野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

秋の陣開始、資源通貨強く、欧州通貨弱い、米国マイペース、円は不安検証の週

         9/8(月)「秋の陣開始、資源通貨強く、欧州通貨弱い、米国マイペース、円は不安検証の週」

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総括「秋の陣開始、資源通貨強く、欧州通貨弱い、米国マイペース、円は不安検証の週」 
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランドは底堅い」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「インタビュー」
ID為替「8月はまた輸出減少、8月上中旬貿易統計」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「伊豆は本州にあらず、元は南洋海底火山、本州に衝突し今も北進中」

ドル円=103-108、ユーロ円=134-139、ユーロドル=1.27-1.32

日経インデックス9月5日東京引け8月29日からの変化(2008年=100)円97.4弱し、ドル105強し、ユーロ94.0弱し、ドルインデックスINNYBOT83.76強し、CRB288.02弱し、原油93.29弱し、金1267.3弱し、DOW17137.36強し、日経平均ドルベ-ス東京引け148.75強し、IMM円投機筋9月2日 円-117308(前週比-14417)、ユーロ-161423(前週比-10766)
 
1.(今週の予定)  

8(月)日 国際収支、第2四半期GDP・二次速報 企業倒産 景気ウオッチャー調査 中 貿易統計 スイス 失業率 CPI 独 貿易収支 経常収支 
9(火) 香港休場(中秋節) 日 日銀会合議事要旨 第3次産業活動指数 消費動向調査 英 貿易収支 鉱工業生産 加 住宅着工件数
10(水)日 機械受注 企業物価指数 岩田日銀副総裁講演 中 人民元建て新規融資 米 卸売在庫 卸売売上高
11(木)NZ中銀政策金利 日 法人企業景気予測調査、豪 雇用統計 中 CPI、PPI 仏 CPI 米 新規失業保険申請件数
12(金)黒田総裁講演、ユーロ圏 鉱工業生産 米 小売売上 ミシガン大消費者信頼感指数
13(土)中 工業生産高 小売売上高 固定資産投資

(来週の予定)
 

15(月) 東京休場(敬老の日) ユーロ圏 貿易収支 米 NY連銀製造業景気指数 鉱工業生産
16(火)英 消費者物価指数 生産者物価指数 独 ZEW景況感調査 ユーロ圏 ZEW景況感調査 米 生産者物価指数 対米証券投資
17(水)南ア 消費者物価指数 BOE議事録 英 雇用統計 ユーロ圏 消費者物価指数・速報 米 消費者物価指数 米 経常収支 NAHB住宅市場指数 南ア 小売売上 FOMC
18(木)日 貿易統計 スイス 貿易収支 政策金利 英 小売売上 香港 失業率 米 失業保険申請件数 住宅着工 建設許可 フィラデルフィア連銀景況指  数 南ア中銀政策金利
19(金)独 生産者物価指数 加 消費者物価指数

2.総括 主要通貨「秋の陣開始、資源通貨強く、欧州通貨弱い、米国マイペース、円は不安検証の週」

 秋の陣開始。前回、ドル円月足が1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインに接している。105円にのれば上抜くこととなろうと書いたが、上抜いた。次は年足が2002年-2007年の下降ラインに近付いており、これは107.50あたりで上抜くこととなる。かなり重要なポイントに近付いている。円安需給になる秋なので例年通りのリズムであるが、やや早まっている。それは貿易赤字のせいなのだろう。
 日本の景気も2Q・GDPの大きな落ち込みとその後も消費が伸びないことで民間調査機関は今年度の成長見通しを下方修正している。政府日銀はまだ見通しを変えていないが、10%消費増税の是非について言及する閣僚が増えてきている。黒田日銀総裁は財務省出身なので増税延期には否定的な発言をしている。今週は2Q・GDPの二次速報と短観と同内容の法人企業景気予測調査がある。二つとも悪化すれば市場に追加金融緩和期待が出てくる。ただ現実はそんなことより、8%消費増税にともなう便乗値上げに賃金引上げが追い付かず国民生活は苦しい状況にあるのだろう。かといって政府に財政窮乏感はなく、続々と公共事業を行っている。この矛盾は近い将来さらなる借金増大としてのしかかってくる。貿易赤字の現在はリスク回避の円高も以前ほど見られない。やはり21世紀は円安の時代。日本の力が落ちていく時代であることを覚悟想定して自分で準備したい。構造改革と円安が必要だが、なかなか古いものは是正できないだろう。今週は日銀総裁・副総裁の講演がある。
 
 ECBは事前の予想とは異なり利下げを敢行した。意外であったのでユーロドルが下落した。事前にはインフレの落ち着きもあり欧州金利も落ち着き、ドイツからは通貨安は金融緩和にネガティブな意見も出ていたので意外感が強くなった。ただこれ以上の利下げはないとECBが言明していることから相場も落ち着いてくるだろう。ユーロ相場はもう少し下落させたいのがドラギ総裁や南欧の当局の気持ちであろう。ウクライナでの停戦合意も今週はユーロを落ち着かせるだろう。

 さらに意外であったのは先週の最弱通貨が利下げのユーロではなく、利上げ観測のあるポンドであったことだ。9月18日のスコットランド独立の住民投票の世論調査で独立派が反対派を上回ったことがある。BOEは独立の場合には英国ポンドをスコトランドが使うことは否としており、金融混乱に陥ることを想定してのポンド売りが出ているのだろう。

 米国は先週末の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回った。これまでは雇用を含めまずまずの経済指標が出ており、地区連銀総裁達を中心に具体的にゼロ金利解除のスケジュールが示されていたが、やはりイエレン議長の危惧する雇用の不安定が露見したようだ。QE3の縮小は予定通りとしても、ゼロ金利解除に踏み切るには時間がかかりそうだ。どの国もITによる省力化、コスト削減で雇用増や賃金引き上げが難しくなっているのが先進国であろう。

 中国は貿易統計、人民元建て新規融資、CPI、PPI、工業生産高、小売売上高、固定資産投資などの発表がある重要週である。現在金融緩和期待や規制緩和期待があり、上海総合指数が上昇し、主要国ではナスダックも抜いて年初来トップの上げ幅である。日本とは首脳外交はないが、他の主要国並びに資源国、新興国とは積極的な経済外交を続けている中国である。

 また今週は日中英独が貿易収支を発表する。長期の為替動向を決めるのは貿易収支である。

3.その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランドは底堅い」

 先週は豪ドル週間であった。政策金利は予想通り据え置きとなった。RBAの声明もいつも通りで目新しいものはなかった。2Q・GDP、貿易収支、小売売上、住宅建設許可などが小幅改善し豪ドルは続伸した。RBAは豪ドルの上昇に懸念を持つが、今のところNZ中銀同様に自国通貨売り介入の気配はない。今週は注目の雇用統計の発表がある。鉱山業のピークが過ぎたこと、政府の緊縮財政、自動車産業の豪からの撤退が影響するかどうか。ただ良好な財政状況が海外からの資本を引き付ける材料となっている。また主要輸出品目の鉄鉱石価格は下落を続けている。

 同じように今年は底堅いNZドルもやや雇用が伸び悩んできたことで今週は利上げが打ち止めになると予想されてる。昨年ほどのNZドルの堅調さはないが中銀は乳製品価格の下落もあり強くNZドル高を懸念している。今回の政策決定でもそれを表明するだろう。 また9月20日には総選挙がある。国民党の勝利が予想されているが安定的多数が得られるかどうかに注目したい。政策金利決定を前にして、イングリッシュ財務相が次のように発言して中銀の利上げ打ち止めを求めている

・NZ金利への圧力は和らいでいる
・NZドルは対米ドルで下落すると予想
・乳製品価格の下落はNZ経済の下振れリスク
・NZが直面しているインフレ圧力は予想よりやや弱め 今週の中国の多くの経済指標も今や中国が最重要輸出先になっているので資源国通貨に影響するだろう。

南アランドは底堅い。底堅いといっても例年の最弱から抜け出して現在は6位になっているだけだが。経済指標は弱く、雇用も不安定だが、その中でも長期間続いた鉱山ストも終了し、今後は経済が回復してくるという期待で海外から南アに資金が流入している。また中銀のインフレ高騰に繋がるランド安懸念も効果が出ているのだろう。
 最近の材料としては2Q・GDPはリセッションは免れたが予想は下回ったこと、隣国レソトでクーデターが起きてレソト首相が南アに逃れたが、その後事態が落ち着き、首相が帰国したこと、アフリカン・バンクが破たんし4大銀行の格下げがあったことなどがある。好材料はない。

 ただ海外の資金はこれらの国とカナダも含め資源国に流入している。ユーロ売りの対価は円ではなく資源国通貨となっている。米国にも流入しているが、貿易赤字が米ドルの上昇を抑えている。
 
4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=前回触れた月足の1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインをついに上抜いた。年足の2002年-2007年の下降ラインが次のターゲットである。107.50あたりとなる。8月27日-28日の下降ライン、8月25日-26日の下降ラインを上抜いて上昇。ボリバン上限に達してからはやや伸び悩み。9月1日-2日、8月8日-18日の上昇ラインがサポート。上値はボリバン上限でいいだろう。5日線上向き、雲のはるか上は変わらない。 
 週足は善前回触れた通り、8月25日週の長い下ヒゲで先週は陽線となった。ボリバン上限を大きく超えている。7月28日週-8月4日週の下降ラインを上抜け7月21日週-8月4日週の上昇ラインや8月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。月足は2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。年足は冒頭に述べた通りで重要ポイントにある。

*ユーロドル=予想外の利下げでボリバン下限を下抜いた大陰線(9月4日)。9月2日-3日の連続陽線の上昇ラインを下抜く。9月5日はなんとかボリバン下限近くへ戻している。8月18日-9月4日の下降ラインはあるがずいぶん上に位置している。5日線下向き、雲ははるか上。強いて言えば7月16日-22日の下降ラインがサポートとなった。
 ほぼ8週連続の陰線(7月28日週は寄り引き同時であるが)。週足のボリバンも大きく下抜いている。8月18日週-9月1日週、7月14日週-8月18日週など多くの下降ラインが上値抵抗となっている。5月12日週-6月2日週の下降ラインがサポートした。月足はボリバン上限から下落継続。6月の下ヒゲが効かず、7月、8月連続陰線。9月もここまで陰線。13年7月-14年2月の上昇ライン、13年9月-14年2月の上昇ライン、12年7月-13年7月の上昇ラインを下抜く。14年5月-7月の下降ラインが上値抵抗。年足は12年-13年の上昇ラインを下抜いている。

*ユーロ円=狭いボリバンであったが、先週9月3日と4日の2日間でボリバン上限上抜きから下抜きへと急な下落となった。2円程度の下落なので大きいとは言えないが、落ち着いていた相場なので一気にボリバンを通過した。ただ9月4日-5日の急な下降を上抜け、ボリバン下限で踏みとどまったので小反発はするだろう。9月3日-4日の下降ラインが上値抵抗。ドラギ発言のあった5月8日-7月3日の下降ラインは上抜いたままである。それがサポートしよう。5日線下向き。週足は8月4日週-11日週の上昇ラインを下抜く。先週は長い上ヒゲ。8月18日週-25日週が上値抵抗。週のボリバン下限にはまだ余地がある。月足は2月ー3月の上昇ライン下抜き、まだ4月-5月の下降ラインが上値抵抗。5か月連続陰線。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。たた今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「インタビュー」

104後半から105円前半にのっただけで、主要閣僚に「円安が急激ですが」のインタビューがあった。
大げさ。

6.ID為替「8月はまた輸出減少、8月上中旬貿易統計」

平成26年 8月上中旬分貿易統計(速報)(単位:百万円,%)

 7月は輸出が前年比伸びていたが、8月は中旬まで再び輸出が減少
 
       26年8月上中旬  25年8月上中旬   伸 率

輸 出 3,390,434     3,505,236   -3.3% 
輸 入 4,292,920     4,339,268   -1.1%
差 引 △902,486     △834,032    8.2%

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白くしく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「伊豆は本州にあらず、元は南洋海底火山、本州に衝突し今も北進中」
 

*川端康成の「伊豆は南国の模型」の言葉は、本州と特徴の異なる伊豆の風光や植生の特徴を比喩したものであったが比喩ではなく伊豆の大地のルーツが「南国産」であることが明らかになっている。

 伊豆半島は本州では見られないフィリピン海プレートの北端。2000万年前は本州から数百キロ離れた海底火山群、200万年前から本州へ移動衝突し始める。
伊豆の大地の大部分はかつて海底にあった多数の火山の噴出物。伊豆のもつ自然の造形のひとつひとつが火山活動や地殻変動によってもたらされた。地形・風景を判読できれば自然のリスクとベネフィットを理解できるようになる。(小山真人、伊豆の大地の物語、静岡新聞社より)

 今年、伊豆半島はユネスコの世界ジオパーク候補地となった。何気なく、美しい、豪快。険しい、不思議だと思っていた伊豆の風景や植生、魚をもう一度ルーツを思い浮かべながら散策したい。恵比須島、竜宮窟、室岩洞、入間千畳敷、堂ヶ島、天城、細野高原、大室山、城ケ崎、一碧湖、七滝、温泉、金山、浄蓮の滝、八丁池、達磨山、その他、火山活動でできた興味深い風景は多い。

 伊豆半島をのせたフィリピン海プレートは現在も本州に対して年間数センチメートル移動している。100万年たてば数十キロメートル移動することとなる。
伊豆半島の土台がつくられたのは約4000万年前なのでその頃の伊豆は千キロメートル以上の南の、現在の硫黄島の場所にあったこととなそうだ。

 伊豆半島はかつては南洋に浮かぶ火山島であり、本州に衝突して半島の形になったのが六十万年ほどの前の出来事ということである。

*久々に面白い本を読ましていただいた。伊豆に来るのがより楽しみになった。思わぬ場所が火山活動と関係している。

*写真 上のは奥石廊

*竜宮窟
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*大室山は火山

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*すすきの細野高原も火山帯
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*伊浜、火山が隆起した半島なので平地は狭いgeo22.JPG
*深海にすむタカアシ蟹

 

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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