経済指標トピックス2007年7月27日

「消費者物価指数と生産者物価指数〜米国の場合は総合指数とコア指数の結果に注目〜」

為替相場の動向を占ううえでは、物価動向に目を配ることも欠かせなくなっております。なぜかといいますと、物価動向は金融政策の大きな決定要因のひとつになっており、その金融政策の変更によって為替相場が大きく動くケースが見られるからです。つまり、物価動向は金融政策を左右し、それによって為替相場が動くということがあるため、物価動向も重要になってくるわけです。その物価動向のバロメーターとなっている経済指標の代表格が消費者物価指数と生産者物価指数です。

消費者物価指数は家計でよく消費するもの、長期間値段を調査できるものの値段を集計して算出されております。すなわち、私たちが商品を購入する際の価格を集計した指標が消費者物価指数になります。一方、生産者物価指数は製造業者の販売価格を調査したうえで毎月発表されております。つまり、商品を卸売業者に販売する際の価格を集計した指標が生産者物価指数なのです。

さて、消費者物価指数と生産者物価指数では、すべての商品を総合した「総合指数」の他に、物価変動の大きい生鮮食品を除いた「生鮮食品除く総合指数 (「コア指数」とも呼ばれております)」が発表されております。特に、米国では市場の注目度はどちらかというと「コア指数」の方が高い傾向にあります。その理由は、米国の金融政策を決定しているFRB(米連邦準備制度理事会)が、物価変動の大きい商品も含まれた「総合指数」よりも、そのような商品を除外した「コア指数」の方が、今後物価と経済動向がお互いにどう影響し合うかを占うのに適しているという認識を持っているといわれているからです

このように、米国では「総合指数」よりも「コア指数」の方が注目されているため、両者の結果の良し悪しが食い違った時は要注意です。すなわち、「総合指数」が好結果になった一方で「コア指数」悪結果になれば、ドル円下落となるケースが多く、逆に「総合指数」が悪結果になった一方で「コア指数」好結果になれば、ドル円上昇のケースが多くなっております。

去る7月17日に発表されました米6月生産者物価指数は「総合指数」は前月比−0.2%という悪結果になったのに対して、「コア指数」前月比+0.3%の好結果になりました。これを受けてドル円相場は122円ちょうど付近から122円30台にまで上昇しました。ここから見ても、米国では「総合指数」よりも「コア指数」の方が注目されていることが窺えます。

7月17日午後9時〜7月18日午前0時までのドル円相場(30分足チャート)

7月17日午後9時〜7月18日午前0時までのドル円相場(30分足チャート)

しかし、原油高が米国経済に与える影響を懸念する声がここ最近出てきているためか、FRB関係者の中から「これまでは、物価動向を判断する際にはコア指数の方に重点を置いてきたが、これからは総合指数の方に重点を置く必要がある」という意見が出ていると、一部メディアで伝えられております。そのため、今後は総合指数の結果の方が重要視されるケースが出てくることも考えられます。いずれにしても、米国の消費者物価指数と生産者物価指数の結果を見る際には、「総合指数」と「コア指数」の結果を注意深く見ていく必要があります。

なお、消費者物価指数の英訳はConsumer Price Indexとなりますが、頭文字をとって「CPI」という略称で呼ばれることもございます。一方、生産者物価指数の英訳はProducer Price Indexとなりますが、これも頭文字をとって「PPI」という略称で呼ばれることもございます。


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