マット今井『トレーディングのつぼ』コラム

第319回 ”日本企業によるリパトリは当面少ない公算” (2011/3/29)

忌まわしい大震災から既に2週間以上が経過しました。しかし、未だ原発の問題が進行中で緊張が続く日々が続いています。政府だけではなく、国全体で緊張感を持って取り組んでいかなければなりません。

そうした状況とは裏腹に金融市場は混乱から安定に変化してきています。日経平均も一時8000円をも割り込もうかという勢いでしたが、その後反転し、現在は9500円を挟んでの揉み合い相場に入ってきました。為替市場もここのところ落ち着いた動きをしています。その他の市場も比較的落ち着いた動きとなっています。原油価格もリビア情勢がまだ混沌としていることなどから高止まりしていますが、それでも1日の振れ幅は小さくなってきています。これからしばらくはこういう落ち着いた動きになってくると思います。

さて、今回の震災に関して、一部では保険会社が保険金の支払いのために海外にある資産を売って円に戻すのではないかという観測がでていました。この件に関していろいろ調べてみましたが、どうやらそういう動きはあまりでてこないというのが結論です。

まず、損害保険会社ですが、今回は火災保険、地震保険などの支払いが生じることになります。あまり火災はありませんでしたので、問題は地震保険ということになります。国民全体の中で地震保険に入っている人は4分の1弱ということだそうです。宮城、岩手はそれより多いらしいですが、福島は平均よりも少ないということで、それほど全国平均と大きくは違っていません。その地震保険ですが以下のような仕組みになっています。支払総額1150億円までは全額を民間保険会社が負担する。1150億円超〜1兆9250億円は官民で折半する。1兆9250億円を超えた分は民間が5%、政府が95%を負担するという仕組みです。ちなみに1回の地震による保険金の支払い総限度額は最大5.5兆円までとなっていて、それを超えると1人当たりの受取額が減らされるという可能性がでてきます。損害保険会社の関係者から聞いたところでは、損害保険会社が払う保険金に対する準備は国内に十分あるということでした。

また、生命保険会社のほうも協会関係者に聞いてみました。こちらも支払いに対しての流動性は十分に確保しているということでした。

海外の投機筋がこうした可能性を狙って円買いを仕掛けていましたが、そこに介入が入ってあぶりだされ、更に保険会社によるリパトリが起きる気配がないということで円買いの仕掛けから撤退しているといったところでしょう。

むしろ、これからは国内での生産活動が止まっていることで、貿易収支が赤字になってくる可能性もあります。そうした現象が起きてば、円安気味に推移するということも起きてくるかもしれません。

極端な円高リスクは去ったと考えて、当面は一時的に円高方向に向いたら、円売りをしてみるという軽いトレードを軸とすればいいのではないかと思います。

バックナンバー一覧

●当社提供のレポート類について
本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。

スプレッド縮小キャンペーン

トランプ政権の焦点

上限なしキャッシュバックキャンペーン

高金利通貨キャッシュバックキャンペーン

口座開設キャッシュバックキャンペーン

メキシコペソ/円のポイント

FXブログ