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ブッシュ大統領が、バンコックでのAPEC会議に参加する途中、“ぶらり”と日本に立ち寄った。はっきりと、ライス補佐官が東京に“Layover”すると言ったのだから、これは“ぶらり旅”である。
嘘をおっしゃい。米国大統領の旅行プランは何ヶ月も前から周到に準備されており、明らかに今回の訪日の目的は、ドイツ・フランス・ロシアが渋っている、対イラク復興資金をポーンと15億ドルも拠出したお友達、小泉首相に感謝の意を表するためである。そして、ブッシュが言った、“強いドル政策は変わらない。為替相場は市場を反映して決まるべきだ。”と。市場の反応は、“我が国の介入に異を唱えている。これで、介入し難くなった。”と取って、円買いで応じた。
アメリカはしたたかである。一方で“強いドル政策”を標榜し、双子の赤字をファイナンスする資本流入を促す。かたや一方で、“相場は市場が決めるものだ”と言って、あたかも市場介入を牽制するような発言をする。来年の大統領選挙を控えて、確かに通商サイドの意見を無視出来ないことも事実であるから、こういった発言で、ドルが特に対アジア通貨で秩序ある下落をすることは、反対ではあるまい。大した戦略である。
ブッシュ発言に対して、小泉首相も言った、“必要とあらば介入を続ける。”これも、あの大介入を支持した張本人としては、当然の発言である。折角株価も持ち直し、景気にも若干明るさが見え出した今、円高になって元の木阿弥になったら、選挙にも勝てまい。
恐らく小泉首相は、介入を続けてもいい、という言質をブッシュ大統領から取った筈である。15兆円にも上る大介入にも拘わらず、110円を切った現在、介入でもって円安に持っていくのは、もう不可能であろう。但し、これ以上の円高を阻止するためには、相当規模の介入を行うと思う。これも何回か指摘したが、当局も110円を切ったら次は105円。そして、105円を切ったら、マーケットが次は100円をターゲットにすることは、重々承知している。それと、あれだけの介入にも拘わらず結果的には円高になったのだから、今までのような大介入は出ないのではないか、と一部のマーケット参加者(特に海外のSpec.)が侮っていることも知っている。そして、筆者はそういった観測に対して彼らが、“今に見ておれよ!”と満を持しているのを知っている。具体的なレベルを議論しても意味は無いが、暫くは108円は切るまい。かといって、115円台まで一挙に円高是正(円安とは言わない)が起きるとも思わないが、少なくとも九月の第四週に突き抜けた113−114円の窓を埋めてくれればいいなと、思っている。
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