう。もちろん雇用統計が改善すれば、その警戒感は弱まることとなる。

 NZドルは対ドルでは下落、対円ではドル円の上昇で横ばいとなった。3Q・CPIは予想を下回り1.0%とインフレターゲットの下限となった。さらに9月貿易収支は赤字が拡大した。主要輸出品の乳製品価格が下落し、NZ中銀は通貨を安くして景気を盛り返したいところであるが、現状その思惑通りとなっている。気がかりは住宅価格の高騰が政策で抑制しつつもオークランドを中心に収まらないことである。
 今週は政策金利決定があるが現状維持、また通貨高懸念は景況感指数も低下していることも加わって強めてくるだろう。ただ10月に入っては対ドルでは7月からの下落は止まっている。乳製品と通貨高懸念は材料的には新鮮味がなくなっているのだろう。

 南アはNZと同様にCPI(9月)は低下した。ただ南アランドはNZドルと異なり、対ドル、対円で上昇した。今月はここまで月間最強通貨となっている。CPIは8月の6.4%から5.9%へとインフレターゲットの上限を7か月ぶりに下回った。金融政策が上手く回り始めたことを評価し、南ア国債にも買いが入り南アランド買いに繋がっている。2014年の成長見通しは2.7%から1.4%へ下方修正されたが、予想通りで反応は鈍かった。今年の鉱山業の長期ストや電力不足の影響からである。現在南アは原子力発電を増強中である。財政赤字の拡大や格付け引き下げのリスクは残っているが今のところ海外からの資金流入は続いてランドを支えている。 

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=ほぼ予想通りというか、例年の円安になりやすい10月下旬相場となっている。また10月初旬の団子天井からの下落は、今年の高値、安値の半値の105.42あたりで下げ止まった(安値は105.19)。10月6日-10日の下降ラインを上抜き、10月15日-21日の上昇ラインが支えている。10月22日-23日の上昇ラインがその前でサポート。10月21日と24日の下ヒゲが効くか。ボリバン中位(バンドは105.73-109.99)。5日線上向き。
週足は先々週の長い下ヒゲが生きて先週も陽線。10月6日週-13日週の下降ライン上抜けは維持。9月8日週-15日週、8月18日週-9月1日週の上昇ラインを下抜いている。
 月足は9月の陽線でボリバン上限を越えていたがようやくバンド内へ。9月の上昇分の調整だろう。月足は長い下降ライン1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインを上抜いた。直近では今年 2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。例年通り秋は底堅い。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=10月15日-16日の上昇ライン、10月6日-15日の上昇ラインを下抜いて下落。ただ先週後半は10月21日-22日の下降ラインを上抜いて下げ止まった。狭いボリバンの中位。5日線下向き。10月15日-21日の下降ラインが上値抵抗、10月23日-24日の上昇ラインがサポート。週足は8月18日週-9月15日週は上抜いた。7月14日週-8月18日週、5月5日週-6月30日週などの下降ラインが上値抵抗。週のボリバンの中には戻っている。10月6日週-13日週の上昇ラインが下抜いている。月足は7月-8月の下降ラインに沿う。今月は陽転し一旦そのラインまで上昇も跳ね返される。5月の月足ボリバンの上限から下限へ達したのは5月のドラギ発言効果。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=9月19日のボリバン上限越えで出た上ヒゲ効果での下落が続き、ボリバン下限に達した。いや下抜いた。ただ10月16日の長い下ヒゲで下げ止まっている。9月19日-10月9日の下降ラインは上抜き先週は下げ局面でもそのラインがサポートとなった。10月21日-22日の下降ラインを上抜いた。ボリバン中位。5日線上向き。
週足も先々週は長い下ヒゲ。先週も長い下ヒゲ。9月15日週-22日週の下降ラインはなんとか上抜いた。週のボリバン下限は一時大きく下抜いたがすぐさま戻している。ボリバン下限下抜きは逆張りのチャンスである。月足は2月ー3月の上昇ライン下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜き、そのラインがサポートとなっている。9月は陽転。今月はここまで陰線。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。たた今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「舛添ボンド、豪ドル、東京、埼玉、千葉、神奈川に購入限定」

 金額は50億円と小さい。
東京都は11月-12月に販売する個人向け都債のうち約50億円分を豪ドル建てで発行すると発表した。
個人向け国債・地方債での外貨建ては戦後初という。満期5年で金利は3%程度になる見通し。
  外貨建ての購入限度額は100万豪ドル。
舛添知事は「運用の選択肢を広げて、都債の魅力をさらに高めたい」とアピールした。
 
6.ID為替「多くの国は日本より通貨安だが、物価高で苦しんでいない」

 物価高は円安のせいという声が強い。アベノミクスは限界だから、他の手法を考えたほうがいいという人もいつ。二大政党は理想だが、第2党の民主党の主張はアベノミクスの逆の「円高デフレ」政策を強調している。そんな時代へ戻りたい人がいるのだろうか。

 ただ物価高は円安のせいだろうか? 今年の円相場は対ドルで2.7%の円安だが、他の通貨に対しては円高推移している。一方、原油は年間でここまで17.6安、CRBも3.5%で円安を容易に相殺できる。多くの国が日本より通貨安だが物価高で苦しんでいるのではなく、物価安を懸念している。日本の物価が高いのは消費増税と便乗値上げ、多くの高い公的料金にあるのだろう。  

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「秋、港の夕暮れ」

 秋、港の夕暮れ

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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