野村雅道のID為替研究所 (Day)|FXブログ|外為どっとコム

トルコリラまとめ

「トルコリラ円=18.0-20.0、せっかくの景気回復、リラ安定を内憂外患で崩す」

(ポイント)

*利下げ観測あり
*中銀総裁を更迭
*CPIは低下
*フィッチが格下げ
*ロシアがトルコへミサイル搬入
*元副首相がAKPを離党
*外交、内政での問題点が多い
*エルドアン大統領は利下げを要求
*6か月ぶりに経常収支が黒字化


(市況)

次から次へと材料が出てくる。やや悪い材料が多い。リラは年間では対円で8.85%安。対ドルで8%安。ただ今年の下落幅はスワップ金利の取り分の範囲内で収まる動きで去年よりは落ち着いている。先週末には
ロシアミサイルのトルコへの搬入(米国からの反発はどうか)やフィッチによる格下げ、 欧州委員会が、トルコがキプロス沖で「違法な」石油・ガス掘削活動を行っているとして、ハイレベル協議を停止したことなどで売られた。その他、大統領の利下げ要求に従わない中銀のチェティンカヤ総裁が更迭されたことや元副首相がAKPを離党したことなどがあった。ロシアからのミサイル導入についてはG20で米トルコ首脳会談で和解したと思われていた。

(経済指標は徐々に改善)

 一方、経済指標では6か月ぶりに経常収支が黒字化したことや5月の鉱工業生産が前年比で1.3%低下となったが予想より改善、前月比ではプラスに転じたことなど悪くはなかった。

(政策金利は)

 今年はマイナス成長が予想されるが、政府の5カ年計画では年平均4.3%成長としていて希望を抱かせる。懸念のインフレはピーク時で25.24%まで上昇、現在は15.72%だが2023年には5%まで低下するとしている。インフレが最近は10%低下したにも関わらず中銀が利下げしなかったことが総裁更迭となった。新総裁での7月25日の政策金利決定では24%から22%への利下げが予想されてる。経済ファンダメンタルズ的には持ち直し、リラも安定してきたが、毎度の事ながら内憂外患あり、それがリラ売りに作用する。

(格下げ)

フィッチは先週末に、トルコの格付けを従来の「BB」から「BBマイナス」に引き下げた。見通しはネガティブとした。チェティンカヤ中銀総裁の更迭については、中銀の独立性や経済政策の信頼性を損なうものとし、「すでに脆弱な信頼感がさらに悪化する恐れがある」との見方を示した。 解任の理由は明らかにされていないが、中銀が通貨リラを支援するため昨年9月以降、政策金利を24%に据え置いていることへのエルドアン大統領の不満が背景にあるとみられる

(6月消費者物価指数)

6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前月比0.03%となり、前年同月比では5月の18.71%から15.72%に大きく改善した。最大のウエート(23.29%)を持つ食品・飲料(アルコール飲料を除く)が5月の28.44%から19.20%に低下し、インフレ圧力を軽減させた。特に、未加工食品の生鮮果物野菜が前月比で11.26%減と下落し、物価抑制に大きく寄与した。ただ、食肉、乳製品の物価上昇もあり、加工食品は前年同月比23.41%増と高水準にある。
また、政府の減税策などもあり、第2四半期に低下傾向をみせている耐久消費財の上昇率が、ベース効果もあり、前年同月比4.10%まで低下したことで、コア指数全体でも、年初の22.75%から14.79%に抑えられている。

(ロシアの、地対空ミサイル「S400」のトルコへの納入を開始)

ロシアは7月12日、地対空ミサイル「S400」のトルコへの納入を開始した。NATO加盟国であるトルコのS400導入に反対している米国は、対トルコ制裁の発動に踏み切ることが予想され、NATO内に亀裂が生じる可能性がある。
 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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