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TOKYO GAITAME SHOW 2008 個人投資家のための投資戦略 〜来るべき日本経済の新時代〜
“これからの日本を生き抜くためには、外貨建て資産の保有が必要かもしれない。”
サブプライムローン問題で揺れる米国経済。日本の株価下落は、なぜ起きているのか?不安定な日本経済を生き抜くために、私たちは何を知れば良いのか?豊富な経験を武器に、木村氏が熱く語りかけます。
木村 剛 氏 外為どっとコム
木村 剛 氏このままだと、日本経済は凋落の一途をたどるだろう

これからの日本は凋落への道をたどるのだろうか。
正直、私は、今の日本は相当の危機に直面していると考えている。何よりも、危機を危機と考えていない人が、今の日本の政策を担っているということ自体が、最大の危機だ。
たとえばサブ・プライムローン問題。これは、本当に私たちにとって大問題なのだろうか。本来、この問題は米国の問題のはずだ。そうであるにも関わらず、米国の株価が8%しか下落していないのに、日本の株価はすでに15%も下落した。米国発のショックで日本株が売られるのはわかるが、誰も日本株の底値を捕らえて買いに行こうとしない。ここに、問題の根深さがある。
そう、実はサブ・プライムローン問題に揺れる米国経済に比べて、日本経済の方がはるかに深刻な問題を抱えているのではないだろうか。
たとえばクレジットクランチの問題。サブ・プライムローン問題で、米国の銀行は貸し渋りを行っているといわれている。でも、米国の銀行が行っている法人向け貸し出しは、15%から20%へとむしろ伸びている。
ところが、サブ・プライムローン問題とは関係のないはずの日本国内では、個人向け融資がせいぜい2%の伸びを見せただけで、企業向け融資はマイナスに転落している。
この1点だけでも、どちらが本当の意味で信用収縮なのかがわかる。そう、信用収縮が起っているのは米国ではなく、実は日本なのだ。
また、各種法律の改正は、むしろ「改悪」と言いたくなるような、さまざまな問題点をはらんでいる。
たとえば貸金業規正法の改正。いわゆる「グレーゾーン金利」をなくすことにより、これまで29.2%で貸していたところを15%に引き下げるというものだが、これは本当に正しかったのだろうか。確かに、グレーゾーン金利を無くすことで、高金利に苦しむ一部の人の金利負担は軽くなったかも知れない。でも、実は本当の意味でこの金利の融資を必要としている人もいた。中小企業経営者がそうだ。銀行がお金を貸さないため、彼らは消費者金融から29.2%の金利で運転資金の融資を受けていた。それが、グレーゾーン金利の廃止により、融資を受けられなくなった。その行き着く先は倒産である。
改正建築基準法もそうだ。この法律により、日本で3階建ての住宅を造る際は、非常に分厚い資料を作成するとともに、1階部分は耐震構造でなければならないということになった。これで、3階建て住宅はほとんど建築する余地が無くなってしまった。
もうひとつ言えば、金融商品取引法も「改正」ではなく「改悪」というにふさわしい。いちいち投資信託を買うのに2時間以上も説明を受けなければならない。また、70歳の高齢者がある投資商品を買う場合には、配偶者の許可を得てからでなければダメなのだそうだ。こんな国は他にはない。

こうした問題点を解決せぬままに進んだら、日本経済はさらに凋落の一途をたどるだろう。一時的には、ドルの弱さが強調されて、円高に振れる局面はあろうが、中長期的に為替は弱くなっていく。財産形成も必要だが、同時に資産保全も重要になってくる。その意味でも、外貨建て資産を保有することは、これからの日本を生き抜いていくためには、非常に重要な生活の知恵ともいえるのかも知れない。

2008年の為替レートは円安か円高か?

酒匂 まずは2008年の為替レートはどうなるでしょうか。

佐々木 ドル/円では1ドル=95円から105円です。

高橋 1ドル=102円から117円。

松本 1ドル=110円から115円を予想します。

酒匂 円が強くなれば介入が行われるという見方がありますが、この辺はどうでしょうか。

佐々木 介入は行われないと考えています。以前、1ドル=101円まで円高が進んだ時も、結局のところ介入は行われませんでした。何よりも、円売り介入を行うのに必要なファイナンスも、金利が上昇すれば資金調達コストがアップするので、困難になるでしょう。

高橋 ただ、ドルが急落した場合、米国と欧州の通貨当局者が介入を認めることはあるのではないでしょうか。

対談 松本 基本的にドルはベアではないでしょう。昨年暮れまでは、ドルと円という二弱通貨の両方が売り込まれていました。ドル/円のバランスで考えると、投機的にドルだけが売り込まれるようなケースは起らないのではないでしょうか。せいぜい、円高が進んだとしても、1ドル=105円近辺まで。100円を割り込んでドルが売られるような事態は想定しにくいと考えます。

酒匂 米国経済についてはどう思いますか?

佐々木 恐らく第3・四半期までは低成長が続くのではないでしょうか。フィラデルフィア地区のサーベイを見ると、極めて大きなマイナス値が出ています。それだけ、景気のマインドが冷え込んでいるということですが、かつてここまで同数字が下げて、リセッションに入らなかったのは、私の知る限りでは1回だけでした。結構、厳しいところにあるのではないでしょうか。

松本 昨年来、イラクの泥沼化、サブ・プライムローン問題の噴出など、ドルを攻め易い環境にあったのは事実です。やはり米国自体が変革せざるを得ないのでしょう。少なくとも基軸通貨としての地位は、相当程度、下がっていると考えるに越したことはありません。民主党から大統領が輩出されれば、米国経済は大きな変化に見舞われる。特に初年度、2年目は思い切った景気浮揚策を取ってくるでしょう。次期大統領候補にとって、今の景気低迷はむしろ好都合かも知れない。

高橋 米国が利下げへと転じていますから、これはエマージング諸国にとっては景気刺激策でもあります。加えて、エマージング諸国に対する米国の輸出も増えるから、結果的に米国経済にとってもプラスになります。ただ、日本経済に何かを期待するのは間違っていますね。1%成長を維持するのが精一杯でしょう。

酒匂 2008年、どういうスタンスで投資をすればよいでしょうか。

佐々木 円買い。これまで続いてきた円安トレンドは終わりです。急激な円高は期待できませんが、少なくとも普通の通貨になるだけです。為替レートは物価上昇との見合いで決まってきます。その意味では、恐らく1ドル=95円から98円のレベルになったとしても、それほど大きなインパクトにはならないと思います。つまり、その程度に円高が進む余地はあるということです。

松本 私はドル高予想。少なくとも昨年8月後半からのドル売りは行きすぎだと考えています。その時の調整が入るのではないでしょうか。春先以降はドル買いを推奨しています。

高橋 対円ではアジア通貨買い。売りはオージーとポンドです。特にオージーの対円レートは、株価に比べて下げ幅が小さいので、さらなる下げ余地があると思います。またポンドについては、住宅価格の下落と金融の悪化が響いてくるでしょう。ポンドの調整はかなり大きいと考えています。

酒匂 ありがとうございました。

 
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