マット今井『トレーディングのつぼ』コラム

第326回 ”米国長期金利が示すドルの限界” (2011/5/25)

アメリカの景気の先行きについて不透明感が益々強くなっています。特に心配されているのが住宅市場です。5月17日に発表されました4月米住宅着工件数は年率換算で52万3000戸と予想の56万9000戸を大きく下回っています。また3月と比べても10.6%のマイナスと大幅な落ち込みを見せています。同日発表されました建設許可件数に関しても、年率換算で55万1000戸と予想の59万を割り込み、また前月比も4%のマイナスとなっています。私はかねてから、アメリカの景気回復の鍵となるのは、雇用環境と住宅市場だと話をしてきましたが、その住宅市場は低迷を続けている状況にあるということです。住宅市場の回復はFRBの金融政策にも大きな影響を与えます。今回の結果で益々アメリカの金融緩和政策からの転換が遠のいてしまったように思います。実際にアメリカの10年もの国債の利回りを見ますと低下傾向が続いており、直近では3.10%程度と昨年の12月以来の低水準となっています。金利の市場も当面アメリカの利上げはなさそうだという判断をしているということがわかります。ドル相場は一般的に米国の長期金利の動向に大きく影響されることは周知の通りですので、ドルは少なくとも上昇しにくいということが考えられます。ただ、それ以上に相手側の通貨に問題がある場合は別です。現在、ユーロ圏各国の格下げ、信用不安の拡大などが再び起きていますが、こうしたことが起きるとそちらからより影響を受けてドル金利の動向からの影響がかき消されてしまうということもあるわけです。

ドル円に関して言えば、円サイドにはさほど大きな変動要因がありませんので、ドル金利の影響を受けやすいと考えることができます。
ではドル安に向かっていくかというとそうでもありません。下のIMMのポジション動向を見ていただきたいのですが、既にマーケットではドル円はショートポジションになっていることがわかります。このように既にドル円の下落方向にポジションが傾いている状況では中々すんなりと下落してくれないのが世の常です、であるとするならば、やはり当面ドル円はレンジ相場になってくると考えておきたいと思います。基本的にはドル安方向にリスクがあると思いますので、ドルの戻り売りを中心に戦略を練る時期ではないでしょうか。売りの目処となるゾーンとしては、82円台前半から半ばあたりとしておきたいと思います。

 

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