野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

秋の陣

  9/1(月)「秋の陣」 

fxhon11 (1).JPG

総括「中PMI、豪加日英欧の政策金利、豪GDP、米雇用統計、ベージュなど」 
その他通貨「政策金利見通し続き、英、ユーロ圏」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「快感」
ID為替「20世紀は円高、21世紀は円安」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「日銀よりも優遇の個人。一大産業になりました

ドル円=102-107、ユーロ円=134-139、ユーロドル=1.29-1.34

日経インデックス8月29日東京引け8月22日からの変化(2008年=100)円98.7強し、ドル104.2弱し、ユーロ95.0弱し、ドルインデックスINNYBOT82.73強し、CRB288.67弱し、原油93.65弱し、金1287.4強し、DOW17098.45強し、日経平均ドルベ-ス東京引け148.61弱し、IMM円投機筋8月26日 円-102891(前週比-15620)、ユーロ-150657(前週比-11832)
 
1.(今週の予定)  

1(月)日 法人企業統計調査 中 政府版製造業PMI HSBC製造業PMI改定値 独 GDP改定値 スイス SVME購買部協会景気指数   英  製造業PMI 
2(火)日  マネタリーベース  毎日勤労統計 豪 住宅建設許可件数 経常収支 RBA政策金利 スイス GDP 英 建設業PMI ユーロ

圏 生産者物価指数 米 建設支出  ISM製造業景況指数 
3(水)豪 GDP 英 サービス部門PMI ユーロ圏 GDP改定値 小売売上 米  製造業新規受注 カナダ 政策金利 米地区連銀経済報告(ベージュブック)ブラジル政策金利
4(木)日銀金融政策決定会合、豪 小売売上  貿易収支 独 製造業新規受注  英 政策金利 米 チャレンジャー人員削減数   ECB政策金利  米 ADP雇用統計  貿易収支  新規失業保険申請件数  非農業部門労働生産性・改定値 カナダ 貿易収支  ISM非製造業景況指数 
5(金)日 貿易統計、景気先行指数 金融経済月報 独  鉱工業生産  仏 消費者信頼感指数 カナダ 新規雇用者数 失業率 労働生産性指数  米 失業率  非農業部門雇用者数 カナダ Ivey購買部協会指数

(来週の予定)

8(月)日 国際収支、第2四半期GDP二次速報 スイス 失業率 消費者物価指数 独 貿易収支 経常収支 
9(火)  香港休場(中秋節) 英 貿易収支 鉱工業生産 加 住宅着工件数
10(水)日 機械受注 
11(木)NZ中銀政策金利、豪 雇用統計 仏 消費者物価指数 米 新規失業保険申請件数
12(金)ユーロ圏 鉱工業生産 米 小売売上 ミシガン大消費者信頼感指数

2.総括 主要通貨「中PMI、豪加日英欧の政策金利、豪GDP、米雇用統計、ベージュなど」

月足が1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインに接している。105円にのれば上抜くこととなろう。また年足では2002年-2007年の下降ラインに近付いており、これは107.50あたりで上抜くこととなる。かなり重要なポイントに近付いている。もちろんウクライナなどの地政学的リスクはあるが、それは長期的には関係がなく、やはり、これらの下降ラインを上抜き上昇ラインとなるのは日本の貿易赤字が続くかどうかである。80円から100円の円安でも輸出が数量的に伸びないというが金額的には伸びている。数量が伸びないとしたら、まだ円安が足りないのであろう。日本の輸出のライバルは中国であり東アジアの低コストである。

 さて秋である、そろそろ輸出の円買いより、輸入の円売りが活発になる時期である。ただ今年のドル円は2008年以来の7月、8月連続陽線となった。真夏の円買いを崩したのはやはり貿易赤字であろう。地政学リスクでのリスク回避する円買いも瞬間的に出るが、現状の日本に資金を移すことがリスク回避とは思えない。というか21世紀の為替は後述のように円売り傾向でる。日本の金融ビッグバンや中国の市場参入からクロス円中心に円売りが始まり、貿易赤字への転換でドル円も円高傾向から反転している。

 日本の第2四半期GDPは大きく落ち込んだ。政府、日銀は想定内というが民間調査機関は今年の成長率見通しを下方修正している。消費増税10%を達成するために政府は公共事業で追い込みをかけてくるだろう。ただそれでは消費が伸びないままに10%となり、8%増税よりも悲惨な結果となり、リスク選好の円売りから、リスク回避の円安へ完全に方向転換するだろう。

 さて今週はマックを食べる食べないとかのかわいい経済制裁合戦からやや真剣な戦乱へ進む中、米国雇用統計をメインイベントに各国政策金利決定、豪の指標週間、中国製造業PMIなどを軸に展開する。

 各国の現状の金融政策は以下の通り(今週の会合順)

①豪 成長減速、雇用不安あるもインフレが落ち着いていることから現状維持、豪ドル高懸念は表明しよう

*スティーブンスRBA総裁
・豪ドル急落のリスクは過小評価されている
・なぜ米ドル高が進まないのか多くの人が驚いている
・適切と判断すれば介入も排除しない
・介入の場合でも事前に警告することはない
・豪ドルは成長の均衡にそれほど貢献していない
・為替介入は現在の水準で効果があるとは思えない
・豪ドルがもっと高かった時期には介入を検討した
・生産性が改善している証拠がいくつか見られる、労働市場の指標は改善したようだ
・失業率が低下するまでにはまだしばらくかかる
・今後1年の実質GDP伸び率は2%から3%程度となる見込み
・金利の安定を維持することに価値がある、中銀として最近利上げを考えたことは一切ない

*直近のRBA議事録

・理事会メンバーは、さまざまな方向に作用している要因を考慮すると、成長見通しに多大な不透明感が生じることは避けられない
・金融政策は適切と判断しており、金利に安定期間を設けることが最も賢明な道
・鉱業投資が今後一段と鈍化する
・財政健全化の動きと、依然として高水準にある豪ドルが、経済成長をさらに抑制する
・低金利が住宅市場の回復を後押しし、消費を支援している
・総合的に見て、GDP伸び率は4─6月期、より緩やかなペースに減速したと見られる。成長率は14/15年にはトレンドを下回って 推移し、その後は持ち直すと予想している
・労働市場に「顕著な」余剰があると指摘した。失業率については、持続的に低下するまでにはまだ時間がかかる、としている

②カナダ  2Q・GDPは予想を上回ったが、まだ利上げに向かうほどの成長への確信はなく現状維持(1%)だろう

・カナダ2QGDPはほぼ3年ぶりの高い成長率となった。輸出をはじめ幅広い分野で伸びが見られた。
・前期比年率3.1%増。予想の2.7%増を上回った、輸出は17.8%増。自動車や農産物などが伸びた。家計支出は3.8%増加。
・金利決定の予想は弱い企業投資、不透明な輸出見通し、低インフレリスクを要因に、来年3Qまでは政策金利を現行の1%に据え置く可能性

 が大きいとこれまでされてきたが、2Q・GDPの好結果で見通しの上方修正があるだろう。 
 
③日本  緩和の現状維持(政府・日銀と民間との景気認識の差があるが、そのところは質問があるだろう)

*黒田日銀総裁

・日本経済の基本的な強さは良好
・企業については、収益が好調であることから、今年の投資計画は非常に堅調で、投資は増加している。内需は底堅い
・名目賃金は成長しつつある
・景気が回復しつつあり、現行の政策によってインフレ率が上昇していくとの予想を変更するつもりはない
・今後数カ月の間に輸出が持ち直し始める予想
 
3.その他通貨「政策金利見通し続き、英、ユーロ圏」

④英 今回は現状維持だろうが、利上げへ向けての動きが出ている、スコットランド独立問題は
 
*直近のBOE議事録

・政策金利は7対2で据え置きを決定、資産購入枠は9対0で据え置きを決定
・マカファーティ委員とウィール委員は25BPの利上げに投票、二人の委員は経済成長が利上げを正当化していると述べた、大多数はCPIの見通しは利上げを正当化していないと主張

・カーニーBOE総裁
 実質賃金が持続的に上がっていくと確信しなければならないが、利上げは実際にそうなることを待つ必要はない


⑤ユーロ圏 ややCPIが落ち着いてきたので現状維持だろう。総裁が為替相場に再び言及するか

 *ドラギECB総裁

・6月の刺激策が需要を促進すると確信
・ECBはこれまで以上に政策スタンスを調整する用意がある
・為替レートは総需要とインフレを支援すべき動きをすでに見せている
・かい離が見込まれる欧米の金融政策の方向性が為替レートのトレンドを持続するだろう
・ABSプログラムの準備は迅速に前進しており、一段の信用緩和に貢献するだろう」
・ウクライナ危機は経済にネガティブな影響を及ぼす
・ECBは責務の範囲内であらゆる手段を使う
・ECBはインフレ期待の変化を認識している

⑥ブラジル リッセションに陥るもインフレ懸念で現状維持か

 ブラジル2Q・GDPは前期比0.6%減。マイナス成長は2四半期連続で、ブラジル経済は景気後退局面に入った。10月に迫る大統領選の行方を見極めようと民間企業の間では投資を先送りする雰囲気も強く、経済停滞は長引きそうだ。

輸入品の流入に押される製造業、低調な投資が経済低迷の要因。サッカーW杯で工場の稼働が止まり、鉱工業生産は6月に6.9%減少した。物価上昇率が高止まりする中で中銀は利下げには動けない状況。
 
4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=月足が1998年8月(147.63)と2007年6月(124.10)の下降ラインに接している。105円にのれば上抜くこととなろう。また年足では2002年-2007年の下降ラインに近付いており、これは107.50あたりで上抜くこととなる。かなり重要なポイントに近付いている。もちろんウクライナなどの地政学的リスクはあるが、それは長期的には関係がなく、やはり、これらの下降ラインを上抜き上昇ラインとなるのは日本の貿易赤字が続くかどうかである。80円から100円の円安でも輸出が数量的に伸びないというが金額的には伸びている。数量が伸びないとしたら、まだ円安が足りないのであろう。日本の輸出のライバルは中国であり東アジアの低コストである。

 先週は週足は陽線にならなかったが下ヒゲの長い陰線となった。8月27日-28日、25日-27日の両下降ラインを上抜いた。8月8日-15日の上昇ラインがサポート。5日線は上向いた。ボリバン上限は104.54あたり。週足は7月28日週-8月4日週の下降ラインを上抜け大陽線となっている。週のボリバンの上限も大きく上抜いている。7月21日週-8月4日週の上昇ラインや8月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。月足は2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。月足、年足は冒頭に述べた通りで重要ポイントにある。

*ユーロドル=5月8日のドラギ総裁発言以来のユーロ安は続く。5月8日-7月1日の下降ライン、7月14日-8月15日の下降ラインが上値抵抗。8月18日-19日の下降ラインは上抜いているが、またそのラインまで落ちてきている。8月25日に下窓を開けて先週は埋めることが出来なかった弱さがある。ボリバン下限に沿って下落中。ドル円の上昇よりユーロドルの下落が速い。
 週足では急な8月18日週-25日週の下降ラインは上抜けるだろう。7月14日週-8月18日週の下降ラインが上値抵抗。週のボリバンの下限を下抜いている。7月14日週-21日週の下降ラインがサポート。月足はボリバン上限から下落継続。6月の下ヒゲが効かず、7月、8月連続陰線。13年7月-14年2月の上昇ライン、13年9月-14年2月の上昇ライン、12年7月-13年7月の上昇ラインを下抜く。14年5月-7月の下降ラインが上値抵抗。年足は12年-13年の上昇ラインに沿っているが、そのラインを下抜いている。

*ユーロ円=ユーロドルと違って、5月8日-7月3日の下降ラインは上抜いている。直近では8月8日-19日の上昇ラインを下抜け、8月22日-29日の下降ラインが上値抵抗。8月28日-29日が下値支持。ユーロドルと違ってボリバン下限にはまだ少し余地あり(136.30)。5日線週他向き、雲の下。週足は7月21日週からほぼ横ばい。月足は2月ー3月の上昇ライン下抜き、まだ4月-5月の下降ラインが上値抵抗。5か月連続陰線。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。たた今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「快感」

自分では順張りと思っているが、世間一般のエコノミストに怒られそうなポジションを持った時(いわゆる逆張り)ほど儲かる快感が走る

6.ID為替「20世紀は円高、21世紀は円安」

 変動相場開始後20世紀は全面円高、21世紀はクロス円で円安が始まり、貿易赤字への転換でドル円でも円安となった

プラザ前から1985年2000年  26年間
現在1月始め値1月始値変化率%
ドル円251.8102.14-149.66-59.44
ユーロ円155.72102.89-52.83-33.93
ポンド円289.7164.92-124.78-43.07
カナダ円190.6370.72-119.91-62.90
豪ドル円205.1967.04-138.15-67.33
NZドル円11953.58-65.42-54.97
スイス円96.0564.22-31.83-33.14
ランド円123.8916.67-107.22-86.54
ビッグバン直後から2000年 2014年 11年間
現在まで1月始値8月29日変化率%
ドル円102.14104.061.921.88
ユーロ円102.89136.7233.8332.88
ポンド円164.92172.767.844.75
カナダ円70.7295.6624.9435.27
豪ドル円67.0497.1630.1244.93
NZドル円53.5886.9733.3962.32
スイス円64.22113.3249.1076.46
ランド円16.679.74-6.93-41.57

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白くしく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「日銀よりも優遇の個人FX。一大産業になりました」

 90年代では思いもよらなかった事ですが、個人のFXが一大産業となりました。昔の個人の為替は銀行経由でしかできず、ドル円は2円、ポンドは8円、南アランドは10円の価格なのに6円というスプレッドでしか取引できませんでした。今や手数料は無料、スプレッドはドル円は0.003円=0.3銭で市場のトッププレーヤーの大手商社や生保、ヘッジファンド、日銀よりも優遇されています(日銀だって数銭のスプレッドもとるし、手数料も払う。日銀も経費削減ならFX業者でやるべきだろう)。「タダではない」と言われる情報やチャート閲覧も殆どタダ。

 株はNISA導入、GPIF介入など政府対策がありますが、まだまだ伸びるFXにも政府の対策が導入されれば、景気回復、雇用増にもつながるのではないでしょうか。「代ゼミ」の業務縮小は日本の将来を示唆している感もある気がします。
 製造業に頼れなくなっていく日本も、FXなどの新産業を活用する積極的な動きが必要でしょう。まだまだ工夫が出来るのではないかと思います。FXの優遇はすなわち銀行の外為収益減少に繋がるので難しい点もあるのでしょう。

fxhon22.JPG
 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

詳しくはこちら

ブログカレンダー

 

カテゴリー一覧

  • レポート
  • レポート(PDF形式)


業界最狭水準スプレッド

おいしく!ザクザク!夏祭りキャンペーン

お友達ご紹介キャンペーン

口座開設キャッシュバックキャンペーン