川口一晃 基礎から学ぶテクニカル教室

「7.オシレーター RSI」

(1)RSI(Relative Strength Index)

次のケースの時、どのように考えますか。

     
  • a.500円だった株式が3日連続上昇して、550円になりました。
    さて、明日は上がると思いますか、それとも下がると思いますか。
  • b.更に、この株価は10日間上昇し続け、値上りして750円になったとします。
    明日は上がると思いますか、それとも下がると思いますか。

もちろん、答えは誰にもわかりません。 なん人も明日の株価を確実に言い当てることなど不可能だからです。

ただ、上述したケースの中でも10日間も上昇し続ければ、心理的には「かなり買われたのではないか・・・そろそろ下がるのではないか」、逆に10日間売られていたのであれば「かなり売られた・・・そろそろ上昇するのではないか」などと考えたくなるものです。

通常、私たちは「買われ過ぎだ」「売られ過ぎた」と言っては、行動が場当たりに的なっています。何とか、一定の基準を設けて「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を客観的に把握したいものです。 そこで登場するのが、RSI です。

RSI は買われ過ぎ、売られ過ぎ着目したテクニカル分析です。
株価が上昇し続ければ、即ち、買われ過ぎと判断し売りを考え、逆に下落し続ければ売られ過ぎという判断をし買いを考えるというものです。

式

<具体例>

式

2日目からが前日比較をできる起算日と なりますので、14日間のデータを取り 込むには15日分のデータが必要になります。

さきほどの公式によると14日間の値上がりした平均を求めますので、まず、14日間の値上がりした合計を求め ます。

(10円+3円+7円+10円+15円+ 15円+7円+8円+5円)=80円

次にこの合計(80円)を14で割ります。

80円÷14日間=5.714

この5.714が公式1のAにあたる数値です。

次に14日間のうちの値下がりした値段の合計を14で割ります。
 (5円+8円+2円+5円+2円)=22円

22円÷14日間=1.571
式

この1.571が公式のBにあたる数値です。

RSI は78.4となります。

そして、翌日(16日目)以降は公式2を使用します。
つまり、A’の計算は以下の通りになります。
5.714×13=74.282に16日目の値上がり幅を足します。ここでは16日に下落していますので0を足します。よって、74.282を14で割ることになります。
74.282÷14=5.306
B’は以下の通りです。
1.571×13=20.423に13(16日目の値下がり幅)を足します。
20.423+13=33.423 33.423を14で割ると
33.423÷14=2.387
16日目のRSI は、
計算式

ここではRSIの公式として2つを(公式1、公式2)紹介しましたが、公式2を使わず、常に公式1の式だけで、つまり、常に14日間のみのデータだけで算出する方法もあります。

そこで、計算されたRSI を表示すると以下のようになります。

日経平均株価 14日RSI

日経平均株価

ドル円 14日RSI

米ドル円

<RSI の見方>

売買の目安としてはRSI の数値が70%以上になると買われ過ぎゾーン、逆に30%以下になると売られ過ぎゾーンに入るとされています。
そして、それぞれのゾーンに入った後に反転した動きになったところで買われ過ぎゾーンの時は売りを、売られ過ぎゾーンの時は買いを考えるとされています。

つまり、RSIの冒頭で述べました「買われ過ぎ」、「売られ過ぎ」を感覚的なものではなく数値で把握するというものです。上図のグラフを見て確認してみてください。

<計算日数>

RSI はその計算日数を変えるとその振幅の回数が多くなります。ちなみに、5日のRSI を見てみましょう。
14日RSI よりも5日RSI の方が70%ライン、30%ラインを越える回数が多いのが見てとれます。確かに14日RSI だとそれぞれのラインを越える回数は少なくなります。銘柄によっては1年間ほとんどシグナルが出ないケースもあります。
逆に5日だと頻繁にシグナルが出ます。もちろん、いいタイミングでシグナルが出ることもあるが“ダマシ”(はずれること)もまた多いのも事実です。
筆者の経験をここで述べさせていただくとすれば、14日のRSI を使用するよりは5日から10日までのRSI を使った方が上手くトレードできた回数が多かったようです。

日経平均株価 5日RSI

日経平均株価

ドル円 5日RSI

米ドル円

14日間という期間に拘らず、計算日数も是非工夫してもらいたいです。
短くした場合に、買われ過ぎ、売られ過ぎの数字を80%、20%などする工夫も有効です。

<逆行>

これは一つの売り買いのシグナルを出す方法です。
RSIが70%ないしは30%のラインを超えているとき、例えば70%以上の時に株価は上昇しているのにも拘らず、RSIの数値が株価の方向(上昇)と逆に下がっているケース。
RSI が30%以下にある時で株価は下がっているのにも拘らず、RSI が上昇していているケース。
このようなケースを“逆行(ぎゃっこう)”と言って有効な売買シグナルとされています。
この場合、RSIの指し示す方向に動くとされています。

<RSI の短所>

RSI は一定の期間変動幅の中でどれ位株価が上昇しているのか、下落しているのかをはかるものです。
よって、ある一定の値幅の中で株価が上位にある(買われ過ぎ)、下位にある(売られ過ぎ)という時には有効なシグナルが出やすいのですが、相場が今までとは違う大きなトレンドで上昇し続けたり、下落し続けたりする場合にはその大きなトレンドを掴み損ねる可能性があるのです。
つまり、トレンドの上昇ないし下降の早い段階で売りシグナル、買いシグナルが出てしまいその後の大きな値幅を取り損なうということがあるのです。

こういう時のために他のテクニカル分析を補助的に使うのも一つの方法です。

「6.MACD」

「8.オシレーター ストキャスティックス」



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