経済指標の解説2
外国為替相場の動きに経済指標の存在は欠かせません。大きな流れとしては、経済のファンダメンタルズや構造問題、戦争・テロ等による地政学的リスク、金利差相場などがあげられますが、その中で日々の経済指標の結果が大きな流れを更に助長させたり、一旦の調整のきっかけとなったりするのも事実です。簡単な解説ですが、経済指標を見る際にお役立てください。
【消費者物価指数】
- 日銀も金融政策の材料に
- CPIと呼ばれ、一般消費者世帯が購入する商品とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものです。米国では都市地域の全消費者、日本では東京都区部と全国に分け集計しています。
インフレの趨勢をみる指標としては最も一般的であり、金融当局の政策を読むうえで最重要といえます。
【GDP】
- その国の経済成長率を把握
- 国内総生産のこと。ある国において一定期間に生み出された財・サービスの付加価値の市場価格での総額を指します。経済全般の動きをみるには最適の統計ですが、その項目は国によってさまざまです。カナダ以外は四半期ごとに集計され、市場ではおもに前期比もしくは前期比年率が注目されますが、フランスでは前期比伸び率、イギリスでは前期比と前年比の伸び率が注目されるといわれています。
米国では個人消費支出の中で耐久消費財をチェックしましょう。個人消費を把握すると大企業の業績を見極められます。市場動向を予測する上で大きな意義をもつといえます!
【耐久財新規受注(米国)】
- 生産・設備投資に先行
- 製造業新規受注のうちの1つ。製造業新規受注が翌々月の月初に発表されるのに対し、この耐久財受注だけは毎月下旬に前月分の速報値が発表され、製造業受注の全統計発表時に改訂されます。製造業受注のうち、速報として先立って発表されるこの耐久財受注に市場の注目は集まっています。。
製造業新規受注のなかで、速報として発表されるだけに市場の注目度は高く、米国の生産や設備投資に対し先行性があるのも重要指標の理由です!
【ISM景気指数(米国)】
- 企業のセンチメントを反映
- 全米供給管理協会(ISM)が製造業約350社の仕入れ担当役員にアンケート調査を実施して作成されています。主要指標のなかでは最も早く発表されること(翌月第1営業日)、企業のセンチメントを反映し景気転換の先行指標とされることから、注目度はきわめて高いといえます。この指数が50%を超えれば景気拡大、下回ると景気後退を示唆するといわれています。
GDPに先行して景気転換を示唆するところは重要です!
【鉱工業生産】
- 速報性があり景気を見るのに注目度大
- 鉱工業部門の生産動向を指数化したもので総合指数だけでなく、産業別と財別の分類があります。景気総合指数の一致指数に採用されていることからも、景気全般との関係は深いといえます。GDPと比較して振幅が激しく、GDPの発表が四半期ごとなのに対し、毎月発表(スイスでは四半期)されるので、景気実態を把握する指標の速報性という観点からはとても優れている指標の一つです。
GDPとの相関性が強いのが特徴です。米国では発表元がFRBであり金融政策の材料と利用された経緯もあります。
【製造業新規受注 (米国)】
- 設備投資の先行指標
- 製造業の出荷・在庫・新規受注・受注残高からなる。新規受注のうち設備投資の先行指標として見られる非国防資本財受注はマーケットの注目度が高いといえます。ただ毎月の統計値が特殊要因によって振幅が大きく解釈には注意が必要です。また一部では、特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注に注目する向きもあるようです。。
注目指標の耐久財受注とセットで捉えましょう。
【日銀短観(日本)】
- これが一番の円材料
- 正式名称は「企業短期経済観測調査」です。四半期に一度発表され、全国の民間企業約1万社に日銀が直接調査を行うため回答率も高く信頼性も高い指標です。景況感や設備投資計画などをヒアリングしたものです。多くの調査項目の中で最も市場が注目するのは業況判断DIであり、企業に景況感を良い、さほど良くない、悪いの3択方式で解答させ、良いという解答から悪いという解答を差し引いた構成比で算出します。製造業の業況判断DIのピークとボトムは景気の山と谷とぴったり一致していて、これが注目される理由でもあります。
日銀発表のため信頼も大きいです。また景気サイクルと一致していることから注目度大といえます!為替取引をしている方は同時に発表される企業の「想定為替レート」はチェックしておきましょう。実需筋が設定するレートの平均を知ることで、どのレベルをターゲットとして売り買いの注文を出してくるかが見えてきます!
【機械受注(日本)】
- 設備投資に先行
- 内閣府が毎月発表します。翌々月の中旬に発表されます。通常、額が大きく不規則な動きをする船舶・電力を除いた民需ベースで議論されます。それでも月次の動きにはかなりブレがあるので四半期で平均をとるなど工夫が必要であるといえるでしょう。設備投資に先行して動いているため、その先行指標として代表的なものです。一般的には約半年の先行性があるといわれています。
ドル円相場に対して半年程度の遅効性が見られる変わった指標です。一部では、サイクルをつかみ上手に利用すれば、レンジ相場の反転を予想できる指標ともいわれています。
【Ifo景況感指数(ドイツ)】
- ユーロ相場を見るならこれ
- Ifo研究所が旧西ドイツ約7000社の役員を対象に日本の短観と同様の調査・集計を行ったものです。1991年を100とした指数で翌月下旬に発表されます。内容は生産・在庫・受注・価格・雇用の項目に分かれ、鉱工業生産との関連が高く、また発表も早いためドイツの経済指標のなかで最も注目されています。
これを見ずしてユーロは語れません!指標の信頼性のみならず、相場を動かす要因としても注目度大です!
【ZEW景況感指数 (ドイツ)】
- 欧州は景況感の把握が大事
- 民間調査会社であるZEW(欧州経済センター)が経済アナリストに対し調査したものです。向こう6ヶ月の景気見通しに対する予想を回答させ、楽観回答の比率から悲観回答の比率を引いたものです。Ifo指数の1週間前に発表されるため、Ifo指数に対する先行性が見られることから最近注目度が高まっています
注目度大のIfo指数に先行することは、Ifoを占う意味でも大きいといえます!




