野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

ECB緩和で世界リスク選好へ、ただユーロへも一部資金が流れる、円も調達通貨

    6/9(月)「ECB緩和で世界リスク選好へ、ただユーロへも一部資金が流れる、円も調達通貨」

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総括「ECB理事会後の債券・株の動きと為替との違い」 
総括その2「日米とその他の通貨は」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
当局・円無常「G-20はロシア受け入れ」
ID為替「日銀は現状維持か」
リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
横浜湘南便り「リラックス横浜」

ドル円=100-105、ユーロ円=137-142、ユーロドル=1.34-1.39

日経インデックス6月6日東京引け5月30日からの変化(2008年=100)円99.8弱し、ドル103.3強し、ユーロ97.0強し、ドルインデックスIN NYBOT80.43強し、CRB305.25強し、原油102.66弱し、金1252.5強し、DOW16924.28強し、日経平均ドルベ-ス東京引け147.36強し、IMM円投機筋6月3日 円-74218(前週比-15182)、ユーロ-33025(前週比-16392)
  
(今週の予定)

9(月)日 国際収支 GDP・二次速報 企業倒産 消費動向調査 景気ウォッチャー調査 シドニー休場(女王誕生日) チューリッヒ休場(聖霊降臨祭月曜日)  加 住宅着工件数
10(火)日 第3次産業活動指数 中国 CPI・PPI スイス 失業率 小売売上 英 鉱工業生産
11(水)日 法人企業景気予測調査 企業物価指数 英 雇用統計
12(木)サッカーW杯開幕 日 機械受注  NZ 政策金利 豪 雇用統計 仏 消費者物価指数 ECB月例報告 ユーロ圏 鉱工業生産 米 小売売上 新規失業保険申請件数
13(金) 日銀金融政策決定会合 ユーロ圏 貿易収支 米 生産者物価指数 ミシガン大消費者信頼感指数・速報値

(来週の予定)

16(月) 南ア休場(青年の日) ユーロ圏 消費者物価指数 米 NY連銀製造業景気指数 対米証券投資 鉱工業生産 NAHB住宅市場指数
17(火)英 消費者物価指数 生産者物価指数 香港失業率 独 ZEW景況感調査 ユーロ圏 ZEW景況感調査 米 消費者物価指数 住宅着工件数 建設許可件数
18(水)日銀金融政策決定会合議事要旨(5月20日・21日分) 通関ベース貿易収支 南ア 消費者物価指数 BOE議事録 米 経常収支  FOMC政策金利発表
19(木)NZ GDP スイス 政策金利発表 英 小売売上 米 新規失業保険申請件数 フィラデルフィア連銀景況指数
20(金)独 生産者物価指数 加 小売売上 加 消費者物価指数 ユーロ圏 消費者信頼感・速報

 2.総括「ECB理事会後の債券・株の動きと為替との違い」

 ECB理事会は予想されていたとは言え、以下のような大胆な金融緩和策を発表した。

①政策金利を0.25%から0.15%へ引き下げ
②中銀預金金利を0%から-0.1%に引き下げ
③長期流動性供給オペ(LTRO)の対象を絞ったターゲットLTRO(期間4年・予定総額4,000億ユーロ)導入
④ECBが購入した国債の不胎化オペの終了
⑤ABS(資産担保証券)の購入の準備

 ユーロ圏の長期金利は大幅低下し、株価も上昇した。ここまでは大成功であった。日本の黒田異次元緩和策を思い出させた。ただ為替は5月8日のドラギ総裁の「インフレ低下を防ぐために何でもやる」発言からは下落したが、発表後はユーロが買われている。日本との違いは貿易収支であり、ユーロ圏は巨額黒字、日本は巨額赤字である(20世紀後半は日本も巨額黒字であったが)。ユーロの実需の基本はユーロ買いである。
 また、ユーロ圏の国々にはまだ3%を超える利回りの債券が多くある。為替リスクをとらなくともユーロ圏内投資で済む。日本のように海外へ資金流出すして債券を買う必要はない。

 さらには基本的なことだが、ある材料で世界中が一斉に債券や株を買うことが出来るが、為替はそうはいかない。ユーロを一斉に売るには、他の通貨を買わないといけないので為替が債券や株のように世界中全面高、全面安にはなることはできない。金融緩和をしても、ある国の通貨を買ってまでユーロを売りたくない人も出てくる。ユーロ圏の債券や株が上がるなら、例えば、円を売ってそれらを買おうとする動きも出てくる。

 貿易収支もそうだが、為替はセンチメントで動く投機より実需で相場が動くので、そうは簡単に一方向へ行かないことは、今回のD-DAY(ドラギデイ)での緩和策だけではなく、普段から感じていられることと思う。為替はセンチメントよりも実需の需給、チャート、当局の考え、ファンダメンタルズを総合して考えたい。もちろんそれらをひっくるめたものがチャートだが、チャートがどう動くかを先に予想させる情報は多いので、それらに目をつぶらずにやりたい。

 為替は債券や株ほど単純ではない。

ただECBも低インフレ脱却にはユーロ安が必要なので、思い通りにユーロが減価しなければ、口先介入やG-7では禁断の介入を実施してくることも頭の隅に置いておきたい。 
 
3.総括その2「日米とその他の通貨は」

 米国は順調である。景気指標も強からず、弱からず。最重要の雇用統計も改善している。企業収益もまずまずで株価は最高値を更新している。貿易赤字は巨額なので、ファンダメンタルズが良好でもドル安が進み、製造業にもいい影響を与えている。意図的かどうかわからないが巧みに見える経済運営だ。今週の米国は小売、ミシガン指数と国債入札を注目したい。

 通貨安が経済効果を発揮することは、貿易赤字国になった日本がここ数年経験したことがよく物語っている。景気回復、雇用改善、可処分所得増加、税収増と多くの点で改善している。上半期は季節的な実需の売りが勝る時期だが、それでも円高の進展が例年ほど大きくなにのは貿易赤字によるものだろう。6月は幾分、輸出予約が一服する時期なので、5月とは違いドル円も底堅くなっている。
 今週の日本は指標が多い。国際収支 GDP・二次速報、景気ウォッチャー調査、短観と同内容の法人企業景気予測調査がある。日銀金融政策決定会合はインフレが順調に上昇、消費増税駆け込み需要の落ち込みも限定的なので現状維持となろう。引き続き、成長戦略、GPIF改革の行方も注目され、今のところは、それらはポジティブに市場に受け取られている。

 中国はCPI、PPIの発表がある。景気刺激策は小出しなので株価の上昇には結びつかない。IMF、世銀などは来年以降の成長率を下方修正しているが、中国は意図的に景気を減速させているようでもある。構造改革を最重要視している。

 英国はユーロ圏と違って、景気回復、物価上昇の途上にある。将来的には金融引き締め方向の政策をとっていくだろう。
 
 豪は先週はGDPや政策金利決定など多くの重要指標が発表され、無難にこなしたと言える。政策金利は据え置きであったが、内容は以前よりポジティブとなっている。1Q・GDPも小幅改善した。今週は最重要指標の雇用統計の発表がある。

 NZは乳製品価格の下落で昨年の勢いは少し衰えているが、まだ年初来通貨番付の2位にいる。財政の黒字化が近く、住宅中心に景気回復が続いているからだ。今週は政策金利の決定がある。0.25%利上げ予想だが、今後の利上げペースは減速させるだろう。

南アは長らく続いているプラチナ鉱山ストの影響で景気減速が続いている。ただ先週あたりから、経営者側が賃金の上昇率を引き上げるオファーを示し、妥結の方向も見えてきたことから先週末はランドがやや戻した。ただストはプラチナ鉱山から金や砂糖業界にも広がりそうだ。また週末のズマ大統領は過労で入院した。

 ユーロの緩和策で資源国に資金が流れることもあるし、ユーロ圏の債券・株が上昇するので、日本など他の低金利国からユーロ圏にも資金が流れるだろう。

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=5月29日-30日の連続下ヒゲで5月27日-28日の下降ラインを上抜いて上昇も5月30日-6月2日の上昇ラインを下抜いて下落。
5月21日-30日の上昇ラインが支持し、先週末は下ヒゲを残して上昇。来週月曜は6月5日-6日の下降ラインを上抜いて始まりそうだ。ボリバン上限からは小反落するもまだ上位で上値余地はある。5日線は上向き。週足は週のボリバン下限にワンタッチして戻している。3月31日週-4月28日週の下降ラインも上抜けた。5月19日週-26日週の上昇ラインが支持。月足は昨年10月-11月の上昇ラインを下抜いている。1月-4月の下降ラインに沿っている。年足は07年-08年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿っているが、今年はここまで陰線。

*ユーロドル=5月8日のドラギ発言の上ヒゲから、実際のECB理事会での緩和での下ヒゲで一旦完結したような絵になっている。ドラギ緩和でもユーロが戻しているのは、欧州の債券や株に海外からの資金が流入し始めたということ。ボリバン中位へ。5日線は上向き。5月下旬からのもみ合いが下げさせない。取り敢えず、6月5日-6日の上昇ラインと5月8日-6月5日の下降ラインで挟まれたことから始めようではないか。
 週足は6月2日週で長い下ヒゲ。5月5日週-19日週の下降ラインを上抜いている。週のボリバン下限からは反発。ボリバンの上下限は常に頭に入れて行きすぎには気をつけたい。5月月足は陰線。月足はボリバン上限から小反落。13年7月-14年2月の上昇ライン、13年9月-14年2月の上昇ラインを下抜く。12年7月-13年7月の上昇ラインがサポート。今月はわずかにここまで陽線。年足は12年-13年の上昇ラインに沿っているが、そのラインまで下落してきている。

*ユーロ円=なべ底のような形で上昇。5月8日-20日の下降ラインを上抜いてから、下げ基調に変化が生じた。5月29日、30日の連続下ヒゲで上昇、5月30日-6月2日の上昇ラインでECB理事会へ。6月5日はその上昇ラインを下に切って下げたのは既に申し上げた。ただ6月5日は長い下ヒゲ、6月6日も下ヒゲを出し下げ渋っている。6月5日-6日と5月29日-30日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン上位。ECB理事会はユーロを下げたかっただけに、理事会後のユーロの底堅さには苦虫をかみつぶしているだろう。口先介入に注意。週足は4連続陰線だが、2週連続小幅な下げにとどまって5月5日週-12日週の下降ラインを上抜く。週のボリバン下限から反発。月足は2月-3月の上昇ラインを下抜く。今月は陽線。年足は08年-10年の下降ラインを上抜け、12年-13年の上昇ラインに沿う。

5.当局・円無常「G-20はロシア受け入れ?」

 豪アボット首相は11月に議長国として豪ブリスベーンで開催するG-20首脳会議ではロシアの出席を拒まないと明言した。ロシアは6月4、5両日、議長国としてG8首脳会議を開催する予定だったが、ウクライナ南部クリミアを編入したロシアへの不満からG-7がボイコット。代わりにG7だけの首脳会議がブリュッセルで開かれた。 

6.ID為替「日銀は現状維持か」

佐藤日銀委員は「経済・物価改善の兆しあれば長期金利変化するの自然」、「日本の輸出は緩やかに持ち直していくとみている」「政策調整が必要な状況ではない」、「量的・質的緩和は初期の目的を果たしつつある」、「上下のリスクが顕在化した状況ではない」などと述べた。 この発言からは今週の日銀政策決定会合は現状維持とみられる。
 

7.リスク「長引くイラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮」
 
日中・日韓領土問題、北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、朝鮮半島統一、イラン、地震、テロ、外為取引税(トービン税)、日中国交断絶、
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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大 50―超円高-100―円高
-150-普通円-200―円安-250-超円安- 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FX湘南社是 「面白くしく」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

8.横浜湘南便り「リラックス横浜」

 週末はいろいろリラックスできるイベントが港界隈にある

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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