野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

ヒゲ・イラク・ウクライナで始まり終わった一週間、さあ夏も終盤へ

 8/18(月)「ヒゲ・イラク・ウクライナで始まり終わった一週間、さあ夏も終盤へ」 

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総括「ヒゲ・イラク・ウクライナで始まり終わった一週間、さあ夏も終盤へ」 
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常・需給「センチメントと注文状況は異なる」
ID為替「消費税8%は実質13.7%、10%になれば実質15.8%の消費者負担」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「毎日大道芸」

ドル円=100-105、ユーロ円=135-140、ユーロドル=1.32-1.37

日経インデックス8月15日東京引け8月8日からの変化(2008年=100)円99.7弱し、ドル103.9弱し、ユーロ95.8弱し、ドルインデックスINNYBOT81.43強し、CRB289.93弱し、原油97.35弱し、金1306弱し、DOW16662.91強し、日経平均ドルベ-ス東京引け149.39弱し、IMM円投機筋8月12日 円-81097(前週比+14302)、ユーロ-126017(前週比+2730)
  
1.(今週の予定)  

18(月)中 主要70都市の新築住宅価格動向 香港 失業率 ユーロ圏 貿易収支 米 NAHB住宅市場指数
19(火)NZ 生産者物価 RBA議事録 英 消費者物価指数 生産者物価指数 米 住宅着工 消費者物価指数 建設許可 
20(水)日 貿易統計 独 生産者物価指数 南ア 消費者物価指数 BOE議事録 米FOMC議事録(7月29・30日)
21(木)中 HSBC製造業PMI スイス 貿易収支 仏 PMI製造 独 PMI製造業 PMIサービス業 ユーロ圏 PMI製造業 PMIサービス業  英 小売売上 香港 消費者物価指数 米 新規失業保険申請件数 フィラデルフィア連銀景況指数 中古住宅販売 ユーロ圏 消費者信頼感・速報 カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(米ワイオミング州、ジャクソンホールにて、21~23日)
22(金)加 小売売上 消費者物価指数 イエレン議長講演@ジャクソンホール

(来週の予定)

25(月) ロンドン休場(サマー・バンクホリデー) 独 IFO景況指数 香港 貿易収支 米 新築住宅販売件数
26(火)NZ 貿易収支 南ア GDP 米 耐久財受注 住宅価格指数 ケース・シラー住宅価格指数 消費者信頼感指数 リッチモンド連銀製造業指数
27(水)    
28(木)独 雇用統計 香港 小売売上 南ア 生産者物価指数 独 消費者物価指数 米 GDP・改定値 新規失業保険申請件数  中古住宅販売制約
29(金)日 失業率 消費者物価指数 鉱工業生産 為替平衡操作の実施状況 NZ 住宅建設許可 仏 生産者物価指数 南ア 貿易収支  加 GDP 米 シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大消費者信頼感指数・確報値
 
2.総括 主要通貨「ヒゲ・イラク・ウクライナで始まり終わった一週間、さあ夏も終盤へ」

 先々週の金曜(8月8日)はドル円がイラク空爆で下げ、ウクライナのロシア軍撤退で上昇した。先週金曜はその逆でイラク・マリキ首相退陣でドル円は上げたが、ウクライナ軍が侵入したロシア装甲車を銃撃したことで下げた終わった。チャート的には先々週金曜のドル円、クロス円は下ヒゲで上昇、先週金曜に波高し線、上ヒゲを出して上昇一服し一週間を終えた。ただポンド円は他のクロス円と異なり終始弱含み推移した(利上げ観測後退、BOEのポンド高懸念あり)。

 8月のここまでの展開としては、円は対スイスと南アランド以外にに対しては円高であり、普通の8月の動きである。これから輸出の出やすい8月下旬に向かうが、過去5年では大きくは円高に向かっていない。ここ2年では円安にもなっており、やはり貿易赤字のなせるわざであろう。
 今週はその日本の7月貿易統計が発表される。中旬までは輸出が前年比4.7%が伸び、輸入が2.8%減少しているので、赤字幅の縮小も予想されるだろう。円安でも輸出が伸びないというが、だからといって円高にすれば、再び不況風が吹くだろう。また2QGDPの落ち込みは想定内というが、後述したように、8%の消費増税以上に価格は上昇している。これを賃金上昇に反映しないと今後も消費は伸びていかないだろう。消費者にとっては実質消費税が13%台になったようなものだ。これで日銀の政策が現状維持、社会保険料などの国民負担が増えれば、現在は公共事業で押し上げようとしているが、景気は回復しないだろう。

 米国は経済指標が良いようで悪い。マチマチ。この状況では賃金の伸び悩みで金融緩和を継続、ゼロ金利解除の時期を明確にしないイエレン議長の姿勢は変わらないだろう。週後半にはイエレン議長講演を始め、日銀黒田総裁も参加するカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムがある。FOMC議事録や消費者物価、住宅関連指標なども注目したい。米国金利は量的緩和策縮小にもかかわらず低下米ドルも貿易赤字の影響もあり主要通貨番付の5位であり強くはない。

 ユーロはさすがドラギ総裁というか、5月8日の「インフレ低下を抑制するために何でもやる発言」で1.39から1.33へ下落した。8月に入ってはなべ底状態になって下げ止まっているが、一気に下がらないのは膨大な貿易黒字によるものだろう。ただ経済指標はなかなか強いものが見られず、先週はZEW景況感指数が大幅悪化、2QGDPもゼロ成長となった。量的緩和によって南欧債に資金が流入し、海外分はユーロを支えることとなっている。ウクライナ紛争の影響はあるが、大きく一気には動かず、長期化による小幅安の繰り返しとなるだろう。

 英国は米国同様に、GDPや雇用はまずまずであるが、賃金の伸び悩みで利上げ観測が後退している。カーニー中銀総裁もポンド高をけん制したこともあり、先週は唯一対円で円高となった。今週はBOE議事録、消費者物価指数、小売売上などの発表がある。

 中国は2Q・GDPや製造業PMIの改善、輸出の大幅増は総があったが、7月小売や工業生産は冴えず、緩やかな景気回復が続いている。政府は小出しだが連続して景気対策や規制緩和を行っており、株価には好影響が出ており、世界の主要株価でもナスダックとトップ争いをしている。今週はHSBC製造業PMIの発表がある。

3.その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド」

 豪ドル、NZドル、南アランドも下ヒゲで上昇が始まり、上ヒゲで上昇が終わった一週間であった。
 
 豪は雇用や小売が弱い。インフレもインタゲ上限の3%となっているが、今後のRBAの見通しは3%以下で落ち着くとのこと、炭素税の廃止も考慮しているのだろう。年内は現在の金融緩和を維持し景気回復を図る見通しである。またRBAは強い豪ドル高懸念を有している。ただ財政状況が良好で他国比長期債利回りが高いことから、資金流入も続くこと、中国の景気減速がとまったことなどが買い支えとなっている。今年の主要通貨番付で首位である。

 NZはこれから重要イベントが続く。8月19日には選挙前に義務付けられている経済・財政見通しの公表、9月11日の政策金利決定、9月20日に総選挙がある。2Qの雇用統計では失業率は改善したが、雇用者数の伸びは予想を下回った。豪RBA同様にNZ中銀やキー首相も通貨高懸念を有しているのは主要輸出品目の乳製品価格が下落しているからだ。ただ豪以上に財政状況は良好で黒字化もまもなく達成する見込みなので4%台のNZ国債には海外資金が流入してきている。チャート的にはまだ窓の下で推移している。

 南アはGDPは下方修正され、失業率も25%と高いままである。経済指標も弱い。ただインフレはターゲット上限の6%を越え、豪やNZと異なり、中銀は通貨安懸念を有している。中銀は景気減速、高インフレでかじ取りは難しいが、それを今年は何とかバランスし、株価も上昇、海外資金の流入もあり、今年はいつもの最弱通貨ではなく、中位程度の位置を保っている。意外と底堅いのは、世界中に5%を超える高金利は数少なくなっているからだろう。
 
4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

ドル円=先々週8月8日の長い下ヒゲ相場も1週間経てば、波高し線が出て一服した。8月1日-5日の下降ラインを上抜けなかった。週前半は持ちこたえても輸出が増える月末にはやや円高になるか。8月11日-12日の上昇ラインを下抜けるかどうか。ボリバンでは上限に近付けず、中位よりやや上。5日線はまだ上向き。7月18日-8月8日の上昇ラインがサポート。
 週足は陽線だが上ヒゲが実体比長く売り圧力がある。7月28日週-8月4日週の下降ラインと7月21日週-8月4日週の上昇ラインの間にある。月足は2月-3月の上昇ラインを下抜いたが4月-5月の下降ラインを上抜いた。年足は07年-08年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿っているが、今年はここまで陰線。

*ユーロドル=ボリバン下限で小動きが続く。ウクライナ情勢緊迫や景気低迷で金利は低下、株価は下落するがユーロはここのところ横ばい。もちろん5月8日のドラギ宣言からは約600ポイント下落している。7月15日-21日の下降ラインは上抜け、7月1日-10日の長い下降ラインが上値抵抗。8月12日-13日の上昇ラインやボリバン下限は下値支持。なべ底からの上昇となるか。5日線は横ばい。ボリバンは1.3328から1.3495. 
 週足はここ3週連続で下ヒゲが長い。ただなかなか陽線になれない。週のボリバンの下限にある。下げは一服している。7月14日週-21日週の下降ラインは上抜けた。その上は5月5日週-6月30日週の下降ラインが控えている。
月足はボリバン上限から下落継続も8月は陽線スタート。6月の下ヒゲが効かず、7月は下落。13年7月-14年2月の上昇ライン、13年9月-14年2月の上昇ライン、12年7月-13年7月の上昇ラインを下抜く。年足は12年-13年の上昇ラインに沿っているが、そのラインまで下落してきている。

*ユーロ円=ドル円同様に8月8日に長い下ヒゲを出し上昇し始め、先週金曜に上ヒゲを出して上昇一服。8月13日-15日の上昇ラインを下抜けるか。7月3日-8月1日の下降ラインは上抜けず。ほぼボリバンの中位にいる。5日線上向き。週足はほぼ横ばいが4週続く。ユーロドルが売られても、ドル円も同じように買われているからだろう。5月5日週-6月30日週の下降ラインを上抜いている。週のボリバンの下限から反発。先週は週足でも下ヒゲを残した。月足は2月ー3月の上昇ライン下抜き、まだ4月-5月の下降ラインが上値抵抗。4か月連続陰線で今月もここまで陰線。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。たた今年はここまで陰線。

5.当局・円無常・需給「センチメントと注文状況は異なる」

 センチメントがドル売りでも、実際のポジションドル売りになっているか、なっていないかはわかりにくい。注文状況はそのヒントとなる。まだドル売りのポジションが多くない時には損切りの買いが少ない。もう誰もがドル売りを持っている時は損切りの買いが増え、相場は上昇してしまう。ドル買いの時も同じである。センチメントと実際の注文を常に見比べたい。 

6.ID為替「消費税8%は実質13.7%、10%になれば実質15.8%の消費者負担」

 値段にうとい私でも想定の範囲内以上に物価が上がっている感じがあり、それが消費を低迷させているのではないだろうか。感じではなく実際に消費税5%の時に税込100円だった商品が消費税8%の時には102.6円になるものが108円となっているからか。消費税10%では、本来は104.76になるものが、おそらく110円となるのだろう。実際には現在は消費税8%が実質13.7%、10%になれば実質15.8%となる。ただでさえ日本の物価は世界でも高いのだから、これでその地位をゆるぎないものとするだろう。でも値段を決めるのは売り手の勝手だからどうしようもないか。良心的な経営者が出てくること待つか、便乗値上げ分を従業員に分けて消費を盛り上げて景気を良くすることか。国税庁も値段を引き上げることは税収増に繋がるから文句は言わないだろう。景気はこれからが大変、正念場になりそうだ。想定外の落ち込みが続くかもしれない。

 
7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」

 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白くしく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「毎日大道芸」

 夏休みで毎日大道芸が行われているみなとみらい。
 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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