トルコリラ/円で長期投資した場合のスワップポイントをシミュレート!

2.投資通貨を見分けるポイントは

新興国通貨の投資には様々なリスクがある。たとえば米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが加速してマーケットがボラタイルになった時には、新興国からの資本流出が加速して、新興国は売られやすくなる。
ただ、売られやすさは新興国によって差がある、と言うことはできるのではないか。

【図2】経常収支と海外投資家債権保有比率
【図2】経常収支と海外投資家債権保有比率【図2】経常収支と海外投資家債権保有比率

米利上げ局面では、資本が新興国から出ていくので、経常収支が赤字の国は弱い。
そして、経常収支が赤字ならば、常に通貨売りにリスクさらされているので、国外からお金が入ってこないと通貨が下落してしまう。
まさしく2013年に起きたバーナンキ・ショックの時がそういった状況で、トルコも、フラジャイル・ファイブ(Fragile 5。ブラジルレアル、インドルピー、インドネシアルピア、トルコリラ、南アフリカランド)の一員として、大きく売られた。このとき下落した国々は、すべて経常赤字国だった。

また、もともと海外からのお金が多く入っていれば、資本流出ということなので、抜けていくお金も多い、ということになる。
逆に、そもそも外からお金が入って来ていなければ、それほど資本流出のリスクを懸念する必要はないのではないだろうか。

「FRBの利上げに対する新興国通貨の脆弱性」というのは、1)経常収支の赤字黒字であるか否か、また 2)海外の資本がどれだけ入ってきているか、というところにかかってくる。

【図2】において、右下に行けばいくほど、経常収支が赤字で、外国の資本が入っている訳なので、FRBの利上げが加速して、資本流出が加速するような局面には脆弱になる、ということになる。

トルコについては、【図2】の中ほどに位置する。経常収支は赤字だが、最近減ってきている。
海外投資家の資本もそれほど大規模には入ってきていないので、リスクとしては中程度、と言えるのではないか。

以上

棚瀬 順哉(たなせ・じゅんや)

JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部
エグゼクティブ ディレクター
チーフFXストラテジスト兼チーフEMストラテジスト
棚瀬 順哉(たなせ・じゅんや)氏
1974年生まれ。1997年早稲田大学商学部卒業。1999年早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了後、チェース・マンハッタン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)入行。為替資金本部に配属され、スポット・トレーディング・チームを経て、2000年よりFXリサーチチームにて為替市場の調査・分析及び為替戦略の構築を担当。また2000年から2002年まで、プロプライエタリー・トレーダーとして通貨の自己勘定売買に従事。2003年4月FXストラテジストに就任。2010年7月チーフFXストラテジスト。2013年6月より現職。

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