野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

世の中騒がしいが、円は例年通りの季節のリズム、静かで秩序正しい

     9/15(月)「世の中騒がしいが、円は例年通りの季節のリズム、静かで秩序正しい」

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総括「G20、イエレン議長、黒田総裁、FOMC、日本貿易統計、スコットランド、NZ・GDP、南ア金利、NZ選挙」 
その他通貨「資源通貨に中国・米早期利上げ観測の影響もドル円が支える」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「テロ警戒の豪でG-20」
ID為替「タダの予想」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「シルク通りのかをりさんは毛むくじゃら」

ドル円=105-110、ユーロ円=137-142、ユーロドル=1.27-1.32

日経インデックス9月12日東京引け9月5日からの変化(2008年=100)円96.3弱し、ドル105.7強し、ユーロ94.5強し、ドルインデックスINNYBOT84.22強し、CRB281.9弱し、原油92.27弱し、金1231.5弱し、DOW16987.51弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け148.83強し、IMM円投機筋9月9日 円-100673(前週比+16635)、ユーロ-157505(前週比+3918)
 
1.(今週の予定)  

15(月) 東京休場(敬老の日) ユーロ圏 貿易収支 米 NY連銀製造業景気指数 鉱工業生産 設備稼働率
16(火)黒田総裁講演、RBA議事録、英 消費者物価指数 生産者物価指数 独 ZEW景況感調査 ユーロ圏 ZEW景況感調査 米 生産者物価指数 対米証券投資
17(水)南ア 消費者物価指数 BOE議事録 英 雇用統計 ユーロ圏 消費者物価指数・速報 米 消費者物価指数  経常収支 NAHB住宅市場指数 南ア 小売売上 FOMC イエレン議長会見
18(木)スコットランド独立投票 NZ GDP 日 資金循環統計  貿易統計 中 主要70都市新築住宅価格動向 スイス 貿易収支 政策金利 英 小売売上 香港 失業率 米 失業保険申請件数 住宅着工 建設許可 フィラデルフィア連銀景況指数 南ア中銀政策金利  ECB貸出条件付き長期資金供給オペレーション(TLTRO)開始
19(金)独 生産者物価指数 米 景気先行指標総合指数 加 消費者物価指数
20日(土)G20@ケアンズ NZ総選挙
 
(来週の予定)

22(月)香港 消費者物価指数 米 中古住宅販売件数 ユーロ圏 消費者信頼感
23(火) 東京休場(秋分の日) 仏 GDP確報値 独 PMI製造業 PMIサービス業 ユーロ圏 PMI製造業 PMIサービス業 加 小売売上   米 住宅価格指数 リッチモンド連銀製造業指数
24(水)  南ア休場 NZ 貿易収支 独 IFO景況指数 米 新築住宅販売件数
25(木)香港 貿易収支 南ア 生産者物価指数 米 新規失業保険申請件数 耐久財受注
26(金)日 全国消費者物価指数 米 GDP確報値
 
2.総括 主要通貨「G20、イエレン議長、黒田総裁、FOMC、日本貿易統計、スコットランド、NZ・GDP、南ア金利、NZ選挙」

 上の写真はドル円のローソク足(年足)。昔は日足から年足まで手書き、P&Fも手書きしていた。移動平均線、一目均衡表を含め多数の通貨をつけると非常に時間がかかったものである。85年からの3年間は50円、40円、40円と円高に進んだ。その他の年でも年間の高値、安値の差が10円から20円以上であったことも多い。12年は10円、13年は19円動いた。今年は僅か6円足らず、年初からは、2円足らずの円安だが、何故か急激な円安との声も聞こえる。参加者のみならず、報道、当局、政治家もよりデイトレーダー化して、相場を注視ししすぎているからだろうか。 
 今年も、いろいろな経済的なニュース、国際間紛争のニュースが騒がしいが、ドル円、円相場の季節のリズムは例年通りである。 2002 年から2007年への下降ラインを上抜けそうである

 さて今週はG-20がある。G-5からG-20まで公約など守られないものが多いが、直前のG-20では以下のような声明がある。

「今後5年間で、我々全体のGDPを現行の政策により達成される水準よりも2%以上引き上げるというシドニーでの成長目標を達成するため、、世界の需要を引き上げ、リバランスさせ、為替レートの柔軟性を達成しつつ成長力を高め、大きなプラスの波及効果をお互いに、また世界経済全体に対し生み出すための、新たな行動を策定することにコミットする。9月の会合で、我々は、包括的な成長戦略を共にレビューし、これらが、マクロ経済政策に加え、投資、雇用・労働参加、貿易及び競争を含む広い分野にわたる行動を含むことを確保する」

 IMFの7月の世界経済見通しでは、日本とドイツを除いた国で14年の成長見通しが4月調査時点に比べ下方修正されている。上方修正された日本も2Qの落ち込みの後の回復度も3Qに入っても小さく不安である。成長目標が中途ではあるが未達のようなので、さらに成長戦略やTPPについて積極的な声明が打ち出されるだろう。それともウクライナなどの国際紛争や中国の景気減速のせいでお茶を濁すか。為替相場については、多くの国が望むように米ドルが強調推移しているので問題にはならないだろう。

 FOMCは最近の米国指標の強さで「資産買い入れプログラム終了後も事実上のゼロ金利を「相当な期間(considerable time)」維持するとの確約を解除し、来年6月の利上げ開始に向けた下地を整えるとの観測が高まっている。 CPIは2%程度で推移しているが、雇用が満足する状態と判断するかどうかだろう。「相当な期間」の文言が削除されれば、一時的にドル高進むが、貿易赤字によりそれが長期間持続されるわけではないだろう。ただ秋は季節的に円売り実需が高まるので年内はドル高が維持できるだろう。雇用の安定をより重視していたイエレン議長の会見に注目したい。

 日本は消費増税で落ち込んだ2QのGDPの大きな落ち込みを3Qで取り戻すとしていたが、その3Qの指標も不安なものが続いている。実質賃金が伸びずに物価だけが上昇しては消費や投資に回って行かないだろう。黒田日銀総裁、麻生副首相、谷垣自民党幹事長らは、世界的な公約(??)なので増税しなければ、金融市場が混乱するとしているが、増税して国民生活がより混乱した時のほうが打撃が大きそうだ。
安倍首相はまだニュートラル(経済指標次第)の姿勢、浜田・本田両内閣官房参与らは先送りも示唆している。国民は財政のひっ迫は理解しているが政府の金遣いを見ていると、増税が理解出来ない人も多いのでないだろうか。いずれにせよ借金が増え続けることは明らかであり、貿易赤字も継続していること、秋の円売り実需の高まりで円安はさらに進んで行くだろう。もちろん、2円程度の円安でも急激な円安という空気があるので、調整の口先介入や、海外からの批判も出るが、円売り実需を覆すものではなく、円安トレンドは変わらないだろう。
 今週は8月貿易統計の発表がある。中旬までは輸出が前年比減少していた。
 
 欧州通貨は先週は強含んだ。と言っても、対ドルでは小動きであったので、ドル円の分だけ対円で強くなった。ユーロは意外な利下げをして下落したが、ECBがこれ以上の利下げは出来ないとしたこと、ウクライナで一応停戦があったこと、独貿易黒字の拡大、ユーロ圏鉱工業生産の改善、対円ではボリジャーバンドの下限にあったことで反発した。

 英国はスコットランドの独立に関わる住民投票の事前の世論調査で一時賛成が反派を上回ったことでポンドは下落したが、別問題の英国金融政策でカーニー総裁の利上げ示唆があり上昇した。対円ではユーロ円と同じく、ボリバン下限下抜きから一気に上限上抜きとなった。

 スコットランド問題については、初期反応としては独立派が勝利すればポンドが売られ、反対派が勝利すれば買われるだろう。反対派が勝利しても、今後もくすぶり続ける問題となる。ただ独立派が勝利した場合でも時間が経てば、ポンド相場は落ち着いてくるだろう。財政赤字の分担、北海油田の分離方法、スコットランドの使用通貨、大企業の英国移転など問題へ道筋が開けてくるからだ。需給的に言えば、北海油田の切り離しで英国の貿易赤字が増大する。スコットランドは貿易黒字国になるが、原油価格により影響されやすい経済となる。
 英国もスコットランドもユーロへ加盟できる財政状況ではない。

 中国の先週から発表された指標は資源国通貨に影を落とした。8月貿易収支は黒字が大幅拡大して+498.4億ドル(予想+400億ドル)となったが、輸入が伸びなかったこと、8月CPIも2.0%と予想の2.20%を下回ったことで購買力不足が懸念された。それはすなわち資源国からの中国向け輸出も減少することなので豪ドル中心に資源通貨が売られた。また週末に発表された8月小売売上、鉱工業生産、固定資産投資も予想を下回ったので今週も資源通貨が売られる場面もあるだろう。ただ株価(上海総合指数)は強い。

3.その他通貨「資源通貨に中国・米早期利上げ観測の影響もドル円が支える」

豪ドルは先週弱含んだ。8月雇用統計は大きく改善したが、その数字に疑念を示すエコノミストが多かったこと、さらに上述の中国の指標の弱さで売られ、また後述するが豪政府が自国のテロ警戒レベルを引き上げたことにもよる。今週はケアンズでG-20が開催されることもテロの危険があり心配だ。また鉄鉱石価格が下がり続けていることも売り要因となった。豪RBAは主要輸出商品の価格下落を懸念して、豪ドル高も強くけん制している。今週はRBA議事録が公開される。緊縮財政への移行、成長率見通しも引き下げらているのでポジティブなものではないだろう。

 NZドルは先週は予想通り政策金利が3.5%で据え置かれた。インフレの低下と雇用など景気指標がやや弱くなっていることによる。今週発表される2Q・GDPは前期比で1Qよりは伸び率が縮小する。20日には総選挙が控えているが、与党国民党が安定的多数と獲得できるかどうか。また選挙前ということで所得減税も発表している。NZ中銀は豪RBA同様に、主要輸出商品の乳製品価格の下落もありNZドル高を強くけん制している。

 南アランドも底堅い動きを示していたが、先週は中国経済の減速と米金利早期引き上げ説、7月製造業生産の減少、2Q経常赤字の拡大で売られた。前回はインフレ懸念で引き上げられた政策金利も今週の会合では据え置かれるものと見られている。他にアフリカンバンクの破たん、パラジウム、プラチナなど南アの主要産品の下落もある。底堅かった株価も先週は下落した。

 資源国通貨にとっては厳しい週となりそうだが、対円ではドル円の上昇もあり下落スピードは抑えられるだろう。
 
4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=年足の2002年-2007年の下降ラインが次のターゲットである。107.50あたりとなる。日足はボリバン上限に沿いながら上昇を続けている。大きくボリバン上限を越えないので急反落もない。9月10日-12日、5日-8日、8月29日-9月5日、8月8日-15日の上昇ラインがサポート。5日線上向き、一目の雲のはるか上。8月27日-28日の下降ライン、8月25日-26日の下降ラインを上抜いて上昇。ボリバン上限に達してからはやや伸び悩み。9月1日-2日、8月8日-18日の上昇ラインがサポート。上値はボリバン上限でいいだろう。5日線上向き、雲のはるか上は変わらない。  週足は8月25日週の長い下ヒゲで連続陽線となった。ボリバン上限を大きく超えている。7月28日週-8月4日週の下降ラインを上抜け7月21日週-8月4日週の8月4日週-11日週、8月18日週-9月5日週の上昇ラインがサポート。月足は長い下降ライン1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインを上抜いた。直近では今年 2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。年足は冒頭に述べた通りで重要ポイントにある。2012年-13年の上昇ラインに沿っている。

*ユーロドル=9月4日の予想外の利下げで下げた後は落ち着いている。なだらかな9月9日-11日の上昇ラインがある。ボリバン下限から小反発。8月18日-9月4日の下降ラインが上値抵抗。9月4日-5日の下降ラインはすぐ上抜いた。5日線上向くか。週足は8月18日週-9月1日週、7月14日週-8月18日週、5月5日週-6月30日週などの下降ラインが上値抵抗。週足では今週は8月18日週-9月1日週の下降ラインを上抜くことが出来るか。月足は7月-8月の下降ラインに沿う。今月もここまで陰線。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=先週は5連続陽線で一気にボリバン下限から上限越えへ。9月8日-9日の上昇ラインがある。依然、ボリバン内での素早い往復をしている。前回申し上げたように9月4日-5日の急な下降ラン、9月3日-4日の下降ラインを上抜いた。5日線上向き。ドラギ発言のあった5月8日-7月3日の下降ラインは上抜いたままである。週足は8月4日週-11日週の上昇ラインを下抜く。9月1日週は長い上ヒゲであったが、反転、8月18日週-25日週の下降ラインを上抜いて上昇。週のボリバン上位へ上昇。月足は2月ー3月の上昇ライン下抜き、まだ4月-5月の下降ラインを上抜いた。5か月連続陰線から陽転するか。
年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。たた今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「テロ警戒の豪でG-20」

 アボット豪首相は、4段階あるテロ警戒レベルを上から2番目に一つ引き上げ、「テロ攻撃の可能性がある」と発表した。
 豪では、少なくとも60人が、「イスラム国」など中東のイスラム教過激派組織の戦闘に参加しており、帰国したメンバーらによるテロへの警戒が強まっている。今週末G-20がケアンズで開催されるだけに気がかりだ。
 
6.ID為替「タダの予想」

 「ただ」の予想は出来るだけやめたいと思う。予想で「円高になる」その後に、「ただ、こうなれば円安になる」、さらにもう一度、ただ「やはりこの材料で円高になる」とただ、ただを繰り返すものが多い。私もあるだろうが、出来るだけ避けるように努めている。何を言っているかわからなくなってしまう。テレビの予想で「ただ」を何回も繰り返す人がいた。円安志向か円高志向かまったくわからなかった。

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白くしく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「シルク通りの かをりさんは 毛むくじゃら」

ここはホテル発祥の地(1860年、万延元年)、シーボルト父子、画家のW.ハイネ、クラークなどが滞在したそうです。レーズンサンドが美味しい。レストランは休業中のようです。


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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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