野村雅道のID為替研究所 (Day)|FXブログ|外為どっとコム

12月24日(月)週報メモです 過去の分です

12/24(月)「円が最強通貨に、トランプ政権終わりの始まり」

総括「トランプ政権終わりの始まり」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=108-113、ユーロ円=123-128 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス12月21日東京引け12月14日からの変化(2015年=100)円112.6強し、ドル107.2弱し、ユーロ110.5強し、ドルインデックス NYBOT 96.95弱し、原油45.59弱し、金1258強し、DOW 22445弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け180.95弱し IMM円投機筋12月11日 円-102771(前週比-5165)、ユーロ-53124(前週比+3163)

1.(今週の予定)

24(月)
25(火)企業向けサービス価格
26(水)日銀議事要旨 米 ケースシラー住宅価格 リッチモンド連銀製造業
27(木)日 住宅着工 独 小売売上 米 新規失業保険 CB消費者信頼感指数 新築住宅販売
28(金 日 雇用統計 東京消費者物価 鉱工業生産 スイス KOFスイス先行指数 独 消費者物価 メキシコ 貿易収支  米 シカゴ購買部協会景気指数 中古住宅販売保留

(来週の予定)

31(月)中 製造業PMI 非製造業PMI トルコ 貿易収支 南ア 貿易収支
1(火)元旦
2(水)中 財新製造業PMI トルコ 消費者物価 生産者物価指数  英 製造業PMI
3(木)英 建設業PMI 米 ADP民間雇用者数 米 新規失業保険 ISM製造業景況指数 建設支出
4(金)中 財新サービス業PMI 独 雇用統計  英 サービス業PMI  ユーロ圏 消費者物価 生産者物価指数 米 雇用統計 加 雇用統計 


2.総括「トランプ政権終わりの始まり」

*円「通貨首位、株価8位、嬉しいことか悲しいことか円が最強通貨に」

 今年も押し迫った12月下旬に円がドルを抜いて年間最強通貨に立った。ただ円が強い時は株価は弱くなるのが常で日経平均は年初来11.42%安。去年同様に晩秋の円安が終わった後の円高である。貿易収支は今年はまだ赤字なので大きく円高ににならないが、すでに原油価格が70ドル台か40ドル台に下落していることは貿易収支もまもなく黒字となり円高要因となる。米国のリパトリもそろそろ終わりでドル高要因がはげ落ち、3月へ向けて日本へのリパトリが始まる。武田薬品(シャイアー)、日本郵政(アフラック)、政府のF35購入などの円売り要因もあるが、GPIFや機関投資家のヘッジの円買いも出る。
 米国金利がこれまでのような上昇傾向を続けることはないし、トランプ大統領が利上げしたパウエル議長の解任を示唆した混乱はドル売り要因であろう。さらには米通商代表部(USTR)が、来年始まる対日貿易交渉の方針を発表し、競争的な通貨切り下げといった為替操作の防止を求める考えを公式に表明したことも円買いにつながってくる。
 日本の成長率低下見通しも消費の低迷があるなら円買い要因だ。消費増税出来る余裕はないと思う。財政赤字削減を本気でするつもりなら、もっと削減できる部分があるだろう。

*米ドル「通貨2位、株価(NYダウ)5位、トランプ政権終わりの始まり」 

 米ドルは下落し、円に年間最強の地位を譲った。株価はNYダウに続き、ナスダックもマイナス圏に下落した。株下げにも関わらず利上げしたパウエル議長に対し怒り心頭に発したトランプ大統領は議長の解任を示唆している。さらにはシリア政策の不意一致からマティス国防長官が辞任した。これで閣僚や高級官僚の辞任は50人を超えているだろう。ロシア疑惑もくすぶり続けている。米中貿易戦争では米中の不均衡は縮小するどころか拡がっている。中国もけっして引いてはいない。さらに華為技術のCFO逮捕は中国による報復を招いた。新たに米政府は中国当局と協力して10年間にわたりハッキングをしていた嫌疑で中国人2人を訴追したがこれに対し中国政府は、事実無根と反論した。トランプ大統領が要求するメキシコとの国境の壁建設費用50億ドルを含むつなぎ予算法案を下院は可決したが上院で承認されるめどは立っておらず、政府機関が一部閉鎖される。
  財政の崖の問題と、シリアからの米軍撤退で共通しているのは、米政府にお金がないということだろう。大統領就任当初の財政出動でお金を使いすぎたかもしれない。そこへ株価が下落、中国は他の国ほどトランプ大統領に従順ではないし、内外ともに大統領をイライラさせる問題が増えて来ている。
 ラストベルト地帯の復活や農業の回復から遠ざかっている。終わりの始まりか。任期もあと2年とすると内外ともに敵対する相手も持久戦に持ち込んでくるだろう。当初の政策目標の達成は難しくなる。
今年はリパトリでドル高となっていたが3Qの経常収支ではリパトリ玉も減少している。ドル安株安はまだ続きそうだ。

*ユーロ「通貨5位 株価(独DAX)13位。イタリア問題解決も低成長。ドル自滅でユーロ浮上」

 懸念されていたイタリアの財政問題が解決した。欧州委員会が、来年のイタリア財政赤字の対GDP比率を2.04%とする提案を受け入れた。当初案では2.4%としていた。今年の1.8%を上回る水準だ。 イタリアは、欧州委員会の制裁を回避することになる。ただEUそれぞれの国の指標は弱い。独のIFO経済研究所が発表した12月の業況指数は101.0と、過去2年あまりで最低となった。これで4カ月連続の低下。企業経営者の間でドイツ経済の先行きに対する楽観論が後退していることが浮き彫りとなった。 イタリアの12月の企業および消費者の信頼感指数はともに前月から低下した。フランスの12月の総合景況感指数は102と前月の105から低下し、2016年11月以来の低水準となった。
 ECBは、ユーロ圏の中立金利がマイナスの可能性があるとするリポートを公表した。ECBの利上げ余地が非常に乏しいことになる。現在、市場はECBの約10年ぶりの利上げが来年後半か2020年初めにあると予想している。中立金利付近で利上げを停止すべきと主張するエコノミストもいる。 ECBは「中立金利の長期にわたる下降トレンドは、金融政策が将来、名目金利の下限に制限されるリスクが高いことを示唆する」と指摘した。
 それでも先週はユーロが対米ドルで上昇したのは、米国の華為技術CFOの逮捕と中国による報復のような逮捕、米政府機関の一部閉鎖、FOMCがそれほどハト派的ではなかったことによる株安で米ドルが下げたからであった。チャート的にもボリンジャーバンドの下限近くに位置していることも反発の要因となった。

*英ポンド「通貨8位、株価9位、EU離脱不安あるも、小売売上改善すれば上昇するポンド」

 レッドサム下院院内総務は、メイ首相がEUと合意した英国のEU離脱案について、来年1月9日に議会での審議を再開すると明らかにした。審議は1月9-10日に行うとし、11日も行う可能性があると語った。
メイ首相はこれまでに採決は1月14日からの週になると述べている。メイ英首相のシニアチームは、離脱合意案が議会で否決された場合、どうすべきかという問題に対応し、EU離脱延期や2回目の国民投票実施、新たな国政選挙発表を含む大胆な選択肢を非公式に検討している。
 ポンドはEU離脱不安で弱いと言われるが、ポンドだけ弱いのではなく、他の通貨も同様に弱い。先週のポンドは対ドルで上昇した。
 EU離脱不安がありながらも目先にいい経済指標が出れば上昇している。先週では11月の小売売上高が、前月比1.4%増と、予想の0.3%増を大幅に上回った。 年末商戦の皮切りとなる「ブラックフライデー」の販促が寄与した。11月は、家庭用品の販売が前月比5.3%増と、2013年末以降で最大の伸びを記録した。
 英中銀は、政策金利を0.75%で据え置くことを全会一致で決定した。EU離脱を巡る不透明感がここ1カ月で「著しく高まった」と指摘するとともに、原油価格の下落でインフレ率が近く目標の2%を下回るとの見方を示した。

*人民元「通貨7位、株価最下位、米中消耗戦が長引けば中国に分があり」

 人民元は小動きとなっているが、米中関係は悪化している。米中貿易戦争一時休戦以降も米中間の緊張は続いている。華為技術CFO逮捕問題は逮捕を依頼したカナダの国民を中国政府は報復的に逮捕している。さらに米政府は中国当局と協力して10年間にわたりハッキングをしていた嫌疑で中国人2人を訴追したと発表。これに対し中国政府は、事実無根と反論している。ナバロ米通商製造政策局長は、中国が抜本的に経済政策を刷新することに合意しなければ、米中が先に合意した90日間の対話継続期間内に通商問題で合意に至ることは難しいとの見解を示した。米通商代表部(USTR)が、中国製品への制裁関税を引き上げる時期について、来年3月2日午前0時1分と官報で正式に公表した。
 米中貿易戦争はお互いの経済に悪影響を与えていることは確かだ。他国と違って中国も米国の圧力には屈しない態度を示している。長期戦に持ち込めば中国に有利となるだろう。トランプ大統領も中間選挙で下院の主導権を民主党に握られてからはさらに議事が進まなくなってきている。長引けば中国も次の政権が民主党になる期待も膨らんでくるので敢えてトランプ大統領との勝負を避けてくるかもしれない。
 減速している中国経済については、2019年の経済運営の基本方針を議論する「中央経済工作会議」で習国家主席は米中貿易摩擦の影響で景気が悪化する中、減税や投資拡大で経済を下支えする方針を表明した。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨10位、株価6位、一部で利下げ観測、中国経済減速も影」

 11月雇用統計はさして悪化はしなかったが豪ドルは続落した。11月雇用統計は、就業者数の伸びが予想を大幅に上回った。就業者数の前月比の増加数は3万7000人と10月の2万8600人(改定値)から増加。予想は2万人だった。ただ、フルタイム就業者数は5400人減少した。 失業率は5.1%に小幅上昇。労働市場は着実に完全雇用に向かっているが、賃金が幅広く上昇するにはまだ時間がかかる見方となっている。。
 インフレが抑制されていること、住宅価格の下落、3Q・GDPが予想よりも低い伸びとなったこと、10月小売売上高もさえない内容にとどまっていることからは、利下げ観測も出始めている。米中関係の悪化による中国経済の減速も豪経済に影を落としている。
 ニュースポール世論調査によると、モリソン首相率いる保守政権が、来年5月までに実施される次期総選挙で惨敗する公算が大きいとみられている。 調査では、総選挙で与党連合は下院(定数150議席)で21議席を失う見通し。政府支持率は過去最低をわずか1ポイント上回る35%となった。 モリソン首相個人に対する支持率も過去3カ月で最低に落ち込むなど、有権者を動かすには至っていない。

*NZドル「通貨6位、株価2位、利下げ観測が出始める」

 今年は数少ないプラス圏のNZ株式市場。為替はやや弱いがそれを生かせる経済や良質な財政状況がある。ただ今月のNZドルは弱い。3QのGDPは前期比0.3%増で、5年ぶりの低い伸び。製造、サービス、農業のすべてのセクターで減速し、予想外に堅調だった2Qの1.0増から成長ペースが鈍化した。 前年比では2.6%増で、予想の2.8%増を下回った。製造部門の低迷が最大の打撃となった。中でも食品製造の落ち込みが著しい。鉱業は12%増で、前四半期の大幅な落ち込みを一部回復した。企業信頼感や住宅市場の低迷、移民の流入減少、米中貿易摩擦などにより、成長見通しに対するリスクが高まっている。 中銀が2019年後半に政策金利を0.25%引き下げ、2020年に0.5%の追加利下げも見込まれ始めた。
 為替需給も弱い。3Qまでの1年間の経常収支は、105億3900万NZドルの赤字。赤字の規模は9年ぶりの高水準で、予想の平均95億3600万NZドルを上回った。
対中関係も悪化するかもしれない。NZ政府も5Gについて、華為の機器を使用する計画を却下しているからだ。

*南アランド「通貨11位、株価10位、内外前途多難」

 主要な経済指標の発表はなく外部要因に押された。米中貿易戦争一時中止も束の間、米国の華為技術CFO逮捕で米中間の緊張が高まり、米政府機関の一部閉鎖もあり、またFOMCはそれほどハト派的な要素を示さなかったことで米株が急落し、リスクオフの波に南アランドも飲み込まれた。リセッションを逃れた南ア経済も成長力は弱く、財政赤字不安もあり、最低賃金は引き上げられたものの、炭素税の引き上げもあり消費が回復するかは不透明で外部圧力からの抵抗力は弱い。ラマポーザ大統領は、資金難に陥っている国営電力会社エスコムの一部債務を政府が肩代わりする案について、財政面で負の連鎖を加速させると述べ、否定的な見方を示した。そうしないと、投資適格級を唯一維持しているムーディーズからも格下げされかねない。またラマポーザ大統領は海外から投資を呼び込もうとしているが、3Qの海外からの直接投資(FDC)が、2Qから約30億ランド減少したことが明らかになった。前途多難である。

*トルコリラ「通貨最下位、株価14位、伸び悩み、経常収支黒字も、GDP、鉱工業生産弱く利下げか」

 伸び悩み。もう少し下げもあろう。経常収支は3か月連続で黒字となったことは好材料だが、リラ安を受けての経済指標の悪化があった。、3Q・GDPが前年比で2Qの5.3%増から1.6%増と大幅縮小したこと、また10月の鉱工業生産指数は前年比5.7%低下し、予想の4.0%低下を下回った。物価上昇率が鈍化し弱い経済成長を勘案すると、中銀は来年初めに利下げするかもしれない。
 フィッチは、トルコの格付けを「BB」で据え置いた。見通しは「ネガティブ」とし、経済政策決定、国内政治と地政学的なリスク、世界の金融状況が調整の道筋に及ぼす重大で多面的なリスクを反映していると指摘した。 フィッチは、トルコの金融政策は長期間にわたり、インフレを1桁台に抑制できないことを示してきたと指摘。インフレは2020年末まで2桁台の水準が続くとの見方を示した。
また、厳しい国内政策決定の状況や外部環境を背景に、トレンドを下回る成長が長引くとの見通しを示した。

4.テクニカル

*ドル円=「3年連続陰線となるか」

日足、ボリバン下限を下抜く。下限は111.50あたり。12月17日-20日の下降ラインが上値抵抗。12月20日-21日、8月21日-12月20日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、11月19日週-26日週、10月22日週-12月10日週の上昇ラインを下抜く。11月26日週-12月10日週の下降ラインが上値低抵抗。サポートはボリバン下限の110.25あたり。
月足、18年3月-9月の上昇ラインを下抜く。15年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-18年3月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陰線となるか。16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年‐16年の下降ラインに沿う。来年のオープンがこの下降ラインの上で始まるか、下で始まるかも重要。

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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