HOME外為コラム トレーディングのつぼ
第14回 為替介入について(3)(2004/10/25)

 もう少し、介入の話をしましょう。
 
 介入は効くのかどうかという議論がよくされます。どうなのでしょうか?
 難しい問題ですが、私個人の意見としては、短期的には△、長期的には○ということだと思います。市場がどちらかに大きく動いているときは、そのエネルギーを吸収することは非常に困難です。市場は一方方向に傾き始めると、本来動かなくていい人達まで、巻き込んで行きます。いわゆる「売りが売りを呼ぶ」「買いが買いを呼ぶ」という状態です。
 一般的に相場の性質として、時々、行き過ぎてしまうということがあります。英語ではオーバーシュートするといいます。また、或る人はこうした現象を「市場は間違える」と表現したりしています。
 こうした時は市場対介入の攻防になりますが、市場の勢いが強すぎて、いくら介入しても中々効果が上がらないことがしばしばあります。
 そうすると当局(財務省)は、介入をやり続けることを余儀なくされます。でも、暫くはやってもやっても中々効きません。こういう状態になると、世の中の論調は介入に対して批判的になり、「介入の効果に疑問」とかいった表現が新聞などになられるようになってきます。

 しかし、結局、為替相場は需給で動くので、市場の需給を曲げるぐらいの金額を介入すればいつかは効くというのは当たり前だと思います。最初のうちは、市場もパニック状態になっていて、投機資金などが土石流のようになだれ込みます。それを何度も何度も食い止めているうちに、介入の合計金額が段々膨れ上がってきて、段々需給が歪んでいきます。
 そのうち相場ももみ合いに入り、暫く膠着した後、何かのきっかけで反転を始める。これが一番典型的な展開であると思います。この期間がどれくらいかというと、そのときの環境によっても違います。ただ、総じて見ると、大体数ヶ月たってから反転するということが多かったように思います。

 もう1つお話をしましょう。よく、日本が介入するとき、「米国の圧力で介入ができないのではないか?」といった憶測が飛ぶときがあります。新聞等にもよくそういった論調を見るときがあります。これは本当でしょうか?
 外国為替は2国間の通貨の交換レートですから、円相場を日本で好き勝手に動かしていいものではないのは言うまでもありません。ただ、両国で大まかな政策のすり合わせは随時やっているはずです。基本的な合意の範囲内では、或る程度自由に介入はやってもいい状態であると思われます。まあ、事前に介入をやるよという通知程度はしているかもしれませんが。
 ただ、米国の政府も後ろに支援団体を持っており、国内産業の利益の為にいろいろと政府に働きかけをしてきます。また、議会等で為替政策についていろいろ質問を受けたりもします。従って、米国政府としても、あまりに極端なことをされてしまうと、説明に苦慮したりする筈です。
 ブッシュ政権になってからの日本と米国の関係を見ていると、介入の金額については、あまり気にせずやっているようです。一方、極端な円の押し下げ介入などと取られるような行動はしないよう、レベルを変えてしまうような強引なやり方はやらないよう、日本としても配慮はしているようです。それで世間では「防戦介入」などと表現されるのだと思います。