川口一晃 基礎から学ぶテクニカル教室

「12.マネーフロー・チャート」

(1)マネーフロー・チャート

マネーフロー・チャートというテクニカル分析はあまり聞いたことが無いと思います。これはアメリカで人気のあるテクニカル分析と聞いています。
筆者がテクニカル分析のセミナー等でマネーフロー・チャートを紹介しますとセミナーの後に「もっとこのチャートのことを知りたい」という質問も多く受けます。
今回はこのチャートを紹介したいと思います。

マネーフロー・チャートを簡単に言うと「お金の動きと株価の動きを見るものである」となります。株価が上がればその株を買いに来る投資家が増える、すなわち資金がその銘柄に入ってきます(キャッシュ・イン)。逆に、下がれば売る投資家が増えますので資金が出ていきます(キャッシュ・アウト)。そして、こうした動きに投資家心理が加わって観察されるのがマネーフロー・チャートなのです。

<作成方法>

現在の株価よりも1円でも高い値段で売買が成立した場合には“キャッシュ・イン”ということで成立した株価と株数をかけて売買代金を算出し、その数字を累積売買代金に加えていきます。逆に、1円でも安い値段で売買が成立した場合には“キャッシュ・アウト”としてその売買代金を累積売買代金から引いていきます。

株価×出来高=売買代金
株価上昇時 +売買代金
株価下落時 −売買代金

株価が変わらない限り計算しません。すなわち、株価の変わらないままその値段で何百万株、何千万株という出来高がついても累積売買代金に加えたり、差し引いたりはしないのです。株価が変わったときだけです。

株価の上昇に伴いその銘柄を買い求めている人が増えてきますと現在の値段よりも上値を買ってくる傾向が強いので“キャッシュ・イン”状態になってきます。逆に、その銘柄を売り急いでいる時には“キャッシュ・アウト”状態になります。ということは、株価の動きとお金の動きはおおむね一致しているものだということになります。

マネーフロー/株価図

     

具体的な数値でみていきましょう。

数値


これはバイカイといいますが、売りと買いの状態を示したものです。
“1,010円で売りたい”という株数が10株あったとします。
現在の株価は1,000円です。
さて、次にある投資家が「この銘柄は成長するから1,010円でも是非買いたい」と1,010円を買う(10株)とすると現在の株価よりも高い値段での商いが成立しましたので1,010円×10株=10,100円(キャッシュ・イン)が累積売買代金に加わります。
次に「この銘柄にはもう成長は望めない。990円でもいいから早く売りたい」と990円で10株売る人がいますと990円×10株=9,900円(キャッシュ・アウト)を累積売買代金より差し引きます。
更には以下のような動きになるケースも考えられます。

ある投資家が下落局面にある銘柄に注目したとしましょう。彼は将来的にはこの株は上昇すると考えているので株価が下がっても買っていきたいと思っています。仮に、株価が2,000円から下落してきて1,000円という株価をつけ、その時のバイカイが「1,000円買い/1,010円売り」だったとします。この投資家は「十分に下がったし、この水準なら値上りを大いに期待できる」と判断し買いに入ります。
こういう時の多くは「1,010円でも安い」と考えて今の株価よりも10円高い1,010円で買えたりするものなのです。
このように考える投資家が少ないうちはまだまだマネーフロー・チャートと株価、つまりお金と株価は同じ方向を示し、右肩下がりになっています。
しかし、大きく下がってきたりすると前述した投資家と同じような考えを持つ投資家が増えてきます。そうすると、売り注文に対しても「もう買いを入れてもいいだろう」と買い向かう人たちが出てきます。
つまり、株価は下落トレンドで右肩下がりにも拘わらず、キャッシュが入ってきますのでマネーフロー・チャートは右肩上がりのチャートを描くようになっていくのです。
すなわち、株価のトレンドとマネーフロー・チャートのトレンドが違う方向になったりするのです。この違う方向を示した時は“変化の兆し”と判断できるのです。

株価/マネーフロー図

いったん、株価が上昇し始めると大口の取引も入り始めます。このような段階になりますとマネーフロー・チャート、株価とも完全に右肩上がりになり、本格的な上昇トレンドに移行していきます。

株価が下がるケースも同じです。
株価は上昇しているけれどもマネーフロー・チャートがキャッシュ・アウト状態となり右肩下がりになっていきます。ここでも、株価とマネーフロー・チャートの方向が別々になります。
ある銘柄の株価が上昇している時に、しかもその基調を裏付けるかのような肯定的なニュースが流れようものなら「この銘柄に乗って利益を・・・」と考えたりします。出遅れたかもしれませんがそれでも買う人がいるわけです。
ところが、株価が上昇する前から仕込んでいた投資家は「そろそろ売り時、何事も腹八分目」、「利食い千人力」などと考えながら売りをぶつけてきます。
そうすることによって、違う方向が出てきたりします。
お金の流れは嘘をつきません。お金はみんなが集まってくるところへ行きたがるものです。

また、余談ですが、合併や提携といったニュースで株価が大きく動くときがありますが、その銘柄の日中のマネーフロー・チャートを見ますと前日には株価に変化が無いにもかかわらず、マネーフロー・チャートだけが大きく動いている時がたまに見られます。

マネーフロー・チャートはこういったお金の流れ、投資家の心理を表現したテクニカル分析なのです。

「11.OBV」

「13.ピボット」



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