米雇用統計
2017年9月1日の結果と解説

米雇用統計予想と結果

米雇用統計発表時の相場

米労働省が9月1日に発表した8月雇用統計の主な結果は、非農業部門雇用者数15.6万人増、失業率4.4%、平均時給26.39ドル(前月比0.1%増、前年比2.5%増)という内容であった。

8月の非農業部門雇用者数は市場予想(18.0万人増)を下回る15.6万人増にとどまり、前月の18.9万人増から減速した。また、前月分と前々月分が合計で4.1万人分下方修正されており、「弱含み」の印象が拭えない。ただ、3カ月平均の増加幅は18.5万人と高水準を維持しており、雇用の増加基調に変化はないと見てよいだろう。

8月の失業率は市場予想(4.3%)を上回る4.4%に上昇した。労働参加率が前月と変わらず62.9%であった事を踏まえると、悪化したと言わざるを得ない。ただ、前月の4.3%は約16年ぶりの低水準であり、その歴史的低水準からの0.1%ポイントの上昇を問題視する必要はないだろう。なお、不完全雇用率(やむを得ずパート職に就いている者などを含めた広義の失業率)は3カ月連続で8.6%であった。

8月の平均時給は26.39ドルとなり、前月の26.36ドルから0.1%増加した。前年比では5カ月連続で2.5%増となった。なお、市場予想は前月比0.2%増、前年比2.6%増であり、賃金の伸びに関しては期待はずれに終わった格好だ。この結果からは、インフレ再加速の兆候はほとんど見られなかった事になる。

このように、米8月雇用統計は、予想を下回る項目が多く、全体的に見て冴えない結果であった。もっとも、米景気に減速懸念が生じるほどの弱さでもなく、米連邦公開市場委員会(FOMC)による年内の追加利上げ観測が後退する事もなかった。発表直後こそ、一時的に米長期金利が低下してドル売りを誘ったが、米8月ISM製造業景況指数の好結果もあって、長期金利もドルも切り返した。市場は、FOMCが9月にバランスシート縮小を始めるとの見方を変えなかったほか、12月利上げの有無を判断するには時期尚早と判断したようだ。なお米労働省は、テキサス州を襲った大型ハリケーン「ハービー」は調査を終えた後に襲来した事などから、今回の雇用統計には目に見える影響を及ぼさなかったと報告した。この点も含めて、次回以降の雇用統計の結果が重要な意味を持つ事になりそうだ。

2017年9月1日の
米雇用統計セミナー録画を配信

9/1 とことん質問に答えます!元外銀ディーラーの小林氏が語る相場に勝ち残るためのポイントとは!?

2017年9月1日の
米雇用統計発表前の解説動画

動画解説

米7月雇用統計は、失業率が4.3%、非農業部門雇用者数は20.9万人増、平均時給は前月比+0.3%、前年比+2.5%であった(予想は順に:4.3%、18.0万人増、+0.3%、+2.4%)。これを受けてドル買いが強まった。
春から続くレンジ相場を抜けられずにいるドル/円。この先どんな相場展開が予想できるのか。変化の兆しを捉えるポイントは?元外銀ディーラーの志摩氏に、米雇用統計をからめ今後のトレード戦略を聞く。

米国 経済指標(失業率・非農業部門雇用者数)過去の推移

●免責事項
本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によってに生じたいかなる損害につきましても、当社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。