川口一晃 基礎から学ぶテクニカル教室

「4.ダマシ」

(1)ダマシ

前項まではトレンドをつかむ移動平均の話をしてきました。そして、移動平均線を使った売買シグナルに「ゴールデンクロス」「デッドクロス」というものがあると紹介しました。
相場の世界に入り込むとついつい自分の足元が見えなくなるときがあります。今の水準で購入していいものだろうか、今は売った方がいいのであろうか、誰しもが悩みます。そうした時に「売買シグナル」をはじめとした自分の武器、得意技というものがあると大いに役に立つのです。その一助となるものの一つがテクニカル分析であると考えています。

しかし、そのテクニカル分析にも一長一短あり、完全なるものは残念ながら見つけることは出来ません。それでも、どこかに有効な売買シグナルが存在しているのではないかと期待しながら新しいテクニカル分析の本に目を通してしまいます。
そして、いつの頃からでしょうか、今まで自分たちが使ってきたテクニカル分析を自分なりのアイデアを入れながら工夫するだけでも巷で使われているテクニカル分析よりも性能がよくなるケースが多々あるんだということに気がつき始めました。以来、テクニカル分析を勉強するときには基本を学んだ後に自分なりの工夫をしてきたつもりです。

おもしろいエピソードをひとつ紹介しましょう。
ジョージ・ソロス氏とコンビを組んでいたジム・ロジャース氏が来日した際、昼食会で彼の話を聞く機会がありました。その際、同席していた者から「実は、大変素晴らしいテクニカル分析があるのですが、どう思われますか?」という質問が飛び出したのです。しかし、彼の答えは至極簡単且つ明瞭なものでした。「だったら、他人に言わない方がいい」と。もし、読者の中にこれはというものを持っている人、または見つけた人がいるのであれば、黙って一人で使うべきなのです(但し、私にだけそっと教えてください)。
なぜ、人に言ってはいけないのでしょうか。それはみんなが真似る、つまり、みんなが同じ行動をとることによって自分だけの行動であったものが大勢の行動の中に飲み込まれ、仮に「買いシグナル」であったとしてもその効力を発揮することが出来なくなるからなのです。すなわち、「ダマシ」といわれるものが発生します。

前述しましたゴールデンクロス、デッドクロスも残念ながら当たる時もあればハズレる時もあるのです。一体、こういう“ダマシ”は何故起こるのでしょうか?

移動平均線を例に考えてみます。 ひとつには使われている数字がどの銘柄にも同じであるということが挙げられるのではないでしょうか。つまり、いろいろなチャートの本で移動平均線が使われているのですが、そのほとんどは同じ数字、5日、10日、20日、13週、26週などで表示されています。しかし、これらの数字が全ての銘柄に同じようにマッチするのかというとはなはだ疑問です。つまり、銘柄毎に値動きの度合いは異なるので、これらの数字を全ての銘柄にあてはめて同じように利用するということに無理があると言わざるを得ません。
また、仮に「ゴールデンクロス買い」という方法が有効だと投資家の知れるところになりますと、計算をしていつ頃その日がやってくるかを知ろうとします。移動平均は単純平均ですから、現在ないしは明日の株価を多少の幅を持たせて式に代入し計算をすることが出来、それによってゴールデンクロスの時期の予想がある程度出来てしますのです。そして、明日ゴールデンクロスをするのがわかれば「皆が買いに来る前に今日のうちに買ってしまおう」と考え、行動に出る人が現れます。その人数が増えてくると徐々に本来のクロスした際のタイミングがずれてくることが考えられるということです。

表1例えば、5日と10日の移動平均の組み合わせであれば、5日前と10日前のデータを削除し、現在動いている株価を入れて計算してみてください。右の表のように株価と移動平均株価が推移しているとします。10日目の5日の移動平均株価は512円、10日は517円となります。11日目はご覧のとおりです。

12日目の現在、仮に株価が525円で推移しているとしたら終値を待たず525円を入れて計算してみることが出来ます。そうすると、5日の移動平均株価は518円、10日は517円となり、ゴールデンクロスとなるわけです。そこで、株価がいくら以上だとクロスをするのかを計算してみると520円以上でクロスすることがわかるのです。そうであれば、520円以上の株価になりそうであれば、先回りして他人よりも早く買いにいくことになります。

ここでは、5日と10日の移動平均を使って計算しましたが、使用する移動平均の日数が長くなれば、このような計算は2,3日前からも可能となってくるのです。そして、早く計算して動く投資家が出現することによって、ゴールデンクロス実現へ向
けて加速します。


何故なら、ゴールデンクロスになりそうだからと買いが増えることによって、実際に株価は上昇ないしは堅調な動きとなり、ゴールデンクロス可能な株価へと上昇しやすくなるからです。そして、ゴールデンクロスをした時には、その地点で買う人よりも既にゴールデンクロスを予想しその手前で購入して売り場を探している投資家の売り注文が待ち構えているということになったりするのです。つまり、ダマシの出現です。

株価

(2)移動平均線と株価の位置

さて、そこで株価と長・短2本の移動平均線の位置を考えてみることにしよう。

株価と2本の移動平均線との位置というのは4通りあります。つまり、株価が長・短の移動平均線より上にあるか、下にあるか。はたまた、短期の移動平均線よりは上だけれども長期の移動平均線よりは下。またはその逆で短期の移動平均線よりは下だけれども長期のそれより上の都合4パターンです。
“株価がどの位置にいる時に買うのが一番いいのか?”こう質問すると多くの人がチャート上の“一番底の部分”つまりそこは株価が2本の移動平均線の下にいるケースを答えます(A点)。しかし、天井をつけた後、下落し始めた株価の位置に注目してみると、遅かれ早かれ2本の移動平均線よりも株価の位置は下になっています(A´点)。

次に株価が長・短の移動平均線よりも上の場合はどうでしょうか(B点)。確かに長短の移動平均線よりも上に株価が飛び出したところから大きく上昇しているケースは多いのですが、この移動平均線より株価が上にいる位置というのは天井の手前でも同じケースなのです(B´)。ということは、2本の移動平均線よりも株価が上にいるからといって安心できない、つまり買った直後から下落トレンドに入る可能性があるということです。

そこで、提案です。

株価が短期の移動平均線よりも上で長期の移動平均線よりも下の位置というのはどうでしょうか(C点)。実はこの2本の間というのは株価が底を打って出直る時に通る場所なのです。大底では株価を買えないけれども底を打った後に、出直り、上昇始めたところの場所なのです。

このポイントのことを「IPゾーン」と呼んでします。「インベストメント ポイント (買いのポイント) の範囲」という意味です。つまり、買い注文を入れてもよいと考えるゾーンではないかということです。もちろん、相場の世界に“絶対”はないので、このIPゾーンから下へ更に下落することもありえますが、株価と移動平均線の位置を考えた場合には有効なポイントの一つであると考えてもいいのではないでしょうか。

更に付け加えるとすれば、下落トレンドが続いていた長期の移動平均線が“なるべく横這い”になった時点で株価が上記のポイントに入るのが望ましいと考えています。長期の移動平均線の下落トレンドが続いている段階でも一時の株価の戻りで長短移動平均線の間に入ることが起こりえるので長期の移動平均線が横這いになったところを薦めているのです。

IPゾーン

ユーロ円

米ドル円

「3.トレンド」

「5.エンベロープ」



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