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「さて英国はどうするのか」

「さて英国はどうするのか」

英議会 EU離脱協定案を否決

* 英議会は15日、EUからの離脱の条件を定めた離脱協定案を反対多数で否決した。政府は、議会に対し、3日以内に代替案を示さなければならないが、有効な案を示せるかどうかは不透明で、メイ首相は、さらなる苦境に追い込まれている。賛成202票、反対432票の反対多数で否決。

*3月に迫る離脱を延期して、EUと再び交渉を行い、抜本的な修正を求めるべきだという意見や、改めて国民投票を実施するよう求める声も出ているが、いずれも容易ではない。

*メイ首相は「合意なき離脱」を避けたが、3月の離脱を前に見通しは不透明で、さらなる苦境に追い込まれている。


▽アイルランド国境
「離脱協定案」の中で焦点が離脱後、EUと陸続きの国境となる北アイルランドとアイルランドの国境管理をめぐる問題。

北アイルランドでは、1960年代からアイルランドへの統合を求める住民と、それに反対する住民の間で対立が深まり、1998年に和平合意が結ばれるまでに3000人以上が命を落とした。和平後、北アイルランドとアイルランドの間の検問は廃止され人やモノの自由な行き来によって市民の平和な暮らしが保たれてきた。このため、イギリスとEUは離脱後も厳格な国境管理を復活させない方針を決めた。協定案に盛り込まれた「北アイルランドの安全措置」はEU離脱後、来年末までに双方が国境管理の方法で合意できなければ、英国が事実上、EUの関税同盟に残るという取り決め。
新たな取り決めができなかった場合だけ使われる「保険」のようなものだが、離脱派は、離脱を有名無実にするものだと批判している。

また、仮に「安全措置」が発動された後にこの措置を解除するには、EU側の同意が必要だとされたことについて「EUの属国になるに等しい」と反発を強めている。

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メイ首相は3日以内に、代替案を議会に提出することが求められている。

いくつかの案が考えられますが、見通しは不透明です。

▽再び議会で採決
まず考えられるのがEUと改めて協議をし、協定案に反対する議員の懸念を払拭できるような何らかの譲歩を得て再度、議会に諮るこす。ただ、EU側から議員が納得するような譲歩を得られる可能性は低く、再び採決しても承認されるかどうかは不透明。

▽EUと交渉やりなおし
EUと再び交渉を行い、抜本的な修正を求めるべきだという意見もある。交渉する時間を確保するため、3月に迫った離脱を延期するよう求める必要があるほか「現在、合意している離脱協定案が最良のものだ」という立場をとるEUが修正に応じるかどうか確証はない。

▽2度目の国民投票

残留を求めている残留派は、議会で決められないのであれば国民に問うべきだとして再び、国民投票を行うよう主張。ただ実施に反対する離脱派を説き伏せるのは容易ではないとみられている。

▽合意なき離脱
こうした策がすべて尽きた場合、何の取り決めのないまま離脱する「合意なき離脱」が現実のものとなり、経済や社会に混乱が広がることが予想される。ただ、大多数の議員は、「合意なき離脱」だけは避けるべきだとの立場で一致していて、ぎりぎりまでこれを回避する方策を模索するものとみられる。

▽内閣不信任と総選挙

政権側が代替案を模索する動きとは別に、協定案が大差で否決された場合には野党からメイ政権に対する不信任決議案が提出される可能性がある。メイ政権への不信任決議案が可決されれば総選挙が実施される可能性が高まる。

ただ仮に新しい政権が誕生しても3月の離脱までにEUと交渉をやりなおす時間的な余裕はなく、離脱の延期を求めるなどの措置が必要となる。
離脱派 残留派 それぞれの主張

<離脱派>

離脱派は、EUから主権を取り戻すと主張してきただけに、アイルランドとの国境問題が解決しなかった場合に、事実上、関税同盟に残るとする内容に猛反発している。

さらに関税同盟から抜ける際にEU側の同意が必要だとされたことについて「EUにさらに強力な力を与えるもので、英国が属国になるに等しい」と主張していて、修正されないかぎり協定案には賛成できないとしている。

<残留派>

一方、残留派は、現在の合意では、EUに加盟している時に比べて貿易などの面で経済的な損失が大きいほか、EU加盟国と共同で行っている科学技術の研究や、学術交流などの面でもマイナス面が大きいと主張している。

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そして2016年に行われた国民投票から2年半がたち、離脱がもたらすマイナス面での影響が具体的に見えてきたいま、離脱をこのまま推し進めるのかどうか、国民に問うべきだとして再び、国民投票を実施することを求めている。2016年に行われた国民投票では、EUからの離脱を選択した人が52%、残留を希望した人が48%、離脱交渉が難航する中、世論は変化している。

大手の世論調査会社、「YouGov」が去年12月から今月にかけて2万5537人を対象に行った調査では「離脱はよい選択だったか」という問いに対し、「よくない」と答えた人が48%で、「よい」と答えた人を8ポイント上回っている。

さらに、最終的な離脱の方法をどのように決めるかについては「議員が決める」が36%、「国民投票」が41%となり、国民投票を求める声が高まっていることがうかがえる。

そして、再び国民投票が行われた場合、「残留を選ぶ」と答えた人は46%、「離脱を選ぶ」と答えた人は39%で残留を希望する人が上回っている。

国民投票の実施には議会の承認が必要ですが、離脱派が賛成する可能性は低く、メイ首相も反対の意向を示している

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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