トルコリラ/円で長期投資した場合のスワップポイントをシミュレート!

これからの高金利通貨の投資戦略について

1.「円高」基調に耐えうる外貨投資戦略を

外債投資・外株投資ともに、為替のリターンへの関心は、どうしても為替差損益に行きがちになるものだ。
ただ、為替の通貨投資のリターンは、「為替変動」の部分とともに、「金利」の部分を合わせた、トータルで決まってくる。

2012年から2014年は円全面安だったので、この期間中に外貨を買っていれば、為替変動で利益が出ていた。
ただ、相場の潮目が変わり、この先円が強含んでいく可能性が高く、為替差益を取っていくのはなかなか難しくなるのではないか。
そんな中、トルコリラなど金利の高い新興国への投資で、為替収益における「金利」の役割が非常に重要になってくるだろうと思っている。

【図1】2014年以降の主要G10・新興国通貨のロング・ポジションのリターン(2015年12月4日時点)
【図1】2014年以降の主要G10・新興国通貨のロング・ポジションのリターン(2015年12月4日時点)【図1】2014年以降の主要G10・新興国通貨のロング・ポジションのリターン(2015年12月4日時点)

【図1】は、円を売り持ちにしたときに、2014年から今日までの投資リターンはどうだったか、というのを示している。為替(左)・金利(中)・トータル(右)に分けて表示している。

これで見ると、約2年間で一番パフォーマンスが良かったのはインドルピーだった。2番目がインドネシアルピアで、3番目が米ドルである。
為替変動だけを見れば、当然上がっているのは米ドルになる。ただ、インドルピー、インドネシアルピアは金利が高いので、金利部分が効いて米ドルよりもパフォーマンスが良かった。

インドネシアルピアと米ドルは対照的なのだが、ルピアは対円では為替が上がっても、下がってもいない。しかし、金利差があるので、トータルでパフォーマンスが出ている。

もうひとつ面白いのは、トルコリラである。トルコリラはここのところ為替は下がっていたが、金利が高いので、この間(2年間)持ち続けると、為替の下落を金利でオフセットして、トータルでは若干プラスになっている。

上記から、今後の外貨投資のひとつの目線として、対円で多くの通貨が下落する中、その下落が金利によって相殺できる程度に収まるのかどうか、というところがポイントになっていくだろう。

金利だけで言うと、トルコリラよりブラジルレアルやロシアルーブルのほうが高い。
ただ、ブラジルレアルやロシアルーブルというのは、金利分よりも為替が下落しているので、トータルでは、外貨投資のリターンがマイナスになっている。

新興国通貨の金利が高い理由として、政治リスク、財政リスクなどが高いため、と言える。
実際、リスクが高く、為替が下落してしまうと、金利が高くてもメリットがないのかもしれない。
このあたりの、投資する通貨の見極めが重要だろう。
たとえばトルコリラなどは、下落が続き、対円で「過小評価」の領域に入ってきているので、仮にここからの下値が限定的、ということになってくれば、金利の部分で下落を相殺できる、という見方もできるのではないだろうか。
これまでの、いわゆるアベノミクス相場の円売り一辺倒からは、今後の外貨投資は目線を変えていかなければならないのではないか。