円安基調は既に終焉 〜為替相場は新しいトレンドへ〜

4つの資産〜満ち足りた人生を手にする鍵

今後、円は「普通の通貨」になる

今後の為替相場を予想していく上で一番重要なのは、2005年から2007年半ばまで続いた「円もドルも弱く、ドル/円はレンジ、クロス円は上昇」という局面はすでに終わったということであります。円はこれから「普通の通貨」に戻ってくる。「普通の通貨」というのは、「余り弱くない」という意味です。そんなに強くはならないのですが、そんなに弱くもならないということです。一方、ドルは今までどおり弱い通貨ですので、結果的にドル/円は下落するということです。


円安が続かない一番の理由はボラティリティ

VIXインデックスというのはアメリカの株の先物のボラティリティ(変動率)を示す指数なのですが、一般に恐怖インデックスなどといわれているもので、世界全体のマーケットの安定度や投資家のリスク回避度を示す指標としてよく用いられるものです。ところで、このVIXインデックスで何が言えるかというと、ちょうどキャリートレードが活発化していた時期のボラティリティが非常に低水準なのです。なぜかというと、基本的には過剰流動性というものがリスクの高い資産にどんどん向かっていったので、マーケットは非常に安定していたということがいえると思います。つまり、ボラティリティが低かったから、(金利差を狙った)キャリートレードが活発になったということです。 しかし、(アメリカのサブプライム住宅ローン問題が顕在化した)昨年の夏以降は状況が一変しました。ボラティリティが再び高くなってしまったので、もはや円キャリー(高金利通貨買い/円売り)は難しいということです。


ドルがまだ下がる理由は米国の基礎収支にあり

日本というのは貿易黒字国ですから、黙っていれば円買いになります。でも、キャリートレードが活発化したときには、円売りのフローがものすごく沢山あったので、円安になってきました。でも、そのフローがなくなるのであれば、貿易黒字の方が多くなるから、円買いになるのです。
アメリカは全く逆です。アメリカは貿易赤字国ですから、何もしなければドル売りのフローが残るわけです。でも、アメリカに投資を沢山しようとする人がいるので、その額が大きくなればドルが買われる訳です。その人たちの資金が引いてしまったら、ドルが売られるのです。特にアメリカの場合には、経常赤字のほとんどが貿易赤字です。(経常収支の内の)所得収支の赤字というのは、必ずしもその国の通貨の売りにはつながりませんが、貿易赤字はその国の通貨の売りにつながります。アメリカの場合は、貿易赤字が経常赤字の大部分を占めるので、ドル売りにつながる訳です。
90年代末から2001年初めまでのITバブル期には、アメリカへのフロー(資本の流入)が非常に増えています。だからこの時期にドルが上昇しているのです。でも、その後、2001年にITバブルの崩壊や同時多発テロがあり、2003年からはイラク戦争が始まり、アメリカへの資本のフローはどんどん減りました。だから、ドルは下落しているわけです。この資本の収支の観点から言うと、ドルは今後2,3ヶ月の間に上昇することはあったとしても、半年や1年の間、ドルが上昇し続けるのは物理的に無理です。売りの方が圧倒的に多いので、ドルは下がらざるを得ないのです。

国際ジャーナリスト 蟹瀬 誠一(かにせ・せいいち)氏
JPモルガン・チェース銀行 チーフFXストラテジスト
佐々木 融(ささき・とおる)氏

1967年生まれ。1992年上智大学外国語学部卒業、日本銀行入行。調査統計局、札幌支店を経て94年から97年まで国際局(当時)為替課に配属され、為替市場への介入や市場調査・分析を担当。98年から2000年まで考査局で実地考査および銀行の財務内容の分析を担当。2000年7月よりニューヨーク事務所において、NY連銀と情報交換を行いつつ外為市場を含めた市場全般の情報収集、調査・分析を担当。2003年4月より現職。日本証券アナリスト検定協会会員。為替アナリスト人気調査ランキング3位(2007年3月22日付日経金融新聞)。



●当社提供のレポート類について
本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。
外国為替保証金取引は元本や利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失が生じる場合がございます。お取引の前に充分内容を理解し、ご自身の判断でお取り組みください。【注】お客様がお預けになった保証金額以上のお取引額で取引を行うため、保証金以上の損失が出る可能性がございます。また取引レートには売値と買値に差が生じます。<取引形態:店頭外国為替保証金取引 委託保証金:各通貨のレート水準により決定(10,000通貨あたり1万円〜100万円、保証金額の150倍以内に設定)売買手数料:『外貨ネクスト』10,000通貨あたり片道300円(10,000通貨未満の場合は1,000通貨あたり片道50円/電話取引10,000通貨あたり片道1,000円)『FXステージ』手数料0円>
株式会社外為どっとコム 〒105-0021 東京都港区東新橋2-8-1 パラッツォアステック4階 TEL:03-5733-3065
金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第262号/金融先物取引業協会(会員番号1509)