野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

お金が回らなくなってきた日本、円高・株安・増税・日本だけ物価高の四重苦

     10/13(月)「お金が回らなくなってきた日本、円高・株安・増税・日本だけ物価高の四重苦」

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総括「お金が回らなくなってきた日本、円高・株安・増税・日本だけ物価高の四重苦」 
その他通貨「豪ドル、NZドルは続落、南アランドは先週最強通貨」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「黒田総裁がワシントンで発言」
ID為替「声明が出なかったG-20」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「どの通貨を取引しますか」

ドル円=105-110、ユーロ円=133-138、ユーロドル=1.24-1.29

日経インデックス10月10日東京引け10月3日からの変化(2008年=100)円96.9強し、ドル107.2弱し、ユーロ94.4強し、ドルインデックスINNYBOT85.85弱し、CRB275.6弱し、原油85.82弱し、金1221.7強し、DOW16544.1弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け141.92弱し、IMM円投機筋10月7日 円-112551(前週比+8327)、ユーロ-146212(前週比-8687)

1.(今週の予定)  

13(月)中国貿易収支  東京休場(体育の日)、 トロント休場(サンクスギビングデー)、ニューヨーク休場(コロンブスデー、債券・為替市場が休場)
14(火)日 マネーストック 企業物価指数 投資信託概況 南ア 小売売上高 仏 消費者物価指数 英 消費者物価指数 生産者物価指数 ユーロ圏 ZEW景況感調査 鉱工業生産
   独 ZEW景況感調査
15(水)中 CPI 工業生産者出荷価格指数  英 雇用統計 米 小売売上 生産者物価指数 ニューヨーク連銀製造業景気指数 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
16(木)リクルート上場 ユーロ圏 消費者物価指数 貿易収支 米 新規失業保険申請件数 鉱工業生産 フィラデルフィア連銀景況指数 NAHB住宅市場指数
17 (金)日銀総裁あいさつ、米 対米証券投資 加 消費者物価指数 米 住宅着工件数 建設許可件数 ミシガン大消費者信頼感指数

(来週の予定)

20(月)独 生産者物価指数 香港 失業率
21(火)  RBA議事録 スイス 貿易収支 香港 消費者物価指数 米 中古住宅販売件数
22(水)日 貿易統計 豪 消費者物価 南ア 消費者物価指数 BOE議事録 米 消費者物価指数 加  政策金利 小売売上
23(木)NZ 消費者物価 独 PMI製造業・速報 PMIサービス業・速報 ユーロ圏 PMIサービス業・速報 英 小売売上 米 新規失業保険申請件数 住宅価格指数
   ユーロ圏消費者信頼感・速報
24(金)NZ 貿易収支 英GDP・速報値 米 新築住宅販売件数

2.総括 主要通貨「お金が回らなくなってきた日本、円高・株安・増税・日本だけ物価高の四重苦」

 お金が回らなくなっている日本。IMFも日本の成長見通しを他のどの国よりも大幅下方修正した。円高、日経平均下落、消費増税、物価高。テレビでは「急激な円安」と報道しているが、今年はここまで対ドルでは2円の円安だが他の通貨には円高推移している。貿易取引や資本取引の半分がドル以外の通貨なので、今年は円高で損失を追っている企業、個人も多い。そうすると可処分所得も減少し株にも回らず、日経平均は下落している。増税は8%への消費増税でも実質それ以上の価格へ引き上げた企業が多く、結局は消費の減退を引き起こしてしまっている。これが10%になると、さらに消費マインドが落ち込むだろう。消費増税で税収減という最悪な結果となるのではないか。また日本だけで起きている物価高は日本企業のコスト増になり競争力を低下させるだろう。たとえば日本では乳製品価格が上昇するというが、世界の乳製品価格は今年50%低下している。日本はある部分はグローバルである部分は鎖国している歪な経済が残っている。

 円安で主婦が物価高で困っているというが、円安で潤っている企業が給与を引き上げていないからだろう。また食料品などを海外のようにゼロ課税に近づければいい。燃料コストが上がっているというが、元々エネルギーの輸入が多く、電力、電気、航空会社は円安分を上乗せするだけなので大手輸入企業は問題がない。エネルギー使用企業には、25円もとっている暫定ガソリン税を廃止すべきだろう。高速道路新設が続き、毎日が道路工事で車線規制、公務員給与の引き上げなどの報道があると日本はお金が足りない国とは思えない。

 円安・円高のどちらが個別ではなく国全体の利益になるかどうかを考えて政策を決めるべきだろう。円安メリットの配分調整をやるのが政治である。円高デメリットは配分できない。
対外純資産の日本は円安がメリットである。日本が対外純負債なら円高がメリットである。メリットの大きい方へが誘導し、デメリットへ配分するのが政治だろう。逆をやると再び
円高株安デフレ不況、企業が海外進出し国内空洞化となる。円安は一時的なものではなく、息の長いものにしないと。急激な円高は40年も続いて失われた日本を作ったのだから。ただ最近の報道は円高デフレ再現を誘導しているかのようだ。日本人は明るい楽観的な社会より、我慢する社会を好む国民性がそれを導いているかもしれない。

 ということで、ドル円はまだ少し、損切り売りの需給があり重くなっている。輸入の外貨需要が入り午前中はドルがしっかりしているが、後場はドルの頭が重くなっている。一時的な投機ドルロングを調整仕切れば他国のようにドル高に戻るがそれは晩秋だろうか。また晩秋には、公共事業以外では沈黙の政府や日銀も何か対策を出してくるだろう。 

 米国はIMFの世界経済見通しで数少ない上方修正組。自然とドルが買われている。ただ米国債券へも向かうので米国金利は上昇していない。またイエレン議長のいう労働の質を重視し始め、労働市場情勢指数(LMCI)を公表する。LMCIは雇用統計などの政府の指標に加えて、求人広告指数といった民間の指標も含めた19の雇用関連指標から算出する。雇用者数や失業率のほか、労働参加率やパートタイム労働者の比率など幅広いデータを反映させ、労働市場全般の状態を示す。LMCIは4月に直近の高水準である7.1を付けたが、その後は緩やかな改善になっている。これも「相当な期間」の文言を維持している要因だろう。景気回復でも意外と慎重な政策が米国の信頼を高めている。ただ膨大な米国の貿易赤字があるので一本調子のドル高にはならない。 今週は金融を中心に米企業決算がある。またイエレン議長講演、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、住宅着工、ミシガン大消費者信頼感指数を注目したい。

欧州は、先週は独鉱工業生産、独輸出がともに減少した。なかなか強い指標が出て来ない。ドラギ総裁のみならず、金融緩和やユーロ安には慎重な姿勢を見せている独連銀バイトマン総裁も景気には弱気な発言をするようになってきた。その原因の一つにウクライナ問題を上げ、独が一番悪影響を受けていると発言している。スペインの首相支持率低下とカタルーニャ問題、ギリシャ自身の財政支援不要発言も不安感をもたらしている。EFSF、仏の格付け通し引き下げもユーロ売りにつながるだろう。今週はZEW景況感指数が注目。

 中国は上海株価指数が主要国株価指数でトップに立ち他を引き離しにかかっている。高度成長からは減速し始めているが、それはどこの国も経験することだろう。また景気刺激策より構造改革を重視しているのが習政権でもある。その中で小さな改革や規制緩和を好感して株価が上昇、上海・香港株式市場の相互乗り入れもその一つである。戸籍制度改革、一人っ子政策の緩和など長期的な改革は行っている。香港行政長官選挙に関わる学生のデモは気がかりであるが、学生運動をしている国はその後は伸びていくというアノマリーに期待したい。今週は貿易収支、CPIなどが発表される。

3.その他通貨「豪ドル、NZドルは続落、南アランドは先週最強通貨」

 豪ドル、NZドルは政府の通貨高懸念と景気減速とインフレ低下、米ドル高でジリ安、一方南アランドは先週の最強通貨。景気は減速しているが政府はランド安懸念、インフレ懸念を持っているので他の資源国、新興国ほど売られなかったようだ。 

 豪ドルでは政策金利が据え置かれた。最近の声明内容は同じで「金融緩和継続、豪ドル高懸念、鉱山業不振」が基本である。雇用統計は予想通り前回の大幅改善からは悪化した。トヨタ、GM、フォードなどが工場撤退を表明しているので雇用情勢が一気に改善することはないだろう。炭素税の廃止でインフレが落ち着いているのがRBAが豪ドル高懸念発言を継続できる要因であろう。財政赤字は増加で黒字目標を達成できないが、他国と比べれば財政状況は良好で格付けはAAAを維持されている。インフレ動向に変化がない限り豪ドルの下押しは続くだろう。豪ドル円の上昇があるとすればドル円の上昇の時だろう。今週は重要指標はない。

 NZドルは、豪のように鉄鉱石価格の下落を中国の輸入増で相殺されない乳製品が主要輸出品目なので苦しい。それゆえにNZ中銀も8月の実弾売り介入に踏み切ったのであろう。
また来年の財政黒字化は不透明と財務相が発言したことも売りにつながった。景気回復に昨年ほどの力強さもなく、インフレも低下傾向にある。3Q 7-9月期NZIER企業景況感は+19で2Qから減速していることから、3QはGDPやCPIも低下することが予想される。2Q雇用統計では失業率は改善したが、雇用者数の伸びは予想を下回った。住宅投資は依然活発である。
 今週は重要指標なく、来週の3QCPI発表に注目している。

 南アランドもいい材料はないが、ランドは先週底堅かった。次期中銀総裁候補がインフレ抑制を強調したこともある。他の材料はよくない。貿易赤字は拡大傾向にある。資源安、株価指数は5万ポイントを割り込んだ。依然景気減速とインフレ高騰に悩んでいる。。2Q失業率はさらに悪化した。アフリカン・バンクが破たんし、4大銀行の格下げがあった。世銀、IMF、南ア中銀は成長見通しを引き下げている。ただ世界中低金利の中で低下しているとはいえ南アの6%台は魅力があるようだ。また2Q・GDPはリセッションは免れた。今週は小売売上の発表がある。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=9月下旬から山なりとなり、前回触れた団子天井のようになっている。まだ107円50以下に損切り売りも控えている。ただここのところ大きな動きがなかっただけにボリンジャーバンドも狭く、下限は107.14あたりと近い。8月8日-15日の上昇ラインが破れるかどうかがポイント。10月6日-7日の下降ラインは上抜いて下落速度は弱まっている。10月8日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線は下向き。8月18日週-9月1日週の上昇ラインも下抜いている。 月足は9月の陽線でボリバン上限を越えていたがようやくバンド内へ。月足は長い下降ライン1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインを上抜いた。直近では今年 2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。年足は2002年-2007年の下降ラインを上抜いた。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=9月4日-16日の長い下降ラインを上抜き、10月3日-8日の短い上昇ラインができていたが、10月9日に下抜いた。9月4日-16日の長い下降ラインやボリバン下限1.25前半がサポートとなる。5日線は金曜時点では一旦上向いている。10月9日-10日の下降ラインがある。週足は8月18日週-9月15日週、7月14日週-8月18日週、5月5日週-6月30日週などの下降ラインが上値抵抗。9月22日週-29日週の下降ラインは上抜き、先週は陽線となったが、上ヒゲが気がかり。週のボリバンの中には戻っている。月足は7月-8月の下降ラインに沿う。今月もここまでほぼ寄り引き同時。5月の月足ボリバンの上限から下限へ達したのは5月のドラギ発言効果。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=9月19日のボリバン上限越えで出た上ヒゲ効果での下落が続き、ボリバン下限に達した。直近の10月7日-8日の上昇ラインを下抜いた。10月9日-10日の下降ラインを維持できるか。9月19日ー10月9日の下降ラインが上値抵抗。8月8日-9月5日の上昇ラインも下抜いた。ボリバン下限は136.03。5日線下向き。週足は9月15日週でボリバン上限上抜きの長い上ヒゲで下落。9月15日週-22日週の下降ラインに沿う。ボリバン下限は135半ば。月足は2月ー3月の上昇ライン下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いたまま。9月は陽転。今月は陰線スタート。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。たた今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「黒田総裁がワシントンで発言」

 黒田日銀総裁は、ワシントンでの共同記者会見で「経済や金融のファンダメンタルズを反映した円安ならば、景気に対してプラス方向に働く」と述べた。
黒田総裁は円安のメリットとして、輸出の増加やグローバルに展開している企業の収益を改善させ、株価を上昇させる効果を持つことを挙げた。一方で、輸入コスト上昇の価格転嫁を通じて非製造業の収益や家計の実質所得に対する押し下げ圧力などのデメリットもあると述べた。 ただ具体的な為替水準への言及は避けた。黒田氏は、原油価格下落について日本の交易条件を改善させたり実質所得の増加につながることから日本経済にとってプラスだとの見解を示した。

6.ID為替「声明が出なかったG-20」

 G-20では声明が出なかった。「ノーニュース イズ グッド ニュース」ではなく、米国を除く世界各国での景気減速で対策に手詰まり感があるようだ。強いて言えばケアンズでG-20をやったばかりということもある。個別に各国財務相や中銀総裁のコメントは伝わってきている。

議長国の豪の「5年で経済規模を2%底上げする」目標達成はどうなるのだろう。11月に豪ブリスベーンで開くG20首脳会議で最終報告となる。

 ルー米財務長官は「ユーロ圏の回復は他の先進国に大幅な後れをとっている。先のG-200会議でも各国は欧州に需要刺激策の要請を強めている」と批判。経常黒字国であるドイツに積極的な財政出動でユーロ圏経済を下支えするよう促した。またルー財務長官は「各国は為替水準を目標にせず、通貨切り下げ競争を回避すべきだ。世界的な成長減速に見舞われる中でG7、G20の全加盟国が為替に関する合意を順守することが特に重要だ」と通貨安誘導をけん制した。

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白く正しく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「どの通貨を取引しますか」

*トルコリラ、メキシコペソ、人民元など。外為どっとコム社は11月より新8通貨ペアの取引を開始するそうです。 写真は横浜ワールドフェスタなど。

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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